Vieris sauvignon blanc 2021 Vie di Romans
| |||||||
ヴィエリス 2021 ヴィエ・ディ・ロマンス
《イタリア/フリウリ/白/ソーヴィニョンブラン/辛口》
フリウリ州‥スロヴェニアとの国境沿いの街、ゴリツィアの西に位置するマリアーノ・デル・フリウリ地区はイソンツォDOCエリアとなります。祖父の代から100年もの間、ガッロファミリーの手によって守られたその土地は、水はけのよい平らな土地で、海と山の両方から吹く風に恵まれるミクロクリマを持つテロワール。
17歳で家業を継いだ現オーナーのジャンフランコ・ガッロ氏は、同地区のみならずイタリアの生産者が一目置き、イタリア最高の白ワインの生産者として最も尊敬され信頼される‥「北の巨人」と形容される人物です。ジャンフランコが三代目‥次は息子さんが四代目となるそうです。
創立以来「ガッロ」と名乗っていたものの、カリフォルニアの大規模なワイン生産者である「(EJ)ガッロ」との商標権の兼ね合いで1986年に名称の変更を余儀なくされたそうで、現在の「ローマ人の道」という意味のヴィエ・ディ・ロマンスになったそうです。
彼の考えるテロワールとは「人間、土地、気候、ブドウ品種」であり、その中でも最も重要なのは「人間」であるとのこと。また「テロワールに最も適したブドウを栽培すること」「凝縮したブドウを作ること」「完熟期を迎えたブドウを最高のタイミングで収穫すること」な、当たり前のことを当たり前に‥に向かって邁進する生産者。
流行の醸造法や、市場に流されることなく、彼がその地で得た知識、経験を元に毎年生み出されるワイン達。何度かご一緒させて頂きましたが、本当に偉大さを感じる人物ですね。そこには包容力もあるわけですが、自身の目標や探求へのストイックさをヒシヒシと感じます。とても几帳面でブレない‥見習いたいものですね。
2009年からの樽発酵やマロラクティック発酵の廃止、リースリングレナーノ単一のプリン・フリートや、メルロからなるロゼのチャントンスの生産終了もあり、転換期にあると言え、それまでのスタイルとの差異は少なからず感じて当然ですが、思想としては進化をたどっているはずなんですよね。
イソンツォDOCエリアは北緯45度から46度、日本でいうと最北端である稚内あたりとなります。この地区は平地で海抜も30m前後ながら「北」であることや、大陸性気候と地中海性気候の両方を併せ持つこの地区だからこその要因も多数でそのひとつにロシアから吹き付ける冷たく乾いた風"ボーラ"が平地ながら滞留を興さずに冷涼な気候を保っています。
イソンツォ川の南部は粘土質や石灰質が多い土壌で、畑での仕事量は半端ない。グリーンハーヴェストは二度行い、一本の樹から収穫されるブドウは600g、一本のワインを造るに1000gのブドウが必要と言われているので、そのためには二本の樹から収穫したブドウを使うことになりますね。
また徹底的に酸化を防ぐ醸造も彼ならでは。除梗の段階から極力酸化を防ぎ、発酵が始まるまではドライアイスの粒を混ぜることで酸素を寄せ付けません。またタンクには窒素を充填することで酸化を防ぐ徹底ぶる。酸化を防ぎきった果汁は、ブドウの粒の中味と同じ色、香り、味を持つそうです。
2021年のビンテージ情報
1980年代のようなクラシカルなビンテージ。全体的に生育サイクルはゆった
りで、ブドウにしっかりと酸が残った状態で収穫ができました。ミネラル分
と糖とのバランスも取れた仕上がりとなっています。厳しい冬の影響で萌芽
は遅れました。4月上旬に例外的な霜がおり、成育初期段階の新芽を襲いま
したが、生育サイクルがゆったりだったために被害は限定的でした。非常に
乾燥した4月の後、5月には多くの降雨があり、広範囲にベト病の被害が出た
ため、いくつかの畑では手作業で被害を受けた葉や房を除去する必要があり
ました。6月中旬には天候が回復、特に早熟の品種では、例年よりも10日か
ら13日ほど開花が遅れました。夏は温暖な日と冷涼な日が交互に訪れ、ブド
