Fontalloro 2010 Felsina
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フォンタローロ 2010 フェルシナ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ/フルボディ》
ドメニコ・ポッジャーリ氏がカステルヌォーヴォ・ベラルデンガのワイン荘園を購入したのは1966年のこと。友人であった故ルイジ・ヴェロネッリ氏の紹介で、フランコ・ベルナベイ氏をエノロゴに雇い入れ、1983年にリリースしたのがフォンタッローロと、キャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ・ランチャ。このふたつのワインで一気にフェルシナの名声が高まることになります。ポッジアッリ家の所有となりますが、現当主は、娘婿であり1982年までは哲学博士として高校で教鞭をとっていたというジュゼッペ・マッツォコーリン氏。
フェルシナが位置するのはシエナの北、キャンティ・クラッシコ認定地域最南端のカステルヌォーヴォ・ベラルデンガ地区で、一部はキャンティ・コッリ・セネージ地域となり、境界を跨いで畑を所有しています。ランチャはキャンティ・クラッシコ地区内の単一畑、フォンタッローロはキャンティ・コッリ・セネージ地区のブドウも混醸されてますので、キャンティ・クラッシコを名乗ることはできないんですね。
カステルヌォーヴォ・ベラルデンガ地域は土壌は石灰を含む岩と薄板状のマール土壌が主体で、僅かに砂質とシストが混じり込みます。この複雑な土壌は感想しがちでブドウ樹は地中深くの粘土層まで根を生やさないと十分な水分を得られません。現在ではビオロジックを採用してブドウ栽培を行っていますが、ブドウのみならず様々種の植物をブドウ畑に隣接させることでミツバチや、動植物との共存を進めているそうです。
「有機的な栽培だけでは十分とは言えない。サンジョヴェーゼはマッサル
セレクションによって色々なクローンの最良の樹を増やしてきた。
更に森や動植物との共存を進め、次世代に僕達の伝統を残していきたい。」
また、同時に、
「自然な栽培環境とワインの美味しさは関係ない。」
とも言い切るところに共感を覚えます(まったくその通りだよ!)。
現在リリースしているキャンティ・クラッシコは四種類。CCベラルデンガ、CCRベラルデンガ、CCRランチャ、CCGSコローニア(現時点で日本未入荷)。サンジョヴェーゼ100%からなるIGTのフォンタッローロにカベルネソーヴニョンのマエストロ・ラロ、シャルドネのイ・シストリ、ヴィンサント。近年はスプマンテにも挑戦しています。
フォンタッローロは実は単一畑(クリュ)ではないんですね。そう、キャンティ・クラッシコDOCG認定の南端の畑と、キャンティ・コッリ・セネージDOCGに股がる区画になります。もちろん、認定されているか否かは土壌他モロモロに違いであり、個性の違うふたつの区画のサンジョヴェーゼの混醸‥こういう解釈でお願いします。
haあたり5,400本の株密度、厳選され収穫したブドウは除梗され圧搾されます。28度から30度に温度管理されたステンレスタンクで醸し発酵は16日から20日間。期間中は毎日パンチダウンとポンプオーバーが施され香味を抽出します。新樽と、一年落ちの
バリックの併用で18ヶ月から22ヶ月の熟成後させます。瓶詰め後は8ヶ月から12ヶ月の樽熟成後リリースされます。
【2020年4月7日追加販売分】
さて‥状態は、一番最初に仕入れた並行輸入モノと、正規輸入モノの二種類のロットとなります(
ご指定はできません。どっちも中味は一緒です)。私物から6本捻出させていただきました。本日は1990年も販売しておりますので、20年差な縦飲みにピッタリ、どちらも超グレートビンテージですからね。正規輸入元さんはまだ決まってませんし、このご時世、決まるとも思えません。今年は2016年がリリース年と思うと現行比6年となります。まだ、リリース時とさほど変わらないと想像しますが、角も取れつつあるでしょうね。見た目の新同品ですし、澱らしき澱もない状態です。ちなみに表記のアルコール度数は14度となります。2010年はもちろん超優良ビンテージ、寝かせるもよし、若いうちの力強さを楽しむもよし!
