Puro Sangue 2007 Livernano

トスカーナ州の赤 > Livernano

更新履歴 2012/03/06
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販売価格

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プーロ・サングエ 2007 リヴェルナーノ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョベーゼ/フルボディ》


最初のオーナーであるマルコ・モンタナーリ氏はスイス人医師。ワインに取り憑かれ、医師を辞めて1993年にリヴェルナーノを立ち上げました。ステファノ・キオッチョリをエノロゴとして初めて雇い入れたのも彼で、彼の好きな葡萄品種は‥ピノ・ノワール‥実験的な醸造を経て、1995年に初ビンテージを迎えます。時は流れモンタナーリ氏はリヴェルナーノを離れ、エミリア・ロマーニャ州のブルジゲッラという小さな村で新たにスタート。トスカーナIGTを基軸とする生産者のオーナーが代わった‥という話は枚挙にいとまがないが、現在のオーナーで落ち着いたかな?ラッダ・イン・キャンティの生産者としてはややモダンに針を振る傾向にあるが、その美味しさはとてもわかりやすく、愛らしいエチケッタとともにもはやお馴染み、定番となりましたね。


キャンティ・クラッシコDOCGエリアの中心部…ラッダ・イン・キャンティ地区。街から少し離れた高台に醸造所を構えます。ラッダ・イン・キャンティ地区は、他の地区よりも標高が高いのが特徴で、リヴェルナーノの他には、モンテヴェルティーネや、テッラビアンカなどが同地区にアジェンダを構えます。その高い標高は650mあたり。高台がゆえ、日照量は多いが、気温は相対的に低めで、傾斜の強い畑なんですね。

リヴェルナーノの建築は12世紀から13世紀に建造された古いもので、敷地内には1031年の文献にも記載されている古い教会もあるとか‥。マルコ・モンタナーリ氏の時代から改築が始まりましたが、それも近年完成。マルコ・モンタナーリ時代と違うのはセラーが移築されたことと‥(完全な温度管理になったそうです)醸造にグラヴィティシステムを導入したことだそうです。(グラヴィティシステムとは重力に逆らわずに‥収穫した葡萄を搾って発酵させて熟成させて‥な一連の作業が上から下へ‥なシステムね)

現在のオーナーは、ボブ・クイッリオ氏とオーストラリア出身の妻、グドラム夫妻。ボブ・クイッリオ氏は、元々、フロリダのパームビーチで美術の取引や、劇場の興行に携わっていたそうで、ブロードウェイを中心としたアメリカ国内のみならず、ヨーロッパや、オーストラリアを駆け回っていたビジネスマンでしたが、2002年、夫婦でリヴェルナーノを訪れたのがきっかけで、ワインの生産者になることを決意‥マルコ・モンタナーリ氏からリヴェルナーノを引き継いだようです。ちなみに‥マルコ・モンタナーリ氏時代から、洒落たアグリツーリズモも経営してましたし、最近では、ウエディングパッケージ‥なんてのも掲載されてますね。また、ワインのみならず‥ジャムにハチミチ、オイルなんかも販売しているようです。

現在リリースしているのは、リヴェルナーノ、プーロ・サングエ、キャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ、キャンティ・クラッシコ。白のアニマ。グラッパ系は、グラッパ、グラッパ・リゼルヴァ、グリンのようで、特に変化はありませんが、同じ醸造所ながら、カサルヴェントという別ブランドもあり、こちらは買い増しした畑からの葡萄で造られ、違う個性、キャラクターが与えられており、近年まではエノテカ・ピンキオーリ独占だったワインもございます。


haあたり6666本で植樹されているサンジョベーゼは、haあたり30hlの低収穫。雑味を抑えるためにピシャージュは行われず、ルモンタージュのみ施されます。ピシャージュもルモンタージュも、発酵時に、浮かんでくる果帽を果汁と接触させるための作業ですが、ピシャージュは、浮かんでくる果帽を上から押さえつける作業で、ルモンタージュは下から抜き取った果汁を浮かんだ果帽にかける‥と考えて下さいね。

