Le Cupole 2008 Tenuta di Trinoro

トスカーナ州の赤 > Tenuta di Trinoro

アンドレア・フランケッティ

更新履歴 2010/11/09
販売価格

3,280円(税込)

在庫数 SOLD OUT


レ・クーポレ 2008 テヌータ・ディ・トリノーロ
《イタリア/トスカーナ/赤/メルロ30%、カベルネフラン40%、カベルネソーヴィニョン25%、プチヴェルド5%/フルボディ》



テヌータ・ディ・トリノーロが生産される前となる1995年と1996年のレ・クーポレは現在のセカンドワインという位置づけではなく実験的なもので、第一世代。テヌータ・ディ・トリノーロが発表された後の1999年と2000年の白ラベル、そして2001年の赤ラベルを第二世代と位置づけると、2002年から一気に生産本数が増した以降を第三世代と(勝手に)呼んでおりますが、そのセパージュ比率の変遷から、2006年からを第四世代とも解釈しております‥が、セパージュ比率を羅列しておいて、かのフランケッティ事件から、完全に信用してませんけれどもね。


■1995年/第一世代
カベルネフラン45%、カベルネソーヴィニョン25%、メルロ25%、プチヴェルド5%

■1996年/第一世代
カベルネフラン50%、メルロ25%、カベルネソーヴィニョン20%、プチヴェルド5%

■1999年/第二世代
カベルネソーヴィニョン38%、ウーヴァディトロイア25%、カベルベフラン20%、メルロ17%

■2000年/第二世代
カベルネフラン78%、メルロ11%、チェザネーゼ・ダフィーレ6%、ウーヴァディトロイア5%

■2001年/第二世代
カベルネフラン43%、メルロ27%、カベルネソーヴィニョン25%、チェザネーゼ・ダフィーレ5%

■2002年/第三世代
カベルネフラン60%、メルロ20%、カベルネソーヴィニョン15%、プチヴェルド5%

■2003年/第三世代
カベルネフラン43%、メルロ36%、カベルネソーヴィニョン12%、、ウーヴァディロトイア6%、チェザネーゼ・ダフィーレ3%

■2004年/第三世代
メルロ55%、カベルネフラン23%、カベルネソーヴィニョン9%、プチヴェルド5%、チェザネーゼ・ダフィーレ4%、ウーヴァディトロイア2%

■2005年/第三世代
カベルネフラン47%、メルロ32%、カベルネソーヴィニョン12%、チェザネーゼ・ダフィーレ4%、プチヴェルド3%、ウーヴァディトロイア2%

■2006年/第四世代
カベルネフラン47%、カベルネソーヴィニョン30%、メルロ13.5%、プチヴェルド9.5%

■2007年/第四世代
カベルネフラン40%、メルロ30%、カベルネソーヴィニョン22%、プチヴェルド8%

■2008年/第四世代
カベルネフラン40%、メルロ30%、カベルネソーヴィニョン25%、プチヴェルド5%


正直、1999年〜2001年までのレ・クーポレは、もちろん価格も高かった時期ではありましたが、テヌータ・ディ・トリノーロのセカンドとしては上出来過ぎだった印象。日本市場では輸入元の混乱時期でもあった2002年以降は、セカンドらしいお求めやすい価格になりつつも、生産本数の増大は、それなりの品質に‥とも言えます。セパージュ構成は毎年変わり、メルロが筆頭か?カベルネフランが筆頭か?とう分類もできるかと思いますが、西野嘉高的には、副原料としてチェザネーゼ・ダフィーレなどがブレンドされることのなくなった2006年からを第四世代と位置づけております。

しかし、リリース直後から‥抜栓したてからの香味の開き具合を考えると第四世代は2007年からかもしれません。また、ここまで書いておいて‥何ですが‥下部のご紹介するワイン・アドヴォケイト誌のアントニオ・ガッローニ氏のテイスティングコメント中に記載されている2008年のセパージュ比率は、これまた正規輸入元修正後のセパージュ比率と異なる‥という状況であることをお許し下さいませ。とはいえ、2006年以降の四種類のセパージュのみでの構成は続けられているようですので、第四世代であると考えております。

