Paleo Rosso 2004 Le Macchiole
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■ パレオ・ロッソ 2004 レ・マッキオーレ
《イタリア/トスカーナ/赤/カベルネフラン/フルボディ》
エウジニオ・カンポルミ氏の遺作となった2001年からカベルネフラン100%に生まれ変わったパレオ・ロッソは、ボルゲリのカベルネフランブームに火をつけた立役者でもあります。土地に合った葡萄をカベルネソーヴィニョンととるか、カベルネフランととるかは、ボルゲリの生産者でも分かれるところかと思いますが(ミケーレ・サッタはカベルネフラン嫌いだそうです‥まぁこれは合う合わないじゃなく、好き嫌いですけどね)、西野嘉高的には、ボルドー的なブレンドよりは、単一品種で勝負してくれるレ・マッキオーレは好きだなぁ。遺作となって2001年は、2004年恵まれたビンテージで人気となりましたが、実は2003年が‥個人的には2001年の上をゆく出来だったんですよね。まだまだ美味しくなりそうな予感‥
そして今年は待望の2004年がリリースっ!!
レ・マッキオーレにとっては、2001年以上に恵まれたビンテージとなり、その世評の高さは‥ご存知のとおり。パレオ・ロッソ2003年は主発酵をステンレスタンクと書きましたが、2004年の資料では主発酵もオーク樽、その後マロラクティックを発酵を施され、新樽比率100%(2003年は90%)のバリック(225L)90%と、西野嘉高の嫌いなハーフバリック(112L)10%にて16ヶ月の樽熟成を経ます。10%のハーフバリックは2003年と同様。正直に書きますが、西野嘉高的にはオーバースペックです。いくら果実が小樽に耐えうる素晴らしい出来でも、これほどの小樽で熟成させる必要性が理解できません。ターボ車にニトロを積む感じね‥まるでマッドマックスの世界かな‥そこまでのスペックは求めてないんですけどね‥とはいえ、2003年の毒味にも書きましたが、そのハーフバリックの悪影響を感じさせない出来でした。かといって、樽使いが上手いだなんて褒めるつもりはまったくありませんので悪しからず。
前述のとおり、この2004年は2001年、2003年にも増して素晴らしいビンテージとなったのは、ヴェロネッリ誌の評価にも表れております。
2001年 93点(G.B.)
2003年 91点(G.B.)
2004年 97点(D.T.)←今ココ
となっております。(評価者ちゃうやん!!とか突っ込みは華麗にスルーするっ!!)
残念ながら‥販売価格は2003年の1000円増しとなりましたが‥実は2001年と同じ価格なんですねっ!!
毒味が遅れましたが、じっくりとセラーで休ませてみたかったもんですみません‥。
2004年のパレオは‥凄すぎっ!!
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
相変わらず、野生の王国のような夕焼け小焼けな感じですね。個人的には、パレオも、晴れて単一品種になったわけですし、メッソリオやスクリオと同系列のラベルデザインになると‥いいのになぁと、思ってたりします。本来は、価格も同価格だといんだけどね。(パレオが高くなるのは困るけど)また、パレオ・ビアンコも、もう少し、お手頃価格にして、ボルゲリ・ビアンコになれば‥と、思ったりもしております。バックラベルに表記のアルコール度数は14度。コルクは5cmで、もうワンランク上質のコルクを使って欲しい感じかな。(←贅沢な希望かな)コルクの頭とお尻にはビンテージが刻印されております。グラスは、ヴィノムのボルドー型一択です。
エッジは動脈のような深い赤で、紫を帯びた黒い液体は、スワリングしている時点で重さを感じますね。すでに、グラス内壁を垂れる脚もゆっくりで、相当‥濃そうですね。新樽100%、しかもハーフバリック10%なもんで、どんだけ樽香のお化けなんだよ‥と、思われがちですが、(思ってたのですが)これが、キレイに溶け込んだ樽加減なんですよね。というか、果実香の方が最前列なんですね。すごく開いています。
カベルネフラン特有の、スパイス香がスーッと深呼吸のように沸き上がってくる感じなんですね。しかも、北の未熟なカベルネ系に感じる青臭い感じでなく、よく熟した、しかも複雑なスパイス香が、ミントのような清々しさを伴って沸き上がってきます。カベルネフランの滝壺に居る感じかなぁ‥とにかく量がハンパじゃない‥。
完熟したブラックチェリーとブルーベリー、杉のような木質な香りと相まって、非常に芳香ですね‥。リリース仕立てとはいえ、すごく香りが開いています。この2004年の香りを嗅ぐと、2003年は暑かったビンテージだったんだなぁを感じるかもしれませんね。鉄‥というよりも鉛‥鉛筆っぽい香りに、インクも感じますが、とても複雑ながら、高次元でバランスが取れていますね。2001年、2003年と比較しても、もうワンランク上‥が、香りからだけでも感じます。すごく紳士的というか、仕立てのよいスーツをビシっと着た感じがありますね。揺るぎようのないスタイルを持ってるワインですねぇ。
それにしても香りが素晴らしいですね。ベリー系の果実さえも脇役‥にしてしまう‥このスパイスとハーブの香りが、すべてを牽引してる感じですね。うーん、これは期待できるっ!!
