Chardonnay C'era 2010 Cru Chale
イタリアの白ワイン > Cru:Chale / Nec-Otium
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シャルドネ・チェラ 2010 クリュ・シャーレ
《イタリア/フリウリ/白/シャルドネ/辛口》
ということで‥ネコ・ティウムのクリスチャン・パタ氏とふぐを食べるワイン会というよりも食事会的な何か‥のご報告。現在の(過去は知らん)クリスチャン・パタの奥様は、ロンコ・デル・ニェミツのご家族の女性だそうで、ニェミツとは親類になるそうです。今回の来日では、その奥様の前の旦那の子供(まぁ連れ子だ)のジョヴァンニ君24才も同行で来日されていました。輸入元さんとクリスチャン・パタは、営業先から直接タクシーで会場に‥息子のジョヴァンニはどこかで遊んでいたらしく遅れて直接タクシーで。さて、クリスチャン・パタ氏‥流暢な英語を話されます。エノロゴでもありますが、ネゴシアンでもあるクリスチャン・パタ‥マーケティングにも熱心‥。お客様の意見を聞く姿勢もあるし、自分の造りたいワインのヴィジョンもしっかりと持っており、それを表現することが出来る人物でもあります。
輸入元さんの倉庫にあった‥というクリュ・シャーレのシャルドネ2002を特別に飲ませて頂きましたが、残念ながら状態はよろしくなく、色も褐色がかり酸化、ヌケを感じ残念でしたが、当時を彷彿とさせる樽香や、15度という高いアルコールのシャルドネの風味は健在でした。そう、日本市場に初めて輸入されたのがこの2002年で、西野嘉高は今なお、その2002年のように樽香もキッチリと効き、ボリューミーでアルコールの高い樽熟シャルドネは好みですが、もはや、クリスチャン・パタの目指しているタイプではないようです。もちろん、そういうタイプの需要があることはクリスチャンも重々承知はしているようですが、クリュ・シャーレのそれ以降の味、スタイルの変遷を見ればクリュ・シャーレはもうあのようなスタイルにはならないようです。ネコティウムのラインと、クリュ・シャーレは価格帯もコンセプトも違うラインとなりますが、高過ぎないアルコール、不足のない酸味‥エレガントで熟成のポテンシャルの高いワインを目指しているようです。
今回の会場がふぐ料理屋と聞いて、非常に楽しみにしていたのはクリスチャンだけではなく、息子のジョヴァンニも同様。クリスチャンはヴェネツィアにあるらしい生魚も食べれる日本食レストランもお気に入りで、二人とも箸も完璧に使いこなしますし、生魚に抵抗がないどころかかなり好きな様。特に息子のジョヴァンニの日本食への探究心は半端なく、見慣れない食材にも興味を持ち、なんでも食べてみる姿勢も素晴らしいですね。ちなみに、日本文化にもそれなりに精通しているようですが、オタク、マンガ、ゲームには興味はない…とのことです。まぁそのアラや上身はさもありなんですが、ふぐ皮などは抵抗あるのでは?と思ってましたが案外大丈夫そうでした。またポン酢に関しても問題ないようですね。
さて、今回飲んだのは、継続セール中のネコティウムのシャルドネとピノ・グリージョに、実は初回の毒味で華麗にスルーしたサンジョヴェーゼの2010年達。
毎日飲めるクリーンな飲み口にするには、アルコール度数を低めに抑えることも重要とのこと。もちろん、すべてはバランスという言葉に集約されますけどね。キンと冷やしてあっさりとした香味なので、ふぐの上品の味わい、ふぐ皮の湯引き、テッサにも合いますし、その酸味や柑橘がポン酢とも。思った以上に相性が良かったのはサンジョヴェーゼですね。ポン酢との相性はなかなか良い。初回入荷時の毒味の際は、バランスもあまり良くは感じず、まだまとまってなかった状態で、雑、余韻の短さを感じましたが、なかなかいいですね。モレッリーノ・ディ・スカンサーノ地区の畑なのですが、そのDOC区域外の畑で栽培されているサンジョヴェーゼだそうです。
そして、てっちりに合わせたのは、今回ご紹介するクリュ・シャーレの新しいキュベとなるシャルドネ・チェラ2010となります。てっちりの出汁の旨味にも合うんだなぁ。あああ、あのふわふわの白子をもう一度食べたい。
