Crognolo 2010 Tenuta Sette Ponti
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クロニョーロ 2010 テヌータ・セッテ・ポンティ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ80%、メルロ10%、カベルネソーヴィニョン10%/フルボディ》
ボトルはいつもの怒り肩のボルドー型瓶で瓶底の凹みの頂点には"VE"のマーク。オレーノは"ORENO"の凸モールドのある専用瓶、このクロニョーロも"TENUTA SETTE PONTI"の凸モールドのあるセッテ・ポンティ用のボトルだったと思うのですが、この2010年は普及品のようですね。ラベルデザインの印象に変更はありませんが、以前までのツルテカな紙質ではなく少しザラっとした処理になっており、こちらの方が擦れなどできちゃなくなることは少ないと思います。キャップシールも以前と変わらない印象。
この2010年からエノロゴはカルロ・フェリーニではなくジュゼッペ・カヴィオラが担当していますが、セッテ・ポンティ自体の思想も少なからず変化があったように思います。あまりテクニカルな情報を更新することもない生産者でもありましたが、エノロゴを含めそういった情報を公にしようとはしていないようですね。すでに世界的にも高い評価を得ましたからあとは飲んでみてくれ‥な姿勢なのかもしれませんが、公式サイトのデザインや更新、やはりセッテ・ポンティが真にオルネッライアを超えるにはそこらへんのブランディングが必要不可欠だと思います。生業は高級靴屋なアントニオ・モレッティは彼自身が畑に出ることも、醸造をすることもありません。あくまでもオーナーではあり監督業。それを作り出すマエストロの気持ちはよくわかってるんですよね。だから納得いく結果さえあれば、あれやこれやつべこべいわない派なんだと思います。
少し脱線しますが、セッテ・ポンティは決してスタッフは多くありません。アレッツォの暴れん坊ステファノさんは、ほんとアレッツォで育った悪ガキそのまんまです。営業として優秀かどうかは疑問ですが、いいヤツなんですよね。大手生産者は営業こそ要でもあり、優秀な営業を引っ張ってきては入れ替わることも少なくありませんが、セッテ・ポンティは相変わらず、地元で育ったステファノがやってる。
バックラベルはすっかり飯田さん仕様となっていますが、今時は版が必要なわけではなく、日本でデザインしたイラレのファイルを現地イタリアで出力してそれを現地で貼って出荷されます。そのバックラベルには、ロット番号が印字されています。"L 08913"とありますので、瓶詰めは2013年の9月8日と思われます。
コルクは‥うーん、もうひとがんばりの4cmとやや短めですが、尻からの染め上がりはなくいい状態です。なお表記のアルコール度数は14度、グラスはヴィノムのボルドー型です。
そう言われれば‥なエッジにカベルネの紫。血のような赤から深い黒。樽使いが変わったのだ‥を実感しますね。カルロ・フェリーニならもう少しローストした、ほっこりとした…ある意味焼き芋のような香ばしさと、甘味を持つ樽香とやわらかなヴァニラが装飾品のように存在するのですが、あくまでも果実香が。樽香は控えめで、ローストやヴァニラ系の白い香りはあまり感じさせず、キレイに溶け込んでいますね。
香りも差し迫るような濃縮した香りではなく、ストレッチされた無理のない開きです。黒糖ではない蜜の甘味のヒントある濃縮ではない熟したカシスやベリー香、もちろん香りからも密度を感じますね。サンジョヴェーゼらしい粉っぽさは小豆を挽いた感じで、カベルネの青さはない。焼き芋ではなく、天津甘栗っぽいのはあるかな。ただし、既にむいちゃいました系で皮の焦げ感ではなく、栗の甘味のような‥これは樽香か、果実香か。
口に含みますと、うん、クロニョーロで間違いはない。口の中を満たす液体の輪郭に刺すような渋味や酸味は皆無で輪郭から内側の一皮は柔軟なミネラルですが、その奥にはしっかりと密度のある果実味。サンジョヴェーゼが80%ながら思ったよりもメルロの豊満さや、カベルネらしい渋味も感じます。味わいの甘味もそれまでよりも控えめで質が高く、乾いた渋味がサラりとあり飲み口はドライ。
