Le Pergole Torte 2011 Montevertine
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レ・ペルゴレ・トルテ 2011 モンテヴェルティーネ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ/フルボディ》
キャンティ・クラッシコ地区の中でも比較的標高の高いラッダ・イン・キャンティにアジェンダを構えるモンテヴェルティーネはご存知の通り。1921年生まれで、それまでは鉄鋼メーカーで働いていたセルジオ・マネッティ氏が1967年に別荘として、海抜425mのその地を取得。1971年ビンテージからワインを醸造し始め、重鎮ジュリオ・ガンベッリの力もあり枠に囚われないサンジョヴェーゼの造り手として一躍トップに。2000年からは息子のマルティーノ・マネッティ氏の時代となり、父や尊敬する師の教えを守り続けています。
当時のDOC法にあったキャンティに白ブドウをブレンドすることを嫌い、1977年に古木から収穫されたサンジョベーゼ100%でのみ醸造、当時VDTととしてリリースされたのが、レ・ペルゴレ・トルテです。その後も、DOC法に捕われないワイン造りを追し、1985年にはキャンティ・クラッシコ協会からも脱退してしまいました。
そんな革新派であるモンテヴェルティーネではありますが、その酒質は今となってはクラシカルに感じるほどブドウ品種‥サンジョベーゼの個性を素直に表現した作品に仕上がっており、キャンティ・クラッシコよりもキャンティ・クラッシコらしい‥という皮肉な結果をもたらします。
良くないと判断したビンテージにはこっそりと違う名前で詰めたレアボトルがあったり、甘口や、サンジョヴェーゼの白など遊び心のあったセルジオさんとは違い、後継者であるマルティーノは真面目過ぎて少しおもしろくないのでいつか言うてやろうと思います。
基本的に優良年のみの生産‥いや不良年は造らない‥そんな感じですね。近年では、2002年、2005年は生産されませんでした。個人的には、2005年のキャンティ・クラッシコ地区のサンジョベーゼは好みなのですが、微気候の影響でしょうか。
レ・ペルゴレ・トルテは、畑の標高は380m〜500mにある、樹齢が約10年、25年、35年、40年の畑から収穫されたブドウで醸されますが、そのほとんどは約40年の古樹からのブドウとなります。株密度は、畑毎に異なりますがhaあたり3200本、もしくは5000本で、コルドンとグイヨーにて仕立てられています。モンテヴェルティーネがラッダに所有する畑は合計15ha、その内の5ha(分)がレ・ペルゴレ・トルテとなります。
モンテヴェルティーネの公式サイト掲載の畑の情報を見てみましょう。
■LE PERGOLE TORTE
planted in 1968, surface 2 hectares,
exposed towards N-NE
■MONTEVERTINE
planted between 1982 and partially replanted in 2008, surface 2.5 hectares, exposed
towards SE-S
■IL SODACCIO
planted in 1972 and completely replanted in the year 2000, surface 1.5 hectares,
exposed towards SE
■IL CASINO
planted in 1999, surface 2 hectares,
exposed towards S
■SELVOLE
planted in 1997, surface 3.5 hectares,
exposed towards SE-S
■PIAN DEL CIAMPOLO
planted in 2003, surface 1.5 hectares,
exposed towards W-NW
■LA CASA
one part planted in 2000 and another part in 2008, surface 1 hectar,
exposed towards S
■BORRO AI COLLI
planted in 2000, surface 2 hectares,
exposed towards S-O
■VILLANOVA
replanted in 2010, surface 1.3 hectares,
exposed towards S
2000年代初頭だったと思います。それまでレ・ペルゴレ・トルテはレ・ペルゴレ・トルテ畑からのブドウのみで醸造されていたはずですが、現在は複数の畑から収穫されるブドウの混醸となります。
レ・ペルゴレ・トルテ畑は1968年植樹で植え替えはまだされていませんが、生産終了となったイル・ソダッチオは2000年に受けかえられており、それを機に終了となったのだと思います。モンテヴェルティーネがリゼルヴァを名乗らなくなったのもこの時期でしたね。
合計18haのブドウ園の内サンジョヴェーゼが90%を占めるようですね。古い畑は株密度3200本ですが、1997年以降に植え替えられた際は5000本に高められています。
収穫後のサンジョベーゼは、セメントタンクにて一日二回のルモンタージュを行いながら、約20日〜25日間のマセラシオン発酵(温度管理はしてません)、その後マロラクティック発酵もセメントタンク内で施されるんですね。合計18ヶ月の内、最初の6ヶ月はアリエ産のバリックで熟成されます。バリックは新樽比率1/3で、一年落ち樽1/3、二年落ち樽1/3となります。その後、スロヴェニア産と、アリエ産の550L〜1800Lの中〜大樽にて12ヶ月の熟成を経た後、セメントタンクにてアッサンブラージュされ酒質を均一にさせ、無濾過にて瓶詰されます。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
すでにこのエチケッタを描いていたアルベルト・マンフレディ氏もお亡くなりになり、ストックから選ばれるようですが、どのような基準で誰がそのビンテージはこの絵にしよう‥と選ぶのでしょうね。やはりマルティーノが選ぶのでしょうか。2011年はキャンバスにパステル他な感じの作風で2010年の版画調とは違うのですが、いかせん、女性の左目にアザがあるようにしか見えないドメスティック・ヴァイオレンスな風味たぷーりなのがあまり好みではありません。とはいえ、以前ブログにも記載しましたが、この2011年はマエストロと呼びたいエノロゴ、ジュリオ・ガンベッリ氏が関与した最後のビンテージであることが表ラベルに記載されている特別なビンテージとなっています。
"La 2011 estata l'ultima annata del nostro maestro Giulio Gambelli A lui dobbiamo tutti i vini prodotti a Montevertine e quelli che verranno in futuro."
