Rose Scuro 2020 Valdellecorti
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ロゼ・スクーロ 2020 ヴァルデッレコルティ
《イタリア/トスカーナ/ロゼ/サンジョヴェーゼ主体/辛口》
キャンティ・クラッシコ地区の中でも個人的に大好きなのがラッダ・イン・キャンティ地区。パンツァーノとガイオーレに挟まれた標高の高い地域で、その標高差も200mから800mと激しく比較的涼しい地域でもあります。その標高の高さと差からエレガントな酸を持つ極上のサンジョヴェーゼが生まれるわけです。特にソットゾーンで選ぶことはありませんが、蓋を開けてみれば‥西野嘉高が選ぶキャンティ・クラッシコはラッダから生まれるものが少なくありません。
このヴァルデッレコルティは以前から注目していた生産者で、2008年ビンテージから日本市場でも紹介できるようになりとても嬉しく思います。1974年創業のヴァルデッレコルティのブドウ畑はたったの4ha。畑もミニマムですが、小さな醸造所と宿泊施設を併設しています。注目されるようになったのは、二代目の現当主‥ロベルト・ビアンキ氏の手腕によるもの。
温度管理されていないタンクの発酵温度を下げるには、夜になれば夜空の下にタンクを移動させる‥搾汁、醸しは足でブドウを踏んでみたり‥原始的かつシンプルな醸造を積み重ねています…と書きたいところだが、醸造方法はほったらかし、ではありません。サンジョヴェーゼの香味をよりストレートの抽出するための策はセニエやマセラシオン・カルボニカなど基本的なテクニックはしっかりと採用しています。
標高の高さだけが利点ではありませんが、地球温暖化などの影響もあり、過熟傾向。標高の高さは冷涼な酸やミネラルをもたらし、よりエレガントなワインとなります。ラッダの注目すべき造り手‥ヴァルデッレコルティ‥やはり好きな造り手のひとつです。
海抜約450m付近、東向きの泥炭土と石灰、平均樹齢15年の石の多い土壌で栽培されたサンジョヴェーゼ(ほぼ)100%。収穫後のブドウは、7日間のスキンコンタクトの後、キャンティ・クラッシコに使用する分を取り出します。セニエとも言えますが、一般的なセニエはロゼに使用する部分を取り出すんだったような気がします。開放型のステンレスタンクでアルコール発酵と、約6ヶ月の熟成。ちなみに表記のアルコール度数は12,5度。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
2019年まではVdT(ヴィノ・ダ・ターボラ)規格で、ビンテージ表記なし、ロット番号の隠語で年号を読み取るパターンでしたが、この2020年からは、トスカーナ・ロザートIGTとなっており、バックラベルに年号も表記されるようになりました。他のラベルの感じは同じですが、スクリューキャップに改められていますね。冷蔵庫キンキン温度、グラスはシュピゲラウのユニバーサル型、表記のアルコール度数は12,5度、温度は7,5度となっています。グラスに注ぐと、2019年同様にかなり色は深めで、ロゼ以上の色合いですが、この2020年は、紫っぽさがあり、いわゆるファンタグレープっぽい色合いが特徴。ひょっとするとセパージュ比率(不明)に秘密があるのかもしれません。タンニンを感じさながらも、フルーツ感を忘れないイチゴやフランボワーズ、チェリーなどのの香り、スミレだけではなくローズのような華やかさもあり、軽く鉱物感のあるミネラル香もある。まだ温度は低めですが十分に複雑さがあり、甘い香りはあるけれども控えめ。やっぱりレンテンナーノのフオーリ・ミスラ(ロゼ)と共通部分がありますね。まるで、赤ワインで、ライトボディの赤ワインよりも複雑さのあるロゼで間違いありません。
口に含みますと、しっとりとした、そして乾いたタンニンが共存し、果実味も十分。少し新鮮さもまだある酸味はあくまでも、果実味とともにあり、ジューシーさがありますね。果実味のベリー感は確かに2019年よりも豊富、サンジョヴェーゼの比率が下がったか、ビンテージか、抽出の具合か‥はわかりませんが、とてもおいしい。このタンニンも十分に感じさせるロゼもいいですね。非常に食中酒向きですが、いわゆる、やや甘口のロゼというイメージからはまったく違うもの。
十分な密度と、ボディもありますね。赤とすればライトの範囲内かもしれませんが、軽めのミディアムな赤‥でも通用しそうな勢い。まあ、イマドキは、「濃く造れる」ので、ライトボディの赤自体こそ珍しいかもしれませんが。温度は低めですが、香味ともに閉じ感や、萎縮は感じられません。2019年ほどハーブの風味は強くなく、しっかりとベリー系の果実の香味もある‥そんな2020年ですね。
二日目もグラスはシュピゲラウのユニバーサル型。色はやっぱり今年は紫が入りますね。そう感じると、チェリーや赤いベリーよりも、青いベリーや、それこそブドウちっくな香りが意識されるようになります。パーンとアカラサマな開きではありませんが、低い温度でも閉じ感はありません。あ、6,8度です。飲み口は初日よりもまとまりと、旨味がグンと出てきましたね。果実味にもブドウ感がありますが、決して安っぽいブドウ味ではりません。甘味ほどよく、キレイに筋の通った渋味が最後まであり、余韻も結構長いんだなこれが。とても美味しいし、とてもいいロゼだなあと感心します。決して味吟醸な、味の方が強いというバランスではありませんが、確実に飲み口のj方が旨味があり、果実の複雑さを感じますね。
三日目もグラスはシュピゲラウのユニバーサル型。冷蔵庫には入れてません。9,6度です。特に色合いも変わりませんね。果実香はブドウ感が増してフルーティーで親しみやすい。変わらず甘すぎる香りはありませんよ。旨味も増し、酸味とのバランスもとてもいい。しっかりとした果実味があり、その渋味もあって軽々しいロゼではないですね。レンテンナーノのフオーリ・ミスラよりも少し甘味があり、フルーティー。でも、渋味や、複雑さは同レベル、そんな感じですね。フルーツトマトと、おいしいオリーブオイル。フレッシュなトマトを使ったシンプルなトマトソースのパスタで、このロゼの複雑さを勝たせるのもいい。
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