Flors di Uis 2010 Vie di Romans
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フロールス・ディ・ウィス 2009 ヴィエ・ディ・ロマンス
《イタリア/フリウリ/白/マルヴァジア・イストリアーナ50%、フリウラーノ30%、リースリングレナーノ20%/辛口》
フリウリ州‥スロヴェニアとの国境沿いの街、ゴリツィアの西に位置するイソンツォDOCに所属するマリアーノ・デル・フリウリのカンティーナ。祖父の代から100年もの間、ガッロファミリーの手によって守られたその土地は、水はけのよい、平らな土地で、海と山の両方から吹く風に恵まれるミクロクリマを持つテロワール‥17歳で家業を継いだ現オーナーのジャンフランコ・ガッロ氏は、同地区のみならず、イタリアの生産者が一目置き、イタリア最高の白ワインの生産者として最も尊敬され信頼される‥「北の巨人」と形容される人物です。
なんでも‥創立以来「ガッロ」と名乗っていたものの‥かのカリフォルニアの大規模な生産者である「(EJ)ガッロ」との商標権云々で1986年に名称の変更を余儀なくされたとか‥。そして、現在の「ローマ人の道」という意味のヴィエ・ディ・ロマンスになったそうです。
彼の考えるテロワールとは「人間、土地、気候、葡萄品種」であり、その中でも最も重要なのは「人間」であるとのこと‥。また「テロワールに最も適した葡萄を栽培すること」「凝縮した葡萄を作ること」「完熟期を迎えた葡萄を最高のタイミングで収穫すること」など‥当たり前っちゃー当たり前‥理想と言えば理想‥でも、その理想を具現化できている生産者が少ない中‥こんな当たり前の事を目標に信念に掲げるのが彼‥流行の醸造法や、市場に流されることなく、彼がその地で得た知識、経験を元に作る‥ある意味、エゴイスティックなワイン達は、確かに、彼のヘンコな一面を垣間みれますし、彼の話‥を聞けば聞く程‥神経質そうな‥几帳面な性格を伺えます‥しかし、彼の作品を飲めば‥ただの趣味、わがまま‥では済まられない素晴らしい作
品であることに間違いありません。
オーナーのジャンフランコ・ガッロ氏による2010年のビンテージ解説。
総体的に考えて2010年は気温が低く、雨の多い年。このようなヴィンテージは89、92、96、98、05年が当てはまると思う。しかし、出来上がったワインはこれらの年と完全に異なり、思っている以上に良いワインが出来上がった。理由は、収穫期のブドウの選別の結果が本当に良い影響を及ぼした。
ブドウ自体のボリュームは、果実味の強さは無いが、バランスの良い素晴らしいワインとなっている。果実味本来の味が強く出ていて、品種の特徴が良く分かる年でもあり、自分としては満足の出来る収穫年と位置づけている。
2010年ヴィンテージから、全ての白ワインでマロラクティック発酵無しとなりました。(ドゥトゥンは2009年よりマロラクティック発酵無し)
無しとなった理由は、オーナーのジャンフランコ氏は自分が思っている以上に熟成が進んでいたり、味わい自体に疲れを感じることがしばしばあったり、その遠因がマロラクティック発酵に有ると考えているから。その点を改善するためにこの決断へと至った。
樽発酵からステンレス発酵へ変更
これまで「ヴィエ・ディ・ロマンス・シャルドネ(樽)」「ヴィエリス・ソーヴィニョン」、「ドゥトウン」は樽での発酵を施していたがステンレスタンクでの発酵に変更となりました。
そう、今年からのヴィエ・ディ・ロマンスは新しい道を歩みだした‥と、言っても過言ではないでしょう。これまでのスタイルとどこが共通で、どこが変わったのか?決して楽なビンテージではなかったと思われる2010年‥だからこその変革をぜひ楽しんで下さいね!!
