Chianti Classico Riserva 2007 Valdellecorti

トスカーナ州の赤 > Valdellecorti

更新履歴 2012/12/07
販売価格

4,980円(税込)

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キャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ 2007 ヴァルデッレコルティ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ100%/フルボディ》

キャンティ・クラッシコ地区の中でも個人的に大好きなのがラッダ・イン・キャンティ地区。パンツァーノとガイオーレに挟まれた標高の高いコムーネで、その標高差も200m〜800mと激しく比較的涼しい地域でもあります。その標高の高さと差からエレガントな酸を持つ極上のサンジョヴェーゼが生まれるわけです。特にコムーネで選ぶことはありませんが、蓋を開けてみれば‥西野嘉高が選ぶキャンティ・クラッシコはラッダから生まれるものが少なくありません。

このヴァルデッレコルティは以前から注目していた生産者ですが、ようやく日本市場でも紹介できるようになりとても嬉しく思います。1974年創業のヴァルデッレコルティの葡萄園はたったの4ha。畑もミニマムですが、小さな醸造所と宿泊施設を併設しています。注目されるようになったのは、二代目の現当主‥ロベルト・ビアンキ氏の手腕によるもの。

温度管理されていないタンクの発酵温度を下げるには、夜になれば夜空の下にタンクを移動させる‥搾汁、醸しは足で葡萄を踏んでみたり‥原始的かつシンプルな醸造を積み重ねています…と書きたいところだが、醸造方法はほったらかし‥ではありません。サンジョヴェーゼの香味をよりストレートの抽出するための策はセニエやマセラシオン・カルボニカなど基本的なテクニックはしっかりと採用してるんですよ。

標高の高さだけが利点ではありませんが、地球温暖化などの影響もあり、過熟傾向。標高の高さは冷涼な酸やミネラルをもたらし、よりエレガントなワインとなります。ラッダの注目すべき造り手‥ヴァルデッレコルティ‥コイツはキますよ。


所有する4haの中でも、最も樹齢の高い畑のサンジョヴェーゼ100%で醸されるリゼルヴァは良年のみの生産。収穫された葡萄の50%は、最高28度に温度管理されたステンレスタンクで3週間という長期のアルコール発酵。残りの50%は開放型のトノー樽で2週間のアルコール発酵を行います。発酵中は一部の果汁を抜き、果汁に対する果皮や種子の比率を上げるセニエ(サラッソ)の手法と、果汁を下から抜き、上から戻すルモンタージュも行われます。

アルコール発酵が終了し、樽熟成させる前にモストの70%はソフトプレスの後、密閉されたステンレスタンクで休まされます。残りの30%は澱を接触させたままさらにマセラシオンを約三ヶ月行い酸化を促します。マセラシオンカルボニカ、ピエモンテジーナ法と呼ばれる醸造方法だそうです。最終的にブレンドされ500リットルのトノーの古樽(10〜12回使用済)で約二年間の熟成後、瓶詰され、約6ヶ月の熟成を経てリリースされます。この2007年はガンベロロッソ誌でトレビッキエリを獲得。

独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味(2012年秋)

5cmのコルクは悪くない。表記のアルコール度数は14度。グラスはオヴァチュアで統一している。深く黒からグラデーションするルビー色。とても純度と密度の高い果実香で、ほのかに木質、小豆っぽさも樽由来かと思うがあくまでも脇役で果実を引き立てるに上手く作用している。香りは華々しいものではないが、スミレ、ブラックチェリー、酸の質の高さは香りからも伺えようものだ。口に含みますと、上質な輪郭を最初に感じ、隙のなさ=密度の高さで、途切れない香味が続く。どこか野生のチェリーやベリー類の香味もあり複雑。過度な抽出も感じず、ミネラルもよく溶け込んでいる。とてもしなやかな酒質で抜栓仕立てから絶好調の飲みやすさもある。

バランスがいいですね。秀でた要素こそバランスで、不足な要素はない。いい甘味があるなぁ。温度管理もしなければ、自然酵母を思うと危うさ満開なのだが、清潔な設備、施設で醸されていることを感じるし、とてもクリーンな果実が持ち味で、しかもそれ相応に複雑で余韻も長い。とてもゆっくり、ゆったりとトノー樽で果実の香味を育んできたワイン。

うん、確かにラッダだな。そのCCもモンテヴェルティーネのピアン・デル・チャンポロに共通するニュアンスがあったが、このCCRは‥ならばモンテヴェルティーネの様だ。まったくの過熟感、無理くり感がない。セニエな技法も使われているがそこに意図的な濃縮、抽出は感じない。

確かに現時点では2008年のCCと比較すれば、抜栓直後の香味の開きは控えめかもしれない0.5度高めのアルコールをしても、それらを誘発するわけではない深みがあるということだ。CCよりも熟成期間の長さから、ヴァルサミコ的な香りも持つが…

あっ‥あぁ‥

この二杯目もまとまり、甘味と旨味ったら‥

素晴らしいキャンティ・クラッシコ‥

素晴らしいサンジョヴェーゼ‥

酸味に牽引される旨味に瑞々しさを感じるほど‥

つゆだっくだく

何この純度の高さ‥

旨さにストイック。

二日目もオヴァチュア統一。しなやかな甘味ある果実香、スミレと樽もバランスがいい。旨味がほんっとしなやか‥ヴェルヴェッティな重厚かつしなやかさがある。鉛筆系のミネラルもあるが、果実の旨味、スミレのエッセンス豊富で、密度の高さは完璧。

構成感も揺るぎない。まだ2007年ながら固さは感じはしないが、揺るぎない構成感はさすがにこのCCRに一番感じる。肩肘張らないリラックスした‥ストレスのない厚み、密度があり、現代的に洗練された様≒素朴さもある。

いやぁレベル高いわ。

その醸造や栽培のテクニック云々ではなく、洗練度なんだな。とてもピュアなサンジョヴェーゼを感じるるし、これはモンタルチーノではない、キャンティ・クラッシコだし、ラッダ・イン・キャンティを感じさせてくれる。

三日目もオヴァチュア統一。CCとの差はもちろんある。より樽由来の香りとまろやかさがある。もちろん密度の高さも感じ、より旨味に甘味がある。もちろん三日目らしいまとまりがあり、とても立体的。

この造り手がサンジョヴェーゼ100%のスーパートスカーナ的IGTを醸したらどうなるのだろうか?そう考えただけでも恐ろしい。

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