Riesling 2023 Pojer e Sandri

イタリアの白ワイン

更新履歴 2025/03/07
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3,000円(税込)

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リースリング 2023 ポイエル・エ・サンドリ
《イタリア/トレンティーノ/白/リースリング・レナーノ/辛口》

フィオレンティーノ・サンドリが1975年にトレンティーノに畑を購入。醸造家であるマリオ・ポイエルによってトレンティーノ・アルト・アディジェ州はファエド地区に設立されました。トレントの街の北、ボルツァーノの南、同じ谷沿いですね。当初は2haの畑とガレージに置かれた簡素な醸造設備でボトリングは(なぜかフリウリの)イエルマンで行われていたそうです。

 「フェウドは特別な地だ。谷が多く日陰の土地が多いトレンティーノにおいて、
  谷が大きく開けていてトスカーナと同等の日照量が確保できる。」

標高の高いフェウドの下に位置するサンミケーレ・ディ・アディジェ地区はトレンティーノ・アルト・アディジェで最も気温が高いことで知られています。さらに暑い夏場にはガルーダ湖からの冷涼な風邪がファエドの谷に吹き込み、ブドウを健康を保ちます。これで暑さに弱いノジオラなどの品種が香味成分を落とさない理由だとか。

この地域の土壌は2億5000万年前のアフリカで起こった噴火で断層が縦に隆起した珍しい土壌で氷山に押し出された石灰岩が主体の堆積土壌と、モレフィドと呼ばれる火山岩と粘土の重たい土壌が主体ながら、標高の差異によって様々な品種に適しているとも言えるし、それを選ぶ必要もあるそうです。

当初はファエド地区のみでしたが、近年、ひとつ山を超えたチェンブラ地区にも畑を購入。3kmしか離れていませんが、全く違う土壌のふたつの地区で異なる品種を栽培しています。

・ファエド地区

氷山に押し出された石灰が主体の堆積土壌と、モルフィドと呼ばれる火山岩と、粘土の混合土壌。トレンティーノでは珍しく谷が南方向に開けており、日照良が多い。夏はガルダ湖から冷たい風がファエドの谷に吹き込み、ブドウがやけることがない。栽培適合品種:ノジオラ、ミュラー・トゥルガウ、スヤルドネ

・チェンブラ地区

大きな谷になっており、標高が高く日照量が少なく冷涼。火山岩比率が高い粘土質で、古代氷河の後退後、小川の働きによって形成された丸みを帯びた小石を含んだ斑岩と砂質の土壌で濃く茶色のリッチな土壌も一部混在。
栽培適合品種;リースリング、ソーヴィニョンブラン、ソラリス、セヴァール

醸造も独自の考えがあるようです。収穫したブドウは発酵させる前に約6度の冷蔵庫で24時間冷却します。この作業は、薬剤をほとんど使わずに育てた健康なブドウには必ず存在する虫を除去する為のもので、果実内に忍び込んでいるハサミムシ(特にピノ・ノワール)は冷気に弱く、冷蔵庫内で冷えた果実から外に這い出して冷蔵庫内で死滅するのだとか。

さらに、ジャグジーのような装置を使い、クエン酸を1%加えた水でブドウを洗うそうです。クエン酸は硫黄と銅を落としてくれるそうです。その際に野生酵母も半分ほどは落ちてしまいますが、雑菌も落とす事によりキレイになったブドウは数時間後には収穫時の1.5倍まで酵母が復活するのだとか。硫黄や銅は菌類に働くために酵母の動きさえも弱めてしまう。この洗浄の作業で逆に野生酵母を増やすことができ、発酵を誘発するためにスターターと呼ばれる培養酵母すら使用せずに済むそうです。

そんなポイエール・エ・サンドリは、他のトレンティーノ・アルト・アディジェ地区の生産者や協同組合同様に、その細かな環境の違いから様々なブドウ品種も栽培。クラッシックラインは単一品種が主体でそれらの個性を、リゼルヴァクラスは混醸モノも生産しています。

ポイエル・エ・サンドリのクラッシックラインのリースリング。標高700mのパライの丈夫と、標高45m、火山岩のヴァルボナから収穫されたリースリングの混醸。品種特性をストレートに出すためにステンレスタンクでの醸造。

独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味

試飲会で納得してキメたのに、一応また飲みます(飲みたいだけ)。以前のポイエル・サンドリよりも、ボトルが良くなりましたね。クラッシックラインですが、ボルドー型のなかなか立派なボトルです。でもスクリューキャップですね。冷蔵庫キンキン温度、グラスはシュピヴェラウ・ディフィニッションのユニバーサル型です。アルコール度数は12,5度となります。試飲会があまり冷え切ってないボトルだったので、キンキン温度が楽しみ。色調はちょっとグリーンがかった緑茶色。柑橘を思わせる黄色い香りに、白桃のような白い香り、前者が酸味を連想させるので、唾液誘発系。飲み口は新鮮、グラス内壁はぷちぷちとしはしませんが、少しガスのようなのは酸。シャープな酸味に、ミネラル感があり、とても切れ味のよい辛口。決して軽いタイプではなく、この低い温度でもそれなりに密度を感じるので、温度があがると旨味も上がってくるはず。柑橘などで黄色い要素はありますが、ゲヴェルツっぽいジンジンしたスパイスや、ハチミツ感、キンモクセイの要素はない。なんなら、これよりもっと白いとなると、フィアーノなんかに近いと思うんですよね、個性が、リースリングって(倒置法)。味わいはそれなりにに強さはある。よって余韻も長い。クラッシックライン=裾ものとも言えるが、逆にこれ以上密度があったり、度数が上がったり‥が上級ラインなら、こっちでいいとも言える。ああ、そうそう、リースリングに樽は必要ない、意識させないならそれはそれでいいだんけども。

試飲会との印象の違いは、思ったよりも柑橘味があること。焼きでも生でもなく、蒸した牡蠣にいいんじゃないかな。舌平目って実物みるとなんかヤバいので、白身魚なら、スズキやパンガシウスでいいと思うんだけど、ムニエルとか、フライとか、良い塩や良いEVO、そして柑橘絞りたい揚げ物系もいいと思います。

温度が上がると白いミネラルの風味、これぞリースリングの個性だと勝手に思ってる要素が出てきます。同時に、旨味や、密度感も出てきますね。柑橘系が大人しくなる‥ともいえるかもしれません。基本、混醸ワインも好きですが、単一品種で、温度と時間経過により変化はたのしい。

二日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスはいつもの。うん、柑橘の風味が白い果汁をちょっと上回るバランスですが、柑橘の酸味がとてもジューシーでおいしい。黄色から白へのグラデーション、終盤は白い花や、軽い苦味、渋味も感じられ、乾いた風味があります。旨味は温度が上がった方が感じやすいですね。うん、やっぱり旨味と酸味がジューシーだし、ショボくないし、おいしいですね。なかなかリースリングの扱いは少ないのですが、こういうが好きなんだな‥という、あたしの傾向と対策にもぜひ。

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