Langhe Nebbiolo Perbacco 2017 Vietti
→ Tremilla Yen di Vino Italiano :イタリアワイン三千円
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ランゲ・ネッビオーロ・ペルバッコ 2017 ヴィエッティ
《イタリア/ピエモンテ/赤/ネッビオーロ/フルボディ》
ピエモンテ州はクオーネ県、カスティリオーネ・ファレットに位置する生産者です。特徴的なアートラベル、これまでは日欧商事さんの扱いでしたから百貨店などでも見たことあるあるな生産者でもあります。1800年代後半、初代のカルロ・ヴィエッティからスタートした生産者。その息子であるマリオに時代になってからヴィエッティの名前での自社瓶詰めが始まります。1952年からエノロゴとして従事していたアルフレード・クッラードが1957年にはマリオの娘であるルチアーナと結婚、ヴィエッティ家の哲学を引き継ぎます。2000年に引退後は四代目として長男のルカと娘のエマニュエラの夫アルフレッド・クラッドが引き継いでいましたが、この夏、アメリカのコンビニチェーン「KUM&GO(カム&ゴー)」のオーナーであるカイル・クラウゼに買収され参加となりました。実は2015年にはエンリコ・セラフィーノも買収していたようですね。
2007年のリゼルヴァ・ヴィレッロがモニカ・ラーナー(ワインアドヴォケイト)誌で100点が付けられたのも記憶に新しいですが、それが買収に少なからず影響を及ぼしたと考えています。ただし、傘下に入っただけで実際のアジェンダの運営はこれまで通りとのこと。まあ、色々あるんだと思います‥うんうん。
カスティリオーネ・ファレットでは最も早く単一クリュのワインを瓶詰めすることとなり1961年にバローロ・ロッケとバローロ・マッセリアを誕生させます。絶滅の危機に瀕していたアルネイスの復興にもアルフレードは一役買い、ヴィエッティのロエロ・アルネイスは品質の高いものです。もちろん、ピエモンテの生産者らしいドルチェットやバルベーラ、モスカートからなるワインもありますし、バルバレスコは当時から所有するマッセリアのクリュを。そして要はやはりバローロですね。
最もスタンダードかつカスティリオーネ・ファレットの個性を表現するバローロ・カスティリオーネに、ロッケ・ディ・カスティリオーネやラヴェーラ、ラッツアリート、ブルナテなどのクリュバローロ、その頂点にはリゼルヴァ・ヴィレッロが光臨します。
基本的にはバローロ・カスティリオーネのセカンド的な位置づけですが、ヴィエッティが所有するブドウ園、クリュ(畑)、樽などが選別されランゲ・ネッビオーロに格下げされたもののようです。つまり、バローロとなるかもしれないブドウが使用されているかもしれないわけで平均樹齢は35年としっかりとしたもの。28度から35度に温度管理されたステンレスタンクとバリックを併用しての18日から28日間のアルコール発酵、マロラクティック発酵が施されます。
熟成はまずはバリックでの4ヶ月。追ってスラヴォニア産の大樽に移されて20ヶ月の樽熟成後、澱引きも兼ねてステンレスタンクに移され数ヶ月落ち着いてから瓶詰めされます。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
ヴィエッティと言えば淡い色使いながら繊細なタッチのアートラベルが有名ですね。このランゲ・ネッビオーロは、たぶんタンポポの種(綿毛)ですね。花が散ってから‥という意味ではなく、これから種を撒くまでの序章だと考えれば、ランゲ・ネッビオーロらしいともいえます。瓶型はお馴染みのALBEISAの共通瓶。コルクは安心のディアム社製、それまでは4,5cmでしたが、2015年から5cmでさらに嬉しい。グラスはヴィノムXLのピノ型です。ラベルに記載のアルコール度数は2013年、2015年は13,5度、2016年と2017年は14度となります。
暗く深い色合いの赤ながら、先が見透かせる透明度もありますね。新世界のピノ的な色合いかな。樽香をまとうイチゴ、イチゴキャンディ、熟したブラックチェリーの風味もいい。樽香も派手ではなくあくまでも果実香が主軸。まだ開ききってませんが、これは時間が解決しますね。
口に含みますと、やはりイチゴの果実味が主体。それほどバラの風味は強くなく、含み香も樽香をまとう果実味が主体ですね。果実香を追っかけるように、紅茶葉、密度感はあるのですが、濃すぎることもなく、飲みやすさも損なわれていません。抜栓直後の一杯目ですが、旨味もあり、まだこれからの要素、ポテンシャルを残しつつもすでにおいしい。渋味、酸味も熟れの余地はあるが、そもそもの上質感がうれしい。2016年同様に、14度という高めのアルコールを感じますが、ヴィエッティのランゲ・ネッビオーロの場合は、樽熟成もされているランゲ・ネッビオーロで、ランゲ・ネッビオーロはステンレスで品種特性を‥というタイプの生産者ともまた違う考え。樽香の恩恵で少しモダンスタイルに感じさせつつも、実は色も真っ黒ではないし、過剰、過激な濃さ、取ってつけたような濃度ではいのが持ち味なんですよね。こうかくと語弊ありまくりますが、イタリアワイン、ネッビオーロに慣れない方でもすんなりこっちの世界に引き込めるのに使えるワインなんす。
果実味の甘味と旨味があっていいですね。中盤以降の茶葉系の風味にネッビオーロらしい若いのに枯れ系の風味も感じますが、基本、しっとり、そしてたっぷりのネッビオーロ、若くからして飲むに相応しいランゲ・ネッビオーロに仕上がっています。
グラスの中でどんどん開きも感じますね。それに応じて、ミネラルの風味も出てきますし、酸味の輪郭もクッキリとして、密度の深い、重めだけではない姿が見えてきます。グラスの中でどんどんと、ネッビオーロらしさも出てきますね。
二日目もヴィノムXLのピノ型です。あたしの新世界の感覚はもう古いのかもしれませんが、カリ・ピノのような香りがありますね(ブル・ピノとは言ってない)。イチゴ系の香りがとてもいい。とはいえ、すぐにローズヒップティーなどの紅茶系の風味はやっぱりネッビオーロ。口に含みますと、初日よりも膨らみがあり、口の中の満たされ感も増えましたね。穏やかな密度感がありとても飲みやすい。渋味も酸味も上質なのが若くてもヴィエッティらしいですね。ミネラルも硬さや、塩味は控えめなのもランゲ・ネッビオーロらしい。若くても楽しめるねー。若いバローロやバルバレスコももちろん、楽しめるワインもあるんだけども。
三日目もヴィノムXLのピノ型です。いい感じで果実の甘味とともに、ローズヒップティーな紅茶葉の風味が前に、そして広がります。飲み口も一体感、まとまりがあり、渋味には少しの苦味が添えられ、伸びのある酸味が濃密な果実味をグングン引っ張る。ヴィエッティらしい安定のおいしさ‥やっぱりネッビオーロを若いうちからとなるとランゲ・ネッビオーロがいいかなあ‥を実感。
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