Chianti Classico 2011 Valdellecorti

トスカーナ州の赤 > Valdellecorti

更新履歴 2015/02/25
販売価格

3,000円(税込)

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キャンティ・クラッシコ 2011 ヴァルデッレコルティ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ/ミディアム》

キャンティ・クラッシコ地区の中でも個人的に大好きなのがラッダ・イン・キャンティ地区。パンツァーノとガイオーレに挟まれた標高の高い地域で、その標高差も200mから800mと激しく比較的涼しい地域でもあります。その標高の高さと差からエレガントな酸を持つ極上のサンジョヴェーゼが生まれるわけです。特にソットゾーンで選ぶことはありませんが、蓋を開けてみれば‥西野嘉高が選ぶキャンティ・クラッシコはラッダから生まれるものが少なくありません。

このヴァルデッレコルティは以前から注目していた生産者で、2008年ビンテージから日本市場でも紹介できるようになりとても嬉しく思います。1974年創業のヴァルデッレコルティのブドウ畑はたったの4ha。畑もミニマムですが、小さな醸造所と宿泊施
設を併設しています。注目されるようになったのは、二代目の現当主‥ロベルト・ビアンキ氏の手腕によるもの。

温度管理されていないタンクの発酵温度を下げるには、夜になれば夜空の下にタンクを移動させる‥搾汁、醸しは足でブドウを踏んでみたり‥原始的かつシンプルな醸造を積み重ねています…と書きたいところだが、醸造方法はほったらかし‥ではありません。サンジョヴェーゼの香味をよりストレートの抽出するための策はセニエやマセラシオン・カルボニカなど基本的なテクニックはしっかりと採用しています。

標高の高さだけが利点ではありませんが、地球温暖化などの影響もあり、過熟傾向。標高の高さは冷涼な酸やミネラルをもたらし、よりエレガントなワインとなります。ラッダの注目すべき造り手‥ヴァルデッレコルティ‥やはり好きな造り手のひとつです。

南東向きの畑は風通しの良い砂地と、小石を含む泥灰土、石灰質の土壌で標高は450mあたり。7年〜30年、平均樹齢15年なサンジョヴェーゼは樹齢別に収穫されます。収穫されたブドウは丁寧に搾られ100%蓋付きのステンレスタンクで約2週間アルコール発酵が行われます(2009年には一部オープントップの発酵樽が使用されていました)。アルコール発酵終了後に果皮の60%は取り除かれますが、残りの40%の果皮は発酵後もモストと接触させます。この技法はピエモンテジーナもしくはステッカトゥーラと呼ばれ約3ヶ月の期間行われます。果皮との接触期間である3ヶ月が終了後、2000から3000リットルのスラヴォニア産の大樽で約18ヶ月の熟成後瓶詰めされます。

ピエモンテジーナの技法はヴァルデッレコルティでは重要な作業。2009年は全量ではなく30%のモストにのみ行われていましたが、この2011年は全量アルコール発酵後のさらなる果皮浸透が行われたようです。昨年は「全量施すと必要以上の酸が‥」と記載していますがそのコントロールもできているんでしょうね。2008年から3ビンテージ目となりますが、毎年醸造方法の情報が異なります。その年のブドウや、挑戦、実験、いろんな要素からそうなるのかもしれませんね。

独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味

お馴染みのヴァルデッレコルティのラベル。2009年と同じく表記のアルコール度数は13.5度。コルクは並質の5cm。このクラスだと4.5cmあたりが多いのですが、少しだけ長めですね。グラスはヴィノムのキャンティ型一択です。まだエッジに少し若さを感じるピンク、明るさと深み、照りのある赤が鮮やかです。2009年は少し濃厚さや熟度を感じた香りが先に来ましたが、この2011年はとてもやわらかい石灰やミネラルと、メロン果汁をヒントにしたベリーやチェリーの香り。香りは少し控えめで一層エレガントさを感じますね。

口に含みますと、控えめな香りとはウラハラに、しっかりと味わいがありますね。少しだけエキスぃにも感じる熟度、やわらかながら深い旨味がすでにある。この一杯目は味吟醸で、酸味は豊富ながらグングンと内側に対流と滞留。ホロリとしたタンニンもきめ細やかで質が高い。ふわりとプラム、梅の香りがするのもヴァルデッレコルティらしさがある。そこにどこか「和」を感じるんだなあ。

まだ一杯目ですが、時間経過とともにゆたーりと香りが上がってきます。含み香には木質な気質。前後、左右、上下、それぞれの役割が明らかになりバランスを取り出す。

二日目は、なんとヴィノムのキャンティ型最後の一脚を割ってしまうという失態‥オヴァチュアとなります。ふむ、やはり「和」な感じがする。どこかお茶のニュアンスがあるのだが抹茶系なんだな。顕著ではないが、サンジョヴェーゼに感じる餡子もさらに「和」に拍車をかけるのかもしれない。桜の葉、うん、柏餅かよ‥と。

口に含みますと、静かですね。とても大人しい。でも閉じているのではい。静かに‥でもしみじみと訴えかけてくる。とてもなめらかな旨味、そこにジュクジュクに溶け込む酸味、ミネラルもあるのでダクダクとまではいかないどこかまだ硬さを秘めているが、ツユダクであるのは間違いない。

うん、押し出しの強さ‥。確かに印象に残るでしょう。でも、ヴァルデッレコルティはそうじゃない。これはモンテヴェルティーネも同じですね。

三日目もオヴァチュア(仕方ない‥^^;)。香りもよりまろやか。二日目同様にやや大人しい。2Bの鉛筆、口に含むとさらにやわらかい。いや、やわらかいだけではなく、やわらか重い。やわらか戦車みたいだ(←古いか)。輪郭はしっとりと密度の高い果実で覆われている。ドギツクない旨味。酸味はさらに溶け込んでますね。

いわゆるビオらしいやわらかさがありますが、還元臭はありません。やはり桜餅や、梅などの「和」をどこか感じさせ、大人びた、落ち着いた酒質でするりと飲めますね。ヴァルデッレコルティらしさ、その個性、スタイル、方向性を感じる作品です。

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