Friulano 2007 Ronco del Gelso
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フリウラーノ 2007 ロンコ・デル・ジェルソ
《イタリア/フリウリ/白/フリウラーノ/辛口》
フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州はコルモンス地区も素晴らしい生産者の宝庫。協同組合なカンティーナ・プロドットーリ・コルモンスはもちろん、リヴィオ・フェルーガやボルゴ・サン・ダニエーレもコルモンスだ。
現在のオーナー兼エノロゴはジュリオ・バディン氏。元々はブドウ栽培農家だったそうだから、それこそ協同組合に卸していたか、この地での比較的大きな生産者となると前述のリヴィオ・フェルーガ、日本では見かけないがアンゴリスという生産者かも。自社瓶詰めを始めたのは1988年、イソンツォ川の支流であるアルテ川近くに畑を所有しており、痩せた小石混じりの土壌。土壌の個性を生かすために、肥料はほんの少しだけとのこと。
「うちはオーガニック、ビオデナミや何とか(失礼)ではない。かと言っておざなりにワインを造っているということでは全くない。環境へのわずかなインパクトしか及ばさない栽培や醸造のテクニックを使わないことには意味は見いだせない。これは醸造学校で習ったことで、純粋に農業であり、自分にとって宗教的なものではない。
例えば、害虫にはフェロモン剤を使う。銅剤は6kg/haしか使わないし、敏感な品種には一切使用しない。ボトリティス菌の殺虫剤はずっと使っていない。ピート由来の天然肥料は使用する。除草剤は1,5リットル/haのみ使うけど、殺ダニ剤は一切使用せずダニには天然の天敵を使う。水をセーブするために点滴灌漑を行う。畑は自分の庭みたいに大事に手入れするんだ。
醸造においては培養酵母、硫黄、ベントナイトは使うけど他は使わない‥自分が目指すワイン醸造への見解を損なうことなく、全てが自分の知識や経験、思慮分別を通して得て来たテクニックなんだよ」
現在約25haのブドウ畑から、8種類の白ワインと、1種類のロゼ、2種類の赤、1種類のパッシートを醸しているが、そのパッシート以外は、コルモンス地区のあるゴリツィア県のフリウリ・イソンツォDOCを名乗る。
ジェルソのワインの個性は明白。もちろん、その品種特性の表現も巧みだが、樽熟成の有無に関わらず、異次元の密度の高さ、オイルのような粘性。単一品種、混醸に関わらず果実や花の香味は立体的で複雑。フルボディで強さを感じますが飲み飽きしない‥。実は皆さんが(も)求めていたフリウリワインはこのジェルソでは?
2008年からその区画名であるトック・バスという名前が付くことになりますので、クリュを名乗らないフリウラーノの最終ビンテージとなります。もちろん、2008年からクリュを名乗りだすということは、この2007年はトック・バス区画からのブドウに限らずという可能性もありますが、ロンコ・デル・ジェルソからの回答は同じワイン。2008年から名前にトック・バスが付く‥とのこと。
当時のテクニカル情報がありませんので、2012年のそれをコピペ。コルモンス地区の比較的標高の低い約4.2haのトック・バス畑。haあたり4,500本の株密度、グイヨで栽培されるフリウラーノが使用される。ソフトプレスで搾られたモストは19度に温度管理されたステンレスタンクで培養酵母での発酵。マロラクティック発酵は行われないが、澱とともにシュール・リーでステンレスタンクでの熟成が施されます。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
ボトル形状は撫で肩のいわゆるブルゴーニュ型で、現行のトック・バス他と同じだが、このボトルには「GORIZIANA」の凸モールドがありませんね。いわゆる一般的なブルゴーニュ型ボトルとなります。ラベルは抹茶色地で、筆記体でひっそりとFriulanoの記載。Ronco del Gelsoらしいロゴはやっぱりカワイイですね。現状のバックラベルはイカれたレーザープリンタ出力っぽくダサダサですが、この頃は一般的なバックラベル同様の紙と印刷、デザイン。
