Carmignano Santa Cristina in Pilli 2006 Ambra
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カルミニャーノ サンタ・クリスティーナ・イン・ピッリ 2006 アンブラ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョベーゼ75%、カベルネソーヴィニョン10%、カナイオーロ10%、コロリーノ+シラー+メルロ5%/ミディアム》
カルミニャーノ地域でのワイン造り古い歴史を持つ。17世紀には、メディチ家によって、トスカーナ最高のワイン産地と評されていたそうです。また、他のトスカーナの地域が、後々サンジョベーゼにカベルネソーヴィニョンなど、いわゆる国際品種をブレンドするようになりますが、カルミニャーノに限っては、当時からそれが当り前のことであり、何も国際市場を意識してそれらの品種を混醸するわけではない‥というのがポイントかもしれませんね。
1975年には、キャンティ・モンタルバーノから切り離されカルミニャーノDOCGは、イタリアで最小のDOCGとなりました。フィレツェの北西に位置し、これまでも、きっとこれからも‥あまり注目されることのない銘柄かもしれません‥ヴェロネッリ誌2010年度版に掲載されているのは、たった6社。このアンブラ以外で聞いたことのある生産者は、カペッツァーナぐらいでしょうか。
あまり派手な評価をされることのなかった田舎の地酒的な扱いですが、この原点回帰な風潮は逆にカルミニャーノを注目させる原動力になるかもしれません。このアンブラは家族経営‥合計18haほどの小さな生産者です。数ある畑には、サンジョベーゼが62.5%、トレッビアーノ・トスカーノが13.5%、カナイオーロが7.5%、カベルネソーヴィニョンが9%、メルロが5.5%と、シラーが2%の割合で植樹されています。
トレッビアーノからなる白を一種類、ヴィンサントとロゼ。そしてバルコ・レアーレ・ディ・カルミニャーノDOCを一種類と、カルミニャーノDOCGをクリュ別に二種類、カルミニャーノ・リゼルヴァDOCGをクリュ別に二種類生産しています。リゼルヴァのモンタルビオの初ビンテージは1985年、1998年に同じくリゼルヴァのエルツァーナがリリースされカルミニャーノの‥アンブラの名を世に知らしめました。実は、そんなリゼルヴァでも、日本市場の希望小売価格は3990円(税込)と‥比較的お手頃価格。
世界的にもまだまだ無名‥ブランド化されていない産地がゆえの価格設定なもかもしれません。確かに、西野嘉高も‥古来からカベルネソーヴィニョンをブレンドすることがデフォだとしても、なんとなく違和感があったのは事実。
しかし、ワインセミナーで、このアンブラのカルミニャーノ・リゼルヴァであるエルツァーノの2004年を飲んで、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノに間違いない‥と確信してしまったのは、西野嘉高的にブルネッロは、キャンティと比較してタンニンも綺麗に感じる‥つまり、サンジョベーゼに酸味だけではなく、綺麗な渋味も感じることを、グロッソと思い込んだんですね。そう、本当は、サンジョベーゼにカベルネソーヴィニョンがブレンドされていたにも関わらず‥。
キャンティ・クラッシコが渋味が少ない‥とい意味ではありませんが、カベルネソーヴィニョンがブレンドされることで(とはいえ、キャンティ・クラッシコのカベルネブレンドとは趣きが違う)、カベルネ特有の渋味が、サンジョベーゼの酸味とともに骨格を構成する感じ‥。
ちょっと西野嘉高もカルミニャーノ地区‥見逃してたかな。飲まず嫌いだったのか?ならば‥西野嘉高がハズしたカリミニャーノ・リゼルヴァ・エルツァーナを扱うべきでもありますが、このカルミニャーノで十分‥コスパ◎です!