お馴染みのラベルデザインとブルゴーニュ型ボトルとなりますが、この2010年はキャップシールトップに鶏マークがございます。バックラベルには「生産者の意向により瓶内の空気を極力減らす為、通常に比べコルク下いっぱいまでワインが充填されております。その為、通常よりも温度変化に敏感で、わずかな温度変化によってもワインが液漏れする恐れがありますので取扱にはご注意下さい。冷暗所での保存をお勧めしております。」と注意書きがございます。
「フロールス・ディ・ウィス」とは「花の香り」という意味。単一品種からなる個性と、らしさ溢れる酒質が魅力のヴィエ・ディ・ロマンスのラインナップの中で、「ドゥトゥン」と、この「フロールス・ディ・ウィス」のみ混醸となります。このフロールス・ディ・ウィスに混醸される品種は三種類。「ディスクミエリス」に使用されるマルヴァジア・イストリアーナ、「ドレエ」に使用されるフリウラーノ、「プリン・フリート」に使用されるリースリング・レナーノという魅力的なセパージュ比率。
そのブレンド比率は毎年変化するようですが、基本的には、マルヴァジア・イストリアーナ主体のようですね。単一ワインの共通セカンド的な位置づけかもしれません。畑の面積は合計3.88ha。
1987年、1995年、2001年に植樹された平均樹齢16年の樹は、ボキス、チャンパニス、ヴィエ・ディ・ロマンスの畑で栽培されており、砂利や、小石を含む赤味がかった砂質のシルト質土壌だそうです。haあたり6000本の株密度、海抜は29m〜34mの畑で収穫された葡萄で醸されます。
フリウラーノ→リースリング→マルヴァジアの順番に収穫された葡萄は、ステンレスタンクで品種によってことなりますが30日間(昨年は20日〜30日間と記載)の長期発酵は、澱と共に行われ、ステンレスタンクで7ヶ月の熟成が施され、9ヶ月以上の瓶熟成が施されます。2008年のアルコール度数は14.4度で、この2009年は14.86度、この2010年は13.9度で生産本数は19455本。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
キャップシールの素材が変わっていますね。コルクはなかなかの質の5cm。冷蔵庫キンキン温度、グラスはとりあえずブルゴーニュ型となります。2009年同様に、それより以前よりは色味はしっかりと感じるかな。それでも、もちろん透明度バグツンのレモンイエロー。香りが素晴らしく開いて感じますね。黄色の強い花と可憐な白い花、半凍のカットパイン、酸っぱくはないが、熟れすぎではないオレンジ、レモンの香料、黄色いハーブ、柑橘の白いピロピロと、ピールをつまんだ時に弾ける酸、ミネラル。
口に含みますと、フロールス・ディ・ウィスとしては過去最高の口の中での体積。なめらかな輪郭からほとばしるフレッシュな酸が滲みでる。どこかオイリーな香りはリースリングっぽさかな。ミネラルは十分、2009年ほど南国系のフルーツの要素は感じられないが、実はしっかりと厚みもある。サッパリさと、厚みの競演。相変わらず旨酸っぱい。温度が軽く上がってくると乾いたハーブと濡れたハーブは、バジルや野菜っぽさ。フリウラーノとリースリングのが下支え感は昨年同様。全体的には透明感のあるキレイな酒質はもちろん、若さもありフレッシュですが、しっかりと下支えもしてくれる品種の厚み、オイリーさもあるし、ゆるやかな柑橘も感じられる。
食事との合わせは‥レモンを搾る何か‥どこかオイリーさもあるので、フライでもいいはず‥ただ、そこはソースじゃなくってレモンなんだな≒フリットですな。白身魚でもいいし、牡蠣でもいいだろうし。ハーブや野菜の風味に合わすのもいい。今ならホワイトアスパラガス、でもソテーするし、ポーチドエッグなんたら‥となるとオイルと合うかもしれない。バターよりもオリーブオイルの方がいいかもしれないけど‥。と、想像しながらも、それを食べれないのが辛いな‥笑。
マルチセパージュの醍醐味はその複雑さ、ましてや時間経過とともに‥が楽しくってしかたがない。
二日目、冷蔵庫キンキンブルゴーニュ。初日同様によく香りも開いています。清々しくフレッシュ。まとまっていますが、外向的な開きが嬉しい。スッキリとしながらもしっかりと旨味。初日ほど酸っぱい感覚はなく、果実の甘味も感じられるようになった。グラスもブルゴーニュ型では緩むかな?という心配がなかったわけではないが、サイズダウンせずとも十分大丈夫だし美味しい。いい密度があり、まったくショボさなど感じさせない。年号の差もあまり感じられないのはマルチセパージュの恩恵かもしれないしね。毎年ブレない、安心の一本。2009年よりは甘味は控えめに感じるのは、果実が柑橘主体で、メロンや梨の要素が控えめだからかもしれない。
三日目、冷蔵庫キンキンブルゴーニュ。熟し過ぎない‥しかし、青さという意味ではないメロン汁の香りも交差するが、やはり柑橘とハーブ主体、三日目ともなれば、グラスを小さくしてもいいのだが、大丈夫そうな香り。冷えたミネラルは硬過ぎずに溶け込み感あり、ふぅ‥含み香もよく開いているし、ヌケやボケは見当たらない‥やっぱりフロールス・ディ・ウィスは素晴らしい‥余韻も長いし、十分に複雑な香味が楽しいもん。
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