Latimis 2012 Ronco del Gelso
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実店舗在庫追加しました。次回入荷時はビンテージが2013年になる予定です。
ラティミス 2012 ロンコ・デル・ジェルソ
《イタリア/フリウリ/白/フリウラーノ、リースリング、ピノ・ビアンコ、トラミネール・アロマティコ(極少量)/辛口》
フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州はコルモンス地区も素晴らしい生産者の宝庫。協同組合なカンティーナ・プロドットーリ・コルモンスはもちろん、リヴィオ・フェルーガやボルゴ・サン・ダニエーレもコルモンスだ。
現在のオーナー兼エノロゴはジュリオ・バディン氏。元々はブドウ栽培農家だったそうだから、それこそ協同組合に卸していたか、この地での比較的大きな生産者となると前述のリヴィオ・フェルーガ、日本では見かけないがアンゴリスという生産者かも。自社瓶詰めを始めたのは1988年、イソンツォ川の支流であるアルテ川近くに畑を所有しており、痩せた小石混じりの土壌。土壌の個性を生かすために、肥料はほんの少しだけとのこと。
「うちはオーガニック、ビオデナミや何とか(失礼)ではない。かと言っておざなりにワインを造っているということでは全くない。環境へのわずかなインパクトしか及ばさない栽培や醸造のテクニックを使わないことには意味は見いだせない。これは醸造学校で習ったことで、純粋に農業であり、自分にとって宗教的なものではない。
例えば、害虫にはフェロモン剤を使う。銅剤は6kg/haしか使わないし、敏感な品種には一切使用しない。ボトリティス菌の殺虫剤はずっと使っていない。ピート由来の天然肥料は使用する。除草剤は1,5リットル/haのみ使うけど、殺ダニ剤は一切使用せずダニは天敵を使う。水をセーブするために点滴灌漑を行う。畑は自分の庭みたいに大事に手入れするんだ。
醸造においては培養酵母、硫黄、ベントナイトは使うけど他は使わない‥自分が目指すワイン醸造への見解を損なうことなく、全てが自分の知識や経験、思慮分別を通して得て来たテクニックなんだよ」
現在約25haのブドウ畑から、8種類の白ワインと、1種類のロゼ、2種類の赤、1種類のパッシートを醸しているが、そのパッシート以外は、コルモンス地区のあるゴリツィア県のフリウリ・イソンツォDOCを名乗る。
ジェルソのワインの個性は明白。もちろん、その品種特性の表現も巧みだが、樽熟成の有無に関わらず、異次元の密度の高さ、オイルのような粘性。単一品種、混醸に関わらず果実や花の香味は立体的で複雑。フルボディで強さを感じますが飲み飽きしない‥。実は皆さんが(も)求めていたフリウリワインはこのジェルソでは?
合計約2haの様々な畑で栽培されるブドウの混醸。フリウラーノとトラミネールはhaあたり4,500本、ピノ・ビアンコとリースリングは5,700本の株密度。それぞれグイヨで栽培されています。ソフトプレスで搾られた各モストは19度に温度管理されたステンレスタンクでの培養酵母での発酵。マロラクティック発酵は行われずにタンクでの熟成が施されます。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
ボトル形状は撫で肩のいわゆるブルゴーニュ型となりますが肩部分に「GORIZIANA」の凸モールドがございますのでイソンツォDOC(ゴリツィア県)の共通瓶のようですね。ピエモンテ州のアルバ地区の「ALBEISA」の共通瓶と同じくマーケティングを兼ねたコストダウン策という感じかな。ロンコ・デル・ジェルソの(表)ラベルはどこかの高級チョコレートメーカーのパッケージのような洒落たもの。詳細な情報はすべて裏ラベル(裏はちょっとショボい印刷なのが残念)となります。どうせ斬ってしまうのでどっちでもいいのですが、キャップシールも実は質素なもの。コルクももう少しがんばって欲しい4.5cm。冷蔵庫キンキン温度、グラスは悩んでオヴァチュア。表記のアルコール度数は13.5度
予想以上に黄色味が濃く深いですね。しかしオレンジ掛かるわけではありませんし透明度も十分です。極少量というトラミネール・アロマティコのトラミネールがアロマティコな感じ(どなんやねん)。熟れたパイン果汁やバナナピューレの香り深く、きっと低音域を思わせる柑橘にまろやかさがありますね。口に含みますと…
うおおっほ、これは旨い!
度数は13.5度ですが、いいアルコール感がありますね。飲み口に厚と密度があり、寸止めで甘味に逃げない。酸味の質も高く終盤に向けてかなりドライで少し苦みも感じさせるのはグレープフルーツから雑な酸味を抜いた感じ。どこか、フリウラーノとリースリング由来のオイリーさがあるし、含み香の中にペトロール。トラミネール・アロマティコはあくまでも花鰹で、芯の部分はピノ・ビアンコでそこにフリウラーノとリースリングの肉付きかな。分厚いミネラル、苦みに塩味もありますね。ふむ、ふむ、厚みがあり旨味があるのでそこに甘味も感じるがほんとドライで苦みがありフルボディな白。温度が上がってくると苦みはさらに顕著で、余韻と戻り香に乾燥したハーブのニュアンス。
果実香は注ぎたてが顕著。二杯目はメロンや洋梨の青っぽさも魅力。あとオシロイなミネラル。うんいいねえ。この果実味に厚みあるのに、しっかりドライなのが飲み飽きない。時間とともに様々な表情を見せてくれる(複雑さ)は混醸ならでは。温度が上がってもダレることなく美味しい。
二日目も冷蔵庫キンキン、グラスはオヴァチュア。ミネラルの硬さが解れたかのような香りの開き、最初の黄色い花はやはりトラミネール・アロマティコなアロマティックな感じですが、酸のケバケバしくないやわらかな柑橘、パインも初日よりもなめらかですね。口に含みますと、ジェルソらしいパツンパツンの密度、詰まりはほんとに素晴らしい。ミネラルがほとんど‥ではなく果実味の密度が高いんです。ドライなのは変わりませんし、グレープフルーツの白い皮のような苦みもありますが初日ほどではない。初日から‥ですが、火打石もあるんですよね。初日ほどオイリーではありませんが、引火しそうな感じ。真っ白なスミレもあるんだなあ。酒質だけでなく香りもしっかりなんですよね。初日よりも少しだけ甘味も感じる‥。
ふぅー素晴らしい混醸の白ですわあ。
三日目も冷蔵庫キンキンでオヴァチュア。トラミネールの香りにやわらかさ。まろやかなグレープフルーツや花の香り。口に含みますとまとまりがありますね。とても旨味に溢れ、相変わらずの密度‥フルボディと言っていいでしょう。まとまってますが、時間、温度‥混醸の楽しみが三日目もありますね。苦みもやわらかい‥。
ミネラルやオイリーさもひとまとまりになりましたね。それほど青や緑のハーブが目立つわけではありませんが、オリーブオイル、イタリアンパセリ、トマト(の透明な汁)と、まさにイタリアなお料理に幅広く合うと思いますよ。
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