Chianti Classico Baron Ugo 2014 Monteraponi
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キャンティ・クラッシコ・ バロン・ウーゴ 2014 モンテラポーニ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ90%、カナイオーロ7%、コロリーノ3%/フルボディ》
キャンティ・クラッシコ地区の数あるコムーネの中でも、比較的標高が高くその繊細でデリケートな酸を持つサンジョヴェーゼを数多く生むのがラッダ・イン・キャンティ。そんなラッダの中心街から約3kmほど南西に位置するモンテラポーニという小高い丘の頂上にアジェンダを構えます。モンテラポーニの畑と熟成庫は998年より存在していたとされ当時の所有者はこの蔵の最高のワイン名前になっているウーゴ男爵でした。3つの塔を囲む四角形に構築された忠誠の町並みを修復・復元した建造物はウーゴ男爵から修道院の手に渡り、現在の所有者であるブラガンディ家が購入したのは1974年とのこと。ラッダらしい高い位置に所有する土地は200haながら、ブドウ畑は標高が420mから560mに位置する10ha、内8haがキャンティ・クラッシコDOCG認定の畑となります。
現当主であるミケーレ・ブラガンディ氏によって2003年からビオロジックに切り替え、自社瓶詰めを開始し、2009年に認定を受けました。砂質や、ガレストロの非常に痩せた土地、森に囲まれたモンテラポーニ特有のミクロクリマを持ちます。仕立てはグイヨが中心で年によって畝の間に様々な植物を植えることで緑肥を行い、土壌を管理しています。2007年からはマストロヤンニ、ボスカレッリ、グラッタマッコなども担当するマウリツィオ・カステッリ氏がエノロゴを勤めています。
醸すキャンティ・クラッシコは三種類。スタンダードなCCと、イル・カンピテッロの名前の付くCCR、そして最上級のCCRバロン・ウーゴ。ただし、バロン・ウーゴに関しては2012年はブルゴーニュ型ボトルに入れられIGTでリリースされています。まだ日本市場は2011年のボルドー型瓶のCCR格となりますので2013年以降、どのような扱いになるかは不明。公式サイトはCCRのボルドー型瓶が掲載されています。
そういう点でもまだ安定していない生産者。ビオロジックに傾倒しているのは前々からですが、2010年の(特に)CCRイル・カンピテッロの出来栄は伝説的なものでしたが、トレッビアーノやロゼは還元臭も強く、絞まりのない酒質に扱いを断念しました。どちらを‥という二択ではありませんが、さてどうするんでしょうね。
そんなモンテラポーニからリリースされたのが、このキャンティ・クラッシコ・バロン・ウーゴ2014年なんです。最上級であるバロン・ウーゴの畑名を冠するワインは、今年2013年あたりがリリースされる年回りのはずですが、2014年は熟成途中ににCCRとして瓶詰めするのを断念しCCとしてリリースすることになった作品になるようです。
モンテラポーニが所有する畑の中でも最も標高の高い570m付近で平均樹齢42年ほどのブドウが栽培されるのがバロン・ウーゴ畑。単一クリュとなるCCRバロン・ウーゴは優良年のみの生産、ながら前述のように2012年はIGTでのリリースの経緯あり。
手詰みでの収穫後はブルゴーニュ地方で盛んに使用されているDemoisy社の除梗機で果皮を傷つけないように丁寧に除梗した後、最高28度を越えないように配慮されますが、温度管理はしないセメントタンク(ナンブロ社)での野生酵母のみでのアルコール発酵とマセラシオンは25日間。その間、定期的にピジャージュとルモンタージュを行い抽出を促します。発酵後はグルニエ社製の大樽36ヶ月の熟成されますが、この2014年は17ヶ月の熟成の時点で瓶詰めされています。なお、瓶詰めは下弦の月の時期に無濾過、無清澄、自重によって瓶詰めされます。
スペック的にはスタンダードなCCと似ている。スタンダードなCC(ただし2013年のテクニカル情報)も25日間の醸し発酵が施される。樽熟成の16ヶ月(CC)と、17ヶ月(CCバロン・ウーゴ)は誤差の範囲、ながら、実は樽材に違いがある。スタンダードなCCはフランス産と、スラヴォニア産の大樽となるが、バロン・ウーゴは、ブルゴーニュにあるグルニエ社製の大樽が使用される。
この2014年にCCに格下げとなったCCバロン・ウーゴながら樽熟成はCCRバロン・ウーゴと同じくグルニエ社製の大樽が使用されています。
なお、ブドウの出所、畑は、スタンダードなCCはバロン・ウーゴのクリュの下部、標高の低い部分のブドウが使用される。そして、標高の高いバロン・ウーゴのクリュは通常CCRとして醸造されるわけです。
