Chianti Classico Baron Ugo 2017 Monteraponi
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※2021年5月17日(月)9時更新:初回入荷60本が完売しましたので24本追加しました。
※2021年5月17日(月)14時更新:追加分が完売しましたので24本追加しました。
※2021年5月18日(火)10時半更新:追加分が完売しましたので24本追加しました。
※2021年5月19日(水)15時更新:追加分が完売しましたので12本追加しました。
※2021年5月21日(金)12時更新:12本追加しました。
※2021年5月31日(月)15時更新:18本追加しました。
※2021年7月10日(土)11時更新:6本追加しました。
※2021年7月22日(土)19時更新:8本追加しました。これで輸入元は完売かと思われます。
キャンティ・クラッシコ・ バロン・ウーゴ 2017 モンテラポーニ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ90%、カナイオーロ7%、コロリーノ3%/フルボディ》
キャンティ・クラッシコ地区の数あるコムーネの中でも、比較的標高が高くその繊細でデリケートな酸を持つサンジョヴェーゼを数多く生むのがラッダ・イン・キャンティ。そんなラッダの中心街から約3kmほど南西に位置するモンテラポーニという小高い丘の頂上にアジェンダを構えます。モンテラポーニの畑と熟成庫は998年より存在していたとされ当時の所有者はこの蔵の最高のワイン名前になっているウーゴ男爵でした。3つの塔を囲む四角形に構築された忠誠の町並みを修復・復元した建造物はウーゴ男爵から修道院の手に渡り、現在の所有者であるブラガンディ家が購入したのは1974年とのこと。ラッダらしい高い位置に所有する土地は200haながら、ブドウ畑は標高が420mから560mに位置する10ha、内8haがキャンティ・クラッシコDOCG認定の畑となります。
現当主であるミケーレ・ブラガンディ氏によって2003年からビオロジックに切り替え、自社瓶詰めを開始し、2009年に認定を受けました。砂質や、ガレストロの非常に痩せた土地、森に囲まれたモンテラポーニ特有のミクロクリマを持ちます。仕立てはグイヨが中心で年によって畝の間に様々な植物を植えることで緑肥を行い、土壌を管理しています。2007年からはマストロヤンニ、ボスカレッリ、グラッタマッコなども担当するマウリツィオ・カステッリ氏がエノロゴを勤めています。
醸すキャンティ・クラッシコは二種類。スタンダードなCCと、イル・カンピテッロの名前の付くCCR。2011年まではCCRを名乗っていたバロン・ウーゴは2012年からはブルゴーニュ型ボトルに入れられIGTでリリースされています。それ以外にもエントリーラインのロッソ(IGT)や、サンジョヴェーゼとメルロからなるロゼ、トレッビアーノの白、ヴィン・サントなどを醸造、グラッパやオリーブオイルもありアグリツーリズモも営んでいます。
そんなモンテラポーニからリリースされたのが、このキャンティ・クラッシコ・バロン・ウーゴ2017年。最上級となるバロン・ウーゴの畑名を冠するワインは、前述の通り2012年からはIGTとして詰められていますが、この2017年と、2014年は、IGTではなくCCとしてリリースされています。CCですので、規定通りボルドー型ボトルとなり、ラベルは白地に赤斜線(ファスチャ・ロッサ)も2014年と共通ですね。
オフビンテージが故の格下げとなりますが、栽培や醸造は最上級であるバロン・ウーゴと同じ。モンテラポーニが所有する畑の中でも最も標高の高い570m付近で平均樹齢49年以上のブドウが栽培されるのがバロン・ウーゴ畑。手詰みでの収穫後はブルゴーニュ地方で盛んに使用されているDemoisy社の除梗機で果皮を傷つけないように丁寧に除梗した後、最高28度を越えないように配慮されますが、温度管理はしない内側をガラスコーティングしたセメントタンクで野生酵母のみでのアルコール発酵。その後、約40日間にも及ぶ醸し期間中は毎日ピジャージュとルモンタージュを行い抽出を促します。発酵後はグルニエ社製の大樽36ヶ月の熟成されます。2014年の格下げされたCCバロン・ウーゴは、通常36ヶ月の樽熟成を17ヶ月の時点で終了していましたが、この2017年は36ヶ月の樽熟成を経た後、澱引きを兼ねてセメントタンクに移されさらに一ヶ月落ち着かせてから下弦の月の時期に無濾過、無清澄、自重によって瓶詰めされます。