お馴染みのチンチクリンのキャップシールを剥がします。コルクは私のボトルだけだと信じたいがイマイチの質の5cm。ブショネではありませんけれども…。コルクの質は熟成も左右しますからね。色はモンテヴェルティーネらしい明るさもある深い赤‥深い赤が重なって黒く見える感じですね。杉などの木質な樽香をまとうスミレの香りは落ち着いた芳香さがあり、フラワリーなスパイス。収穫後乾燥させたわけではなくあくまでも樹に生ってる状態で完熟した果実は、煮詰めや濃縮ではない深さがあり、つゆだくの果汁感があるんですよね。
香りには、爽やかさも備わっていて2011年という暑さは感じません。口に含みますとしっかりと溶け込んだミネラルがあり口の中での存在感と、まだ少し硬質ながら輪郭や酸味、渋味ともにしなやか。もちろん、まだ若さもあり、少し荒さも感じるけれども、これは時間が解決する。
もの静かにたたずむ。香りはフレッシュな木質な部分や、花の華やかさは自ずと訴えかけてくるようですが、果実は二度、三度のスワリングというキッカケが必要な状態。決して閉じではありませんけどね。
残念ながらモンテヴェルティーネの2011年は飲んでおりませんので(新しい輸入元さんは付き合ってくれそうにない)、比較はできませんが、レ・ペルゴレ・トルテは、さらに密度の高さと複雑さが身の上ですね。2000年だったか、2003年かだったからは、レ・ペルゴレ・トルテ畑以外のブドウも混醸されるし、徐々に植え替えされる畑もあるかと思うと、毎年毎年進む樹齢の中で一番のよいブドウが使用されているわけだが、飲み比べて、それを感じとれる、それを表現できる生産者というのは優れている。いいブドウを使った方がいいワインになるだけ‥単純だし、生産者はシンプルにその単純作業を間違いなく行うだけなのだが、そこが難しいのです。
このワインは大急ぎで飲んではいけない。それは瓶熟成させるという意味もあるけれども、抜栓してからもそう。まだ最初の一杯目だけれども、他のワインよりもゆっくりと飲んでいる。でも、やっぱりそう変わらないのリフレイン。
モンテヴェルティーネらしい紫の果実。紫の果実はどこかベリーっぽいんだけれども、モンテヴェルティーネはその酸味から紫のチェリーっぽい。
二日目もヴィノムのボルドー型。初日からより果実香がネリネリネリね。サクランボのコンポートやゼリー。スミレが鼻孔をくすぐります。口に含みますと輪郭に粘性を感じますね。舌の上に乗ってから流れるスピードがゆっくりのとてもスケベさん。
果実味もチェリー主体。まったりとした輪郭ですが、その内側にはしっぱりと溶け込んだ酸味があり、さわやかさすら感じますね。単一品種らしい一本気ながら複雑な香味‥うん、素晴らしいサンジョヴェーゼですね。こし餡の甘味。
やっぱり好きだなあ。まったく暑さも感じさせないのもいいですね。DVなラベルを見た時は悪い予感してたのですが、見事にいい方に裏切られました。
まだ力強さを感じる果実と、80%の熟れの酸味と渋味から湧き出る旨味がいいですね。ほんとサンジョヴェーゼの出汁を感じます。レ・ペルゴレ・トルテの熟成はとてもゆっくりです。レ・ペルゴレ・トルテというひとつの果実の皮を剥く感じ。体は小さくなりますが、そこにピュアでソリッドな果肉、果汁が隠されています。
三日目もヴィノムのボルドー型です。スミレに少し血、鉄分。口の中で乳脂肪分低めのヴァニラがふんわりと果実の輪郭を覆い、満たします。高い密度ながら、やさしさ、ふんわり感がありますね。
三日目ともなるとあまりスワリングする必要はない。何度かグラスに注ぐことでエアリングもされているし、時間経過でじっくりと空気が溶け込んでいる‥だからふんわり感もあるんだな。この三日目‥バランスよくまとまっててとても飲みやすい。まあ、この果実由来のほんのりとした甘味に、渇くような強過ぎない旨味がしっとりしてて‥今飲んでも旨いが、熟成もさせたいねえ。
やっぱり旨い。素晴らしいサンジョヴェーゼやわ。
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