Sassicaia 2020 Tenuta San Guido【第五回販売分】
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サッシカイア 2020 テヌータ・サン・グイード
《イタリア/トスカーナ/赤/カベルネソーヴィニョン85%、カベルネフラン15%/フルボディ》
マリオ・インチーザ・デッラ・ロケッタ氏(現投手のニコロ・インチーザ・デッラ・ロケッタ氏の父)が、シャトー・ラフィット・ロートシルトから苗木を譲り受け、ボルゲリの地でブドウ栽培を始めたのは1940年代とのこと。公式な初ビンテージとなる1968年までは、自家消費用のワインだったそうです。当時は2haの畑から5,000本程度の生産本数だったとか。
その後のサッシカイアの名声はご存知の通りで1994年には、スーパートスカーナとしてVdT(ヴィノ・ダ・ターボラ)として生まれながらも、遂に単独DOC『ボルゲリ・サッシカイアDOC』を名乗ることになります。現在は90haのブドウ畑から、サッシカイアは約20万本生産しています。約20年前の1995年ビンテージあたりは5万本だったそうですから、4倍になったわけですね。その名声の高まりとともに世界的な需要も増えたことでしょう。その期待に応えるためには、畑を買い増ししなければなりません。当時のボルゲリならば、まだそれも可能だったのかもしれませんし、元々、オリーブ畑だった場所がブドウ畑に開拓された場所もあったでしょう。現在はサッシカイア以外にも、レ・ディフェーゼやグイダルベルトも生産しているわけですが、基本的にサッシカイアのセパージュ比率はカベルネソーヴニョン85%、カベルネフラン15%は、初リリース時から(ほぼ)不変だそうですし、ジャコモ・タキスの監修、レシピもいまだに(ほぼ)守られているとのこと。
畑が増えると平均樹齢も下がるでしょう。しかし、そこを新しいワインを作るなど調整してきたのでしょうね。もちろん、当時と今とでは、ブドウ栽培に関する技術は手法も飛躍的に‥となると、サッシカイアとしての品質を保ちながら増産が可能になったのだと思います。1995年当時の希望小売価格は不明ですが、生産本数が4倍になれば、希少性は1/4になる‥なんて単純ではないはずですが、希少性が下がっても、価格は上がるんですよね。お金の話で申し訳ないのですが、そこまで値上げになるともういいや‥とならないギリギリのラインを保ちながら、サッシカイアってそれぐらいするよねーの「それくらい」を、知らぬうちに徐々に、わからんように上げてくるあたり、ビジネスとしても成功したのかもしれません。もちろん、コスパだけで計れない「特別ななにか」を持つからこそサッシカイアなわけですが。
現在のエノロゴはグラツィアーナ・グラッシーニ(Graziana Grassini)女史。彼女の公式サイトには、ジャコモ・タキスの紹介もありますから、ジャコモ・タキスの元でエノロゴとしての経験を積んだ方なのだと想像します。テヌータ・サン・グイード以外にも手掛けている生産者は複数あるようですが、特に著名な生産者がいるわけでもないのはそれなりに志もあるのだと思います。ついつい、ジャコモ・タイスや、ジュリオ・ガンベッリなど伝説的なエノロゴの名前を亡き後もまるで手掛け続け続けられているような情報が氾濫していますが、その志とともに継いだ者が手掛けていたとしても、進化もあって当然、経費を評しつつもいつまでも、レジェンド達の名前を前に出すのはそろそろ止めるべきかもしれません(自分にも言い聞かせています)。なお、アグロノモはヌコラ・ポリーティ。
「サッシ=石」「カイア=な場所」の名前にもあるようにボルドーはメドック地方に似た土壌は、サンジョヴェーゼではなくカベルネソーヴニョンに最適と判断したんですね。9月の初旬にカベルネ・フランが、10月上旬にかけてカベルネ・ソーヴニョンが収穫されました。トスカーナ内陸よりも早熟なのはボルゲリならでは。早い時期に完熟すれば、それだけ雨による影響も避けることができるわけですが、2016年は10月にかけて収穫していますのでじっくりと完熟させることができたビンテージと言えるようですね。最後は標高400m付近にあるカスティリオンチェッロの区画でした。
この2019年は、9月の第二週にカベルネフランから収穫を始めました。最初は標高の低い区画から始まります。海抜300m付近の中腹の区画は10月の最初の10日間で収穫を終えました。手詰みでの収穫後、選果、除梗され、丁寧に搾られます。26度から27度に温度管理されたステンレス製のタンクでアルコール発酵。醸しに関しては、カベルネソーヴニョン、カベルネフランともに13日から15日間。カベルネソーヴニョンは10日から13日間。ポンプオーバーとデステレージュが施され香りやタンニンを抽出します。その後、11月の末までにマロラクティック発酵が完了。フランス産のバリックと、一部アメリカンオーク樽の併用でで20ヶ月から25ヶ月の樽熟成後瓶詰めされます。ガンベロロッソ誌トレビッキエリ、ヴェロネッリ誌99点。2019年、非常に評価が高いですね。
2019年は10月中旬から年末にかけて降雨があり湿度が高い日が続きました。2020年になって穏やかな気候となり、気温は平年を上回りましたが、2月に入って厳しい寒さが到来し、気温は0度近くまでさがることもありました。3月は強い海風と雨で始まりましたが気温は穏やかで、特にメルロの生育が進みました。3月末、北風が強く気温が低下、夜には氷点下になることもありましたが、カベルネソーヴィニョンは晩熟の品種のため影響はありませんでしたが、カベルネフランはグリーンハーベストを行いました。4月、5月は穏やかな日がありましたが雨の日もあり気温は低めでした。6月中旬以降、気候は回復し7月の降雨により中断を除いて晴れて温かい日が続きました。完熟に至るまで例年より一週間ほど早く十分にフェノール類が熟しました。9月の第一週にカベルネフランを初め、比較的樹齢の若い区画から収穫が始まり。その後標高の低めのカベルネソーヴィニョン、9月の最終週には海抜300m以上のカベルネソーヴィニョンが収穫されました。
十分な選果の後、ソフトプレスでの圧搾は過剰なタンニンの抽出を防ぎます。27度から28度に温度管理されたタンクでのアルコール発酵は10月末までに完了。頻繁にデレスタージュとポンプオーバーを施し、香味を抽出しました。マロラクティック発酵は11月の末。澱引き後、新樽45%、一年落ち樽45%、それ以上の樽10%のバリックに移され25ヶ月以上の樽熟成の後、澱引きをかねてステンレスタンクに移され初めてブレンド、瓶詰めされます。
ヴィノス/97点
The 2020 Sassicaia is a bold, rapturous wine. Dark, fleshy and expansive on the palate, the 2020 offers up scents of blackberry jam, gravel, spice, new leather, licorice and crème de cassis. Potent tannins are nearly buried by the sheer intensity of the fruit. Sassicaia is never a huge wine, the 2020 does seem to have an extra dimension of textural intensity. It's an intensity that is hugely appealing.
