Ciampagnis Chardonnay 2022 Vie di Romans

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ヴィエ・ディ・ロマンス

更新履歴 2024/05/23
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チャンパニス・シャルドネ 2022 ヴィエ・ディ・ロマンス
《イタリア/フリウリ/白/シャルドネ/辛口》

フリウリ州‥スロヴェニアとの国境沿いの街、ゴリツィアの西に位置するマリアーノ・デル・フリウリ地区はイソンツォDOCエリアとなります。祖父の代から100年もの間、ガッロファミリーの手によって守られたその土地は、水はけのよい平らな土地で、海と山の両方から吹く風に恵まれるミクロクリマを持つテロワール。

17歳で家業を継いだ現オーナーのジャンフランコ・ガッロ氏は、同地区のみならずイタリアの生産者が一目置き、イタリア最高の白ワインの生産者として最も尊敬され信頼される‥「北の巨人」と形容される人物です。ジャンフランコが三代目‥次は息子さんが四代目となるそうです。

創立以来「ガッロ」と名乗っていたものの、カリフォルニアの大規模なワイン生産者である「(EJ)ガッロ」との商標権の兼ね合いで1986年に名称の変更を余儀なくされたそうで、現在の「ローマ人の道」という意味のヴィエ・ディ・ロマンスになったそうです。

彼の考えるテロワールとは「人間、土地、気候、ブドウ品種」であり、その中でも最も重要なのは「人間」であるとのこと。また「テロワールに最も適したブドウを栽培すること」「凝縮したブドウを作ること」「完熟期を迎えたブドウを最高のタイミングで収穫すること」な、当たり前のことを当たり前に‥に向かって邁進する生産者。

流行の醸造法や、市場に流されることなく、彼がその地で得た知識、経験を元に毎年生み出されるワイン達。何度かご一緒させて頂きましたが、本当に偉大さを感じる人物ですね。そこには包容力もあるわけですが、自身の目標や探求へのストイックさをヒシヒシと感じます。とても几帳面でブレない‥見習いたいものですね。

2009年からの樽発酵やマロラクティック発酵の廃止、リースリングレナーノ単一のプリン・フリートや、メルロからなるロゼのチャントンスの生産終了もあり、転換期にあると言え、それまでのスタイルとの差異は少なからず感じて当然ですが、思想としては進化をたどっているはずなんですよね。

イソンツォDOCエリアは北緯45度から46度、日本でいうと最北端である稚内あたりとなります。この地区は平地で海抜も30m前後ながら「北」であることや、大陸性気候と地中海性気候の両方を併せ持つこの地区だからこその要因も多数でそのひとつにロシアから吹き付ける冷たく乾いた風"ボーラ"が平地ながら滞留を興さずに冷涼な気候を保っています。

イソンツォ川の南部は粘土質や石灰質が多い土壌で、畑での仕事量は半端ない。グリーンハーヴェストは二度行い、一本の樹から収穫されるブドウは600g、一本のワインを造るに1000gのブドウが必要と言われているので、そのためには二本の樹から収穫したブドウを使うことになりますね。

また徹底的に酸化を防ぐ醸造も彼ならでは。除梗の段階から極力酸化を防ぎ、発酵が始まるまではドライアイスの粒を混ぜることで酸素を寄せ付けません。またタンクには窒素を充填することで酸化を防ぐ徹底ぶる。酸化を防ぎきった果汁は、ブドウの粒の中味と同じ色、香り、味を持つそうです。

 2022年のビンテージ情報

 2022年は全体的に暑く乾燥しており、地中海スタイルの気候に分類できます。
 特に果実の品質と、健康面において、管理しやすいビンテージでしたが、初
 期の数ヶ月は雨が少なかったため地中水の貯水量が減少しました。生育期間
 の3月から4月初めは低温のためやや遅れ、4月中旬に芽吹きが始まりました。
 その後は好天が続きブドウ樹の成長が著しく促進されました。この好条件に
 より、開花は5日ほど早まり、結実も7日早まりました。この早い発育サイク
 ルのおかげで起こり得る果実と果房の異なる成熟段階を示す状態を免れるこ
 とができました。5月、6月、7月は過去になかったほど暑くなりましたが、
 8月と9月に降雨があり気温が下がりました。8月26日に収穫を迎え、全体的
 に果実はバランスのとれた酸度とともに優れた糖度に達することができまし
 た。

 ヴィエ・ディ・ロマンスの熟成樽に関しての追加情報

 西野嘉高もテクニカル情報を書きながら気になっていたのが熟成樽の容量の
 情報なんですね。225Lと228L‥その3Lの違いに何があるのか?輸入元さんか
 ら回答が来ましたので追加情報として記載しておきます。

 樽の製造メーカーによってブルゴーニュタイプである228L容量の樽と、ボル
 ドータイプである225Lの樽のが異なるそうです。元々ヴィエ・ディ・ロマン
 スではブルゴーニュタイプの228Lの樽を使用したいたそうですが、樽メーカ
 ー(ダルジュ、バロン)がブルゴーニュタイプ(228L)の樽の製造を止めて
 しまい、以降はその樽メーカーからボルドータイプ(225L)の樽を購入する
 ことになったので、熟成に使用する樽の容量が複数あるようです。