発酵は25Lのバリックと大樽。350Lのバリックよりも一回り大きい樽(ながら小樽)で約18ヶ月熟成は、キャンティ・クラッシコと同様で、葡萄の糖度の高さのみを重要視するのではなく、糖度と酸度のバランスを‥。225Lではなく350Lのオーク樽は、十分な酸素供給を可能にしながらも、ワインに与える樽のニュアンスを絶妙にコントロールできる‥という考えからのものです。そんな350Lの樽熟成後は、大樽に移して、約6ヶ月の追熟成が施され瓶詰めされます。2004年、2005年と新しいオーナーの下でプーロ・サングエは生産されませんで、2006年から復活となったようです。ヴェロネッリ誌2011年度版ではその畑面積は1ha、生産本数3,300本となっておりますので、その間に畑ごと見直されたのかもしれません。ちなみにヴェロネッリ誌2011年度版★★★90点(D.T)。


独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味


プーロ・サングエは、キャンティ・クラッシコと違い、スクリとしたトスカーナIGTらしいロングボトル。紺色地のピンク色のチェック柄の中にはヤッターワンがちりばめられています。向って左上に「PEEL」という文字がありますのでラベルはリサイクル、エコな観点から剥がしやすいようになっているのかもしれませんが、ちょっと紙質と印刷が合ってないような気がします。紺色地は所々、端が擦れて白地が見えてたりするのはちょっと残念。表記のアルコール度数2006年よりも0.5度高いは14度となります。グラスはまずはオヴァチュア、そしてブルゴーニュ型を想定。

そのCC2007より1.5段階深い色調。香りはCCよりも新樽香が顕著ながら、あっさりとした甘味あるヴァニラ香に、よく熟したチェリーに、深く甘味あるスミレの香りがたっぷりですね。サンジョヴェーゼからなるトスカーナIGTの想像を逸脱するこなく期待に応えてくれる香りにはうっとり。口に含みますと、とてもやわらかくまとまった果実味、酸味、渋味ともにレベルが高いですな‥こし餡っぽさ、サンジョヴェーゼ特有の粉っぽさがしっとり濡れている。とても洗練されたミディアムっぽさもあるフルボディで、アリウコールの厚みも気にならない。余韻まで一貫してサンジョヴェーゼのオーラ。2006年ほど鉛筆、カーボンの要素は少なめ。ただし、その酸味に粉っぽさ(濡れてるけどね)がとても上品に感じさせ、この酸味…好きだなぁ。うん、さすがプーロ・サングエ‥旨いです。

二杯目はブルゴーニュ型グラスで。より香りにアルコールに誘発されるようなコク味を感じます。甘味ある香りの一部にシューのような香りがなくもない。バターの甘味的な香り。やっぱりプーロ・サングエはブルゴーニュ型グラスも似合う。より樽のローストしたニュアンスも前に出て感じ、そこにCCとの共通点も感じる。とても酸味がキレイ。共通項はリヴァルナーノらしさだが、CCと、プーロ・サングエ‥飲み比べればよくわかる。CCはあくまでもキャンティらしいさ、プーロ・サングエはなおさらIGTらしい洗練さを持っている。

二日目もブルゴーニュ型。キャンティ・クラッシコの二日目とは違い、香りは大人しい。口に含みますと、うん、さすがになめらかだなぁ。酸味、渋味の質がワンランク上を実感。やはり2006年ほどチョークや、カーボン的な要素は少なくしっかりと果実の香味が濡れています。果実由来の甘味が心地よい。もちろんピノ・ノワールではないが、いっそボトルもブルゴーニュ型にすればいいのに‥と素直に思う。ボトル形状から飲み手の先入観というのはあるはずだ。フランスが基軸としたワイン業界では、ボルドーっぽい、ブルゴーニュっぽいに大別され、そのアイコンとしての瓶形状もあるはずだ。まさかカベルネソーヴィニョンがブルゴーニュ型ボトルに入っていると違和感‥あるでしょ?三日目もストレートにサンジョヴェーゼの旨味。さらにまとまり香りは二日目よりも開いてきました。注いでから時間をかけてあげるのもポイントとなるかもしれませんが、さほど神経質になる必要もなく、やっぱりプーロ・サングエはプーロ・サングエらしいエレガントなサンジョヴェーゼの姿を見せてくれますね。

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