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
お馴染みのフェルシナの意匠と一目でわかりますが、いつぞやからロゴや生産者名などの配置が変更になりその配置が気に入らないんだがまあいい。コルクは弾力あるなかなかの質の5.5cm。フェルシナはコルクもとても上質なんですよね。グラスはヴィノムのブルネッロ型、表記のアルコール度数は2009年は13.5度でしたが、この2010年は14度となります。
抜栓したて、グラスに注ぐ途中からすでにフォンタローロの香りが開いていますね。非常に濃密で、フォンタローロらしさは、赤い果実よりも黒い果実が中心にドンとある。そして、香りからもしっかりとしたタンニン、構成感を感じるのです。そして、フォンタローロらしい鉄分、血っぽさ、メルロそれとはまた違うんですけどね。これも硬さを感じる要因のひとつかもしれません。
とはいえ、すでに現行比3年以上も感じる熟れも香りから感じます。14度ですが、リキュールにはならないカシスやスミレの風味に隙がない。口に含みますと、輪郭に張りを感じつつも果実味全体は丸い、丸い。果実味にミネラルが溶け込んでいて(そう、あくまで果実味主体、ミネラルは溶け込む方ね)、すでに旨味がありギュんとした酸味もたっぷりある。
旨いですねえ。
初日の一杯目ですがすでに旨いし、これからまだ旨くなりますよ。フランコ・ベルナベイらしい強さがあるんです。樽もとても馴染んでいて違和感がありません。ヴァニラは強過ぎず、少しギシっとした木質なニュアンスもある。これまたフォンタローロやランチャに感じますが、少し枯れた葉の感じ、熟成したそれとは違う、若い内から感じるシガー的な風味も複雑です。
十分な密度と、口の中を満たす感覚はフルボディ。芯はカチっとしてるし、豊富なタンニンと酸味は構成感があり、「硬さ」を感じますが、果実味はちゃんと丸さがありやわからさもあるんですよ。
ワインの肴は、(わけあって)セブンイレブンのサンドイッチ「炙りベーコンBLT」ですが、これがトマトもたっぷり入っててサンジョヴェーゼに合うんですわ。これを一口、そして咀嚼してからフォンタローロを飲むと、フォンタローロが甘くなるんですよね。トマトの「酸味」はもちろんですが、「炙り」は「樽」と、「ベーコンの脂」が「タンニン」がいいんですね。やっぱりイタリアワインは、何か食べながらがいい。どこが合ってるかは後付けでもいいんです。何か食べて下さいね。
うん、グラスの中で「解ける」感覚。構成感は残したまま、硬さがやさしくなってくる。
旨い!さっきよりも旨い!
三杯目イッっちゃおーかなーをググっと我慢だ。
二日目もヴィノムのブルネッロ型。ほんと開いてますね。スミレに爽やかさと奥深さ、少しのカーボン、ジャミーではない完熟香、14度のアルコールの馴染み。複雑だなあ、単一品種なんだけれども非常に満足度が高い。口に含みますとヒヤヤカなミネラルがしなやかに溶け込んでいます。十分な満たされ感、旨味があり、最後は乾いたタンニンがサーっと。
クドくない甘味、これぞ旨味に酸味と渋味、まとまっててほんとにいいビンテージを実感しています。これで5,980円税込なんだからサンジョヴェーゼ単一のスーパータスカンは価格的に評価されてないんだな(安いのは嬉しいけど)。
三日目もヴィノムのブルネッロ型。終始開いた感覚はこの三日目も。二日目同様の深い黒い果実の香りに、どっぷりとしたスミレ。飲み口はまろやかさに拍車がかかり、旨味もあるが、カチっとしたミネラル、タニンとの構成感は相変わらず。これぞフ
ォンタローロで間違いない。例年‥とまで言わないがもう少し酸化を感じる金属的な香り(これも構成感とも取れるのだが)があるのだが、2010年は酸化系の香りはないし、まだない。すでにバックビンテージとなっているが、お値段は(日本市場)現行の価格なのも超嬉しい。
三日目でもまったくヘコタレることはない。グラスの中でどんどんと、さらにおいしくなるだけ。やっぱり最高のサンジョヴェーゼのひとつと実感。めさくさ旨いです!
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