では、2002年以降は増産で価格も下がったわけですが、この2008年も2007年と比較しますと、3980円(税込)から3280円(税込)と‥大幅な値下がりとなりました。まだトリノーロの公式サイトには、生産本数が明記されていませんが、2006年は8000ケース、2007年は6000ケースと減産となっています。この2008年は?増産があったとしても、2006年レベルかと思います。実は、今回の値下がりは世界的な不況に合わせてものでありまして、不況も悪くはないな‥とつまらぬ事を考えてしまいます。また、例年よりも、リリースが遅れた分、アジェンダでの瓶内熟成期間は3ヶ月前後長くなっております。

なお、テクニカルな情報も不確かではありますが、確かにトリノーロのアジェンダでは小区画・品種ごとに発酵や熟成が行われており、最終的にブレンドされるわけですね。端から‥区画・品種の関係でトリノーロになるべくな樽もありますが、ある程度は共通していると思われます。アジェンダの中にはセメントタンクもあり、Le Coupoleの名前が書いてあったりしましたので、ブレンド後は、タンク内で馴染ませるんだと思います。なお、トリノーロの畑はサルテアーノの400m〜600mの斜面に品種ごと、もしくは品種混在した畑があったわけですが、良い畑はより水はけも良いですし、いずれにせよ、その株密度の高さ(10000本/ha)は、実際に見ると‥他とは違うは明らかでもありました。

レ・クーポレが求められている立ち位置‥いや、西野嘉高が求めている立ち位置は、セカンドワインらしい価格と、若い内からの飲みやすさ、わかりやすさ‥ですね。2002年以降、若い内はアルコールが強めに感じ、ちょいと開くまでに時間がかかる年号もありましたが、昨年の2007年以降は、若い内から飲みやすくわかりやすい。アルコール度数の変遷までできればよかったんだけどなぁ。

2008年のトスカーナは決して超が付くほどの優良年ではありませんが、トリノーロは
成功したのかもしれません。ワインアドヴォケイト誌のアントニオ・ガッローニ氏は、
テヌータ・ディ・トリノーロとして最高得点となる96+点でしたからね。このレ・クー
ポレは2007年よりも1点下がりましたけども。

まぁなんだかんだと、よーできてるワイン。嬉しい値下げ‥文句なしっ!!



ワイン・アドヴォケイト/191号/アントニオ・ガッローニ/2010年10月/91点

The entry-level 2008 Le Cupole is beautiful and expressive in its dark red fruit. The 2008 is a mid-weight Cupole, with just a touch less exuberance than the superb 2007, but with just as much personality and
sheer character. Silky tannins frame the mineral-laced fruit through to the finish, where the wine’s inner sweetness lingers on the close. The Cupole is one of the finest relative values in Tuscan wine, and is a one
of my go to choices on restaurant wine lists. This is another fabulous effort from Andrea Franchetti. In 2008 Le Cupole is approximately 35% Merlot, 35% Cabernet Franc, 25% Cabernet Sauvignon and 5% Petit Verdot. Anticipated maturity: 2010-2016.




独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味




お馴染みのボルドー型瓶。一昔はもうちょっとチャチいボトルだったような気もします。お馴染みの赤いラベルですが、毎年‥微妙に色合いが違うような気がします。今年は、上部のオレンジの幅も広がったような気もしますし、角のピンク色の割合も増えたような気もしますが、2007年はとっくに在庫がないので比較しての話ではない。表記のアルコール度数は2007年同様に13.5度。2006年は14.5度でしたね。ひょっとすると、このアルコール度数の低下に、2007年から香味の開きを感じる秘密があるのかもしれませんし、ないのかもしれません(←どないやねん)

なお、輸入元のひとつであるモトックスさん発表のアルコール度数は、2007年は13.9度2008年は13.98度となっているようです。まぁフランケッティのスペックは信用ならんのはいつもの通りですが‥。コルクは良質の4.5cmで、長さは変わりなし。グラスは、ボルドー型を割ってしまって、まだ追加購入してませんので、オヴァチュアです。

紫のエッジ‥濃い小豆色から黒へ。照りのあるディスク。赤のチェリー香が開いてますね。プラムとブルーベリーにカシス。トリノーロらしい黒蜜もちらり‥濃過ぎることのない果実香。ヴァニラは控えめ。チャーミングな甘酸っぱい香り。スワリングしますと、練り練りしたなめらかな香りもある。

