Chianti Classico 2019 Valdellecorti
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キャンティ・クラッシコ 2019 ヴァルデッレコルディ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ95%、カナイオーロ5%/フルボディ》
キャンティ・クラッシコ地区の中でも個人的に大好きなのがラッダ・イン・キャンティ地区。パンツァーノとガイオーレに挟まれた標高の高い地域で、その標高差も200mから800mと激しく比較的涼しい地域でもあります。その標高の高さと差からエレガントな酸を持つ極上のサンジョヴェーゼが生まれるわけです。特にソットゾーンで選ぶことはありませんが、蓋を開けてみれば‥西野嘉高が選ぶキャンティ・クラッシコはラッダから生まれるものが少なくありません。
初代のジョルジョ・ビアンコがラッダに移り住んだのは、モンテヴェルティーネのマルティーノ・マネッティの勧めがあったからだそう。1974年創業のヴァルデッレコルティの当時の畑は4haでしたが、二代目のロベルト・ビアンキになってからは、6haに増えました。畑は全て東向きの斜面で、海抜はラッダらしく450mと高い。昼夜の寒暖差もお大きく醸造過程ではピエモンテジーナと呼ばれる一部のブドウ果皮とモストを120日間もの間、一緒にマセラシオンする手法。
標高の高さだけが利点ではありませんが、地球温暖化などの影響もあり、過熟傾向。標高の高さは冷涼な酸やミネラルをもたらし、よりエレガントなワインとなります。ラッダの注目すべき造り手‥ヴァルデッレコルティ‥やはり好きな造り手のひとつです。
南東向きの畑は風通しの良い砂地と、小石を含む泥灰土、石灰質の土壌で標高は430mから560m。平均樹齢は20年で、古い樹で30年以上になるサンジョヴェーゼは樹齢別に収穫されます。収穫されたブドウは除梗され、丁寧に搾られて蓋付きのステンレスタンクでのアルコール発酵後、70%のモストは約三週間のマセラシオンの後、古樽で熟成されます。モストの30%はブドウの果皮とともにマセラシオンを行い(ピエモンテジーナ製法)、120日間もの長期期間じっくりと果皮からのタンニンやフェノール類を抽出します。熟成は3年以上使用した古樽のバリックと500lのトノー樽。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
お馴染みのラベルデザイン。もう少し垢抜けて欲しいですね。今や(インスタ)栄えの時代ですから。コルクはまあまあの質の4,5cm。グラスはシュピゲラウ、ディフィニッションのユニバーサル型。ちなみに表記のアルコール度数は13,5度となります。色調は標準的な(←逸脱していないという意味でとても大事)色合いですね。ワイルドなチェリーの果実ミックスに少しまったりと伸びやかなスミレの風味。注ぎたてから、スワリングと時間経過でより果実味はピュアになりますね。奥底からまだ湧き上がらないんだけど存在を確認できる甘味。口に含みますと輪郭に洗練、つるん、ぷるん、ではないんですが、とてもサラっとした輪郭にカゲレはありません。果実味はとてもピュアで無理がない。13,5度もなるほどですね。繊細な余韻はながく、やはり酸味の伸びがいい。
渋味の周りにザラっとしたスパイスがありそこが心地よい。でもそれらを包む、中和するようなミネラルのやわらかさも感じますね。全体像としてはとても真面目な酒質、非常に忠実で媚びない、でもきっとナルシストという名の頑固者。
二日目もグラスはシュピゲラウ、ディフィニッションのユニバーサル型。香りに密度がありしなやか。香りからも丸みを感じますね。飲み口は初日同様にピュアが第一印象。果実の香味にケガれがなく非常にバランスが取れてます。タンニンとミネラルの構成感もいいし、余韻に繋がる酸味もとても伸びやか。旨味も出てきたようですが、旨味推しというわけではない。お馴染みの造り手の比較をするとレンテンナーノよりも硬派というかシリアスな感じ。フェルシナよりもやわらかい(フェルシナは特有の鉱物的ミネラルではない)。この手のワインは試飲レベルでは良さがわからない。お家でしんみりと向き合うか、逆に仲間のシェアしても苦手と思う方がいないワインとも言える。ネガティブな特徴がないというなかなか成し得ないバランスがあるんですよね。必要以上に甘くないのも心地よいバランスとも言えます(甘味はあるんですよ)。初日よりも余韻も長くなりました。
三日目もグラスはシュピゲラウ、ディフィニッションのユニバーサル型。香りは二日目とそう変わりませんね。飲み口はさらにまとまり飲みやすい。旨味推しでもなく、引っかからない酸味の伸び、擦れないのがいいですね。果実味はほんとにピュア、純度の高いクリアな甘旨味、サラっとしたタンニンもとてもおいしい。お料理を引き立ててくれる感じかな‥自分が前へ前へではないんだけれども、よくよく意識するとなんてバランス良く質が高いんだ‥と気付かされる。
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