Langhe Nebbiolo 2015 Bartolo Mascarello【第二回販売分】

ピエモンテ州の赤 > Bartolo Mascarello

更新履歴 2018/10/03
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ランゲ・ネッビオーロ 2015 バルトロ・マスカレッロ
《イタリア/ピエモンテ/赤/ネッビオーロ/フルボディ》


1922年、バルトロの祖父によってアジェンダが設立されました。バルトロ・マスカレッロが自身のバローロを醸したのが1961年のこと。そして2005年に惜しまれつつ他界。その志や、頑なな姿勢とスタイルは、長女のマリア・テレーザに引き継がれました。

その「造り」は、古典派、クラッシックと形容されます。時代に流されることなく、昔から守り続けていたブドウ栽培や醸造を頑固に守り続けているのです。現在所有する畑は合計約5haと小さなもので、その(ネッビオーロの)畑はカンヌビ、サン・ロレンツォ、ルーエ、ロッケの4カ所となります。確かに単一クリュ名を名乗ることは、そのテロワールの具現化という意味では理解しやすいといえますが、バルトロ・マスカレッロでは単一クリュ名でバローロは(原則)醸造していません(大昔にカンヌビをリリースしていた歴史あり)。

誰もが単純にカンヌビの名を冠した単一クリュのバローロを‥と思いがちですが、バルトロの考えはカンヌビの畑は特別に日照に恵まれているがゆえに、暑過ぎるビンテージには、それがかえってマイナス要因になりかねない…とのこと。

単一クリュのビンテージによるブドウの不出来を、その他の畑からのブドウで補う‥という考え方があり、単一クリュ名は冠さずとも、村名バローロDOCGとして、そのビンテージを表現し、そのビンテージの最良のものを‥という意思の表れだそうです。もちろん、様々な畑からのブドウをブレンドすることは、より複雑さを醸し出すことにも寄与しているとも考えられます。

昨今では、単一クリュ名を名乗るワインは少なくありません。村名はスタンダードクラスで、クリュを名乗ると上級ラインとして価格も高くなる傾向にあります。それはそれで西野嘉高的には否定はしません。より、その単一クリュの特性が表現され、村名よりもおいしいとうのであれば価格差は当然といえます。しかし、畑の個性の差や、生産本数の少なさだけで高い価格設定がされているなら、さてどうでしょう?

合計5haとはいえ、何もネッビオーロのみが栽培されているわけではありません。ネッビオーロはカンヌビが1ha、ルリエとサン・ロレンツォが0,38ha、トリリオーネ(ラ・モッラ)が1haとなります。バルベーラは0,7ha、ドルチェットは0,77haの記載がありますので、残りはフレイザ他となりそうです。

では、醸造に目を向けてみましょう。あくまでもバローロの話ですが、ランゲ・ネッビオーロは樽熟成途中(9ヶ月後)にセレクトされたものとのことで、基本的にブドウや醸造はバローロと同じです。で、伝統的なセメントの発酵槽は温度管理をしません。発酵中は毎日のルモンタージュが行われ期間は約15日から20日間そして熟成中は樽の移し替えが行われます。発酵終了後にバローロの場合は3年もの熟成を経ますが、最初の一年は1回から2回、二年目と三年目には年に1回の樽の移し替えを行います。澱引きを兼ねており、移し替えに際に空気に触れさせることで、ゆるやかな酸化を促すわけですね(澱引きは熟成期間中に二回のみの情報もあり)。

そして瓶詰。通常は三年後の冬に行うのが一般的だそうですが、バルトロ・マスカレッロでは半年遅い夏に行います。寒い時期の瓶詰めは、塩(←澱?)が固形化して浮遊するためフィルターが必要になる‥バルトロ・マスカレッロでは、フィルターをかけることで失われる要素がないように‥との配慮のようです。

では、樽熟成に関して、もう少し言及しておきます。熟成に使用されるのは、バリックでもフランス産のオークでもなく、スラヴォニア産の大樽(ボッテ)で行われます。バリックでの樽熟成を頑なに嫌がった生産者としても知られていますね。

前述しましたが、バルトロ・マスカレッロのランゲ・ネッビオーロは正統なセカンドワインと言えるでしょう。樽熟成から9ヶ月経過した時点での樽のセレクションとなります。そのバローロのようにじっくりと長期大樽熟成が施されているわけではありませんが、若いうちから親しみやすい‥とは言い難い堅牢な酒質です。ま、しばらくはHOLDということになるかと思いますが、なんつっても2015年、お一人様一本でゴメンなさい。

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