Chianti Classico Riserva 2009 Valdellecorti

トスカーナ州の赤 > Valdellecorti

更新履歴 2014/01/19
販売価格

4,980円(税込)

在庫数 SOLD OUT

キャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ 2009 ヴァルデッレコルティ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ100%/フルボディ》

キャンティ・クラッシコ地区の中でも個人的に大好きなのがラッダ・イン・キャンティ地区。パンツァーノとガイオーレに挟まれた標高の高いコムーネで、その標高差も200m〜800mと激しく比較的涼しい地域でもあります。その標高の高さと差からエレガントな酸を持つ極上のサンジョヴェーゼが生まれるわけです。特にコムーネで選ぶことはありませんが、蓋を開けてみれば‥西野嘉高が選ぶキャンティ・クラッシコはラッダから生まれるものが少なくありません。

このヴァルデッレコルティは以前から注目していた生産者ですが、前ビンテージから日本市場でも紹介できるようになりとても嬉しく思います。1974年創業のヴァルデッレコルティの葡萄園はたったの4ha。畑もミニマムですが、小さな醸造所と宿泊施設を併設しています。注目されるようになったのは、二代目の現当主‥ロベルト・ビアンキ氏の手腕によるもの。

温度管理されていないタンクの発酵温度を下げるには、夜になれば夜空の下にタンクを移動させる‥搾汁、醸しは足で葡萄を踏んでみたり‥原始的かつシンプルな醸造を積み重ねています…と書きたいところだが、醸造方法はほったらかし‥ではありません。サンジョヴェーゼの香味をよりストレートの抽出するための策はセニエやマセラシオン・カルボニカなど基本的なテクニックはしっかりと採用しています。

標高の高さだけが利点ではありませんが、地球温暖化などの影響もあり、過熟傾向。標高の高さは冷涼な酸やミネラルをもたらし、よりエレガントなワインとなります。ラッダの注目すべき造り手‥ヴァルデッレコルティ‥やはり好きな造り手のひとつです。

所有する4haの中でも、最も樹齢の高い畑(約40年)のサンジョヴェーゼ100%で醸されるリゼルヴァは良年のみの生産されます。前回ご紹介した2007年から1年飛んで今回は2009年のご紹介。このリゼルヴァは、スタンダードなキャンティ・クラッシコよりも10日ほど遅い10月中旬に収穫が開始されました。

収穫された葡萄の50%は最高28度に温度管理されたステンレスタンクで3週間という長期のアルコール発酵が行われますが、タンクは満杯にした状態。ポイントは破搾をしないことでやわらかいタンニンを抽出することだそうで、ルモンタージュとデレスタージュ(外部のタンクに移し変え、温度を冷ますために一晩置いて元に戻す)が行われます。

残りの50%は開放蓋のトノー樽で約4週間というさらに長い期間アルコール発酵を行います。発酵途中はモストを上からバトナージュして漬け込み、外気の酸素に触れさせることによりカルボニック・マセレーションを行います。アルコール発酵後はブレンドされフランス産のバリック(10年ほどの古樽)で約30ヶ月の樽熟成後、2013年の春に瓶詰されました。


2009年ヴィンテージ

2009年は稀な素晴らしいヴィンテージとなりました。雨が沢山降り、寒かった冬から5月頃にようやく遅めの春が訪れ、そこから一気に気温が上昇…7月末から8月末には、気温が38〜40℃まで上がりました。ブドウは干ばつや水不足などの乾燥に悩まされることもなく順調に生育しました。9月に入り天候が崩れ、周りのワイナリーの大半は雨によるブドウへの被害を恐れ、収穫時期を早めましたが、我々はリスクを感じながらも収穫時期を待ちました。そしてその結果が報われ、最高の状態で収穫を迎えることとなりました。

独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味(2014年秋)

このCCRはエチケッタの下1/3は黒地。メタリックな赤の年号とRISERVAの文字がなかなかいいですね。バックラベルにはサンジョヴェーゼ100%の文字、表記のアルコール度数は14.5度となります。コルクはまあまあの質の5cm、グラスはヴィノムのキャンティ型です。色は深い黒赤ですが、透明度もあり濃すぎることはありませんね。グラスに注ぐ段階からとてもピュアなスミレとチェリー、ベリー、モモ系の果実香が広がります。ヴァルデッレコルティらしい果実の甘味ある香り、香ばしさも少しあるんですよね。どこかチェリーとベリーなゼリーっぽいニュアンス、サンジョヴェーゼ的な青さもなく唾液誘発系の美味しい香りが広がります。

口に含みますと、酸味にも甘味を感じますね。とても質の高い酸が隅々まで行き渡るし、豊富‥甘旨酸っぱい果実で口の中を満たします。密度が高いのでフルボディとしていますが、軽やかにスムースの飲めるんですよ。まったく引っかからない。タンニンもとてもきめ細やかで片栗粉の様。とてもバランスが良いし、とても余韻が長いんです。CCと比べると、品というのかな‥とても上品で高貴な感じ。決してCCよりも濃いから‥とか、そういうのじゃない。アルコールも14.5度というのは感じさせませんね。ほんとスムースです。少し血、アイアンな部分も感じますね。冷ややかな鉱物的ミネラルの延長線上‥。

二杯目から出汁系の旨味があるのはヴァルデッレコルティらしさかな‥しかもCCRの甘味ある旨味がとてもいい。ゆっくりとジューシーにつゆだくになっていく様‥。どこかアセロラ、フランボワーズのグミ、ガム、スモモもモモもモモのうち‥飲めば飲むほどピュアで複雑。

二日目もヴィノムのキャンティ型。樽ではない果実達の甘味ある香りは健在。とてもチャーミングでチェリーとイチゴが楽しそう。香味はよく開いていますね。口に含むといいまとまりと旨味、ジュクジュクではありませんがしっかりとジューシーな酸味がエラの内側も満たします。初日同様にどこか金属的なミネラルもありますね。酸もタンニンも刺々しさは皆無で、とてもスムーズでつるるんとした輪郭、二日目は深みも感じ、立体的になってきました。いいまとまりはいいバランスで、最後にエキスィな旨味も余韻に繋がりますね。間違いなく旨いです。

三日目もヴィノムのキャンティ型。さらに旨味が甘味ですなあ‥とっても美味です。二日目よりもさらにまとまった程度でそれほど変わりませんね。後味にエキスィな旨味があり、味わいの余韻も長いですよ。ミネラルの溶け込みもとてもキレイ。スモモとイチゴがとてもチャーミング。ショッキングほどではないが、はっきりと濃い目のピンクな果実の香味がステキング。

2007年よりも価格は上がりましたが、CCRとしてはまだまだお安い部類、その品質も加味すれば恐ろしいほどコスパが高くなりますね。トレビッキエリを獲得したCC2009も素晴らしい出来ですが、個人的には価格差を越えて、やっぱりCCRが(も)好きだなあ!


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