Langhe Nebbiolo Perbacco 2016 Vietti
→ Tremilla Yen di Vino Italiano :イタリアワイン三千円
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ランゲ・ネッビオーロ・ペルバッコ 2016 ヴィエッティ
《イタリア/ピエモンテ/赤/ネッビオーロ/フルボディ》
ピエモンテ州はクオーネ県、カスティリオーネ・ファレットに位置する生産者です。特徴的なアートラベル、これまでは日欧商事さんの扱いでしたから百貨店などでも見たことあるあるな生産者でもあります。1800年代後半、初代のカルロ・ヴィエッティからスタートした生産者。その息子であるマリオに時代になってからヴィエッティの名前での自社瓶詰めが始まります。1952年からエノロゴとして従事していたアルフレード・クッラードが1957年にはマリオの娘であるルチアーナと結婚、ヴィエッティ家の哲学を引き継ぎます。2000年に引退後は四代目として長男のルカと娘のエマニュエラの夫アルフレッド・クラッドが引き継いでいましたが、この夏、アメリカのコンビニチェーン「KUM&GO(カム&ゴー)」のオーナーであるカイル・クラウゼに買収され参加となりました。実は2015年にはエンリコ・セラフィーノも買収していたようですね。
2007年のリゼルヴァ・ヴィレッロがモニカ・ラーナー(ワインアドヴォケイト)誌で100点が付けられたのも記憶に新しいですが、それが買収に少なからず影響を及ぼしたと考えています。ただし、傘下に入っただけで実際のアジェンダの運営はこれまで通りとのこと。まあ、色々あるんだと思います‥うんうん。
カスティリオーネ・ファレットでは最も早く単一クリュのワインを瓶詰めすることとなり1961年にバローロ・ロッケとバローロ・マッセリアを誕生させます。絶滅の危機に瀕していたアルネイスの復興にもアルフレードは一役買い、ヴィエッティのロエロ・アルネイスは品質の高いものです。もちろん、ピエモンテの生産者らしいドルチェットやバルベーラ、モスカートからなるワインもありますし、バルバレスコは当時から所有するマッセリアのクリュを。そして要はやはりバローロですね。
最もスタンダードかつカスティリオーネ・ファレットの個性を表現するバローロ・カスティリオーネに、ロッケ・ディ・カスティリオーネやラヴェーラ、ラッツアリート、ブルナテなどのクリュバローロ、その頂点にはリゼルヴァ・ヴィレッロが光臨します。
基本的にはバローロ・カスティリオーネのセカンド的な位置づけですが、ヴィエッティが所有するブドウ園、クリュ(畑)、樽などが選別されランゲ・ネッビオーロに格下げされたもののようです。つまり、バローロとなるかもしれないブドウが使用されているかもしれないわけで平均樹齢は35年としっかりとしたもの。28度から35度に温度管理されたステンレスタンクとバリックを併用しての18日から28日間のアルコール発酵、マロラクティック発酵が施されます。
熟成はまずはバリックでの4ヶ月。追ってスラヴォニア産の大樽に移されて20ヶ月の樽熟成後、澱引きも兼ねてステンレスタンクに移され数ヶ月落ち着いてから瓶詰めされます。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
ヴィエッティと言えば淡い色使いながら繊細なタッチのアートラベルが有名ですね。このランゲ・ネッビオーロは、たぶんタンポポの種(綿毛)ですね。花が散ってから‥という意味ではなく、これから種を撒くまでの序章だと考えれば、ランゲ・ネッビオーロらしいともいえます。瓶型はお馴染みのALBEISAの共通瓶。コルクは安心のディアム社製、それまでは4,5cmでしたが、2015年から5cmでさらに嬉しい。グラスはヴィノムXLのピノ型です。ラベルに記載のアルコール度数は2013年、2015年は13,5度でしたが、この2016年は14度となります。
暗く深い色合いの赤。甘味ある完熟イチゴ、イチゴキャンディ、小さな黒のベリー。バラの香りは重くも華やかです。樽熟成のニュアンスは香りからも伺えますが、決して派手な化粧っぽい樽使いではない。
口に含みますと、ローズヒップティーや紅茶葉がネッビオーロらしいですが、どこかセミドライのイチジク、そしてやっぱりイチゴっぽさがありますね。密度感があり、まだ抜栓直後の一杯目ですが、旨味も感じます。しっかりと在るタンニンにまだ荒さを感じますが、全体的にはよくまとまりやわらかさがありますので、すぐにおいしいヤツだなコノヤロー!
確かに2015年に書いたように半乾きのタンニン、旨味、少しドライフルーツに感じるのがイチジクっぽさなのでしょうね。渋味に寄り添うスパイス、酸味の伸びがいいのがこんなフルボディでも飽きさせない理由のひとつです。閉じ感はまったくないが、まだまだ変化し、開くであろう果実味に期待しかない。重さもあるし、濃さと感じる果実味もある。いい意味で古臭くない(だからといってモダンとまでは言わないが)スタイルですが、時間経過とともにエレガントな一面も見せてくれるであろう片鱗も感じます(酸味にね)。渋味と甘味がおいしいですね。ヴィエッティらしいランゲ・ネッビオーロで非常に満足度が高い。
二日目もヴィノムXLのピノ型です。樽のヴァニラ系の甘味と、熟した果実の甘味、果実香がどっぷりと感じられますね。やはりこのワインはこれぐらい(大振りの)グラスがいいと思います。香りにも紅茶葉を感じますが、口に含むと実はエレガントさがあるのがよくわかる。味わいには茶葉系のフラーヴァーと渋味があり、決して重苦しいワインではない。微かに緑茶的な部分に若さも感じるが、これは青いという意味ではない。味わいはハッキリと力強く、余韻も長い。口の中の存在感バツグンで、やっぱり満足度の高いワインですね。二日目は全体的に丸く、まとまってきて旨味も感じ、おいしいですね。
三日目もヴィノムXLのピノ型です。アルコール感も手伝ってドライフルーツの風味がいいですね。ブドウ果皮や、スパイスの風味もありそこに複雑さもあります。三日目ともなると香りはまとまった感じがありますが、閉じてないという開きがまたストレスがないのです。飲み口も十分な「満たし」を感じながらも、スーっと飲めちゃうキケンなワイン。味わいにもスパイスがあり紅茶葉に結びつきます。味わいしっかり、十分に複雑で余韻も長いですね。今飲める、今おいしいネッビオーロに仕上がってますよ。
時間経過とともにエレガントが増してきます。でも、薄くなったという意味ではありません。よりネッビオーロらしくなり、最初の甘味は落ち着き、心地よい渋味と酸味のリズムがいい。少しモダンに感じる果実、樽、アルコールがすっと渾然一体となる感じ。とてもおいしいです。
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