Chianti Classico 2014 San Giusto a Rentennano
トスカーナ州の赤 > San Giusto a Rentennano
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キャンティ・クラッシコ 2014 サン・ジュスト・ア・レンテンナーノ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ95%、カナイオーロ5%/ミディアム》
雨の多い夏で2014年は不利な天候ですが、ブドウの成熟の遅さは返って均一な成熟をもたらしました。執拗とも言える畑での作業は、その難しい天候に合わせて行い、選別を厳しくし、良質のブドウ得ることでフルーティーで親しみやすいキャンティ・クラッシコに仕上がったようです。
2014年は9月の23日から30日と10月の9日の収穫。醸しと発酵は13日間。樽熟成はバリックと100hl、30hl、5hlの樽の併用で約11ヶ月熟成されました。瓶詰めは2016年の2月9日から12日と15日から17日の二回に分けて行われフルボトルで46.096本詰められました。軽くフィルターがかけられているようです。
ちなみに生産本数は、2011年は35,297本、2012年は39,236本、2013年は36,864本で、この2014年は46,096本と約10,000本ほど多くなっています。
この生産本数の増加は2014年はペルカルロは生産されなかったという可能性も考えられますね。また、表記のアルコール度数は2011年は14.5度、2012年は14度でしたが、2013年は13.5度、この2014年は13.5度となります。ペルカルロが生産されなかったからと言ってアルコール度数が高くなるわけではないのは、そういうビンテージだったと考えられますし、逆にアルコール度数が落ちてない要因もペルカルロが生産されなかったた可能性も考えられます。ちなみに正確なアルコール度数は13.28度。公式サイトによる飲み頃は2016年から2021年とのこと。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
すっかり2013年は完売しておりますので、厳密な比較ができませんが、全体的なデザインは一緒ですいが、またビンテージの書体が変わったような、変わっていないような‥まあいい。コルクはまあまあの質の4cm、グラスはヴィノムのキャンティ型一択。ちなみに表記のアルコール度数は前述の通り13.5度。
アテンション・プリーズ!
また、公式サイトに約10年分ほどのテクニカル情報が記載されるようになりましたが、この最新の2014年のCCを含め、今年リリースされるワインのすべてに‥
As the wine has been only lightly filtered.
some sediment may appear in the bottle.
の記載があります。またバックラベルにも同様の文言がありますね。このスタンダードなCC以外は、明確な澱や沈殿物を確認できませんが、このCC2014年には濾過されなかった沈殿物、澱のようなものが目視できます。それほど多いものではありませんが、安置すれば沈む澱のようですが、動かすと少し舞いますので飲まれる際はゆっくりと注いで下さいね。
グラスに注ぎますと、例年よりも少し赤よりも紫、うん、まだ全開ではないがレンテンナーノのCCらしい果実香。赤色はフランボワーズやチェリーにイチゴ、紫はスミレとブルーベリー。とても親しみやすくチャーミングな果実香は楽しくさえある。
サン・ジュスト・ア・レンテンナーノの生産者としての優れたところは、このCC、そしてレ・バロンコーレを名乗るCCR、そしてIGTのペルカルロ、その価格差に納得できるラインナップで、では、このCCは一番チープで品質が低い‥と思わせるわけではないこと。CCにはCCの役割があり、リゼルヴァにはリゼルヴァの、スーパートスカーナとしてのペルカルロにはペルカルロとしての役割がキチンと表現できていて、一番カジュアルに楽しめるはずのCCはリリースすぐに飲めておいしい、そしてお求めやすい価格に抑えられている‥
真っ当!
だから好きなんだよ。未熟という意味ではなくスパイス香混じりのハーブのヒント。ほんの少しの白粉、うん、全開ではないが、閉じではない。
これぞレンテンナーノ!
