Vie di Romans Chardonnay 2019 Vie di Romans【予備品】

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ヴィエ・ディ・ロマンス

更新履歴 2021/07/02
販売価格

4,980円(税込)

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ヴィエ・ディ・ロマンス・シャルドネ 2019 ヴィエ・ディ・ロマンス
《イタリア/フリウリ/白/シャルドネ/辛口》

フリウリ州‥スロヴェニアとの国境沿いの街、ゴリツィアの西に位置するマリアーノ・デル・フリウリ地区はイソンツォDOCエリアとなります。祖父の代から100年もの間、ガッロファミリーの手によって守られたその土地は、水はけのよい平らな土地で、海と山の両方から吹く風に恵まれるミクロクリマを持つテロワール。

17歳で家業を継いだ現オーナーのジャンフランコ・ガッロ氏は、同地区のみならずイタリアの生産者が一目置き、イタリア最高の白ワインの生産者として最も尊敬され信頼される‥「北の巨人」と形容される人物です。ジャンフランコが三代目‥次は息子さんが四代目となるそうです。

創立以来「ガッロ」と名乗っていたものの、カリフォルニアの大規模なワイン生産者である「(EJ)ガッロ」との商標権の兼ね合いで1986年に名称の変更を余儀なくされたそうで、現在の「ローマ人の道」という意味のヴィエ・ディ・ロマンスになったそうです。

彼の考えるテロワールとは「人間、土地、気候、ブドウ品種」であり、その中でも最も重要なのは「人間」であるとのこと。また「テロワールに最も適したブドウを栽培すること」「凝縮したブドウを作ること」「完熟期を迎えたブドウを最高のタイミングで収穫すること」な、当たり前のことを当たり前に‥に向かって邁進する生産者。

流行の醸造法や、市場に流されることなく、彼がその地で得た知識、経験を元に毎年生み出されるワイン達。何度かご一緒させて頂きましたが、本当に偉大さを感じる人物ですね。そこには包容力もあるわけですが、自身の目標や探求へのストイックさをヒシヒシと感じます。とても几帳面でブレない‥見習いたいものですね。

2009年からの樽発酵やマロラクティック発酵の廃止、リースリングレナーノ単一のプリン・フリートや、メルロからなるロゼのチャントンスの生産終了もあり、転換期にあると言え、それまでのスタイルとの差異は少なからず感じて当然ですが、思想としては進化をたどっているはずなんですよね。

イソンツォDOCエリアは北緯45度から46度、日本でいうと最北端である稚内あたりとなります。この地区は平地で海抜も30m前後ながら「北」であることや、大陸性気候と地中海性気候の両方を併せ持つこの地区だからこその要因も多数でそのひとつにロシアから吹き付ける冷たく乾いた風"ボーラ"が平地ながら滞留を興さずに冷涼な気候を保っています。

イソンツォ川の南部は粘土質や石灰質が多い土壌で、畑での仕事量は半端ない。グリーンハーヴェストは二度行い、一本の樹から収穫されるブドウは600g、一本のワインを造るに1000gのブドウが必要と言われているので、そのためには二本の樹から収穫したブドウを使うことになりますね。

また徹底的に酸化を防ぐ醸造も彼ならでは。除梗の段階から極力酸化を防ぎ、発酵が始まるまではドライアイスの粒を混ぜることで酸素を寄せ付けません。またタンクには窒素を充填することで酸化を防ぐ徹底ぶる。酸化を防ぎきった果汁は、ブドウの粒の中味と同じ色、香り、味を持つそうです。


 2019年のビンテージ情報

 冬から春にかけて厳しい気候が続いたが、夏前から熟成期にかけて回復、気
 温も上がり安定しました。ブドウの芽が出始めたのは4月上旬。気候は安定し
 ていましたが、5月に入ってからは気温が下がり寒く雨が多かった。湿度は高
 く、ブドウの栄養バランスが崩れることが懸念されたが6月に入ると気温は上
 がり、開花を迎える品種には好条件の気候となった。気温の上昇による水不
 足もあったが、好転の影響でブドウの葉は成長、懸念していた栄養不足も回
 復。7月上旬は気温が下がり、雨も降り涼しくなりました。雹が降ることもあ
 りましたが、それ以降は天候は回復、昼夜の寒暖差(昼33度、夜16度)も十
 分にあり、ブドウにとって恵まれた気候条件となりました。8月以降、熟成を
 迎えるまで好転が続きました。出来上がったブドウはキレイに熟成したアロ
 マをもち、酸と糖度のバランスが良く、フェノールの理想的な熟成を遂げま
 した。


 ヴィエ・ディ・ロマンスの熟成樽に関しての追加情報

 西野嘉高もテクニカル情報を書きながら気になっていたのが熟成樽の容量の
 情報なんですね。225Lと228L‥その3Lの違いに何があるのか?輸入元さんか
 ら回答が来ましたので追加情報として記載しておきます。

