Dessimis Pinot Grigio 2021 Vie di Romans

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ヴィエ・ディ・ロマンス

更新履歴 2023/06/20
販売価格

5,980円(税込)

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デッシミス・ピノ・グリージョ 2021 ヴィエ・ディ・ロマンス
《イタリア/フリウリ/白/ピノ・グリージョ/辛口》

フリウリ州‥スロヴェニアとの国境沿いの街、ゴリツィアの西に位置するマリアーノ・デル・フリウリ地区はイソンツォDOCエリアとなります。祖父の代から100年もの間、ガッロファミリーの手によって守られたその土地は、水はけのよい平らな土地で、海と山の両方から吹く風に恵まれるミクロクリマを持つテロワール。

17歳で家業を継いだ現オーナーのジャンフランコ・ガッロ氏は、同地区のみならずイタリアの生産者が一目置き、イタリア最高の白ワインの生産者として最も尊敬され信頼される‥「北の巨人」と形容される人物です。ジャンフランコが三代目‥次は息子さんが四代目となるそうです。

創立以来「ガッロ」と名乗っていたものの、カリフォルニアの大規模なワイン生産者である「(EJ)ガッロ」との商標権の兼ね合いで1986年に名称の変更を余儀なくされたそうで、現在の「ローマ人の道」という意味のヴィエ・ディ・ロマンスになったそうです。

彼の考えるテロワールとは「人間、土地、気候、ブドウ品種」であり、その中でも最も重要なのは「人間」であるとのこと。また「テロワールに最も適したブドウを栽培すること」「凝縮したブドウを作ること」「完熟期を迎えたブドウを最高のタイミングで収穫すること」な、当たり前のことを当たり前に‥に向かって邁進する生産者。

流行の醸造法や、市場に流されることなく、彼がその地で得た知識、経験を元に毎年生み出されるワイン達。何度かご一緒させて頂きましたが、本当に偉大さを感じる人物ですね。そこには包容力もあるわけですが、自身の目標や探求へのストイックさをヒシヒシと感じます。とても几帳面でブレない‥見習いたいものですね。

2009年からの樽発酵やマロラクティック発酵の廃止、リースリングレナーノ単一のプリン・フリートや、メルロからなるロゼのチャントンスの生産終了もあり、転換期にあると言え、それまでのスタイルとの差異は少なからず感じて当然ですが、思想としては進化をたどっているはずなんですよね。

イソンツォDOCエリアは北緯45度から46度、日本でいうと最北端である稚内あたりとなります。この地区は平地で海抜も30m前後ながら「北」であることや、大陸性気候と地中海性気候の両方を併せ持つこの地区だからこその要因も多数でそのひとつにロシアから吹き付ける冷たく乾いた風"ボーラ"が平地ながら滞留を興さずに冷涼な気候を保っています。

イソンツォ川の南部は粘土質や石灰質が多い土壌で、畑での仕事量は半端ない。グリーンハーヴェストは二度行い、一本の樹から収穫されるブドウは600g、一本のワインを造るに1000gのブドウが必要と言われているので、そのためには二本の樹から収穫したブドウを使うことになりますね。

また徹底的に酸化を防ぐ醸造も彼ならでは。除梗の段階から極力酸化を防ぎ、発酵が始まるまではドライアイスの粒を混ぜることで酸素を寄せ付けません。またタンクには窒素を充填することで酸化を防ぐ徹底ぶる。酸化を防ぎきった果汁は、ブドウの粒の中味と同じ色、香り、味を持つそうです。

 2021年のビンテージ情報

 1980年代のようなクラシカルなビンテージ。全体的に生育サイクルはゆった
 りで、ブドウにしっかりと酸が残った状態で収穫ができました。ミネラル分
 と糖とのバランスも取れた仕上がりとなっています。厳しい冬の影響で萌芽
 は遅れました。4月上旬に例外的な霜がおり、成育初期段階の新芽を襲いま
 したが、生育サイクルがゆったりだったために被害は限定的でした。非常に
 乾燥した4月の後、5月には多くの降雨があり、広範囲にベト病の被害が出た
 ため、いくつかの畑では手作業で被害を受けた葉や房を除去する必要があり
 ました。6月中旬には天候が回復、特に早熟の品種では、例年よりも10日か
 ら13日ほど開花が遅れました。夏は温暖な日と冷涼な日が交互に訪れ、ブド
 ウが成熟。最終的に降雨量は例年を下回り、その後も好天が続いて平年より
 も遅れながらも9月1日から3日に収穫を迎えました。

 ヴィエ・ディ・ロマンスの熟成樽に関しての追加情報

 西野嘉高もテクニカル情報を書きながら気になっていたのが熟成樽の容量の
 情報なんですね。225Lと228L‥その3Lの違いに何があるのか?輸入元さんか
 ら回答が来ましたので追加情報として記載しておきます。

 樽の製造メーカーによってブルゴーニュタイプである228L容量の樽と、ボル
 ドータイプである225Lの樽のが異なるそうです。元々ヴィエ・ディ・ロマン
 スではブルゴーニュタイプの228Lの樽を使用したいたそうですが、樽メーカ
 ー(ダルジュ、バロン)がブルゴーニュタイプ(228L)の樽の製造を止めて
 しまい、以降はその樽メーカーからボルドータイプ(225L)の樽を購入する
 ことになったので、熟成に使用する樽の容量が複数あるようです。

