Vie di Romans Chardonnay 2017 Vie di Romans

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ヴィエ・ディ・ロマンス

更新履歴 2019/06/22
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3,980円(税込)

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ヴィエ・ディ・ロマンス・シャルドネ 2017 ヴィエ・ディ・ロマンス
《イタリア/フリウリ/白/シャルドネ/辛口》

フリウリ州‥スロヴェニアとの国境沿いの街、ゴリツィアの西に位置するマリアーノ・デル・フリウリ地区はイソンツォDOCエリアとなります。祖父の代から100年もの間、ガッロファミリーの手によって守られたその土地は、水はけのよい平らな土地で、海と山の両方から吹く風に恵まれるミクロクリマを持つテロワール。

17歳で家業を継いだ現オーナーのジャンフランコ・ガッロ氏は、同地区のみならずイタリアの生産者が一目置き、イタリア最高の白ワインの生産者として最も尊敬され信頼される‥「北の巨人」と形容される人物です。ジャンフランコが三代目‥次は息子さんが四代目となるそうです。

創立以来「ガッロ」と名乗っていたものの、カリフォルニアの大規模なワイン生産者である「(EJ)ガッロ」との商標権の兼ね合いで1986年に名称の変更を余儀なくされたそうで、現在の「ローマ人の道」という意味のヴィエ・ディ・ロマンスになったそうです。

彼の考えるテロワールとは「人間、土地、気候、ブドウ品種」であり、その中でも最も重要なのは「人間」であるとのこと。また「テロワールに最も適したブドウを栽培すること」「凝縮したブドウを作ること」「完熟期を迎えたブドウを最高のタイミングで収穫すること」な、当たり前のことを当たり前に‥に向かって邁進する生産者。

流行の醸造法や、市場に流されることなく、彼がその地で得た知識、経験を元に毎年生み出されるワイン達。何度かご一緒させて頂きましたが、本当に偉大さを感じる人物ですね。そこには包容力もあるわけですが、自身の目標や探求へのストイックさをヒシヒシと感じます。とても几帳面でブレない‥見習いたいものですね。

2009年からの樽発酵やマロラクティック発酵の廃止、リースリングレナーノ単一のプリン・フリートや、メルロからなるロゼのチャントンスの生産終了もあり、転換期にあると言え、それまでのスタイルとの差異は少なからず感じて当然ですが、思想としては進化をたどっているはずなんですよね。

イソンツォDOCエリアは北緯45度から46度、日本でいうと最北端である稚内あたりとなります。この地区は平地で海抜も30m前後ながら「北」であることや、大陸性気候と地中海性気候の両方を併せ持つこの地区だからこその要因も多数でそのひとつにロシアから吹き付ける冷たく乾いた風"ボーラ"が平地ながら滞留を興さずに冷涼な気候を保っています。

イソンツォ川の南部は粘土質や石灰質が多い土壌で、畑での仕事量は半端ない。グリーンハーヴェストは二度行い、一本の樹から収穫されるブドウは600g、一本のワインを造るに1000gのブドウが必要と言われているので、そのためには二本の樹から収穫したブドウを使うことになりますね。

また徹底的に酸化を防ぐ醸造も彼ならでは。除梗の段階から極力酸化を防ぎ、発酵が始まるまではドライアイスの粒を混ぜることで酸素を寄せ付けません。またタンクには窒素を充填することで酸化を防ぐ徹底ぶる。酸化を防ぎきった果汁は、ブドウの粒の中味と同じ色、香り、味を持つそうです。


 2017年のビンテージ情報

 2017年ビンテージは、2016年に似た気候となり晩熟なブドウ品種でもしっ
 かりと収穫を待てる気候となりました。春にはほとんど雨は降りませんで
 したが、4月下旬に訪れた氷点下3度の寒波を乗り切るために畑で火を焚く
 など、緊急措置を施したおかげで被害は最小限に抑えることができました。
 以降は安定した気候が続き7月下旬から8月上旬は例年よりも寒暖差が少な
 い非常に高温な日が続きましたが、8月中旬からは例年通りの理想的な寒暖
 差が続き、収穫時期も雨に困ることはなくブドウはしっかりとフェノール
 熟成ができ、香り高いワインになったビンテージです。

 ヴィエ・ディ・ロマンスの熟成樽に関しての追加情報

 西野嘉高もテクニカル情報を書きながら気になっていたのが熟成樽の容量の
 情報なんですね。225Lと228L‥その3Lの違いに何があるのか?輸入元さんか
 ら回答が来ましたので追加情報として記載しておきます。

 樽の製造メーカーによってブルゴーニュタイプである228L容量の樽と、ボル
 ドータイプである225Lの樽のが異なるそうです。元々ヴィエ・ディ・ロマン
 スではブルゴーニュタイプの228Lの樽を使用したいたそうですが、樽メーカ
 ー(ダルジュ、バロン)がブルゴーニュタイプ(228L)の樽の製造を止めて
 しまい、以降はその樽メーカーからボルドータイプ(225L)の樽を購入する
 ことになったので、熟成に使用する樽の容量が複数あるようです。