口に含みますと、インキーな鉄分を感じさせる果実味、渋味も酸味も溶け込んでいてストレスなく今飲み始めれるのは、2007年譲り。ミディアム・プラスなボディは、2007年のそれと比較すると若干ミディアムに近い。膨らみよりも密度の高さ。溶け込んだ酸味もあるが、じゅんわりと染み出る輪郭のある酸味も健在。13.5度のバランスを感じますね。暑苦しさはない。ミネラル、甘草、スパイスも‥メルロとカベルネフランの特徴が交差する酒質。余韻もちゃんと長いですね。

2008年も美味です。二杯目はさらに良くなるのが、一杯目を飲み進めるにつれ感じられます。どんどんとエキス、味わいは濃く感じられてきます。空気に触れて増す旨味。

二杯目です。香りも密度が増して来ましたねぇ。これぞ、レ・クーポレらしさ全開ですわ。より紫の果実香が密になってくる感じ。でも、2008年は黒蜜っぽさは控えめだし、樽由来のヴァニラ香も。リンゴを黒砂糖でコンポートした感じ。グラスはオヴァチュアでも悪くない。初日なので、ボルドー型の方がより良いかも?という気もするけれども。味わいも、気持ち(←気持ちかよ)深く感じられます。うん、グラスに入れてからが勝負やな‥。どんどんと良くなってくる。余韻もメルロとカベルネフランが支配的ですが、それが美味しいんだなぁ。トリノーロらしさ、レ・クーポレらしさ‥2007年同様の美味しさがこの価格は嬉しい‥。いつか3000円斬ってくれるとなお嬉しいんだが‥。マルチセパージュの恩恵もある。香味は複雑で、楽しい。

もう一杯飲ませてくれ。うん、輪郭付近は涼しげなミディアムなんですが、そこから先が奈落の底の深みを持つんだな。余韻もどんどん長くなってきた。複雑ながら一貫したスタイルを持つ満足度の高いワイン。ボルドーブレンド‥と呼ぶよりは、やはりトリノーロ味‥ですね。紫の果実達の深みのある果実味に、赤くチャーミングで洗練された酸味を持つ果実味がバランス良くまとまっています。

旨い。

二日目です。グラスはオヴァチュア(明日ボルドー型買いますわ)。おおお、黒蜜混じりの紫の果実の軽く煮詰めた密度ある果実香。軽く清々しいアセロラとフランボワーズが交差。なめらかなカシスの香り。全開ではないかも知れませんが、比較的開いている状態です。口に含みますと、深さは、120%増の深度。決して開放的な軟派さではなく、深さなベクトル。旨味と、酸味のじゅんわり度も増してきましたね。相変わらず、メルロとカベルネフラン主体の味わいで、鉄分、ミネラルも感じます。輪郭がぷるん‥としてます。飲み込むと、フランのスパイス‥密度がいいですねぇ。

エキスな味わいは、密度の延長戦上で、コク味とまではいかないが、初日のミディアム・プラスから、ほぼフルボディに感じます。上品な濃さ‥密度。2007年は注ぎたては、もっとチョーキーな感じもあったのですが、2008年は石灰なミネラルは一部として溶け込み、あくまでも果実味主体でとても良い。きちんと酸味もあって、やはり‥何か、食べ物‥下さい。なんだろうね。やっぱり、しっかりしたお肉を赤ワインで煮込んだ感じかな。濃厚なラグーソースでもいい。樽の溶け込みも極上。紫の花。

二日目の二杯目。うん、旨いな。決してエロじゃないけどね。例える女性‥またはシチュエーションは思い付かない。ボルドーブレンド‥と表現するのは陳腐だな。ちゃんとトリノーロ味がするんだから。これは、イタリアワインだし、トスカーナのワイン‥そしてトリノーロのワイン。

三日目は暴飲暴食につき華麗にスルー。

四日目です。グラスはオヴァチュア。さらに‥なめらかにまとまる酒質。酸っぱくなることもない。スモモ、ブルベリーのリキュール、コク味が出て来たかもしれない。ちょっとトロっと感じるのね。

うーん、旨いなぁ。

2008年も問題なしだし、2008年のクーポレはイイですねぇ!!クーポレ好きはケース買いして下さい!!


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