Chianti Classico Riserva 2019 Montebernardi

トスカーナ州の赤 > Chianti

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更新履歴 2023/05/26
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キャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ 2019 モンテベルナルディ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ95%、カナイオーロ5%/フルボディ》

元々はブドウ栽培農家であり、同じパンツァーノ・イン・キアンティに位置するカステッロ・ディ・ランポラなどへブドウを卸していたようです。転機は1992年、スターク・アイヴァリオティス氏が当主になってから自社瓶詰めを始め、瞬く間にワイン誌で高い評価を得たのが始まりです。2003年このアジェンダを訪れたシュメルツァー姉弟がモンテベルナルディを訪れ、地質学からワインに携わった経験のある姉ジェニファーと、醸造学科を卒業し様々な国でのワイン醸造経験のあった弟マイケルは、モンテベルナルディを譲り受けることとなり、2003年はスターク・アイヴァリオティス氏と共に、2004年からシュメルツァー姉弟が当主となり再スタートを切ります。

50年を超える高樹齢の畑から収穫されたブドウは、フランス産のオーク樽とステンレスタンクの併用でアルコール発酵、30hlの大樽でマロラクティック発酵の後、18ヶ月から24ヶ月の樽熟成後瓶詰め。モンテベルナルディでは、現在二種類のCCRをリリースしています。もうひとつは、CCR・サエッタ。前オーナー時代はIGT格のスーパータスカンだったキュベ。サエッタはクリュになり、ブドウ品種もサンジョヴェーゼ100%。何年前に、CCRの官能検査がパスできずに逆にIGTを名乗ったビンテージがありました。もちろん、もうちょっとお高い価格になります。テクニカルシート的にどうなのかは確認していませんが(確認しろよ)、CCGSを名乗るつもりはないのかもしれません。こちらは、サンジョヴェーゼ95%にカナイオーロ5%、よりCCRが意識されているように思います。

独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味

モンテベルナルディのエチケッタもいいよね。このCCRのエチケッタは楽器ににも見えるし、肋骨にも見えるようなホラー(あかんやん)。潔いフォント使いもいい。実は瓶の色が濃くない茶色瓶なのがオシャレでもある。この2019年のCCRは、ラベルやキャップシールに紫色が使われていてなかなか妖艶。コルクはディアムではないが同等の5cm。グラスはシュビゲラウのディフィニッションのユニバーサル型。表記のアルコール度数は13,5度。色調は決して淡くはないですね。黒いといよりも暗い赤。香りがモンテベルナルディだな。赤紫の小豆をほっくりと炊いたような豆にスミレの深味がある。モンテベルナルディはナチュールっぽくて西野さんダメでしょ?と言われることもあるのだが、いや、ぜんぜん大丈夫だけどな。こういう豆感とオフフレーバーは違うもんだと認識してるし、そもそも不潔な香りではないからね。チェリーや赤いベリー、プラムの果実香はピュアで、なんら汚れはない。

口に含みますと、輪郭はやわらか過ぎすにホッとするような弾力があり、香りにも通じる甘味がほんのりと果実の香味にある。舌や口内を刺激するようなタンニンや酸味ではなく、それなりに熟れているのはリゼルヴァならではかもしれない。酸味に通じる部分に、鉄分を思わせるミネラルがあり、少しドラキュラな感じもモンテベルナルディのサンジョヴェーゼっぽい。樽の風味はありますが、テクニカルシートほどの樽風味はなく、いい樽の効かせ具合は好感が持てる。圧倒的ではないが、ボディ感は十分にある、酸味と渋味にポテンシャルを感じ取れるのは、相応に熟成も期待できる証でもある。

ふむふむ、一杯目最後、そして二杯目を注ぎたす。確かに注ぎたてに、少し豆感はありますが全然不潔なオフフレーバーではない。スワリングとともに、豆感もすぐになる。そう、あたしがいつも例えるこし餡の風味的な小豆感はあれど、オフフレーバーはない(毒味なのでとても冷静に、繊細に嗅ぎ分けてます)。甘味を帯びた旨みもあるし、ぜんぜんピュア、おいしいやんか!逆に良質な酸味も湧き上がり構成感も出ていてよい。

二日目もグラスはシュピゲラウのディフィニッション、ユニバーサル型です。おっと、初日に飲み過ぎてるな。おいしかった証です。初日のマメマメしい感じから、どこか赤ワインに濡れたバナナのような風味が少しある(決してオフフレーバーではないぞ)。香りからもやわらかさ、まとまりを感じますね。口に含みますとしっとりとした旨みがあり口の中を満たす密度、ボディも上々。おいしいじゃないですか。角の取れたスミレは芳香過ぎずない。そうかこの感じはいわゆるエステル香なんかもしれないな。日本酒だと吟醸香にも似た感じですね。いいねえ、赤い果実はもちろんあるんだけれども、そこに少し毛色の違うフルーティーさがあって複雑。旨みある果実味甘味も感じるが、豊富なタンニンの溶け込みもあるし、穏やかな酸もあり肉付きを支える構成感はヒシヒシ。

三日目もグラスはシュピゲラウのディフィニッション、ユニバーサル型です。日を追うごとに良い。少し石灰の粉、鉄分なミネラルの香りもありますが、スミレとチェリー、ベリー系に、甘味を感じる部分に熟れたバナナっぽいのかな。うん、とても興味深くおいしい。飲み口はまとまって、少し軽やかになり飲みやすい。ピュアではないという意味ではない曇りにも感じる密度がある。ちっともオフフレーバーないやんか‥(実は覚悟してサンプル買ったんだけど)。価格高騰の昨今、CCR格が味わいにも感じられてこの価格はすごいと思いますよ。

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