アンブラのスタンダードなカルミニャーノDOCGはクリュ別に二種類。ひとつは4.5haのモンテフォルティーニ、そしてもうひとつは、4haのこのサンタ・クリスティーナ・イン・ピッリとなります。前者が砂岩層主体の南東向きの斜面の畑に対し、このサンタ・クリスティーナ・イン・ピッリは、カルミニャーノ地区でも有数の石灰岩が強くでた畑で、南東向きのサンジョベーゼには素晴らしい条件を持つ畑となります。
サンジョベーゼは1975年、1991年、1998年‥カベルネソーヴィニョン1975年、1991年、1998年‥カナイオーロは1975年、1991年、1998年‥コロリーノ、シラー、メルロは1975年、1991年、1998年に植樹されたものとなります。
収穫された葡萄は二日間のコールドマセラシオンを経て、10〜15日間のスキンコンタクトをさせながらのステンレスタンクでの発酵。アルコール発酵後は、フランス産のバリック50%と、スロヴェニア産の大樽50%で、12ヶ月の樽熟成を施され、約半年馴染ませてからボトル詰め。6ヶ月の瓶熟成を経てリリースとなります。(醸造はモンテフォルティーニと同じのようです)
価格帯としては、銘醸のキャンティ・クラッシコと同価格。キャンティ・クラッシコのDOCG規定ですとサンジョベーゼが80%以上となりますが、カルミニャーノDOCGでは、サンジョベーゼは50%以上でいいんですね。カナイオーロ(ネロ)は20%まで、カベルネ・ソーヴィニョンとカベルネフランが10〜20%と規定されているということは‥カベルネ系が10%は混醸されているのが当然とも言えます。なお、トレッビアーノ・ビアンコ、カナイオーロ・ビアンコ、マルヴァジア・デル・キャンティが10%まで認められており、白葡萄の混醸がまだあり‥なんですね。熟成に関しては、葡萄の収穫年から三年目の9月29日(サン・ミケーレ祭)から消費できる‥とあるのがまたイタリアらしい。1716年にトスカーナ大公によってキャンティなどと共に、イタリアで最初の原産地呼称に指定された歴史も持ちます。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
ボルドー型瓶に非常にシンプルなラベルは逆に交換を持ちます。赤文字の部分は凸モールドなんですね。バックラベルにはアンブラのカルミニャーノの歴史が綴られており、カベルネのことは「ウヴァ・フランチェスカ」なんて書いてあるのも興味深い。表記のアルコール度数は14度。バックラベルにはテクニカルな情報も‥ご確認下さい。キャップシールにはカルミニャーノDOCGのピンクの帯封。コルクは、バルコ・レアーレ同様の、それなりの質の4.5cm。グラスはオヴァチュア一択です。
色調は、さすがにバルコ・レアーレよりも濃い目。エッジは暗い鶏の眼。バルコ・レアーレ同様にチェリーの果実香が主体ながら、カゴ一杯に複雑に入り交じる赤〜紫〜黒のワイルドベリー達は‥青い‥という意味ではなく、茎その他も入り交じる。より熟したカベルネ、そしてサンジョベーゼも感じるます。
口に含みますと、綺麗な酒質‥スパイスなどの粒子は感じますが、輪郭までピンと張りつめた整列‥非常にバランスが高い次元で整ってますね。酸味と渋味‥両方ともに膨大な量ながら、どちらかが突出することなく、両方の要素が毛先がQ。甘味はタンニン由来か‥。バルコ・レアーレが果実由来のフルーティーさと比較するのも一考。
これは、ちょっと参ったなぁ。
いや、サンジョベーゼとしても美味なのよ。でも、キャンティ・クラッシコ地区の副原料としてカベルネがブレンドされているソレとは、まったく違う表現方法。モダンに傾倒し過ぎる事なく、非常にクラシカル‥というよりも‥真面目な酒質。
出来杉クンかっ!!