飲み口にも濃縮したような濃さではなく無理のない密度を感じるようになった。応じてインパクトは控えめに感じるかもしれないが、ストレスのない密度はバランスに通じます。
旨いな‥「動」ではなく「静」な旨さがある。
まだ一杯目ですが、旨味もすでにあり、酸味もじゅわんと濡れている。規格、スペック的にはキャンティ・クラッシコと名乗るのも可能だが、そこはアレッツォ、区域外だから名乗れない、いや、名乗る必要もありませんね。
これがキャンティ・クラッシコを名乗るのであれば「らしさのないそれ」として却下しますね。IGT(←スーパータスカンとは言わない)らしさあるサジョヴェーゼなんですね。キャンティ・クラッシコ地区よりもさらに内陸、決してマレンマや、ウンブリアのようなぬるいサンジョベーゼではない。でも標高の高さは感じない‥そこにあるのはフェラガモのお屋敷(延々とフェラガモ家の壁が続きます)。
二杯目、たぷーりとグラスに注ぐ。香りに鉄分、血っぽさ、ただし酸化はしていない。うん、無理のない濃さ、密度。二杯目はいいまとまりがある。開きも均一だ。カベルネの(いい)青さも出てきた。少し瓜、ミネラルもあるのでスイカっぽさもあるが、未熟な要素ではない。そういう意味でも、これまで(2006年まで)はサンジョヴェーゼ80%にメルロだっものが、カベルネが混醸されることになり(2007年あたりは5%だったと思うが)、複雑さは増したはずでもある。
時間経過とともに果実味に甘味も感じますが、そこに過不足のない渋味と酸味が同居するのがいいですね。クロニョーロらしい、セッテ・ポンティらしいバランスです。
二日目です。初日よりも開いていますね。スミレの香り、サンジョヴェーゼが前に出てきたきた。カーボン、なめらかなFの鉛筆の芯、これまでのクロニョーロの方がモダンな甘味、香りがありました。そういう点でカルロ・フェリーニ時代の方が好き‥なんてお客様も出るかもしれませんが、これは進化として受け止めるべき事案。どうしても彼の作品が似てくる。原産地呼称の枠を超えて。
炒らないコーヒー豆、開いているとはいえ派手でもない。口に含みますと旨味は少し増しましたが、まだまだ増幅が期待できる。渋味、酸味は溶け込みながらもしっかりと構成感に寄与しています。果実味はあくまでもしなやかで、ミネラル硬さもありませんが、キチンと芯を感じるのがいいですね。
10%のカベルネは出しゃばり過ぎることはありませんが、いい複雑さに寄与していますね。サンジョヴェーゼとメルロの好相性を邪魔するわけではありません。
三日目です。開きに開きまくってますね。とは言え、濃縮したような香りではありませんので「あっさり」とした華やかな開きでもあります。スミレ、渋味を感じさせる粉っぽさは、鉛筆の粉っぽいですね。口に含みますと旨味がありますが、このところ西野嘉高の好きなスタイルのひとつでもある旨味出汁系ではないんです。旨味が前ではなく、良質な酸味、渋味の輪郭もクッキリしていますね。果実のまろやかさとのコントラストもステキです。久々に旨味出汁系ではない、渋味が美味しい‥と思えるワインです。
カルロ・フェリーニ時代と比較するとシックで洗練された印象。ローストやヴァニラなどの樽香は抑えられており果実の香味が主体。渋味や酸味はこれまでも質の高いものでしたが、より構成感を感じるポジションですね。ワイン単体でも楽しめますが、食中酒としてもとてもいい。全体的な甘み、アルコール感も控えめです。
すでに現地では2013年がリリースされており、いい落ち着きがあります。渋味と酸の輪郭がクッキリしているので馴染みよりも構成感。熟成させる必要性の有無は別としてポテンシャルも十分です。
CCも値上がり傾向を思うと価格も納得できるもの。少し真面目になりました。更生したと比喩してもいいかもしれません。でもこれは進化であり、深化なのです。
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