 樽の製造メーカーによってブルゴーニュタイプである228L容量の樽と、ボル
 ドータイプである225Lの樽のが異なるそうです。元々ヴィエ・ディ・ロマン
 スではブルゴーニュタイプの228Lの樽を使用したいたそうですが、樽メーカ
 ー(ダルジュ、バロン)がブルゴーニュタイプ(228L)の樽の製造を止めて
 しまい、以降はその樽メーカーからボルドータイプ(225L)の樽を購入する
 ことになったので、熟成に使用する樽の容量が複数あるようです。

 なお、現在ヴィエ・ディ・ロマンスのワインの熟成に使用されている樽のメ
 ーカーとタイプは下記の通り。なお、3Lの差はワインに及ぼす影響はないと
 のことです。

 ・タランソ  :ブルゴーニュタイプ
 ・セゲンモロー:ブルゴーニュタイプ
 ・ダルジュ  :ボルドータイプ
 ・バロン   :ボルドータイプ

1990年から始まった単一畑別のワインの中でも、ヴィエ・ディ・ロマンスの名を冠した海抜31mの畑。1986年、2000年、2001年の植樹の樹が栽培されており、平均樹齢は22年のはずです。比較的浅めの土壌に砂利や小石を含む赤みがかった粘土質の畑こそが、その名もヴィエ・ディ・ロマンスと呼ばれる単一畑となり2014年は8.61ha、2015年から9,95haと記載されていますので、畑が増えた分が若い樹の可能性もあります。

手詰みでの収穫の後、ステンレスタンクで約8度でのコールドマセラシオン。16度から19度に温度管理されたステンレスタンクで20日間のアルコール発酵が施されます。マロラクティック発酵は施されませんし、公式サイトに記載はありませんが、2013年から2/3はステンレスタンクで、1/3はバリックでのアルコール発酵となっています。

樽熟成は225Lの樽と228Lの樽が半々、新樽比率20%で澱と接触させたまま10ヶ月以上。樽熟成後澱引きを兼ねてステンレスタンクに戻してから瓶詰め。この2018年ビンテージは、2019年7月の27日、28日、29日に瓶詰め。8ヶ月の瓶熟成期間を経ます。アルコール度数は、2008年は14.6度、2009年は15.15度、2010年は13.77度、2011年は15.10度、2012年は15.24度、2013年は14.42度、2014年は13.25度、2015年は13.7度、2016年は14.5度、2017年は14度、2018年は14,30度、2019年の詳細度数は不明ですが、表記のアルコール度数は14度となります。

独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味

お馴染みのラベルデザイン。コルクはやっぱり質が高いなあ‥な5cm。冷蔵庫キン温度(キンキンではない。13度ほどです)、グラスはヴィノムのブルネッロ型です(ヴィノムXLのピノ型ではない)。ちなみに表記のアルコール度数は14度となります。色味は、一般的な樽ドネを思うとややオレンジではなく、あくまでもレモンイエローの範疇のグラデーションですが、2018年よりは少し、ゴールド感が増したような、増してないような(どっちだよ)。

温度が低すぎないことと、実はグラス選びも影響しているのかもしれませんが、ヴィエ・ディ・ロマンスのシャルドネらしい蜜っぽさに密。パインも新鮮さよりも、少し温度帯の高い果実香で、アプリコット、フィリピンマンゴー、バナナのペーストが混じります。ちょっと大阪人としては「みっくちゅじゅーちゅ」を彷彿としてしまいますね。いかんせん、商品名としての「みっくちゅじゅーちゅ」はサンガリアですから、あまり高級感はないかもしれあませんが、牛乳も含めて、そこは樽の風味と被るんでしょうね。とはいえ、樽香らしい樽香は軽くクリスピーな風味があり、曇ってるわけではないが少しスモーキーな部分がありますね。派手なヴァニラ香ではありません。

口に含みますと、輪郭部分にシャルドネの酸味とハチミツのスパイスがあり、十分にボディ感のある果実味に、同等のミネラルがある。14度代のボリュームも手伝ってやっぱりフルボディな樽ドネなんだけれども、やっぱりド派手な濃さではない。やっぱり(冷えすぎてない≒キンキン)温度って大事ですね。これぐらいから入ると、十分にボディ感もある。ただ、閉じ感はゼロですが、もっと、時間をかけて上げたいと思わせるのが近年のヴィエ・ディ・ロマンスだと思うんだよね(だから、最近、急がないし、急かせない)。全体を包み込むようにまろやかで、大海原な旨味もあるのは、チャンパニスと違う部分。