密度も十分。旨味は酸味とがっちり融合。この「ぼわ〜ん」と果実香が出るのはカベルネ的ですが、これまたマルチセパージュの継ぎ目に段差なく、マルチセパージュの複雑さを表現しながらも、一体感を感じさせてくれますね。奥底から石灰がふわり。
旨味があり、つゆだくの酸味。舌にトゲトゲしさなど感じさせず、すでに美味で完成されている。
参ったなぁ‥
こんなのを飲むと‥
ヘタでナンパなキャンティ・クラッシコが‥
ちゃらい奴に思えてくるわ。
カベルネソーヴィニョンを混醸する意味合いが、今のキャンティ・クラッシコと違うんですね。非常に伝統的なスタイルですが、洗練されている。モダンとは違う洗練‥感じます。構成感もあって素晴らしいワイン。
アンブラのワインは‥共通して味が強い‥いやハッキリしている‥いや味の輪郭がある‥とも言えます。カルミニャーノの地域特性を踏まえながら、アンブラのキャラクターがしっかりしてますね。ブレがない‥いい造り手です。
若いながらも、酸と渋味の先端は滑らかに加工されています。キャンティ・クラッシコ地区の2006年‥同年代よりも、ずっと大人で、いい意味で熟成感もある。酸味と渋味の質量が豊富ですので、まだまだ熟成も可能ですが、今‥食事と合わせて飲むのがいいですよねぇ。
二日目です。グラスはオヴァチュア一択。一瞬‥石灰なミネラル香。その後すぐに、チェリーのみならずサンジョベーゼらしいスミレの香りが。初日同様に終始樽を感じさせる香りは少なく、樽は、酸味や渋味の角を取るための役割であると考えます。
さすがにバルコ・レアーレDOCと比較すれば、酸味と渋味の質は上等で、その果実の熟度も高いですね。全体的なまとまり‥素晴らしいです‥完成度が高いですね。余韻にミネラル‥。
豊富な酸味と渋味‥まだまだ熟成させても‥と思うがやはり、実は、今が飲み頃なんだな。2、3年以内が一番、この強い果実味もあり美味しい時期だと思うのです。なぜ、西野嘉高がブラインドを外したカルミニャーノ・リゼルヴァを紹介しないのか?実は、この飲み頃感もひとつの要因です。2004年のそれが飲み頃を過ぎている‥という意味ではありませんが、このアンブラ‥キャンティ・クラッシコと比較すれば、2、3年熟成している‥という感覚であるとも言えます。そういう意味でも、キャンティ・クラッシコに慣れた感覚からズレがどこかにあると思います。しかし、それは熟成感なだけで、サンジョベーゼ(主体)として、素晴らしいワインであることに代わりはありませんし、同じビンテージを買うなら、カルミニャーノ(アンブラ)の方が熟れてて、今飲める‥とも言えますね。
三日目をスルーして四日目です。綺麗なスミレにベリーが混じります。チェリーは熟した感じがベリーに変化‥そんな感じかなぁ。石灰、ミネラルの香りが一陣の風。口に含みましても、まったくバランスを逸することなく素晴らしい構成感は、崩れず‥緩まず‥。まだまだ旨いですね‥もっと持つ。五日以上も持つことに何の意義があるのかはよくわかりませんが‥。初日から変わらず美味しさを保ってくれるのはイイですね。密度感があり、果実の味わいの中に、よくミネラルが溶け込んでいます。
とうとう五日目です。皆さん‥ご存知かと思いますが、西野嘉高はバキュバンなどの窒息装置は使いません。コルク逆刺しでセラーに立てて放置のまんま。香味は確かに抜けてきた感じもありますが、良いバランスは維持したまま。変に酸っぱくなるなんてのも皆無で、舌には、半透明のミネラルのプルルンが乗り、イガイガなどしませんことよ‥。うーん、強いねぇ‥持つねぇ‥初日から旨いのに‥五日目でも大丈夫。いや、まさか五日目まで引っ張る必要なんてないんですけどね。温度があがってくると‥抜けと感じていた部分が補完されていく感じ。
三日目(飲んでないが予想)までは抜けな感じもなく、初日同様で楽しめるはずですね。もちろん、飲み残しても心配なし‥も飲食店さんにとってはグラスで使えるワインでもあり、一般のお客様には、この時期なら、白ワインを飲むが、最後に赤をちょっと‥としても使えますね。どちらにしても、このカルミニャーノ‥素晴らしい出来栄です。ついついキャンティ・クラッシコに傾く趣向ですが、ぜひ体験してみて欲しいな‥。
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