Barolo Albe 2006 G.D. Vajra

ピエモンテ州の赤 > G.D.Vajra

更新履歴 2014/03/05
販売価格

3,980円(税込)

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バローロ・アルベ 2006 G.D.ヴァイラ
《イタリア/ピエモンテ/赤/ネッビオーロ/フルボディ》


当主はアルド・ヴァイラ氏で、婦人のミレーナ、息子のジュゼッペとの家族経営。元々アルドの父親はワイン造りやブドウ栽培に従事していなかったものの、祖父が所有していた0.3haの畑と、樽の枠を相続しワイン造りを開始したそうです。転機は1986
年、バローロ地区が雹害の影響でほぼ壊滅状態になった年、ただでさえ不況の真っ只中で多くの生産者が廃業する中、諦めずに借金をして畑を買い増したのが功を奏したそうです。

伝統的なスタイルでその理念も明白。

「美味しいのは当然。"安全"で"清潔"。そして"美しい"ものでなければならない。そしてリンゴジュースを飲んだらリンゴの味しかしてはいけないのと同じように、バローロを飲めばネッビオーロの味がすべき。樽由来の甘味やタンニン、香も必要ない」

一部大樽と使用しますが、発酵は基本的にステンレスタンク。自然酵母でゆっくりと発酵を進めます。タンクのあらゆるところで当分が二酸化炭素を作り、果帽を押し上げることが重要で1日に2回、櫂入れを行います。ネッビオーロはカベルネやメルロと違い、果汁にアントシアニンや色々な要素(香味成分も果皮に多い)を含まないのでこの櫂入れ(フォラトゥーラ)の作業を重要視しているそう。特に樹齢の高いネッビオーロは、収量が落ちるだけれはなく、果実そのものが小さくなる。小さい果実は、果汁に対する果皮の比率が若樹からのブドウよりも高くなる。よって一層櫂入れを行い、果皮からの香味成分などを引き出す作業が重要になる。

「果皮比率の高い高樹齢のネッビオーロは多くの要素をワインに与える。高樹齢であれば角の抽出も必要なく、適度な櫂入れを施せばバローロは偉大さを備える」

スプマンテやキナート、モスカート・ダスティも醸造しています。ドルチェットやバルベーラは上級クラスとの二種類。フレイザからもよいワインを造りますし、かのマルセル・ダイスのクローンというリースリングも醸していますが、やはり主役はネッビオーロでしょうか。ランゲ・ネッビオーロと、今回ご紹介するバローロ・アルベ、最上はバローロ・ブリッコ・デッレ・ヴィオレの三種類となります。

今回ご紹介するバローロ・アルベは、海抜400m〜440m付近にある三種類の畑から収穫されるネッビオーロの混醸。いずれもバローロ村にあるフォッサティ、コステ・ディ・ヴェルジーネ、ラ・ヴォルタで収穫されたもの。選果されたブドウはステンレスタンクでの発酵、発酵期間はブドウの状態にもよりますが30〜40日間もかけるそうです。発酵後はスロヴェニア産の大樽で36ヶ月の熟成。熟成期間に違いはありますが、基本的に、上級のクリュバローロと醸造は同じのようですね。

クリュの方はすでに2008年がリリースされておりますので、熟成期間を考えても本来ならこのワインは2009年あたりが現行かと思われます。


独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味


ランゲのALBEISAの刻印がある撫で肩の共通瓶。作者名など不明ですがエチケッタにはなんだか洒落た絵が。太陽のマークっぽいのがありますが、ヴァイラの公式サイトには、毎朝、いずれかその三種類の畑から顔を出す太陽が‥と書いてあるような感じなのでそういうのがモチーフなんだと思います。コルクはなかなかの質の4.5cm。表記のアルコール度数は13.5度、グラスは迷ってブルゴーニュ型。エッジにネッビオーロらしいオレンジも見えますが、底は見透かせますが深みのある赤色。香りがとてもいいですね。落ち着きがあり樽や果実香が馴染んでいます。これも2006年の恩恵かもしれませんね。

いい意味で生食のベリー香は過熟感なく健全さを感じさせます。控えめな紫の花、どこか赤い果実のヒントがあって単一品種ながら複雑さがあるのもネッビオーロの素晴らしいところ‥を実感。果実本来の甘味も控えめながらポンと存在し、度数は過剰じゃないが、グラス内壁を垂れる脚を思うとしっかりと熟したブドウのエキスがあるのだと思う。

口に含みますと、輪郭はとてもなめらかで、ぷにょっとした弾力がありますね。出尽くした紅茶葉、鉄観音、酸味の質も高く隅々まで行き届きます。

二日目もグラスはブルゴーニュ型。いい色、いい香‥。香りに果実の甘味がグンと出て来ました。ちょっとだけリキュールちっくな濃い甘味ですが、アルコール感ではなく完熟系ですね。初日同様に生の果実もありますし、茶葉系は熟れとリンクしますのでそのコントラストが見事に複雑。樽はまったく邪魔しないですね。口に含みますとしっとりと密度を感じ、深みが出てきました。

う、旨い!

しつかりと香味開き、ボディを感じますが、酸、タンニンの収束はそこはかとなくエレガントで、切なさすら感じる。その寂しさを紛らわすために、ついもう一口、もう一杯‥杯を止まらせないスムーズさ。含み香に紫の花、紫のフランボワーズ。旨ちゅっぱしたい酸がほんと美味しい。

古典的で、伝統的‥バローロの王道的スタイルですが、古臭くないんです。そこは現代的な丁寧な造り、畑仕事を感じますよ。素晴らしいワインです。

三日目を飛ばして四日目です。グラスのサイズダウンも過りましたが、ブルゴーニュ型です。甘味ある香りがグングンとキマすね。ココロもカラダも許してくれた女性の様‥。とはいえ、ユルユルではなく、しっかりとガードされているところはしっかりと(酸がね)。旨味がクドくなく軽やかさを感じますね。でも、余韻は長いなああ。

2〜3年のバックビンテージ、しかも2006年は傑作年を思うと、ヴァイラのバローロがこの価格でこの質!は破格ですね。

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