2014年の格下げCC・バロン・ウーゴは3,000円税込で販売しました。今回は4,980円税込、えらい値上がりしたなと思われるかもしれません。もちろん、為替や物流費の影響もありますが、蔵出し価格が上がってるはず。なぜなら、同じ格下げとはいえ、スペッック的には2017年はバロン・ウーゴIGTそのもの。熟成期間を17ヶ月で止めた2014年と違い、2017年は36ヶ月と満了。満了まで待った結果、やっぱり格下げを判断したのだと判断します。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
スタンダードなCCと同じボルドー型瓶に、白地のラベル。ラベルには赤色の帯の斜線がありますね。例えばビオンディ・サンティも2002年のロッソ・ディ・モンタルチーノは格下げモノとして"fascia rossa(赤い帯)"の名前が付けられ赤い帯の斜線(取り消し線のようなもの)がラベルに描かれています。他にもオフビンテージの時に同様の斜線を入れる銘柄があったと記憶します。ただ、決して赤斜線があるからと言ってセカンドとか格下げではない銘柄もありますので、そこは鵜呑みにしないように。キャップシールはスタンダードなCCと同じ。アルコール度数は2014年のCCバロン・ウーゴは12.5度でしたが、この2017年は13,5度となります。2014年はまあまあのコルクでしたが、この2017年はなかなかのコルクじゃないですか。4,5cmで、頭とお尻に2017年の文字、側面にはCHIANTI CLASSICO BRON UGOの刻印がありますので、専用コルクになりますね。グラスは非常に迷いました、2014年はアルコール度数が12,5度でしたので、ヴィノムのキャンティ型ですが、この2017年は13,5度、満了の36ヶ月樽熟成、ザルトのユニバーサルと、ヴィノムのブルネッロとで迷って後者です。
モンテラポーニらしい非常に奥深い赤色がとてもいい。そして、この香り!これはヤバイ!少し鉱物的で、焼き栗の風味は2014年を彷彿とさせますね。奥深く立体的なスミレと、ダークチェリーの風味。現時点で非常に解放的で、なおかつ奥深さがあるので、香りだけでも立体的なのがすぐにわかる。
もう我慢できないので口に含みますと、口の中を満たす液体は圧倒的で、しなやかながら非常に密度を感じ、まだ新鮮さを感じる酸味もいい意味で若い内のおいしさで伸びもいい。継ぎ目なく、まろやかな果実味があり、少し鉄分、ドラキュラ系鉱物と酸味が結びつきますね。イル・カンピテッロとは違うがモンテラポーニらしいサンジョヴェーゼであり、あくまでも混醸。逆に100%でないからこそのキャンティ・クラッシコ感がありますね。2013年のバロン・ウーゴは未飲ですし、ビンテージが遅れてるのでなんとも‥ですが、ほぼほぼバロン・ウーゴなんじゃないかなあと思います。2017年の猛暑で格下げしたのだと思いますが、まったく暑苦しさなど感じませんし、この酸味も手伝って、冷涼さを感じるほどラッダらしい果実味を持ちます。
しっかりと濃いめの赤のチェリーやベリーの果実の香味はたっぷりとあるし、まだまだ熟れの要素はあるが、質の高い酸味とタンニンに文句はない。そもそも、スペック的にはCCGSを名乗れるわけだが、そもそもバロン・ウーゴをIGTにしたわけで、そこらへんはお察しいただきたい。
猛暑の2017年の格下げということで、酸不足なのかと思ったら、予想以上に酸味はしっかりとしている。全体的なバランスがバロン・ウーゴIGTには満たなかったということでしょうが、これは、非常にお買い得です。もちろん、本来ならば、希望小売価格11,000円税別でして、弊社の販売価格だと7,980円税込あたりかな。じゃあ、それよりも3,000円安いからお買い得とも言えるけれども、あくまでもCCGSも、CCRも名乗らない、あくまでもCCなんだけれどもそんなの関係ネー、4,980円税込の販売価格は決して高くはない。これは間違いない。確かに、モンテラポーニは個人的に贔屓の銘柄だけれども、この4,980円税込の値打ちはある。間違いない。そう、俺が言うんだから間違いない。
ただし、もちろん格下げなので、慎重になるべきでもある。初日にすべての力を使い果たしてしまうかもしれないし(まあ、ほとんどのお客様は初日で消費されているかと思うが)、やはりせめて二日目の状態は確認したいですね。
二杯目。いやーん、めっちゃいい香りが出てきた。飲み口にもまとまり、しっとり、馴染みな二杯目。これはマジでヤバイね。やっぱり、モンテラポーニの格下げは(2014年同様)絶対に旨いわ。艶っぽくしっとりとしてますね。決してベトベトとしているわけではないけれども、程よい粘性があり、ボディも十分。二杯目は酸味も底無し沼に溶け込み始めててほんとスゴイ。旨味もあるし、大きく感じますね。