 なお、現在ヴィエ・ディ・ロマンスのワインの熟成に使用されている樽のメ
 ーカーとタイプは下記の通り。なお、3Lの差はワインに及ぼす影響はないと
 のことです。

 ・タランソ  :ブルゴーニュタイプ
 ・セゲンモロー:ブルゴーニュタイプ
 ・ダルジュ  :ボルドータイプ
 ・バロン   :ボルドータイプ

海抜34mに位置する約9,05haのデッシミスの畑。平均樹齢は23年となります。2021年9月10日と15日、20日に収穫。収穫されたブドウは、約8度に温度管理されたステンレスタンクでのコールドマセラシオンの後、16度から19度に温度管理されたステンレスタンクで25日から38日間のアルコール発酵。マロラクティック発酵は施されず、澱と接触されたまま9ヶ月の熟成を経て2022年の7月21日から22日と、25日から26日に瓶詰め。8ヶ月以上の瓶熟成期間を経てリリースされます。

アルコール度数は2009年が15.56度、2010年が14.21度、2011年が15.00度、2012年は15.23度、2013年は14.66度、2014年は13.20度、2015年は13.8度、2016年は14.92度、2017年は14度、2018年は14,94度、2019年は14,13度、2020年は14,90度、2021年は14,52度となります。

数年間まではもっと赤味がかった色を持つピノ・グリージョでしたが、この数年は淡さを感じる薄いピンク色。スキンコンタクトによる色の抽出と思われがちですが、決してそうして色が付いているわけではないそうです。ピノ・ノワールの亜種のひとつであるピノ・グリージョが完熟すると、ブドウ果皮の色がしっかりと果汁に伝わり、スキンコンタクトをせずとも果汁に色が付くそうです。また、搾りたてのモストから酸化が進めば透明に近づくそうですが、ヴィエ・ディ・ロマンスでは酸化を嫌う為に搾りたて同様のピンク色が保たれるそうです。

独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味

お馴染みのヴィエ・ディ・ロマンスのラベル。コルクはかなりの質の5cm。冷蔵庫キンキン温度、グラスは、シュピゲラウのディフィニッションのボルドー型(ブルゴーニュ使い)です。セルロイドのオレンジ色ですが、これをオレンジワインとは呼んで欲しくないのでよろしく哀愁(昨年も同じこと書いてます)。玉ねぎの皮とか、ラマート(銅)色とも呼べるかもしれませんが、まあ、一応白ワインとしてますが、これを白です‥って出したら怒られるだろうな(ここも昨年も同じこと書いてます)。2021年は夕張メロンの果汁がブラッロオレンジよりも優勢。ポイップクームのような軽いクリーミーさと、樽の風味が交差する。いや、柑橘の部分、酸味を感じさせる部分はまさにブラッドオレンジ。濃縮果汁還元ではないストレートががとてもい。キンキン温度ですが、十分香りは開いています。

口に含みますと重厚な座布団のような輪郭。クリーミーながら密度がむっちりあるフルボディ。ボラッドオレンジの苦味が終盤から余韻に続きます。ラベル表記のアルコール度数14,5度もお似合いなボリューム感。口の中を満たす夕張メロンとブラッドオレンジは新鮮そのもの。そう、低い温度だと酸味がキュンとしてて新鮮。だからこれだけ重厚でも飲み疲れないし、もう一口を欲する。現時点でクリーミーだけれどもヴァニラの風味はそう強くはない。デッシミスのこの個性は唯一無二。そうそう、先日甲子園での野球観戦に、フルーツサンドを持って行きましたが、それだな。ミカンとかマンゴーとか、パインとかのフルーツサンド。そう、生クリームも挟まってて、まさにこのワイン。お料理と合わせるとすると、うーんなんだろうね。これはワイン単体か、フルーツのパフェがいいのかもしれません。

安定してますね。この個性は普遍のもの。2020年よりも樽の風味は大人しく感じますが、フルーツは膨大。そして終盤の(ブラッドオレンジ)の苦味が、フルボディのこのワインをクドくさせない。うん、温度が上がってきますと、どんどんブラッドオレンジの風味と苦味が際立ちますね。これはデッシミスの2021年の個性、程よい酸味と合間ってこんなに重厚なワインなのにキレも感じさせます。

二日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスは、シュピゲラウのディフィニッションのボルドー型(ブルゴーニュ使い)です。ああ、やっぱり初日飲み過ぎてる=こんなに重厚なんだけど飲みやすい。少し色合いの赤身が穏やかになったような気がしますが、初日の画像と見比べるとこんなもんですね。夕張メロンにアプリコット、マンゴージュース。重厚でベルベットのようだけれどもクリアに冷える。うん、やっぱり終盤のブラッドオレンジの酸味に薄化粧をするような甘味のベールがかかる。単一品種でここまで複雑だとほんと感心しますね。樽ドネはワールドクラスになりましたが、このデッシミスは唯一無二の個性、目指されるようなワインなんじゃないかなと思います。

三日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスは、シュピゲラウのディフィニッションのユニバーサル型です。三日目になるとミネラルが前に、酸味もクッキリとしてきますので、重厚なワインにどこか瑞々しさを感じますが、そもそもの果実味のネクター具合が少し飲みやすくなった程度ですけども。終盤の苦味は相変わらずで、それがさらに飲みやすくしてくれてるのも相変わらず。よりパワフルな個性は初日か二日目、三日目でも十分ですけどね。まあ、いつもながらデッシミスの個性は、嫌な個性ではなくおいしいですね。間違いありません。

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