Le Pergole Torte 2010 Montevertine
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レ・ペルゴレ・トルテ 2010 モンテヴェルティーネ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョベーゼ/フルボディ》
キャンティ・クラッシコエリア‥ラッダ・イン・キャンティ地区にカンティーナを構えるモンテヴェルティーネは、1921年生まれ‥それまでは鉄鋼メーカーで働いていたセルジオ・マネッティ氏が1967年に別荘として、海抜425mのその地を取得。1971年ビンテージからワインを醸造し始めました。そして2000年からは息子のマルティーノ・マネッティ氏が後を継いでいます。
当時のDOC法にあったキャンティに白ブドウをブレンドすることを嫌い、1977年に古木から収穫されたサンジョベーゼ100%でのみ醸造し、当時VDTととしてリリースされたのが、このレ・ペルゴレ・トルテです。その後も、DOC法に捕われないワイン造りを追求し、1985年にはキャンティ・クラッシコ協会からも脱退したという経緯も‥。
そんな革新派であるモンテヴェルティーネではありますが、その酒質は今となってはクラシカルに感じるほどブドウ品種‥サンジョベーゼの個性を素直に表現した作品に仕上がっており、キャンティ・クラッシコよりもキャンティ・クラッシコらしい‥という皮肉な結果になってたるするのも‥面白いですね。特に、このレ・ペルゴレ・トルテは、モンテヴェルティーネ最上のワインとして著名ですが、毎年変わるアルベルト・マンフレディ氏の作品をモチーフとしたエチケッタも有名で愛らしいですね。
今なお、当時からの醸造方法を守り続けているるエレガントなサンジョベーゼの極みのひとつ‥と言えるでしょう。重鎮ジュリオ・ガンベッリ誌が手掛けた作品としてもつと有名ですが、セルジオ・マネッティも、ジュリオ・ガンベッリも亡き後、しっかりとマルティーノが継いでおります。
基本的に優良年のみの生産‥いや不良年は造らない‥そんな感じですね。近年では、2002年、2005年は生産されませんでした。個人的には、2005年のキャンティ・クラッシコ地区のサンジョベーゼは好みなのですが、微気候の影響でしょうか。
レ・ペルゴレ・トルテは、畑の標高は380m〜500mにある、樹齢が約10年、25年、35年、39年の畑から収穫されたブドウで醸されますが、そのほとんどは39年の古木からのブドウとなります。株密度は、畑毎に異なりますが、haあたり3200本、もしくは5000本で、コルドンとグイヨーにて仕立てられています。モンテヴェルティーネがラッダに所有する畑は合計15ha、その内の5ha(分)がレ・ペルゴレ・トルテとなります。
では、モンテヴェルティーネの公式サイトに数年前まで記載されていた畑の情報を見てみましょう。
■LE PERGOLE TORTE
planted in 1968, surface 2 hectares,
exposed towards N-NE
■MONTEVERTINE
planted between 1982 and partially replanted in 2008, surface 2.5 hectares, exposed
towards SE-S
■IL SODACCIO
planted in 1972 and completely replanted in the year 2000, surface 1.5 hectares,
exposed towards SE
■IL CASINO
planted in 1999, surface 2 hectares,
exposed towards S
■SELVOLE
planted in 1997, surface 3.5 hectares,
exposed towards SE-S
■PIAN DEL CIAMPOLO
planted in 2003, surface 1.5 hectares,
exposed towards W-NW
■LA CASA
one part planted in 2000 and another part in 2008, surface 1 hectar,
exposed towards S
■BORRO AI COLLI
planted in 2000, surface 2 hectares,
exposed towards S-O
■VILLANOVA
replanted in 2010, surface 1.3 hectares,
exposed towards S
これを拝見すると、決してレ・ペルゴレ・トルテは、レ・ペルゴレ・トルテ畑単一ということではなさそうです。かつてイル・ソダッチオも単一クリュとしてリリースされていましたが、優れた畑のはず‥。そのヴェロネッリ誌の情報による5haは、2haのレ・ペルゴレ・トルテ畑のみならず、複数のクリュからのブドウがブレンドされているようですね。とはいえ、植樹年を見る限り、最初の三つの畑に限定されますね。
それにしても、レ・ペルゴレ・トルテの畑の植樹は1968年というから凄いですね。続いて古い畑がイル・ソダッチオの1972年‥単一で詰めたくなる気持ちもわかります。