("閉じの美学"とまでは言わないけどね)
いい大人しさがある。キャピキャピしてない。キャピキャピしたワインに限って、酸味がトゲトゲしているものだ。
口に含みますと、うん、2014年というネガティブな印象とはほど遠い。思った以上に膨らみがある。輪郭にトゲトゲしさはなく、じゅんわりと毛細血管を這うような酸味が行き届く。渋味も細やかで粒が揃っている。
ああ、旨い。のっけから旨いではないか。
確かにカジュアルな部分は感じる。この後に飲む予定のCCRやペルカルロを飲めば尚更だろう。だが、CCとして至極真っ当。やわらかいチェリーの果実味、余韻も長いじゃないか。まったくオフを感じさせない。
なんなら、この2014年の良さは13.5度というアルコール度数にあるかもしれない。スタンダードなCCに過剰なアルコールは必要がない。それを支えれるだけの果実の密度があるわけではないから、アルコールだけが一人歩きしちゃうんだ。
そういう意味でもバランスは凄くイイ。まあ、あまりオフを感じさせることはない造り手だし、レンテンナーノに関しては暑過ぎるビンテージの方が似合わない酒質に陥る可能性も高い‥例えば2000年や、2003年。まだ一杯目だが、それらよりはずいぶんとバランスが良いように感じる。
二杯目、おだやかだなあ‥大海原系のまとまり。酸やタンニンの芯、核がありそこの肉付きがぷっぷりしててやさしい。果実味がやさしく丸くなるが、酸味が馴染むに少しの時間差があるのは若いワインならでは。二日目以降、お馴染みのジューシーさや、つゆだく感がでるのを期待したい。
二日目もヴィノムのキャンティ型です。初日よりもレンテンらしいラズベリーの赤い酸味を持つスミレの香りがハッキリとしてきました。口の中の果実味も同様で、決してエキスぃではありませんが、しっかりと熟したラズベリーや、ベリー、イチゴの果実味がありますね。
正直、もう少しフラットで軽やかな感じかも‥と想像していたのですが、思った以上に密度もありますし、これがカツーンなら、ギリギリでいつも行きていたいからさあぁぁぁ♪な感じですが、決してギリギリまでいかない段階で上手くバランスを取ってるのがさすがレンテンナーノなのです。
とはいえ、サン・ジュスト・ア・レンテンアーノが優れた造り手である理由のひとつに、クラス分けがキチンとなされていることなのです。このCCが品質も価格もCCRを超えることはありません。でも、他の生産者のCCと比較すると、上質であり、よりCCらしさがあるんだよね。もちろん、CCなのにまるで‥も褒め言葉になりますが、レンテンナーノの場合は、CCがCCであることの表現に忠実なんです。無理がない。自分の知り、わきまえている‥。
ブルスケッタが喰いたいなあ。レバーペーストではない。マリネしたトマト、イタパセがチラチラするのだが、その上に融点の低いラルドを一枚ぺろいんちょぃてくれると嬉しい。
そう、カジュアルラインです。真っ当にカジュアルライン。おいしく、キャンティ・クラッシコらしいものを‥とリクエストされたらコレを選んでしまいますね。もちろん、もっとCC格なんだけれども密度の高いものもないわけではないし、弊社のラインナップの場合はちゃんとそこに価格差があるようにセレクトしているつもり。
グラスの中でも時間経過である程度のジューシーさは出ますが、まだ、つゆだく感は多くはない。これまた三日目に期待ですな。
三日目も冷蔵庫キンキン、グラスはヴィノムのキャンティ型。前述の通り、少しの沈殿物、澱がありますのでそっと注ぎますが、やはり少しは混じりますね。しかし、舌触りに影響するほどの量でも質でもありませんので、気にしない、気にしない。
三日目になって香りのトーンが落ち着いた。元々外交的ではないがよりまとまり、深くなる。少しヨーグルっぽにも似たなめらかさ、旨味が前にでて、ジューシーな酸が溶け込んでやわらかい。チュパるような酸味もまろやかに溶け込んでいますね。
初日や二日目とは違い、溌剌さや新鮮さは鳴りを潜めた感じ。時間経過での穏やかな酸化がもたらす‥落ち着きを感じます。
総論(早漏ではない)。2014年はネガティブに捉えられがちですが、さすがレンテンナーノ、上手く、旨くまとめてきてますね。昨年よりもお値段も下がりましたしそんなネガティブなイメージも払拭してくれる内容‥やはりサンジョヴェーゼ好き、いや、キャンティ・クラッシコ好きの永遠のド定番かつ、十八番で間違いなく安心して「キャンティ・クラッシコ」を楽しませてくれます。
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