ウが成熟。最終的に降雨量は例年を下回り、その後も好天が続いて平年より
も遅れながらも9月1日から3日に収穫を迎えました。
ヴィエ・ディ・ロマンスの熟成樽に関しての追加情報
西野嘉高もテクニカル情報を書きながら気になっていたのが熟成樽の容量の
情報なんですね。225Lと228L‥その3Lの違いに何があるのか?輸入元さんか
ら回答が来ましたので追加情報として記載しておきます。
樽の製造メーカーによってブルゴーニュタイプである228L容量の樽と、ボル
ドータイプである225Lの樽のが異なるそうです。元々ヴィエ・ディ・ロマン
スではブルゴーニュタイプの228Lの樽を使用したいたそうですが、樽メーカ
ー(ダルジュ、バロン)がブルゴーニュタイプ(228L)の樽の製造を止めて
しまい、以降はその樽メーカーからボルドータイプ(225L)の樽を購入する
ことになったので、熟成に使用する樽の容量が複数あるようです。
なお、現在ヴィエ・ディ・ロマンスのワインの熟成に使用されている樽のメ
ーカーとタイプは下記の通り。なお、3Lの差はワインに及ぼす影響はないと
のことです。
・タランソ :ブルゴーニュタイプ
・セゲンモロー:ブルゴーニュタイプ
・ダルジュ :ボルドータイプ
・バロン :ボルドータイプ
ソーヴィニョン・ブランのステンレス仕上げがピエーレとなりますが、樽熟成されるヴィエリスとの違いは醸造方法のみならず、畑の土壌の違い=ソーヴィニョン・ブランのクローンの違いとなります。ピエーレとなるソーヴィニョンブランは、イタリアのクローンで粒が大きく房が小さい"R3"と呼ばれるタイプ。粒が大きいので果汁に富み、香り豊かで酸もしっかりしたもの。ヴィエリスで栽培されているのはフランスのクローンで粒も房も小さいタイプ。粒が小さいということは、果汁に対する皮の比率が大きくなり皮からの香味成分が豊富でパワフルでボリュームがありそれを熟成させるワインに仕上げるには樽が必要とのこと。
海抜31m付近にある9,42haのヴィエリスの畑で栽培される当時平均樹齢23年のソーヴニョンブラン。2021年の収穫は9月17日と18日。約8度でのでのコールドマセラシオンの後、16度から19度に温度管理されたステンレスタンクで12 日から17日間のアルコール発酵。マロラクティック発酵は行われません。澱と接触させたまま約9ヶ月間バリックにて熟成され2022年の7月14日と15日に瓶詰め。瓶詰め後8ヶ月の瓶熟成を経てリリース。2021年のアルコール度数は14,64度。
収穫は2021年の9月16日と21日、29日で例年フリウラーノ→リースリング→マルヴァジアの順番に収穫されます(収穫日にそれなりの差がありますね)。ブドウは約8度でのコールドマセラシオンの後、16度から19度に温度管理されたステンレスタンクで澱と接触させたまま13日、17日、20日と品種によって違うアルコール発酵期間。マロラクティック発酵は行われずにステンレスタンクで澱と接触させたまま約8ヶ月の熟成後、2022年の3月24日に瓶詰めされ9ヶ月の瓶熟成となります。
アルコール度数は2008年が14.4度、2009年が14.86度、2010年が13.9度、2011年が14.4度、2012年は14.42度、2013年は14.00度、2014年は12,60度、2015年は13,10度、2016年は14度、2017年は13.5度、2018年は13,44度、2019年は13,33度、2020年は14,22度、2021年は13,84度となります。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
お馴染みのデザイン。コルクの質は良質の5cmです。冷蔵庫キンキン温度。グラスはシュピゲラウのデフィニションのボルドー型です(ブルゴーニュ使い)。色はピエーレとそう変わらないかな、クリアなレモンイエロー。香りは非常に素晴らしい。ヴィエ・ディ・ロマンスらしい重厚さを持ちつつも、ソーヴィニョンらしい柑橘、いや、柑橘といっても皮ごと丸絞り的に複雑で、ハーブも多様ながら、どこかクリーミーさが包み込み、溶け込む感じ。これは、樽ドネにも感じたクリーミーさ。つまり、ヴィエ・ディ・ロマンスの樽使い、共通点を感じますね。