収穫後のサンジョベーゼは、セメントタンクにて一日二回のルモンタージュを行いながら、約20日〜25日間のマセラシオン発酵(温度管理はしてません)、その後マロラクティック発酵もセメントタンク内で施されるんですね。合計18ヶ月の内、最初の6ヶ月はアリエ産のバリックで熟成されます。バリックは新樽比率1/3で、一年落ち樽1/3、二年落ち樽1/3となります。その後、スロヴェニア産と、アリエ産の550L〜1800Lの中〜大樽にて12ヶ月の熟成を経た後、セメントタンクにてアッサンブラージュされ酒質を均一にさせ、無濾過にて瓶詰されます。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味(※2014年7月)
レ・ペルゴレ・トルテはその中味もさることながら、毎年変わるチェンネーのエチケッタも魅力のひとつ。その作者はアルベルト・マンフレディ氏と変わりはないものの、個人的に(も、きっとお客様も)1999年からの作風‥タッチの違いは1998年までの方がよかったのになー(遠い目)では?この2010年、1998年までのあの作風‥タッチっぽいんですよねえ。ただ、1992年や1988年のように、唇に紅が引かれていないので若干色気に欠けるかもしれませんけども‥。寸足らずのエチケットはお馴染み。かのスプマンテは不安定な液量を隠すためにあの長い裾のキャップシールと覚えたものですが、この短く、コルク尻から約1cm丸見えの寸足らずなキャップシールは、コルク側面を露呈することになりますので、コルクの状態確認には好都合ながら、それが隠したいもの…であれば不都合極まりない、パンチラしっぱなし状態とも言えますね。
このワインを飲む時はいつもグラスを迷います。ヴィノムもキャンティ型だと小さい。アルコール度数的に(この2010年は13.5度)ブルゴーニュ型という感じでもない。結局ヴィノムのボルドー型ですが、他にさらに合うグラスがあるかもしれません。コルクは良質の5cm。頭と尻に年号が刻印されていますが、尻は薄らとピンク色なだけ。エッジはキレイなピンク色。相変わらず濃い色ではないが薄さもない。ピノ的深い赤。ブドウ樹の回りに生える草、まだ果実香に若さがありますね(当然だけど)。スミレ色の色鉛筆、赤と黒のチェリーの果皮、果汁。閉じではないがタイトな香りの出方。ほんと毎度思う、なんて高額なキャンティ・クラッシコなんだ‥と。最初はそこにコスパの悪さを感じていたが、些細な細部が全て整う様はやはりペルゴレ・トルテしかなし得ない姿。まだ頑なミネラル香、果実は少し近づいて、こちらに顔を向けてくれているけども。
口に含みますと、とてもすべらかな輪郭、決して粉っぽさはないがミネラルのクリスタルでツルツルと言う訳ではない。アンチグレアの保護シールな舌触り。思ったよりも口の中での存在感は大きい。酸味はビシーっと隅々まで行き渡っておりトゲトゲしさはない。タンニンも質が高いですね。すでにキチンをまとまってて飲めてしまう。もちろん、ミネラル他の硬さを感じるけども。味わいにも閉じは感じない‥しかし、少し温度が低めなのもあってやはりタイトな印象。でも、これがエレガントと解釈したいし、実際‥そう。樽‥化粧っけはまったくないですね。ある意味、樽熟成したの?と思うかもしれない。ピュアですねえ‥ほんと果実‥サンジョヴェーゼの純度が高い。終盤にサンジョヴェーゼ特有の粉っぽさ、戻り香にも微粉な感じ。スミレも化粧っぽさ、芳香剤っぽさはない。チェリー主体なんだけれども小さなベリーも混在する。
和菓子だなあ。露骨でないほのかな甘味のこし餡。それを包むやわらかな求肥(ぎゅうひ)。豆っぽさ‥ああ、リボッリータにトスカーナのサラミを刻んだものが入ってたらあああ‥ヨダレじゅるじゅる(和菓子ちゃうやん)。
ああ、トスカーナ産のサラミがあるんだった‥。口の中に塩気があるとワインが美味しくなりますね。肉の旨味や油の甘味が相乗。
二杯目は香りも味わいも豊かで旨味も出てきましたね。初日なのでまだまだ感はありますが、すでに完成されたサンジョヴェーゼ‥というかレ・ペルゴレ・トルテですね。ラッダらしい冷涼さもあって、エレガントと言われる所以に納得です。
楽しみな二日目、グラスはヴィノムのボルドー型です。初日よりも香りが開いて感じるのはスミレの華やかさ。ネリネリした甘味ある果実香もあり、ああ、きっと口に含むとウマウマでジューシーなんじゃないかと思うとそれだけでヨダレ誘発ですね。どこか果実にブラッドオレンジのような赤い柑橘。口に含むと予想通りのジューシーな酸味がつゆだくです。酸味と旨味の関係って素敵ですね。重厚さよりも深さですね。味わいもエキスではないし、アルコール感はまったく迫ってくることがありませんのでしっかりと味がありながらもとてもスムースに飲める。
終盤に喉を旨味と酸味が鳴らしてチュパチュパ。旨いねえ。
ギャー!三日目凄い香り!
(グラスはヴィノムのボルドーです。)
チェリーやベリーな果実がネルネルネルネ、なめらかな甘い香りと相まってさらにヨダレ誘発ですね。口に含むと二日目よりも138%‥輪郭も硬いミネラルからやさしい果実‥紫の桃の皮の産毛。
うんまい!
この旨さは熟成しちゃうと感じれないから、やはりこの感覚は若い内ならでは‥でもありますね。余韻もこの三日目が一番長く感じます。味わいは複雑にして奥深い‥。やはりサンジョヴェーゼの理想型のひとつですね。
あまいワイワイと飲むタイプではない。ボッチの西野嘉高にはピッタリ。ちゃんと向き合って飲んであげたい。
ぜひ三日目までじっくりとね!
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