口に含みますと‥重いっ!!濃いっ!!なんだこのズドーンとした重さは‥いい意味での暗雲が立ちこめるような重さ‥甘味のあるタンニン、溶け込んだ赤いチェリーの酸味‥アルコールが突出することなく、エキスだけが深いわけでもない‥真っ赤っかな、あっさりクリーム‥。重低音ではないが、低めの音域のゴスペル‥色んな要素がハモりまくって複雑なんだけれども‥ひとつの作品としてまとまっている‥。
カベルネフランが完璧な状態で熟した感じが伝わるね。ほろ苦みや、スパイスは、時として雑に感じるものだが‥パレオ・ロッソ2004に、そんな雑に感じる要素は微塵もなく、余韻も果てしなく長い‥。
炎上するスタバから火豆のように飛び散るコーヒー豆の香り‥そんな黒煙も感じます。
重たい。重たいがグラスが進むのが不思議。
わいわいガヤガヤしながら飲むワインはない。ワイン会なら一番最後‥テールポジションで決まり。
パレオの2004年は、飲み手を黙らせてしまうね‥
料理と合わせる必要もない‥ワイン単体で飲むべきワインだとも思う。このワインと同じ次元で相乗効果を出せる料理‥思いつかないなぁ。
えてして‥単一品種のワインというのは単調に感じがち‥。でも、パレオの2004年は、過去のパレオと比べ物にならないほど複雑‥しかも飽きないのが素晴らしいですね。
どっから、どう飲んでも、嗅いでもカベルネフランですが、カベルネフランってこんなに美味しかったんだぁ‥と、再確認してしまいますね。
時間の経過とともに‥さらに香りは芳香で複雑に湧き出てくる‥。その香草の香りが重い酒質に羽を付ける感じ。しかし、口に含めば、威厳を持ったフィクサーが鎮座してるのよね。
静と動‥
香りは動だけれども‥味わいは静‥
この威圧感‥尋常じゃない‥。
二日目です。二日目も芳香な果実とハーブ、スパイス香は健在。初日の方が、香りが開いて感じますが、これはまとまりつつあるの‥かもしれませんし、決して二日目でヘタってるわけでもありませんよ。そんな「溜め」を感じますが、これは三日目以降への布石であるはずです。溜め‥でありながらも、十分に開いた感じは感じてもらえるはず‥。このワインには、もっともっと上を高望みしますからね。
初日よりも、香りに酸味を感じますね。きっと味わいにも、初日は大人しく感じた酸味がじゅんわり出てきてるはずだ‥と想像。
口に含みますと、深いねぇ‥まろやかなココアっぽく深い感じ‥香りからも連想される酸味がじゅわんとジューシーに感じられますね。二日目の方が、そういう意味ではイタリアワインっぽいかな‥。初日ほどの威圧感はなく、ちょっとコッチに近づいてくれたかなぁ‥と思います。まったく問題ないね‥。
三日目です。初日、二日目と大差はありませんね。ずーっと絶好調な状態をキープしています。ハーブやスパイス香よりも、濃密な果実香が強く感じられますね。口に含んでも、文句を付けるところもなく、このクラスのワインになると、褒める言葉もなかなか思いつかず‥。タンニンの素晴らしい質感が、この三日目によく感じられるなぁ‥。案外、これがジャミーじゃないんですよ。濃厚、濃密なワインとなると、ジャミーな感じや、熟しきった感じを思う浮かべるかと思いますが、熟し具合がドンピシァなのね‥それ以上になると、過熟感や、まるでアパッシメントしたようなニュアンスがでそうなんですが‥(←それも好きなんだけどねぇ)
いやぁ参った‥。
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