Turriga Isola dei Nuraghi 2005 Argiolas

サルディーニャ州の赤

アルジオラス

更新履歴 2011/03/11
販売価格

7,980円(税込)

在庫数 SOLD OUT

トゥーリガ イソラ・デイ・ヌラーギ 2005 アルジオラス
《イタリア/サルディーニャ/赤/カンノナウ、カリニャーノ、ボヴェーレ・サルド、マルヴァジア・ネラ他/フルボディ》


イタリアワインの中で十傑を選べと言われれば‥(時折、西野嘉高はこの話をします)ウンブリア州からは、アルナルド・カプライのモンテファルコ・サグランティーノ・25anniを‥。そして、サルディーニャ島からは、このトゥーリガを‥は、既に席が用意されています。もちろん、その地、その土着品種の個性も重要ですが「完成度」に関しては他の追随を許さないのがトゥーリガです。その昔は90年代後半のボトルをよく販売していたものですが、西野嘉高がトゥーリガを扱うのは、3年以上ご無沙汰かもしれません。その間、何度かトゥーリガを試す機会に恵まれておりますが‥ハズしませんね。高い密度にやさしさ‥そして揺るぎないストラクチャー。仕立てのよいス−ツで、サルディーニャ島という田舎を感じさせない、スタイリッシュにスクっと背筋の伸びた姿が美しいワインなのです。

今は亡き、アントニオ・アルジオラス爺がアジェンダを設立したのは1937年。現在は息子のフランコとジュゼッペが取り仕切り、脇を固めるエノロゴにはマリアーノ・ムッル氏。そしてコンサルタントには、かのジャコモ・タキス(もう今は名前だけだと思いますが‥)となります。現在では230haもの葡萄園を所有し、様々なワインをリリースしている比較的大規模な生産者のひとつとなりました。その中でフラッグシップとして君臨するのが、このトゥーリガ。サルディーニャらしい、カンノナウやカリニャーノ、ボヴェーレ・サルド、マルヴァジア・ネラなどの多品種から構成されます。国際品種も栽培しておりますので、かねてから噂されているように、カベルネソーヴィニョンなどもきっとブレンドされているかもしれません。土着多品種からなりますが、未熟で雑な要素がないのもトゥーリガのトゥーリガたる所以。複雑さを持ちながらも、ひとつにまとまったそれは、代え難い満足‥至福です。

何度か古酒‥と言っても90年中盤から後半を経験していますが、若い内と比較すると、アルコールに丸み、タンニンや酸味の角に丸みが出てシルキーな舌触りになりつつも、その密度の高さや、濃さが損なわれる感じではなく、閉じた状態にもめったに当たらないのもトゥーリガで、若い内から楽しめますよ!!




独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味




お馴染みの「おっぱいが付いた十字架の埴輪のような何か‥」が呪いのような色調で描かれているラベル。アルジオラスオリジナルのスクっと伸びたボトルに、逆襲のシァア的に言えばサザビーのようなメタリックレッドのキャップシールとなります。イソラ・デイ・ヌラーギと書きつつもあくまでも格付けはIGTとなります。バックラベルにはイタリア語で、トロンセとアリエ産なフランス産バリックで仕込まれていると記載されており、表記のアルコール度数は14.5度。コルクはこれまでのトゥーリガとデザインが違う5cmはなかなかの質です。グラスは、ヴィノムのボルドー型。

泡まで紫。濃い朱色からすぐに暗黒に。すでにグラス内壁を垂れる脚はとてもゆっくりで、さすがに濃そうな酒質、ジャミーというのはイメージとして紫ですが、もうちょっと黒に近いジャミーで、実際にはジャムのような甘さではない。カシスや、ブルーベリー、ブラックベルなどのフルーツの熟度は高く、樽香は決して派手ではない。天草の香りは、タタミのようで、よい茶葉の甘味的な‥やわらかい緑の香りが特徴的です。カーボン的な炭香、鉄分を連想させる香り、個性的なスパイスもありますね。

口に含みますと、低重心な重さがズッシリ。密度、エキスともに高く、タンニンの質がとても高いですね。非常にキメ細かいタンニンがビッシリと詰まっており鳴き砂の様。同様に酸味の質もよく、果実味の肉付きも十分な満足感。香り同様に、味わいの甘味も派手ではない。14.5度という高いアルコールに負けない果実味の密度、濃さがありアルコールが浮き立つことはない。樽は木質なニュアンス、杉系の香りが、そのタタミや緑茶ポリフェノールと好相性で個性的。果実香は複雑、確かに土着品種な個性をひしひしと感じるが癖ではない。余韻ももちろん長く、タンニンが上手く引っ張っていってくれる。このタンニンの質感、そして量は、サグランティーノにも似ていると感じる。スパイスに甘味、そこに東洋を感じたりと個性があるねぇ。旨味に富み、すでに美味しい。しかし、この度数やタンニンや酸味の量を考えると、もっと角が取れるんだろうな‥と期待。

二杯目です。キチンと土着品種の個性を表現しつつも雑じゃないし、野暮ったくもないし、田舎臭くない。いや、そのタタミの香りに郷愁‥いい意味で田舎を思い出させるが、酒質としては、よく熟した葡萄が選別され、キチンと醸されている感じをヒシヒシと。その構成感は素晴らしいもので、とても洗練されている。やっぱりトゥーリガって素晴らしいな‥を実感。