2014年は非常に雨が多く、日照量も少なかったため、例年よりも果皮が薄くマセラシオンもやや短めとしたそうです。ビンテージの特徴となるフレッシュさや飲みやすさを優先してCCRではなく、CCとしてリリースとなりました。ただ、樽熟成に関して、スタンダードなCCと同じ樽材を使わなかったことは一抹の期待をもって熟成させたのだと思います。しかし、スタンダードなCC2014年を瓶詰めする際、バロン・ウーゴの樽の状態をみてCCに格下げしたのだと予想しています。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味(2016年9月)
スタンダードなCCと同じボルドー型瓶に、白地のラベル。CCRバロン・ウーゴはマスタード色のラベルでしたからここでも格下げ感がありますが、さらに白地のラベルに赤色の帯の斜線がありますね。例えばビオンディ・サンティも2002年のロッソ・ディ・モンタルチーノは格下げモノとして"fascia rossa(赤い帯)"の名前が付けられ赤い帯の斜線(取り消し線のようなもの)がラベルに描かれています。他にもオフビンテージの時に同様の斜線を入れる銘柄があったと記憶します。キャップシールはスタンダードなCCのものではなくバロン・ウーゴの(高級な)ものが使用されています。2011年のCCRバロン・ウーゴのアルコール度数は13.5度、2013年のスタンダードなCCのアルコール度数は13度、この2014年のCCバロン・ウーゴは12.5度となりますね。
コルクはもうひとがんばりの4.5cm。頭とお尻に2014年の刻印。Baron Ugoの刻印もありますが、Chinati ClassicoとRiservaの文字はないのでこの2014年のCCバロン・ウーゴ専用のコルクと思われます。グラスはヴィノムのキャンティ型一択(アルコール度数も12.5度だしね)。
透明度があり深みのあるルビー色。焼き栗、石焼という鉱物的なものを加算した焼き栗の風味、その奥にスミレ、ダークチェリー、セミドライのイチジク、ラズベリー。口に含みますと、鮮度ある果実の香味があり、フレッシュな酸味が伸びやかです。ただ、密度に不足はなくブドウの香味に樹齢の高さも伺えるし、どの土壌の味‥そう、サンジョヴェーゼ、いやキャンティ・クラッシコの土っぽさがありますね。少し鉱物を感じる土壌、でも、そんな土っぽさばかりではない。赤から紫にグラデーションするベリー、チェリーのフルーツもたっぷりあるし、酸味、渋味ともに質は高い。
思った以上にタニックな部分もある。これはバローン・ウーゴ譲りかな‥どちらかとするならばボルドーっぽい。対してイル・カンピテッロはブルゴーニュっぽいのが個人的な印象。
ああ、ゆったりと楽しむ二杯目、旨味とジューシーな酸味が絡み合う。やわらかさ‥ふくよかさもあるのですが、12.5度というアルコールのスムーズさ‥飲みやすいですね。とても端正で、エレガントな紳士。
二日目もヴィノムのキャンティ型。初日の焼き栗や鉱物っぽさが大人しくなり、スミレや果実香など、サンジョヴェーゼ満喫香が前。旨味とともに少しの甘味が出てきましたね。よりまろやかですが、ミネラルのカチッとした構成感は変わらず。
オフだから格下げ‥所詮はオフビンテージな出来損ない‥。CCRバロン・ウーゴの2011年は希望小売価格12,052円税込ですからね。で、この2012年のCCバロン・ウーゴの希望小売価格は4,708円税込‥そう、2011年の40%でしかない。ならば、その酒質、品質も40%に‥つまり60%減か?となるとそうではない。実は無理矢理の3,000円ポキーリで、あえてCC2013年に合わせたんだけれども、そりゃあ、バロン・ウーゴの格下げ=値下げはコスパが高くなるのを実感します。3,000円税込なら真っ当だし、選択肢筆頭候補でもいい感じ。もちろん、2014年ならではの特別なワインという意味もあるんだけどね。
余韻、長いよお。バランスもいい、ちゃんと複雑、これも非の打ち所がないなあ。キャンティ・クラッシコを逸脱しない真っ当なミディアムでストレスのない飲み口、サンジョヴェーゼらしさ‥。
三日目もヴィノムのキャンティ型。少しのお茶っ葉、果実香にスパイス、いいまとまりがありますね。旨味推しではありませんが、やはり三日目ともなると旨味とジューシーな酸味のつゆだく感が美味しい。渋味、酸味ともに馴染んでいますよ。
ああ、旨い。
オフブンテージでも素晴らしいバランスがあればまったく問題はない。うーん、それにしても余韻も長いな。
ほんと、素晴らしいサンジョヴェーゼ、キャンティ・クラッシコに仕上がってます!
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