 なお、現在ヴィエ・ディ・ロマンスのワインの熟成に使用されている樽のメ
 ーカーとタイプは下記の通り。なお、3Lの差はワインに及ぼす影響はないと
 のことです。

 ・タランソ  :ブルゴーニュタイプ
 ・セゲンモロー:ブルゴーニュタイプ
 ・ダルジュ  :ボルドータイプ
 ・バロン   :ボルドータイプ


1990年から始まった単一畑別のワインの中でも、ヴィエ・ディ・ロマンスの名を冠した海抜31mの畑。1986年、2000年、2001年の植樹の樹が栽培されており、平均樹齢は19年となっています。2014年は21年と記載しておりますので、他に若い樹からのブドウが混醸されているのかもしれませんね(植え替え部分と思われます)。比較的浅めの土壌に砂利や小石を含む赤みがかった粘土質の畑こそが、その名もヴィエ・ディ・ロマンスと呼ばれる単一畑となり2014年は8.61ha、2015年から9,95haと記載されていますので、畑が増えた分が若い樹の可能性もあります。

手詰みでの収穫の後、ステンレスタンクで約8度でのコールドマセラシオンの。16度から19度に温度管理されたステンレスタンクで約20日間のアルコール発酵が施されます。2009年から公式に樽での発酵ではなく、ステンレスタンクでの発酵に切り替わり、マロラクティック発酵も施されておりませんでしたが、2013年から2/3はステンレスタンクで、1/3はバリックでのアルコール発酵となっていましたが、この2016年アルコール発酵に樽は使われていないと記載しましたが、この2017年はステンレスタンクで5日間の発酵後、14日から21日間かけてバリックでの発酵が施されます。

樽熟成は225Lの樽と228Lの樽が半々、新樽比率20%で澱と接触させたまま10ヶ月。樽熟成後澱引きを兼ねてステンレスタンクに戻してから瓶詰め。8ヶ月の瓶熟成期間を経ます。アルコール度数は、2008年は14.6度、2009年は15.15度、2010年は13.77度、2011年は15.10度、2012年は15.24度、2013年は14.42度、2014年は13.25度、2015年は13.7度、2016年は14.5度、この2017年はラベルは14度の表記となります。

独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味

お馴染みのラベルデザイン。コルクはなかなかの質の5cm。冷蔵庫キンキン温度、グラスはヴィノムのブルゴーニュ型です。色合いは相変わらずですね。樽熟成させたシャルドネですが、それほど濃い色合いではありません。濃くなるのは熟成を経てからになりますね。バックラベルに記載のアルコール度数は14度となり、2016年よりも0.5度低い記載となります。

(一部)樽発酵、樽熟成のニュアンスが例年よりもハッキリと、そしてまろやかに感じます。果実香は、重みがあり、バナナを中心にオンンジやネーブル、黄桃、洋梨などもはいるミックスジュース的なんですね。もちろんパインも感じるし、新樽のバニラは、それこそミックスジュースの甘みあるミルク的。どう解釈するかで盛りだくさんの果実の複雑さがあります。とはいえ、香りはとてもまとまっており、密度としなやかさも感じます。冷蔵庫キンキン温度ですが、閉じ感はまったくありません。

口に含みますと、口の中を満たす大きさ、そして重さに圧倒されますね。まさにフルボディの白、樽ドネらしさに溢れます。とてもしなやかで、すでにまとまりがあり、でも酸味もあるんですよね。そこに新鮮さも‥。でも、もちろんプチプチするような新鮮さではないけれども。14度かあ、もっと度数があるように思うほど果実味がデカイ。この数年少し感じた焼けた樽の風味はない。とてもクリアな果実の香味ながら、十分に樽の風味もあって非常に満足度が高い。

時間経過、温度経過で2016年にも感じたほんのりとした、でも、果実味に内包されるような苦味が終盤にありますね。この苦味(あくまでもほんのり)と、酸味が豊満な果実味をダレさせない。2017年、おいしいですね。そしてこの数年の安定もすばらしい。温度が上がると酸味がおいしいですね。ギュンとした酸味と、負けない果実味。

二日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスはヴィノムのブルゴーニュ型。少し瑞々しさとともに洋梨果汁のフレーヴァー。ヴィエ・ディ・ロマンスらしい樽香に馴染み。口に含みますと、ミネラルがようやく一歩前、初日よりも俄然馴染み、まとまりを感じますね。旨味がギュンとした豊富な酸味に引き出されます。うん、旨いですねー。初日の方が樽のニュアンスは強かったんですが、二日目の溶け込んだ樽がなめらか‥に、なりそうなところを、心地よい酸味、ミネラルがそうやすやすと…という感じ。まだ温度は低めですが十分楽しめる‥ということは、温度が上がるともっと楽しめるかもしれないのでしばし我慢しよう。

少し温度が上がってくると旨味がマシマシになりますね。樽もミネラルもまろやかになってきました。パインや柑橘など、初日にハッキリしていた様々な果実たちがどんどんお互いを侵食するように馴染んでくる。さらに温度が上がると酸味の側に少しの苦味。おいしい。初日が一番重みもボディも感じる。二日目は、バランス。

三日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスはヴィノムのブルゴーニュ型。またパインが戻って来た‥。飲み口の酸がさらにクッキリ、樽はすっかり溶け込みましたね。終盤の苦味にどこか木質な部分がなきにしもあらずですが‥。重さを感じませんが、パツンとした密度と、ようやくミネラルに硬質さ。時間と温度‥で、色んな表情を見せてくれる複雑さ。旨いなあ。温度が上がると旨味も増しますが、旨味推しというわけではないんです。非常に完成度が高い。そして、この数年の安定がまた嬉しいですね。あああ、温度が上がってからのまろやかさ‥これもいいなあ。こうなると三日目でも樽の恩恵も感じる。すばらしい。

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