タタミの香りに、ちょい生乳的なクリーミーさが、紫の果実香に混じり、とてもなめらかな甘味を果実香に感じます。渋味が旨い‥酸味も旨い。渋味や酸味を引き立てるかのような果実味、甘味に逃げないのもいい。エンピツの芯はBで太く黒い。

偉大だな‥。

純粋にそう思います。悪いところもないし、土着の個性もあるし‥なんと言っても、タンニンや酸味の質量に、熟成のポテンシャルを感じますね。それでいて、今、すでに飲めるし、美味しい。その樽のローストは軽いんじゃないかな‥バリックも使い様‥もちろん、生産者の好みかもしれませんが、トゥーリガはバリックの使い方が上手‥だし、西野嘉高好み。樽が果実を上回ることはなく引き立て役なのがいい。

ああああ、マロやかな部分に旨味を感じるなぁ。

グラスの中で、どんどんマロやかになるし深みも出てくる。うーん洗練された地味(滋味)ですね。やっぱり完成度が高いんだよなぁ‥個性的で隙がない。これは二日目以降にも超期待。

二日目です。グラスはヴィノムのボルドー型。初日同様に赤い果実をこぼしてしまった新しい「い草」で作ったタタミの甘味さえ感じる緑の香りも健在ですが、竹炭、墨汁、ヴァルサミコなども感じます。渋い香り‥タンニンを想像させるような香りが凄いですね。そういう部分にサグランティーノに似てるかも‥と思うのかもしれません。口に含みますと、なるほど‥これは陰干した葡萄が使われているかも?半生レーズンの皮のニュアンス、ハイジの部屋の干した藁のベット、初日よりも深みが116%。紫のミネラル、スクッとそそり立つ酸味。初日よりも味わいに甘味を感じます。輪郭のやわらかさ‥と終盤に酸味をやわらげるような甘味。

舌、舌先に触る液体には粉よりも細かい粉っぽさは、乾いたタンニンでビッシリと敷き詰められていますが、濡れた果実もある、wet&dryのバランスもいいですね。確かにまだ若いですよ。渋味と酸味の量‥特にタンニンはガッツリですからね。でも、それなりに飲めてしまう状態は、若さゆえの果実感も膨大だからかもしれません。それにしても複雑ですね。色んな要素がある。これも若さならではの部分があるかもしれませんが、やはり偉大なワインは複雑さに富み、余韻も長い‥を実証です。

口に含んでからは、畳の香りは少なめ。でもグラスから放たれる香りに畳の香り。他の例えだとお茶っ葉をかけたメロン‥わかり難いですね‥すみません。初日にも感じましたが、もうちょっとトゥーリガって、樽のニュアンスが強かったような気がするのですが‥ローストやコーヒー香的な部分は思ったほど強くなく、そういう部分のモダンさは少なめ‥しかも、これほど個性的に感じるのも初めて‥を思うと土着品種達を表現する方向になっていたのかも?は喜ばしい。ジャコモ・タキスも関与していたことから「サルディーニャのサッシカイア」なんて呼ばれていた時代もありますが、そのサッシカイアが、サンターディとのジョイントでバッルーアなんてある意味本物の「サルディーニャのサッシカイア」が出現してからスタイルが変わったとか‥は、考え過ぎですね‥はい、自重します。

三日目です。グラスはヴィノムのボルドー型。三日目とはいえ、香りは開いている状態が続いていますね。タタミの香り、緑茶フラボノイド、ベリー系の果実香はどんどん黒いフルーツになってきました。濃いですね。でも、新樽の風味でも甘味でもない。果実本来の香りの濃さが素晴らしい。

口に含みますと、二日目よりもやや角が取れた印象でまとまりを幹事ながら、口の中を満たす液体に相当量のミネラルと酸味、そしてビッシリとした鳴き砂のようなタンニンが溶け込んでいるのがよくわかる。若い時期ならではの美味しさがあり、非常に満足度の高い酒質。雑味はなく、洗練されたスタイリッシュなスーツ。余韻が長く複雑。

旨さと個性の競演‥土着ならではの楽しみがここにある。

完成度の高さや洗練具合は、かつて紹介していた年号(2000年頃までかな)とは変わりはありませんが、当時のトゥーリガは、もうちょっとインターナショナルなテイスト、風味が強かったような気がします。もちろん、この2005年も密度が高く凝縮していて‥余韻も長く‥と、いわゆる良いワインの要素を一通り持ちますが、色味ももっと紫が強く、カベルネ風味がなくはない‥そんな気がしていましたが、土着品種の個性もしっかりと感じ、樽に支配されず、甘味に逃げない味わいは、トゥーリガ唯一の個性、美味しさを持っているように感じます。まだ若いのは確かですが、その個性は十分に楽しめますし、今からでも飲める渋味や酸味の上質さを持ち合わせます。もちろん、数年熟成させた後も確認したいと思いますが、それほど変化があるわけではないかもしれません。西野嘉高も、これまで一番古いもので94年だったか、95年を飲んだのみで‥その先に何があるのか?もちろん、興味あるワインのひとつです‥が、さらに古い古酒は見かけたことがないんだな。

間違いなく偉大なワインのひとつ‥ぜひ飲んで欲しい。

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