口に含みますと、冷蔵庫キンキンながら香味はしっかりと感じます。輪郭からして重厚でミネラルの層は暑過ぎず、果実味溶け込んでますね。酸味と少しの塩味が膨大な果実味を引き締めてます。このせめぎ合いがまたヴィエ・ディ・ロマンスのいいところ。樽ヴィニョンとして、樽の風味はまだそう強くはありませんが、時間経過と温度変化は確実で、その正体は明らかになるはず。
少しの温度が上がると、すでに重厚なのに、重さを感じますね。そして広大です。ただ、ヴィエリスの実力はこんなもんじゃない。初日一杯目がイマイチなわけではなく、伸び代はまだまだある。冷蔵庫キンキンでは、あまり感じなかった、ジンとしたスパイス、旨酸っぱさも出てきますね。とてもおいしいです。
二日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスはシュピゲラウのデフィニションのボルドー型です(ブルゴーニュ使い)。ソーヴィニョンらしい柑橘とハーブの香りの中にマスクメロンの果汁。これは、フロールスにも感じましたが、フロールスにはソーヴィニョンンは入ってません。旨味が出て、メロンの瑞々しい果汁、酸味にグラデーション。思ったほど樽の効き具合は強くはないですね。樽は温度次第の部分もありそうです。
温度が上がると粘性のあるフルボディという感じになりますね。樽香というよりも、なめらかさ。重心が低いんだけれどもアロマちっく品種なので、揮発するような華やかさは口の中で顕著。温度が上がるとさらに余韻は長い。ピエーレよりも密度感、ボディ感が太く重い。ミネラルよりも果実味なスタイル。樽よりも、スタイルの違いですね。
三日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスはシュピゲラウのデフィニションのボルドー型です(ブルゴーニュ使い)。メロンに柑橘を絞った感覚はありますが、柑橘に結構グラデーションがあるんですよ。レモンもあるしマンダリンオレンジのような香りもある。三日目の飲み口は、ミネラルのポジションが少し前で、塩味がハッキリとしてきました。クリーミーな要素はありますが、樽はやや控えめ。14.5度を超えるとは思えないすんまりとした飲み口。ただ、やっぱり厚みはありますね。密度もしかり。オルネッライアのポッジョ・アッレ・ガッツェ(2016年)を飲んだ後に飲み始めましたが、そちらの方が樽のニュアンスは強い。複雑さや全体の大きさ、密度はこちらかな。まあ、このレベルになるといずれもアベレージは超えてますのでどっちもおいしいんですけどね。
TOPに戻る |
イタリアワイン通販 nishino yoshitaka +plus
大きな地図で見る |
[運営] 株式会社ニシノ酒店(会社概要詳細)
[住所] 544-0032 大阪府大阪市生野区中川西2-12-4 [電話] 06-6731-7406(実店舗専用) [電話] 090-1899-4351(ネットショップ専用) こちらに掲載の商品に関しましては、上記携帯電話までお問い合わせ下さい。 [URL] http://www.nishino-yoshitaka.com/ [MAIL]nishino@nishino-yoshitaka.com [MAIL]ypsilon@bk2.so-net.ne.jp |
365日24時間ご注文受付。平均24時間(最長48時間)以内に正式な受注確認メールを配信いたします。毎週月曜日は定休日となっております。日曜の夕方から月曜日にご注文、お問い合わせの場合は、火曜日以降のご連絡となります。 | |
お買い物全般に関することで何か疑問がございましたら、まずは[総合案内所]をご確認下さいませ。様々なご質問に対する回答を掲載しております。 | |
|会社概要|プライバシーポリシー|特定商取引法|送料|決済方法|サイトマップ|お問い合わせ| |
TOPに戻る |