 なお、現在ヴィエ・ディ・ロマンスのワインの熟成に使用されている樽のメ
 ーカーとタイプは下記の通り。なお、3Lの差はワインに及ぼす影響はないと
 のことです。

 ・タランソ  :ブルゴーニュタイプ
 ・セゲンモロー:ブルゴーニュタイプ
 ・ダルジュ  :ボルドータイプ
 ・バロン   :ボルドータイプ

海抜32mに位置する約9.32haのチャンパニスの畑(2021年よりも拡張)。平均樹齢は19年となります(拡張分平均樹齢が2年若く)。2022年の9月12日から14日に収穫。収穫されたブドウは、約8度に温度管理されたステンレスタンクでのコールドマセラシオンの後、16度から19度に温度管理されたステンレスタンクで18日から20日間のアルコール発酵。マロラクティック発酵は施されず、澱と接触されたまま9ヶ月の熟成を経て2023年の5月16日か19日に瓶詰め。9ヶ月以上の瓶熟成期間を経てリリースされます。

アルコール度数は2009年が14.31度、2010年が13.84度、2011年は14.27度、2012年は14.40度、2013年は13.93度、2014年は13.20度、2015年は13.50度、2016年は14.03度、2017年は13.5度、2018年は13,94度、2019年は13,77度、2020年は14,32度、2021年は13,86度、2022年は14,5度となります。

独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味

お馴染みのラベルデザイン。コルクはなかなかの質ですが、いつものとはちょっと違うような気がするのですが気のせいでしょうか。冷蔵庫キンキン温度、グラスはシュピゲラウのデフィニションのボルドー型です(ブルゴーニュ使い)。例年のチャンパニス同様、クリアでレモンイエローとしては一段深めの色合い。冷蔵庫キンキン温度ですが、香りはよく開いています。新鮮なパイナップル、白桃やみかん、パインが入ったゼリー。ヴィエ・ディ・ロマンスらしいあんず(アプリコット)の果汁の風味も健在。

口に含みますと‥ひと安心。何が心配かって、2009年からのアルコール度数記載していますが、14.5度は最高度数ですからね。飲み口がアルコールまみれだったらどうしようと思ったのですが、そんなことはない。さすが。十分な果実味があり、旨味と酸味の関係はジューシー。口の中いっぱいに果実味が満たします。ハチミツ系の甘味はなく、果実由来の甘味と酸味が非常に好バランス。余韻にもパインとミカン、アプリコットの風味が長く続きますね。2021年は樽ドネから飲んだのですが、2022年の口開けはこのチャンパニス。ソリッドながらシャルドネとしての質の高さはすごい、めちゃくちゃ旨い。14度の重さではなく、果実味自体のボリュームですね。高いアルコールですが、飲み飽きはしません。これはちょっと温度上げてみたいですね。

少し温度が上がりました。終盤の酸味に寄り添うような苦味。ミネラルは丸い。シャルドネとしての複雑さ、満足度は高い。フルーツの華やかさがあってとてもおいしい。やはりこの数年のヴィエ・ディ・ロマンスのシャルドネは、ステドネ、樽ドネ関わらず非常にラベルが高い。そりゃあ、他国専からの引き合いがあるのもわかる。

二日目も冷蔵庫キンキン温度。グラスはシュピゲラウのデフィニションのボルドー型です(ブルゴーニュ使い)。アプリコットに少し黄桃の風味、熟れた蜜りんごも感じますね。柑橘よりもパインが目立つのは初日と同じ。飲み口はクリアで酸味もキュンとしてて伸びもあるんだけれども、果実味はしっかりと密度があり口の中を満たします。14度半は感じさせませんねえ。終盤の味の濃さというか、余韻ともに残るエキス感がそうなのか?いやあ、アルコールの高さは気にしなくてもいい。ミネラリーなんだけれども、果実味がそれに勝るバランス。単一品種とは思えない複雑さは、やっぱりシャルドネってすごいですね。

三日目も冷蔵庫キンキン温度。グラスはシュピゲラウのデフィニションのボルドー型です(ブルゴーニュ使い)。色調は特に変わりありませんね。徐々にここちよい柑橘の苦味が出てくると膨大な果実味もダレることはありません。より一体感が出てきましたね。ドーンとしたシャルドネ砲、でもやっぱり14,5度を感じさせません。樽も使ってないのに、かなり果実味は分厚いんだけれども、先頭ではないにしてもミネラリーな部分はあり、暑くなるこれからの季節に、潤いもあるフルボディのシャルドネとして活躍しそう。もちろん、それなりにリッチなお料理とも合うと思う。サーモンをソテーして、乳脂肪高くない生クリームと軽めのバター、少しハーブ効かせ気味。バーニャカウダ、鶏肉や白身魚のグリルにレモンとおいしいオリーブオイルでもいいのかな。アクアパッツァで貝の出汁効いてるのもいいかもしれない(だいたい、なんでも合う)。2022年のチャンパニス、やっぱりヴィエ・ディ・ロマンスのシャルドネは、樽ドネもこのチャンパニスは新時代に入ってるを実感です。

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