Chianti Classico Riserva 2015 Podere Castellinuzza
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キャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ 2015 ポデーレ・カステッリヌッツァ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ・ディ・ラモーレ100%/フルボディ》
もともとは小作人だった父ジーノ・コッチャが1962年、標高500以上に位置する約3,5haのブドウとオリーブ畑を購入します。現在はその息子であるパオロ・コッチャと妻のルイーザ、三人娘のアントネッラ、セレーナ、マルティナによって運営されている家族経営の小さな造り手です。畑の場所はグレーヴェ・イン・キャンティの中でも標高の高いラモーレ地区となります。栽培するブドウもサンジョヴェーゼ・ディ・ラモーレとなり、位置関係ではポッジオ・スカレッテや、クエルチャベッラよりも少し南にありますが、標高の高さは550mから600mとキャンティ・クラッシコ地区の中でも屈指の高標高となります。
セメントタンクとステンレスタンクの併用で14日間の発酵の後、セメントタンクで最低18ヶ月の熟成後、バリックで12ヶ月の樽熟成。瓶詰め後も最低8ヶ月の瓶熟成を経てからリリースとなります。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
ラベルはいい意味で地酒っぽいですね。上辺に凸なカーブのある変形ラベル、どこかフィレンツェの酒屋に並んでそうなラベルがなんだか懐かしい。生産本数も多くないので、そんなに輸出するつもりがあったのか、なかったのか(どっちだよ)な感じがします。とはいえ、スタンダードなCCが白ラベルに対して、このCCRは黒地のラベル、向かって左にあるブドウの葉は金色の箔押しで高級感もありますね。とはいえ、コルクはスタンダードなCCと同じまあまあの4,5cm、グラスはヴィノムのブルネッロ型にします。アルコール度数は、2015年のCCが13,5度に対し、このCCRは14度となりますね。色調もリゼルヴァということもあり、もう少し濃いのかと思ったのですが、ラモーレに忠実、深さや暗さはありますが、向こうが見透かせる赤。立て続けに、カステッリヌッツァのキャンティ・クラッシコを飲んでますので、その共通項としての香りに納得。スタンダードなCCほど外向的かつ、開放的な開きではありませんが、香りの重心の低さや、カメハメ派で例えると(おい)、かーめーはーの段階と思われます。スミレとチェリーの香りは確かに詰まってますね。香りからも密度のさらなる高さが伺えます。香りの密度が高いと自ずと果実味の密度も高く、密度の高さは、硬さを感じる可能性もあるわけですが、はてさて、とにかく飲んでみましょう。
ピュアな輪郭、少し色の付いた石灰に、微かに鉱物的な香り。果実味に張りがあり密度感ともにスタンダードなCCとの違いを感じますが、決して硬さではないかな。まだ一杯目ですからね。張りがあるとはいえ、しなやかな部分に甘味を感じます。渋味の酸味の量は十分ですが、質の高さもヒシヒシと感じますね。ミネラルに塩味、うん、なかなか威厳を感じさせるなあ。厳格な構成感。2015年らしい高バランスさは完成されており、いい意味で特徴を感じさせにくいのかもしれませんが、この全体像を見て欲しいし、味わって欲しいですね。もちろん、細部を確認することも大事なんですが、それらがひとまとまりになり、パチっとハマるパズルのよう。
あー空気を含んでくるとなおさらいいですね。やわらかさ、しなやかさが出てくる。それにしても、このカステッリヌッツァは余韻がすばらしく長いですね。心地よい酸味の伸びがほんとによくて、味も香りもツーっと牽引してくれる。
二杯目。うーん、旨いね。構成比率としては、スタンダードなCCよりも少ないんだけれども、少しの香ばしさ、苦味があるのもいいアクセントであり複雑さに寄与します。とはいえ、このCCRはサンジョヴェーゼ100%の一本気な部分も感じますね。この造り手、かなりレベル高いですね。時間経過とともにむくむくと湧き出る旨味、でも旨味推しではないのもいい。ラモーレはグレーヴェですが、ラッダ同様に高標高なわけで、確かに冷涼さを感じますね。いい意味でタイトですが、ユルさと紙一重の温かさではない。
二日目もヴィノムのブルネッロ型。同じ2015年のCCと同時に飲んでいるのですが、さすがにクラス上感がありますね。二日目らしい馴染みとまとまりを感じますが、しっかりとフルーツの香りがまだまだ湧き出ますね。口に含みますとそのフルーツの濃密さが際立ちます。CCの方がよりタンニンを感じるというか、CCRの果実味の豊富さかもしれませんが。ボディ感もひとまわり大きく深い。ただ、スタンダードなCCとのボディ感の差はそれほど大きくはないんだけれども。舌の上に甘味を伴う渋味と果実味があり、少し茶葉的なタンニンも感じますね。決してエキスぃなわけではないんですが、味と余韻が続きます。とてもおいしい。
旨いねー。ラモーレらしい可憐な部分もあるんだけれども、リゼエルヴァとなるとそれなりの密度の高さもヒシヒシで、圧倒的な濃さではないが、飲み応えもある。でも、上品よ。決して押し付けがましくない。バランス重視なスタイルも美しい。
三日目もヴィノムのブルネッロ型です。馴染みの段階ですが、香りは開放的ですね。そのCCよりも熟度を感じる甘味もありますが、甘味すらピュア。セメントタンク熟成による穏やかな酸化熟成、バリックで追熟成されているはずですが、まったくバリックの派手さはありません。この造り手は果実味を殺さない酸化熟成が上手いんですよね。非常に果実香がピュで、でも、酸化の恩恵もヒシヒシ。旨味もほどほどで、ジューシー。スタンダードなCCよりもひとクラス上の密度感と大きさはありますが、あくまでもラモーレらしいエレガントさを持ちます。
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