ポイントは酸味だな。バロン・ウーゴIGTなら、もう少し穏やかな酸味なのかもしれない。このCC・バロン・ウーゴ2017年は、その名の通り、キャンティ・クラッシコ的な酸味、もちろん、まだ若いという元気な酸味もあるんだけれども、ミケーレ・ブラガンディが目指すIGTとしてのバロン・ウーゴとは違うだけで、CC、なんならCCGSとしてなら、なんら問題もないし、非常に上質。余韻も長いのを気づかないぐらい、全ての要素にストレスのない開きを感じてる。
二日目もヴィノムのブルネッロ型です。香りは初日同様に開いてますし、ユルさはないが硬さを感じさせないですね。この数ヶ月以内に2015年のCCR・イル・カンピテッロを飲んだ感じではまだ全体的に硬さがあり本領発揮ではないと感じたのですが、この2017年のCC・バロン・ウーゴに関しては初日一杯目から十分飲めるし、まだ‥という感覚はありませんね。だからって熟成ポテンシャルを感じないわけではない。もちろん、バロン・ウーゴIGTの方が熟成ポテンシャルも高いはずだけれども、若いうちから旨いのは断然こっちだと思いますね。このしっとりと濡れた果実の香りね、これモンテラポーニの絶好調の香りなんですよ。これに魅了されてモンテラポーニが好きになったわけだし、正直書くと、モンテヴェルティーネよりも上ですね(恐ろしく語弊あり)。もちろん、価格的にモンテヴェルティーネはさらに高くなったわけだけれども、それも含めて、今の(←ここ最重要)モンテヴェルティーネよりもいい。CC2018年は3,000円で販売しておりますが、もう1,980円足してでもこちらを買う方をオヌヌメする。絶賛オヌヌメする。
って、今から口に含むんですけどね。二日目らしい馴染みとまとまり。飲み口もやっぱりしっとりと濡れた果実味がとてもスムーズ。酸味は心地よく伸びやか。非常におおらかな果実味が口の中でゆったりと広がりますね。非常にバランスがいいですね。格下げという贅沢がここにある。目指すスタイルがボルドーかブルゴーニュかの二択なのはしょーもないことですが、これはブルゴーニュですね。大まかなスタイル、方向性という意味ですよ。
チェリー系の果実味にプラム系の果実の香味も出てきましたね。旨味もあるのですが、旨味推しではない。ジューシーでつゆだく、唾液を誘発する酸こそ至高。4,980円税込でもお安いと正直思うが、これを3,980円税込で販売できたら…タラレバはイケませんね。
そろそろ気付いたかと思いますが、基本的にワイン単体でも十分に楽しめる酒質。サンジョヴェーゼ100%でないことも効いてるなあ(どっちが有利という話ではない)。飽きさないリズムがあるのは混醸の恩恵。もちろん、お料理は欲しい。トマトソースはしっかり火を入れたいですね。牛肉でもいいし、豚肉でもいい。やっぱり甘味のある脂が欲しい。いやあ、こうなるとお好みのバゲットとお好みのオリーブオイルだけでもいんだけども。って、反則技ですね。
二日目の方が甘味を感じるかもしれませんね。旨味と密接な甘味があります。酸味ほど渋味は目立ちませんが(語弊あり)渋味も甘味なんですねえ。しっとりと旨い二日目はマジでストレスがない。一応フルボディと記載していますが、これだけすんなりと馴染むように飲めると全体像としてはミディアムっぽく感じるかもしれない。ただ、ワインの良し悪しはフルボディが一番ではないのはご存知の通り。余韻もあるし、しっとりしているけど、力強さがもあるしな。これは、キャンティ・クラッシコだな。しかも極上のね。
三日目もヴィノムのブルネッロ型で通します。いやあ、いいねえ。初日からずっといい。モンテラポーニらしいやわらかな果実香に甘味と旨味があるんだけれども、それだけじゃない、それ以上なところがいいんだな。飲み口もさらにまとまりと馴染みがあり深い。押し迫る感じではなくタタズミ系なんだけれども、しっかりと香味が開いているのがいいし、飲み口はほんとスムーズ。13,5度もいい仕事してます。渋味も酸味も青さがないのがいいですね。全体的なバランスも素晴らしく、モンテラポーニの良さを再確認させてくれる一本に仕上がっています。
これは久々に身震いするほどのキャンティ・クラッシコ、サンジョヴェーゼとなっています。あたしと同じく、このワインに関しては、オフビンテージにより格下げという事実をネガティブに捉えず、ポジティブに考えいただければと思います。必飲ですよ!
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