ジェームス・サックリング/97点
A very perfumed Sassicaia on the nose with forest floor, citrus and deep dark fruits. Blackcurrants. Cedar and black tea. Some balsamic. Pine needles. Full and very succulent. Really long, structured and complete. Tangy and energetic with a linear line of fresh tannins and acidity. Very Sassicaia throughout. 85% cabernet sauvignon and the rest is cabernet franc. Very attractive now in a youthful and vibrant way, but this will be better in three to four years. Try after 2027.
デキャンター/97点
Frosts damaged the the earlier-developing Cabernet Franc in late March, leading to reduced production but superb quality fruit. Spring was mild and summer was generally warm, but a rapid acceleration of maturation in late summer forced the team to begin picking in the first week of September to avoid any overripeness. A traditional 85% Cabernet Sauvignon and 15% Cabernet Franc blend, its blackcurranty, dusty, leafy and cedary character is brought into focus by an intense and balsamic palate. It's poised and light on its feet with super-fresh acidity and a fine-grained, almost imperceptible tannic structure. Ripe and tangy raspberry and blueberry fruits linger on the mid-palate, leading to a long, fresh finish with some cream and chocolate notes. This will reward cellaring into the 2050s, yet you'll get plenty of pleasure from it in its youth. 'We advise to keep it at least 10 months in the bottle before opening,' states third-generation Priscilla Incisa della Rocchetta.
ワイン・スペクテイター97点
Complex aromas and flavors of black currant, blackberry, iron, sweet tobacco and Mediterranean herbs are the hallmarks of this elegant, tensile red, which is already revealing plenty, yet still feels reserved, as though there were many more facets to be discovered. Superb harmony, freshness and a long aftertaste prevail. Cabernet Sauvignon and Cabernet Franc.
ワイン・アドヴォケイト/96点
The Tenuta San Guido 2020 Bolgheri Sassicaia speaks to those who seek a more voluptuous, opulent and, ultimately, more accessible wine. This vintage is a precise reflection of Coastal Tuscany, as opposed to a more generic "Tuscan" wine from elsewhere in this large central Italian region. You taste the ripeness and soft fruit weight that comes from a coastal appellation with especially bright luminosity and warm Mediterranean offshore breezes. Sassicaia from the cool vintages is a famously reticent or withholding wine in its earliest years, requiring a long lead time before it eases into an ideal drinking window. That's definitely not the case here. This wine is beautiful and compelling straight out of the gate, showing a lovely mix of dark fruit, oak spice, balanced freshness, textural richness, soft tannins and an expertly contained 14% alcohol content. The wine's immediate character is what distinguishes this vintage, and I wouldn't get too fussed by exaggerated cellar-aging ambitions. The wine awards sheer pleasure in its current form, with dazzling primary fruit and soaring intensity over the near and medium term.
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