Coste della Sesia Nebbiolo 2006 Antoniolo
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コステ・セッラ・セシア ネッビオーロ 2006 アントニオーロ
《イタリア/ピエモンテ/赤/ネッビオーロ/フルボディ》
ガッティナーラ地区‥ピエモンテ州は、ヴェルチェッリ県内の地区なんですね。ピエモンテ州の北西部に位置し、すぐ西側は、ヴァッレ・ダオスタ州、ちょっと南東に車を走らせれば、ロンバルディア州の州都‥ミラノに行く方がトリノに行くよりも、よっぽど近い場所にあるんです。
そこで醸されるのが‥ガッティナーラDOCGなんですね。DOCG規定では、スパンナ(この地でのネッビオーロの呼び名)は90%以上と規定されており、ボナルダを10%未満のブレンドが可能となっています。
ガッティナーラ地区は、アルプス山脈の山裾にあり(Google Mapの"地形"で見ると‥一目瞭然)南部のランゲ地区と比較すると、冷涼が地域となります。よって、なかなかスパンナが熟し難い‥とも言われていますが、気候温暖化が進めば、ランゲ地区よりもよい産地になったりして‥な妄想もできなくもありませんね。
また、ランゲ地区の丘陵地は、元々は海底だったそうで、海の生物は、時間を掛けて石灰質のチョークとなり、チョーク質の粘土が、ランゲ地区の特徴。しかし、ガッティナーラ(や、ゲンメなど)ノヴァーラ丘陵や、ヴェルチェッリ丘陵は、元々は氷河だったそうです。もちろんそれは、アルプスに由来し、花崗岩主体の土壌であることが、この地域の特徴なんですね。
葡萄栽培には、土地が痩せ過ぎで、その冷涼な気候も相まって厳しい地域、ワインはミネラル分が強く、完熟しにくいことからも、熟成に時間を要する固い印象になるそうです。
とはいえ、ガッティナーラ地区で、スパンナ(ネッビオーロ)は作り続けられ、DOCGにも認定されている銘酒のひとつであるわけですね。かのマット・クレイマー兄さんの著書「イタリアワインがわかる」でガッティナーラの項を見れば‥このアントニオーロをベタ褒めしてますよ♪
1948年‥マリオ・アントニオーロによって設立されたアジェンダで、ガッティナーラの丘の南面に約15haの畑を所有しています。中でも、ガッティナーラを代表する単一クリュであるレ・カステッレ、オッソ・サン・グラート、サン・フランチェスコも保有し、それらの単一クリュなガッティナーラを少量ながら生産しています。
現在は、ロザンナと、その娘のロレッラ、息子のアルベルトの三人での運営ですが、ヴェロネッリ誌には、エノロゴとしてフランチェスコ・ボルトレッティ氏の名前が‥輸入元の資料では、アッティリオ・パーリ氏の名前が挙がっています。
僅か15haの畑ではありますが、そのスパンナ(ネッビオーロ)の樹齢は高く、古いもので60年‥平均して40年以上の樹齢を誇ります。
前述の通り、単一畑も三つ所有していますが、スタンダードなガッティナーラのコストパフォーマンスは実証済。今回は、新しく輸入されたコステ・デッラ・セシア・ネッビオーロなるワイン。ガッティナーラは名乗りませんし、スパンナではなくネッビオーロを名乗るアントニオーロのスタンダードなネッビオーロと位置づけられているようです。
しかし、そんなガッティナーラを名乗らないスタンダードなクラスでも、その樹齢が50年以上というのがアントニオーロらしいですね。もちろんミネラルに富む、火山性土壌で、砂質も混ざる2haの畑から収穫されるネッビオーロが使用されています。
ヴェロネッリ誌2010年度版では、この2007年が初登場なクローバーマークで紹介されており、2ha、10000本と記載され87点の評価となっています。
コスタ・デッラ・セシアはDOC名なんですよ。ピエモンテ州は、ヴァルチェッリ県(ガッティーナラ地区はこの県に含まれます)で、認定されたのは1996年のようですから、まだまだ無名なDOCですね。このDOCに内包されるのは、ガッティナーラDOCG、ブラマテッラDOC、レッソーナDOCとなるようです。
赤ワインの規定は、ネッビオーロ(スパンナ)とボナルダ、ヴェスポリーナなどで50%以上で、その他が50%まで‥となっていますね。このアントニオーロのコステ・デッラ・セシアはネッビオーロ(スパンナ)100%となります。
火山性の溶岩に由来する土壌は、南向きの斜面で、1960年、1970年、2001年、2003年という植樹年で、平均樹齢が50年を越すネッビオーロからなります。手摘みでの収穫後、ステンレスタンクで8日〜10日間の醸しを行い発酵。熟成はステンレスタンクのみで約9ヶ月となります。ネッビオーロらしさ‥満開の酒質は、ぜひお料理と共に‥♪