もちろんDOCモイソンツォ・デル・フリウリDOC。ちなみにこのDOCで品種表示する場合は100%の使用が義務となります。とりあえず冷蔵庫キンキン温度からのスタートとなりますがグラスは迷いますね。トック・バス2012はヴィノムのボルドー型でしたので、それに合わせてみます。コルクはなかなかの4.5cmでこの頃の方がコルクはいいような気がします。なお、表記のアルコール度数は13.5度。
明るくテリのあるゴールドがとてもキレイですね。グラス内壁を垂れる脚もゆっくりでこれは超期待。香りに老ねはありませんね。思ったよりもまだ若さを感じる熟れ過ぎないバナナ、パパイヤ。グレープフルーツと、黄と白の花の蜜とスパイス。なかなかスパイシーな香りもあるんです。とはいえ、香りからも少しトロ味を感じさせるまろやかさ、丸さを感じますね。
口に含みますとおおおおお!うんまるい!輪郭がまるくてトロ味がありますね。熟れたシャルドネとはまた違う。舌先にはじんわりと酸も感じさせながらも、厚みと密度十分なフルボディの白。含み香にもスパイシーさがあり、酸味とともに果実味をダレさせない要素。うん、現行比5年とは思えないし、とても美味しい!まだ温度が低めなわけですが、これが上がってくるとムンムントロトロになるのかも。
酸のみならずミネラルもまだ若さを感じます。輪郭と厚みに甘味もあるのですが決っして過ぎることもないし、アルコール感もちょうどいい。当然っちゃあ当然ですが、とても状態がいいですね。
香りは少し大人しい。スワリングして初めてムンとする感じ。これは温度やグラスの関係があるかもしれないね。とはいえ、単一フリウラーノながら、複雑味があり余韻も長い。そして肝心要のバランスがとてもいい。
洋梨とゴルゴンゾーラ。いいねえ。ジンジンするハチミツ添えてもいいと思うんだけど、ハチミツにはあまり詳しくないがあるよね、ジンジンするの。
温度が上がってきました。樽熟成はさせていないと思うのですが、ひょっとすると‥と思わせる木質な気質はスパイスに見られます。温度が上がってもエグ味はでませんね。ただただおいしい。
ミネラルがとても上質になってる。酸も素晴らしい。5年も経過したとは思えないが、ゆっくりとまとまってきたんだなあ。とても健全に熟成に向かってる。
二日目です。冷蔵庫キンキン温度から小一時間出しておきました。色調に初日との変化は感じません。フリウラーノと言えばオイリーな重さがあるわけで、2012年のトック・バスはまるで重油のような重みも感じますが、この2007年はもう少し軽やか。
ながら、味の強さ、ハッキリとした押し出しの強さを感じるのはロンコ・デル・ジェルソらしさですね。「こっち見んな」と言いたくなるようにガン見される感じ。やはり老ねた要素はなく、健全に時が経って再連結している段階でしょうか。老ねさせた段階を熟成と呼ぶわけではありませんが、あと5年ぐらい余裕、余裕というポテンシャルの高さには脱帽ですね。
初日よりもまとまりを感じます。温度は上げ気味ですがまだトロトロにはならないんだなあ。ミネラルが豊富なんですよねえ。やわらかいミネラルが。紅葉したハーブがジンとする。
三日目もヴィノムのボルドー型。温度は冷蔵庫でそれなりに冷えた感じ。うん二日目とグラスからの情報はあまり変わらない。幾分開き気味に感じるんだけれども誤差の範囲内かな。柑橘系と南国系を取り持つジンジンとした花のスパイスがやはり心地良いし、このワインの鍵。決してアルコール感が強いわけではないが、アルコールがオイルっぽさにも繋がる。ただただ重いワインではないが、メリハリがロンコ・デル・ジェルソらしい。
このワインをより味わうには、口の中での滞留時間を増やすのもいい。口に含んだらすぐに飲み込まずに、エロイ舌使いでその液体の温度を上げてゆくとこのワインのをさらに味わえるはずだ。
健全に熟成‥いや、熟成すら感じないほどまだ若さも溢れる。ぜひ、現行である2012年のトック・バス・フリウラーノと飲み比べて欲しい。そちらの方がより強さやメリハリ、重さを感じるかもしれない。5年前、または5年後が一堂に会するのもステキな経験だ。
最後の一杯(三日目ね)までほんと健全においしい。いいフリウラーノだし、とてもよい造り手を再確認した。
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