Chianti Classico 2021 Bibbiano

トスカーナ州の赤 > Chianti

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更新履歴 2024/11/13
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キャンティ・クラッシコ 2021 ビッビアーノ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ/ミディアム》

ビッビアーノ家がアジェンダを興したのは1865年。現在は5代目となるトンマーゾとフェデリコ・マッロッキエージ・マルツィが運営しており、カステッリーナ・イン・キャンティの海抜270mから300mの丘に約33haの畑を所有します。栽培するのはサンジョヴェーゼ(・ピッコロ)とサンジョヴェーゼ・グロッソ、少量のメルロとコロリーノとなります。近年は、トレッビアーノや、マルヴァジアからの白、サンジョヴェーゼのロゼなどもリリースしています。

ビッビアーノと言えば、かのジュリオ・ガンベッリ氏が手がけていたことでも有名ですね。1925年、ポッジポンシに生まれたジュリオ・ガンベッリ氏は14歳の頃からトスカーナ最大の生産者であった「エノポリオ・デ・ポッジ・ボンシ」で働き始めました。ブルネッロ・ディ・モンタルチーノの基礎を築いたタンクレディ・ビオンディ・サンティに才能を見いだされ、サンジョヴェーゼの研究も行います。1942年、ジュリオ・ガンベッリが17歳の時に初めて手がけた生産者がこのビッビアーノだったんですね。ジュリオ・ガンベッリが1950年にモンタルチーノから移植したクローンを栽培し、ビッビアーノの土壌に合うように改良されてきたそうです(つまり出所は‥)。ジュリオ・ガンベッリは2004年まで従事し、2012年に没後は2000年から参加した若きエノロゴ兼アグロノモのステファノ・ポルチナイ氏が継いでいます。

スタンダードな(ブラックラベル)キャンティ・クラッシコ、そしてこのキャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ、クリュ名の付くリゼルヴァ、モンテルネッロも近年グラン・セレツィオーネに格上げした模様。ヴィーニャ・デル・カパッニーノのクリュ名の付くグラン・セレツィオーネもあり、CC1種類、CCR1種類、CCGS2種類の合計4種類のキャンティ・クラッシコをラインナップします。

このスタンダードなキャンティ・クラッシコは全上級クラスの共通セカンド的な位置づけでもあり、ビッビアーノが所有する畑合計30haの全てからのブドウが使われています。なお、植樹は1966、1998、2000、2002、2005年のものですが、総面積が以前の情報よりも増えていますので、変更があるかもしれません。畑は南西と、北東向き、すべての畑が対象ですが基本的には若い樹からのブドウが使用されます。2013年の5%、2014年の3%とコロリーノの比率が減っていましたが2015年からはサンジョヴェーゼ100%となります。醸造はステンレスタンクで16日間の醸しと発酵、12ヶ月のセメントタンクでのマロラクティック発酵と熟成が行われ、樽は使用されません。

お馴染み過ぎるビッビアーノのブラックラベル。コルクはまあまあ、できればもうひと頑張りの4,5cm。グラスはシュピゲラウのディフィニッション、ユニバーサル型。色調はやや黒さを感じますが、明るいルビー色のCCらしいもの。樽熟成はさせてないんだけれども、どこかほんのりとローストやスモークな樽の風味を感じるような気もしますが、ビッビアーノらしいサンジョヴェーゼの香りですよね。注ぎたては揮発するようにスミレの香りが顕著ながら落ち着くとチェリーなどの果実香もしっかり開いています。おっと書き忘れてましたが、表記のアルコール度数は14度。口に含みますと、無理のない密度感はミディアムで、心地よい酸味に苦味を伴う渋味、思った以上に余韻も長い。なるほど、例年よりも少し色調も暗いんですが、余韻も長く、余韻だけが長くなったわけではなく、全体的な構成要素の複雑さや、質量も多く感じますね。でも、無理のないステップアップ感。なるほどおいしい。

ほろ苦さには、やっぱり樽の風味を彷彿させるんですが、どうなんでしょうね。正直、長らくテクニカル情報は更新できてませんが、何かが変わったか?基本的なビッビアーノのサンジョヴェーゼのスタイルに変更はないが、この生豆を軽くローストしたて‥みたいな感じはなんなんだろうな。酸味と渋味の質はかなり良い。こんな若いのに‥というか、荒さ控えめ、粒が細かい。丸いミネラルがあり、すでに旨味もそれなりに感じる。二日目、三日目とさらにジューシーに旨味も増すとは思うが初日でも十分なのはCCならではだし、初日こそ、お料理と合わせたいワインでもある。トマトとの酸味や旨味との相性は良いはずですし、焼き鳥もいいだろうな‥タレ?いや塩で鶏の脂がジュンとしてるのをこのワインで流したい。焼きトンとかもいいですね。炭火のローストほどほどの焼いた肉が合いそうですが、トマトを使ったサラダに、カリカリベーコンとか、軽めの黒酢のお料理なんかもいいのかもしれません。

時間経過とともに、より馴染みとまろやからが増します。じんわりとジューシーでスタンダードなCCかと思うと、2021年のビンテージの良さを感じられます。レンテンナーノのCCほどイレギュラーに良いとまではいいませんが、確かに2021年は複雑さや構成感が増しています。

二日目はよりベリー系の香が溢れます。ブドウの皮由来のスパイス、初日よりも幾分軽やかに感じるのは筋の通った酸が伸びやかだからかも知れません。落ち着いた二日目。より食中酒よりの二日目という感じですね。2000円台前半でこの品質なら十分におつりがくる。頂き物のチーズの詰め合わせ‥レッドチェダーでも大丈夫。パルメザンチーズはなお合う。やっぱりチェダー系はハンバーガー(グ)の上でトロける方が似合う。14度ですが飲みにくさはありません。思う存分サンジョヴェーゼだし、キャンティ・クラッシコ。スパイスがまた複雑味を増してますね。あくまでもミディアムなんですが、飲み応えがありますね。負けてません。いやあ、お買い得、ビッビアーノってエライ。

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