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
ボルドー型の瓶、ラベルデザインはガッティナーラDOCGを名乗るワインとは違うデザインでシンプルなものですが、悪くありませんね。「Juvenia」という名前が付けられているようですが、詳細はわからず‥ですみません。表記のアルコール度数は12.5度なほどほど加減が良さ気‥。コルクはなかなかの質の5cm。グラスはまずはヴィノムのボルドー型で飲んでみます。
色は薄紅のような優しい紅色で、底が透ける透明度がありますね。グラスから放たれる香りは、イチゴジャムを作るために鍋で火を通したイチゴ‥でも、まだグラニュー糖は入れてない‥な、感じのイチゴ香、ほのかに甘味を帯びるチェリー、石灰などのミネラル香も豊富ですね。非常にチャーミングな果実香ながらエレガントですね♪
口に含みますと、その色からは想像できないほどの密度がありますね。ミディアムではありますが、密度が高いので口の中を満たす液体の弾力で、それ以上のボディを感じます。酸味は高音から中音のレンジ‥高音の部分もあるものの、キツくは感じさせませんね。湿った土壌、葉っぱ‥香草‥非常に複雑な香味を持ちます。
そのガッティナーラ同様、潤いを感じさせ、とてもタッチがやわらかくシルキーですね。この地区のネッビオーロというのは、とても真面目ですね。チャラチャラしてないんです。
ミネラルが豊富ですね。良いミディアム具合。上質の酸味ではありますが、もっと溶け込んでくると思います。味わいに、甘味は少なめで、食中酒だなぁ。料理が欲しくなります。ネッビオーロ好きのお客様に、オススメできますね‥アントニオーロってほんと好きですわ。
試しにブルゴーニュ型で飲んでみます。ああああ、香りの量がハンパないですねぇ。表面性が広いから当然ですが、もっと密度、濃さを感じる香り。口に含みますと、ボルドー型よりも高音の酸味が大人しく感じられますし、旨味がおだやかに広がります。
うん、ブルゴーニュ型がイイ♪
いやぁ香りが一段と良くなった。とてもエレガントなミディアムになりますね。もちろん好みですが‥西野嘉高はこっちの飲み口は軽やかさがあるのも好きです。ブルゴーニュ型グラスで飲むと、この酒質がまるでブルゴーニュを飲んでるかのように思えてきます。
ちょっとツンデレな感じの可愛い女子的かな。親しみやすいんだけど‥一線のカードは固い感じ。あまり下ネタはドが過ぎてはいけない‥そんな感じですね。(←わかるかなぁ)
二日目です♪まずはオヴァチュアで飲んでみます。相変わらず果実香がチャーミングですが、イチゴがちょっとキャンディーちっくになってきました。口に含みますと‥おおおおイイねぇ‥昨日はボルドー型から大きくしてブルゴーニュ型にしてみたのですが、小さめもいいかもね‥。より引き締まった感じ。ハミガキ粉系のハーブ、ミント‥がヒントですね。それにしてもエレガントなミディアム具合。果実香もちゃんとあるし、なかなか複雑で‥ステン仕上げらしい冷涼なネッビオーロですね。
酸味は十分で、どこか‥エレガントなサンジョベーゼに通じる‥いや、イタリアワインの酸なんだろうな♪
念のためにブルゴーニュ型でも。うん、こっちも好き♪どっちでもええな。今宵のワインの肴は、極太アスパラの豚肉巻き‥なんですが、イイっすね♪このワインの酸味が豚肉の塩胡椒系と‥しかもケチャップちょい乗せだし‥アスパラの緑な野菜の香り、味がハーブ系とリンク♪
確かに、ランゲのネッビオーロとは違うかもしれない。しかし、ネッビオーロらしさ‥を品種として捉えれば、このワインはらしさ‥があり、とても良いワインですね。
三日目です♪グラスはオヴァチュアです。グラスから放たれる香りは、さらにまろやかさ‥を増しました。アメリカンチェリー、ブルーベリー、口に含みますと、酸が内側へのベクトルに‥そして内側から反発するように広がるボディ感。塩味もおだやかになってきました。ミネラルは一番外側から、やわらかさを持つ果実の膜が一枚‥。最後の余韻に、スミレ、蘭のような香り‥うーん複雑だ。
含み香に個性がありますね。スパイス、白と緑のハーブ香、ガチガチではない構成感も感じます。アントニオーロは、ほんと品種、産地に素直でピュアな生産者ですね。
ネッビオーロ好きの客様‥ぜひぜひ♪
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