クリュ・シャーレとしての日本デビューは2002年ビンテージのこと(初ビンテージは1997年で5樽だったそうです)。その2002年はオフビンテージながら、今なお伝説に残る素晴らしい酒質であったのは‥遠い目。コッリ・オリエンターリ・デル・フリウリ地区の中でもロサッツオやブットーリオ、サン・マウロなどの地区からの葡萄が使用されますが、畑が変更になったり、リリースされる年もあれば、ない年もある。いつ出るのかわからない‥そんなワインがこのクリュ・シャーレで、あくまでもクリスチャン・パタ氏率いるネゴシアンであるネク・オティウムのブランドのひとつとして考えられますが、今なお公式サイト( http://www.necotium.it/ )には、クリュ・シャーレの文字はありません。
ネク・オティウムの代表であり、エノロゴとしても活躍するクリスチャン・パタと、自身もシルヒの生産者でもあるエノロゴ、ピエル・パオロ・シルヒ、グラヴナーや、ロンコ・デル・ニェミツのアグロノモであるマルコ・シモーニ、そしてネゴシアン業を勤めるグラウコ・ラヴェッロ‥この4人の密かな楽しみで始まったかと思われますが、輸入元の資料によると、オーナーとして登記(登記という言葉を使うのかどうか知らんが)されているのは、シルヒ家となり、ディレクターもルカ・シルヒとなります。エノロゴは、ルカ・シルヒとクリスチャン・パタが兼任し‥とのこと。
ネク・オティウムはネゴシアンでもありすが、フリウリを中心にイタリア各地から優れた生産者のみならず、優れた畑をも発掘しています。そこで目に留まった畑から収穫される葡萄でワインを醸すこともある…とお考えいただいても間違いではないでしょう。よってネク・オティウムの作品達や、クリュ・シャーレとしての作品もどこの畑からの葡萄かは決まってるようで決まっていない。安定していないとも言えるが、より良い、そして新しい個性‥ワクワクさせてくれるのもクリュ・シャーレでもあります。もちろん、醸造所だって、同じ2010年のシャルドネと、このシャルドネ・チェラとでは前者はニェミツ、後者はシルヒとなります。
これまでシャルドネは2002年、2004年、2006年、2009年、2010年と醸されされましたが(実際には1999年あたりから作ってはいた‥という話を聞いた記憶)2006年まではサン・マウロの畑から収穫されるシャルドネをシルヒの醸造所で醸していましたが、サン・マウロの畑のシャルドネは、その畑のオーナーの意向でリボッラ・ジャッラに改植されたため、その樹齢を考えてもあと10年は使用できなくなり、シルヒの醸造所も改装のため三年のブランクを経てリリースされたのが2009年なんですね。
2009年以降はこのプロジェクトにも参加しているロンコ・デル・ニェミツのアグロノモを勤めるマルコ・シモーニの力もあってか、ニェミツの畑の一部を使用させてもらえるようになったようです…と書いておりましたが、クリスチャン・パタの奥様がニェミツ家…親類となるようです。ニェミツとなれば、これまでの畑の状態も文句なく、10年程前からビオデナミで栽培されているらしく、また厳しい剪定の恩恵は、低収穫量となり、haあたり15hl、グリーンハーヴェストの必要もないそうです。また畑だけでなくニェミツの醸造所が使用できるようになったことは、畑と醸造所が近い‥という理想的な環境にもあったようです。またコルクもニェミツ刻印が入っております。
よって2009年、2010年のクリュ・シャーレのシャルドネは、コッリ・オリエンターリ・デル・フリウリDOCの中でもニェミツが所有するロサッツォ地区からの葡萄となりますが、この2010年のチェラは‥輸入元資料では、同じロサッツォ地区の畑から‥となっておりますが、ラベルにはチヴィダーレ・デル・フリウリの名前がありますね。その畑はシルヒや、ニェミツの所有している畑ではなく、クリスチャンが面倒を見ている畑のどこか(二カ所だそうです)だそうですが、醸造と瓶詰、熟成に関してはシルヒのアジェンダで行われています。
ちょっとラベルを確認しておきましょう。一見しただけでは、そのラベルの差異に気付かないかもしれませんが、よく見れば‥結構な違いがあるんですね。その消印的な柄であった丸い部分は、それまではビンテージが記載されていましたがこのチェラは「SIRCH(シルヒ)」と記載されています。もちろんこのチェラのImbottigliato da‥の後に続く文字はそう‥「SIRCH(シルヒ)」の名前となります。
