Chianti Classico 2011 Isole e Olena
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キャンティ・クラッシコ 2011 イゾレ・エ・オレーナ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ80%、カナイオーロ15%、シラー5%/フルボディ》
キャンティ・クラッシコ地域でも、北東にグレーヴェ・イン・キャンティ、東にラッダ・イン・キャンティ、南東にカッテッリーナ・イン・キャンティと隣接するバルベリーノ・ヴァル・デルサ地区に位置するのがこのイゾレ・エ・オレーナ。
他にカーザ・エンマや、モンサントなども位置する地区にイゾレ・エ・オレーナは約50haのブドウ園を持ちます。
祖父の代まではピエモンテ州の北の村で小さな畑を持ち、当時からワインを作っていましたが、第二次世界大戦後トリノへ移住‥そこでパオロ・デ・マルキ氏は生を受けます。父は弁護士でより安定した収入を見込んで1956年にデ・マルキ家が「イゾレ」と「オレーナ」の、つの隣接した畑を購入し合併して設立された醸造所‥が、名前の由来なんですね。(ルーツの血が騒ぐのか‥ピエモンテでもワインを作っていたりします。)
父の代までは醸造したワインをアンティノリへ卸していたようですが、その間パオロ氏はトリノ大学などで醸造学を修め、イゾレ・エ・オレーナに帰ってからは自社瓶詰を開始‥小作人から元詰めになったわけですね。
※小作人制度に関しては、マット・クレイマー氏の「イタリワインがわかる」を読むと‥凄く勉強になります。ちなみに‥このイゾレ・エ・オレーナもマットクレイマー氏は推奨銘柄ですね。
1976年頃から、セラーの近代化を計り、小区画による栽培もスタートしています。そんな生産者出身のパオロ・デ・マルキ氏率いるイゾレ・エ・オレーナですが、昨今では珍しく(語弊あり)外部からエノロゴを雇い入れることなく、自身でのワイン造りを実践しています。
パオロ氏のキャリアはトリノ大学だけに留まらず、カリフォルニアのUC DAVISや、アスティの醸造実験場、ボーヌ、モンペリエ、トリノ、ガイゼンハイムなどの大学などともその研究を行っていました。コレッツィオーネシリーズという国際品種からなる単一セパージュのワイン達は、それぞれのオリジナルの地域から苗を取り寄せたもので、シラーはローヌから、シャルドネはブルゴーニュからのようで、彼のキャリアを考えると‥国際品種の栽培も当然のことですね。
「イゾレ」と「オレーナ」の区画はそれぞれ特徴を持っており、イゾレは石灰質、オレーナは砂がより多く軽めの土壌だそうです。このキャンティ・クラッシコもIGTのチェッパレツロも基本的に畑は同じで約36ha。より樹齢の高い樹から収穫されるブドウがチェパレッロとなります。
さて‥このキャンティ・クラッシコはサンジョベーゼ80%。サンジョヴェーゼも100%可能になってからは、100%または90%以上をサンジョヴェーゼが占めるキャンティ・クラッシコが多くなった印象ですが、DOCGの最低基準量である80%はなかなかクラッシックなイメージ。主な副原料はカナイオーロのようですが、ビンテージによってはコレツィオーネ・デ・マルキシリーズにも使用されている国際品種が混醸されることもあるようです。残念ながらイゾレ・エ・オレーナは公式サイトもなく詳細情報がありません。
一部のワイン誌の情報では、サンジョヴェーゼ80%、カナイオーロ15%、シラー5%(ワイン・エンスージアスト)、サンジョヴェーゼ90%、シラー10%(ヴィノス:アントニオ・ガッローニ)など情報が錯綜しておりますが、先のワイン・エンスージアストは93点、ヴィノスのアントニオ・ガッローニは90点、ジェームス・サックリングも90点とスタンダードなキャンティ・クラッシコとしてはかなり評価が高いんですよね。
収穫されたブドウは約15日間のアルコール発酵が行われます。発酵中はデレスタージュや、一日に二度のポンピングオーバーが行われます。デレスタージュの際は移し替えのためにタンクからモストを抜き取りますが、残ったおりを2,3時間乾かせてから
またモストを注ぎ直すという作業を1996年に編み出し(俺の超訳だからちょっと違うかもしれん)、以降同じ方法でのデレスタージュを行っています。熟成は新樽比率5%の4000リットルのオーク樽で12ヶ月。
なお、デレスタージュは液抜き静置法とも訳され、発酵途中の液体を別のタンクに移し変え、数時間後に元のタンクに戻す技法。タンクに残された果皮や種子が空気に触れることでより色素たタンニンが抽出できるようにしつつも種からの粗いタンニンの抽出を防ぐ‥そうです。
飲んでみました。
こんなことなら詳細な毒味としてレポートすればよかった。最初の一杯目にシラー由来であろうスパイシーな香味を確かに感じます。泡立ちに紫に近い濃い赤もシラーが要因でしょうか。しかし、グラスのエッジはこれぞイゾレ・エ・オレーナのサンジョヴェーゼと納得する少しだけオレンジが混じる血のような赤。チェッパレッロと確かに似てるんですよね。
スミレよりも、完熟したプラム、暗い果皮がテカるチェリー。干し肉、黒胡椒のようなスパイスも感じるのでジャーキーですね。軽さは皆無で、濃密なフルボディ。アルコール度数は14.5度とたぷーりですが、アルコールの熱さ、カロリーは感じさせないし、それ由来の甘味ではない。とてもジューシーで唾液を誘発する旨味と果実味に柑橘が見え隠れし、湧き上がるような酸味もあるが、膨大かつ丸い果実味が上手く包み込む。
2011年は比較的暑かったビンテージがゆえの完熟感があるが、過熟はない。重みを感じるがストレスのない飲み口。樽香に支配されることはないが、しっかりと樽の恩恵を受けている。香味に閉じ感もないがさらなる開きも期待できる。無濾過らしい濃さもあるし、小豆のほっくり感、ヴァルサミコのヒント。タンニンも豊富だけれども、質が高いのは相変わらず。メガ粒子砲のようにストレートにドキュン。
ミネラルももちろん感じるんだけれども、ミネラルにも厚みがありエッジのない丸みと奥行き。グラスはヴィノムのボルドー型で、オヴァチュアやキャンティ型だと窮屈だったかもしれません。
三日かけてゆっくりと楽しみましたが、初日から美味ですが日を追うごとにスケールが大きくなります。イゾレ・エ・オレーナらしい構成感を感じる酒質も相変わらず。
いやあ旨い。
国際品種を混醸する理由‥。これに尽きるのかもしれません。それらを加えることで、国際市場でのウケを狙ったような混醸を感じたらきっと扱わなかったと思います。シラーで色濃く見せようだなんて思惑は感じませんし、モダンと感じさせるようなアルコール感や甘味の演出もありません。どう飲んでもキャンティ・クラッシコなんですよね。
キャンティ・クラッシコが混醸を認められている理由をどう使うか?
パオロ・デ・マルキの真面目な性格、マエストロ気質がほんとよく出てる。ナンパな遊びもないしブレもない。実直でイゾレ・エ・オレーナらしさ、キャンティ・クラッシコらしさがド・ストレートです。
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