温度を17度まで上げました(放置プレイです)。グンと深みも増しますね。グラスなんですよね。ついついシャルドネなので、ブルゴーニュ型で飲みたくなるのですが、最近のヴィエ・ディ・ロマンスはもう少し座りのいい、包まれ感、収束するようなグラスの方が似合うのでは?と思ってたのですが、どうやらそうですね。とはいえ、これをオヴァチュアとか、ヴィノムのキャンティ型で飲むのは勧めませんが、ヴィノムのブルネッロ型の口径とボウルはボルドー型よりも、少しブルゴーニュに近い、酸味を上手くコントロールし、ボディの座りがいいように思うんだなあ。まあ、グラスに違和感とか言い出したらキリがないのですが。

うん、旨いですね。これがぐらいの温度がいい。でも、イキナリこの温度ではなく、上げてからのこの温度ですよ。旨味もあるが、濃さもしつこくない。でも、樽ドネというラインらしい旨味と深さがあります。

二杯目ですが、まとまってますね。うん、完成度高い。ミネラルも硬すぎないし、やっぱ温度とグラスかなあ。冷やし過ぎる(キンキン)じゃない方がいいんだろうなあ。でも、お客様に、やれ13度スタードだの、18度まで、だなんては言わない。感覚的に、しっかりとは冷えてないな‥そんな状態が一番イケてるかも?とお考えいただければと思います。そのためには、キンキンとまでは言わないけども、そこそこ冷えてるんじゃなの?ぐらいからスタートすることで、温度が上がってくることでの、この深みを感じていただけると思います。これが、テイタラクな生産者だと、温度の上昇とともにエグ味を感じることもあるのですが、ヴィエ・ディ・ロマンスにはそれがない。だから、ヴィエ・ディ・ロマンスなのです。

二日目は冷蔵庫キンキン温度、グラスはヴィノムのブルネッロ型です。初日に温度高めがいいと記載しましたが、セラーの温度だとちょい高めなので、結局冷蔵庫で保存する感じですね。前もって出しておくような器用な男ではありません。温度は9度を指しています。キンキン温度でもやはり樽ドネらしいクリーミーな香りに包まれた果実香は十分出ていますね。口に含みますと、初日よりも酸味の輪郭がクッキリしてきて、メリハリのある果実味、ながら、エッジが尖り過ぎることはなく、ほどよいまろやかさがあります。旨味もでてますよ。戻り香にスモーキーな感じ、焼き栗系の風味があります。

温度は12.5度。よりマロ味が出てきました。やっぱり樽ドネらしいですね(当然ですが)。ただ、いわゆるヴァニラ香や、圧倒的な度数(15度越えのボリューム)ではありませんが、濃厚濃密な造りではないので、もっとコッテリと、リッチな樽ドネ好きには、ある意味ミネラル推しに感じるかもしれませんが、2019年の樽ドネは、近年では、ミネラル推しではない方だと思いますね(イタリア目線ね)。二日目最後は17度。うん、これぐらいでもいいし、これぐらいがいい。柑橘の酸味も温かいんだけれども、嫌な感じじゃない。人肌に近くなるがゆえの浸透感がまたいい。全体像としてのバランスもいいですね。2019年のVDRはこの樽ドネが最初なんですが、好印象です。

三日目は冷蔵庫キンキン温度、グラスはヴィノムのブルネッロ型です。ブルゴーニュ型よりも似合うと思っています。温度は8度です。温度が低い分、全体的にミネラリーさが前ですが、やはり樽ドネは樽ドネ、らしい香味がありますね。そのスモーキーさも同様です。全体的なまとまり、バランスもよく、今飲んでミナギリ的な飲みにくさはありませんが、まだまだ樽ドネとしてのマロさや、カスターディーな風味、トロ味などの要素は時間が必要になりますね。では、あと何年したら‥というポイントはなかなか難しい。でも10年も必要ではないはずだし、5年ぐらいでと思うわけですが、まあ、状態にもよるしねえ。今、今しか感じられない新鮮さを楽しみたいし、数年後にはその時に手前にあるおいしい要素を楽しむ、こういうことですね。ただ、価格もついに4,980円税込ですので、なんだかチグハグな酒質なら扱いを止めるつもりでしたが、そこはさすが‥ですわ。

やっぱり温度、大事ですね。今、14度ですが、もう少し上がってもいい。少し白桃の風味も入ってきますし、南国フルーツと柑橘はありますが、同等に樽の要素もある。樽ドネらしくワイン単体または、チーズプレートあたりで飲むのもいいですが、季節柄レモンクリームのパスタとかどうでしょう。まったりさと、黄色い清涼感もいいと思います。そんなソースがあれば、蒸し鶏や白身魚のソテーまたはムニエルなんかにかけた料理もいいかもしれません。

樽ドネとひと括りにはできないほど世界中にあるわけですが、ヴィエ・ディ・ロマンスの世界観は2019年も忠実ですし、とてもおいしいですね。いいと思います。

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