さて、このチェラ(C'era)ですが、「昔」という意味だそうです。クリュ・シャーレ発足時のトロリとした果実の熟度を持つスタイルを、現在のクリスチャンの感性で再現した復刻版シャルドネ的位置づけで、長熟なワインが井生まれるロサッツォの古樹の区画で育つ、熟度の高いシャルドネを使用しており、スタンダードなクリュ・シャーレは新樽比率20%のバリックで6〜7ヶ月の樽熟成となりますが、このチェラは新樽比率は50%に高めたバリックで9〜10ヶ月の樽熟成が施されています。
では、あの伝説の2002年のシャルドネを忠実に復刻したものか?いいえ、それは違います。確かに、スタンダードなシャルドネよりも樽のニュアンスは強いものの、2002年のシャルドネは15度のアルコールに対しで、このチェラは13度‥あくまでの現在のクリスチャンの感性、方向性の線上で、醸された特別キュベとなっています。確かに樽の風味はスタンダードなシャルドネよりも強く感じますが、非常にクリーミーで、上質のナッツオイル系のやさしい効き具合。果実のミネラルや、酸に不足なく素晴らしいバランス‥2002年のようなトロリと濃厚なタイプではありませんが、クリスチャンは、パワフル過ぎるスタイルのワインは短命と考えているようで、このチェラのようなバランスを持つワインこそ長期熟成に耐え得るとしています。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
ボトルはブルゴーニュ型ですし、ラベルデザイン的にもそれまでのクリュ・シャーレのそれを踏襲しておりますが、その違いは前述の通り。コルクはもしやシルヒの刻印が?いや、残念。コルクメーカーのロット番号などだけが入っているそれほどでもない質の4.5cmのコルクでした。冷蔵庫キンキン温度、グラスはブルゴーニュ型です。
透明度があり明るいゴールドは、16金ぐらいかなぁ。香りは新鮮なパインに薄らと黄桃、黄色や白い花、はちみつ、ジーンと音の鳴るシャルドネのスパイス香。アルコール度数は13度ですが、グラス内壁を垂れる脚を見るとそれなりに粘性があるようです。口に含みますと優しい白い花びらの香りに続いて果実香、舌触りはやさしくなめらかですが、とてもミネラリーで透明感がありますね。ほんのりとした苦味を伴うフィニッシュで余韻はなかなか長いですな。まとまりを感じますね‥うん、完成度が高いです。香味に甘味はありますが、タダ甘いわけでもないし、ダダ濃いワインではありません。樽熟成‥感じますよ。しかし、ヴァニラ香がタルタル樽るーと君なわけではありません。この液体のミネラリーながらだどこかヒアルロン酸のぷりりんとした感じや、含み香にほんわりと樽を感じさせる‥。ミネラリーだけではない、どこかクリーミーな風合いも感じさせるのが、このチェラ。飲み勧めるほどに美味で、温度が低いとミネラルが、徐々に上がるにつれ果実味に深みが増してくる。
二杯目は放置プレイ併用で温度が上げてみた。うん(今、何度か知らんが冷蔵庫キンキンではない)この温度の方がいいですね。どっぷりとした樽使いではないが、穏やかに、透明感やミネラル感を損なわないほどよい樽がとても優しく美味しい。酸不足を感じさせるものではないし、その質も良い。香ばし過ぎることのない、ナッツ系のピュアなオイリーさもあり満足。
二日目はふぐ会で飲めずの三日目。グラスはブルゴーニュ型、温度は冷蔵庫キンです。カランとした蜜の甘味がほんのり。やはりフレッシュパインと黄色の花、ナッツの香もするなぁ。低めの温度ではミネラリーで透明感が美しい。どこかネコティウムのシャルドネに共通する部分が‥フレッシュパインとスパイス感かな。ってグラスをオヴァチュアに変更してみる…おおお、なかなかええやん。
温度次第ですね。この時期なら冷蔵庫に入れる必要もないかもしれません。せっかくの新樽比率の高さや樽熟成期間の長さを感じるには冷やしてしまうと、その部分がなかなか現れないし、感じ難いかもしれません。とはいえ冷やすな‥とも言いませんけどね‥ドンピシャなゾーン(温度帯)にハマると、とてもクリーミーかつナッティな風味も感じて頂けるはずです。
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