Vin Soave Soave Classico 2021 Inama

イタリアの白ワイン

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更新履歴 2022/09/15
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ヴィン・ソアヴェ・ソアーヴェ・クラッシコ 2021 イナマ
《イタリア/ヴェネト/白/ガルガネーガ/辛口》

ジュゼッペ・イナマ氏がソアーヴェ・クラッシコ地区の中央、モンテ・フォスカリーノの上部斜面に位置する最良の畑を購入したのは1950年。以降70年余りが経過しますがコンサルタントに頼ることなく自らの経験や研究、蓄積したノウハウによってソアーヴァの第一人者となりました。

ソアーヴェはイタリアを代表する白ワインでありヴェネトを代表する地酒でもありますが、大量生産品のイメージを持たれるかもしれません。大量生産品には二種類あります。粗悪なものと、上質なもの。上質なものを少量のみ造るよりも上質なものを大量(≒安定)に造るのとでは後者の方が困難を極めます。

ジュゼッペ・イナマが目指すのは‥どちらも。かもしれません。世界市場にも通用するガルガネーガの表現、ソアーヴェの品質向上に寄与してきました。また、ソアーヴェ・クラッシコの土壌は火山性土壌。そこで彼がまず選択したのはソーヴィニョンブランでもあります。また、1990年にはソアヴェから南東にあるコッリ・ベリーチ地区の石灰粘土質の土壌に畑を購入、日照量も多いその土地に適したブドウはカベルネソーヴニョンや、カルメネーレと判断し挑戦し続けています。2010年にはステヴァノの長男マッテオが、2018年にアレッシオ、リカも加わりイナマの大三世代がはじまりました。

イマナがリリースする基軸となるソーアヴェ・クラッシコの中でも一番スタンダードなのがこのヴィン・ソアヴェ。収穫したブドウは除梗、圧搾され4時間から12時間マセラシオンを行い搾汁されます。ステンレスタンクでの発酵と熟成後、翌年の春に軽くフィルターをかけて瓶詰めされます。

独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味(2020年ビンテージ/2022年9月)

イナマのラベルはとてもいいですね。デザインやフォントも昔から変わらないそんなイメージです(ひょっとして変わってるかもしれません)。撫で肩のボトルは、もう少し前まではもう少しチープだったような気もしますが、いや、決して現在が高級な撫で肩ボトルなわけではありませんが、まあ、こんなもんかな(結局、何もわからない)。コルクは生コルクなんですよね。なんでも「生」がもてはやされますが、このクラスはディアムなどの圧縮コルクで良かったのでは?と思うところ。冷蔵庫キンキン温度(7,6度でした)、グラスはヴィノムのキャンティ型、表記のアルコール度数は12度となります。色味はもう少し黄緑が混じる若さを感じるかと思ってましたが、思ったよりも黄色ですね。果実香は火山性土壌っぽさは希薄で(ミネラルの一部として確かにある)、軽く甘味を感じる柑橘キャンディー、非常に軽いピュアオイル、まあ、飲んでみましょう。

うん、ミネラルというかアクアの部分に程よい厚み、ボディ感はあるんですよね。度数は12度ですからアルコール由来のボディではありません。ほんのりと苦味を伴う柑橘の風味があります。奥底にジンとしたハーブ系の香りがありますね。酸味はサッパリとチュパる感じで清涼感があってとてもいい。このタイプは、レモンを絞るお料理ならなんでも、なんとでも合う使いやすさがありますね。度数が主張しないのも食中酒としてとてもいい。実はたまたま、ルッコラのサラダを食べたのですが、ルッコラとか…なんなら水菜でもいいですね(ミネラル感のある茎の部分もどうぞ)、そんな和洋折衷なハーブ類に軽いオリーブオイル、軽いレモンをかけるか、それらでドレッシングを作ってどうぞ‥。または、白身魚、鯛などのカルパッチョに、レモンとか、アクアパッツァなんかでもいいかもしれません。

このワイン名の「VIN SOAVE」って、確か「THE SOAVE」的な意味だったと思います(知らんけど)。確かに、いい意味でソアヴェらしいですね。なんなら、クッシコじゃないソアヴェらしい。イタリアのここらへんの食中酒に求められる‥というか、そうであるべきな、フレーバーウォーター的な存在。これは決してネガティブな表現ではなく、低いアルコール、清らかなミネラル、そしてフルーツ(この場合は柑橘)のフレーバーが非常に飲みやすく気取らず、ああ、これがイタリアで飲むイタリアの白、ヴィーノ・ビアンコなんだよなあと思います。いや、イタリアで飲むヴィーノ・ビアンコよりは上質かもしれませんが。

うん、ほんのりですが、確かに火山性土壌の風味もありますし、石灰質っぽさもあるんだよなあ。どちらもミネラルの要素ですが。確かに飲み疲れない。温度は13,4度に。これは非科学的な話になると思いますが、アルコール度数の低いワインほど温度変化が激しいような気がします。このワインもあっという間に温度が上がってきた。温度が上がって、ダレることはないんだけれども、少しフォーカスが甘くなる部分はあるかもしれません。度数の低いこの手のワインはワインクーラー、できれば、氷水で、きゅんきゅんに冷やした状態キープの方がシャキっとしていいのかもしれませんね。酸味やミネラル、そして苦味だけではなく、口の中、いっぱいに含むとなおさら、軽い旨甘味があってとてもいい。

二日目も冷蔵庫キンキン温度(8度)。グラスはヴィノムのキャンティ型。少し白い果肉果汁、桃といよりも洋梨系の香りがうっすらとありますね。とはいえ柑橘主体。苦味と酸味はしっかりとあるんですが、トゲトゲしいような酸っぱさではありません。ほどほどに丸みのある果実に溶け込んでますし、伸びもある。うん、香味はしっかりとあってとてもいいですね。サッパリとはしていますが、物足りなさはない。うん、いい水感があるんだけど、ちゃんとワインの味してます(当然ですね)。苦味とともに余韻も結構長くて秀逸。欠点らしきものもない優等生。いい意味での好バランスは、アベレージで手を出すのに躊躇がない。このワインも12度ってのがいいんだよね。ほどよく甘味的な旨味も感じますが、きっちりドライでおいしいですよ。

三日目も冷蔵庫キンキン温度(8.4度)。グラスはヴィノムのキャンティ型。苦味と、ほのかな甘味もありますが、酸味は落ち着いてきて果実味にまろやかさと旨味を感じますね。微かな硝煙反応のある土壌の風味はありますが、ミネラルはクリアさが際立ち、柑橘主体の果実味、そして12度という低めのアルコールがやっぱり飲みやすくおいしい。単一品種ですが、ほどほどに複雑さもあるし余韻は思った以上に長くいいワインです。


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