Langhe Nebbiolo Martinenga 2019 Marchesi di Gresy

ピエモンテ州の赤

更新履歴 2022/04/09
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ランゲ・ネッビオーロ・マルティネンガ 2017 マルケージ・ディ・グレシィ
《イタリア/ピエモンテ/赤/ネッビオーロ/ミディアム》

マルケージ・ディ・グレシーは12世紀から続くトリノの貴族、スイスの不戦条約にサインしたベネディット・ディ・グレシーを先祖に持つ名家。現在の当主はアルベルト・ディ・グレシィ氏で、1990年、彼の祖父の代に避暑と狩猟を目的としてバルバレスコの土地を購入したのが始まりで、1973年にマルケージ・ディ・グレシィを興し、バルバレスコを始めとするワイン生産を開始します。

所有するブドウ畑は合計35haで、バルバレスコ村のマルティネンガ、トレイゾ村のモンテ・アリバルト、カッシーネ村のモンテ・コロンボとラッセッラの4カ所となります。すべての醸造はその本拠地であるマルティネンガの醸造所で行われています。特にマルティネンガは著名な畑(区画)で、現在もグレシィ家の単独所有(モノポール)となります。

ランゲ・ネッビオーロはマルティネンガ区画の一番下の畑で標高280m、南西向きの畑。バルバレスコ認定の畑となりますが、比較的樹齢も若い樹が栽培されランゲ・ネッビオーロ用となっています。ビンテージによっては、マルティネンガや、ガイウン、カンプ・グロの両クリュのブドウが使用されるビンテージもあります。

収穫されたブドウは温度管理されたステンレスタンクで果帽で酸化を防ぎながら6日から7日間のマセラシオン。アルコール発酵時には適宜ポンプオーバーが施され抽出を促します。アルコール発酵後はマロラクティック発酵が施され、ステンレスタンクとセメントタンク併用で5ヶ月ほどの熟成後瓶詰めされます。

独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味

グレシィはバルベレスコを含め基本ボルドー型瓶ですね(一部シャルドネはブルゴーニュ型瓶ですが)。このランゲ・ネッビオーロもボルドー型瓶。バルバレスコは茶封筒のような色合いのラベル地ですが、このランゲ・ネッビオーロは白地、茄子紺一色の文字やロゴは非常にシンプルかつ上品で質が高い(個人的に高得点です)。キャップスシールのシルバーも白地のラベルに似合ってます。コルクはディアム社製の5cmで以前よりも0.5cm伸びましたね。表示のアルコール度数は13.5度とななります。ちなみにグラスはシュピゲラウのデフィニションのボルドー方です(ユニバーサル型と迷いました。樽を使用していないピュア系というのもあり‥)。

色調は、やや明るさもありますが、赤々よりも少し黒がさす感じ、そしてエッジはオンレジとネッビオーロらしい色合いです。コルクのお尻もしっかりと染まってましたが、液体自体は決して色濃いわけではないタイプですが、香りがめっちゃしっかりしていますね。もちろん、樽熟成させてないので樽香こそありませんが、スミレとバラの香りに、ピュアなベリー系の果実香、渋味を連想させる香りはやっぱり紅茶や茶葉系。少し香ばしく感じるのは、樽ではなく(樽熟成ないからね)、土壌由来の有機的な香りかもしれません。色の薄さ(語弊あり)とはウラハラに、香りいスキはなく密度を感じます。

口に含みますと、うん、ピュアなネッビオーロ感は満開。まだ熟れを要する新鮮さと若干の荒さを感じますがこれは時間の問題。13,5度も適切な飲みやすさがあり、ハツラツとした酸、しっかりとネッビオーロを表現する渋味があります。取ってつけてない果実本来の甘味もアクセントとしてあり、ああ、やっぱりネッビオーロらしく、紅茶などん茶葉系のタンニンが中心に果実の肉付けという感じ。フルボディではありませんが、密度に抜けもなく、とても上質なミディアムボディで、品種特性をよ表現できています。

酸味の恩恵もあり、チャーミングな赤い果実もたっぷりとありますが、このピュアさはいいですね。基本、ピュアなサンジョヴェーゼも好みのあたし的には、そのように使えるネッビオーロでもありますね。樽熟成もさせてそれなりの重みや濃さ(語弊あり)のあるタイプのネッビオーロもいいですが、こういうピュアなキャンクラのようなランゲ・ネッビオーロも使い方次第でとってもいい。

そして、使い方は共通点もある。やっぱりトマトあればなんとかなるよね。樽はないけれども、結構、渋味のメリハリがあるので、脂分はぜんぜんウエルカム。焼きトマトにおいしいオイル。豚モツのトマト煮込みなんかもいいかもしれない(あ、大阪人なので基本モツは牛ですが、あえて豚と書きました)。チーズ系の重たさは必要ないかな。軽めのバターや、オリーブオイルならいい。先日、馬肉のミンチでボロネーゼ作ったんですがそれでも良かったなあと。赤身肉の味しっかり系か、トマトを中心として‥がいいかもしれませんよ。

それにしても、味わいはしっかりしてる。香味ハッキリ、メリハリがありますよ。樽なしですが、しっかり満足感があります。二杯目にもなると落ち着いてきて、旨味も感じられるようになりますが、まだ新鮮さがありますけれども、とってもおいしいですね。古酒も好きですが、こういうハツラツとしたネッビオーロもとてもいい。

二日目です。あら、案外初日に飲んでるみたい(半分以下になっとる)。まあ、それぐらい飲みやすいワインでもあるんですよね。グラスはシュピゲラウのユニバーサルにしてみます(深い意味はない)。初日同様に良く香りが出てますね。スミレやバラがパっと開いた感じ、そこに追随するように甘味を帯びた果実香。飲み口の渋味がいい。酸味もジュシーですが、ネッビオーロらしい紅茶葉の渋味が豊富でうっとりする。初日の溌剌さは少し落ち着き、二日目らしいまとまり。旨味と甘味が少し出てきましたね。余韻も長いし、軽快なミディアムボディなんだけれども、ワイン単体でもすごくおいしい‥と感じるほど、色んな要素が開いてる。

三日目もシュピゲラウのユニバーサル型。相変わらず香りはしっかりと開いていて、花や果実の香りが力強く芳香。飲み口にはさらに甘味と旨味を感じ、初日のフレッシュな酸が落ち着き、溶け込んできましたね。うん、これはうまいなあ。樽熟成させたネッビオーロとはまた違うまろやかさがあり、三日間で一番密度が高く感じますね。これは、フレッシュな酸味の溶け込み具合とか、全体のまとまり、一体感の成せる技。基本ミディアムですが、三日目は旨味と甘味もあって、満足感は一番高い。うん、ネッビオーロらしい茶葉が濡れてたり、乾いてたりとほんとおいしいですね。

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