Oreno 2011 Tenuta Sette Ponti
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オレーノ 2011 テヌータ・セッテ・ポンティ
《イタリア/トスカーナ/赤/メルロ50%、カベルネソーヴィニョン40%、プチヴェルド10%/フルボディ》
2010年のセパージュ比率はカベルネとメルロが各40%、プチヴェルドが20%の比率でしたが、2011年はメルロが50%を占め、プチヴェルドが10%となっています。ラベルのデザイン上の構成は同じですが、少し変更になっていますね。ボトルはお馴染みのORENOの凸モールドが正面にあるVE社製のもの。キャップシールももう少し薄い金色でしたが、少しカッパーな感じの赤味がかった金色。コルクはなかなかの質の5cmで、グラスはヴィノムのボルドー型です。ちなみに表記のアルコール度数は14.5度
毒味はクロニョーロ2011年の三日目の翌日から。さすがにクロニョーロとの品種構成比率の違いを感じさせる深い黒、エッジはもう少し紫かと思いましたが深い赤です。まったく青さはないが、杉の香りが爽快に添えられる熟したベリー、カシス、黒い皮を持つチェリー。うん、やっぱり樽の使い方、表現が2009年までとはぜんぜん違いますね。ローストした香ばしさや、ホワイトチョコのようなヴァニラはありません。サンジョヴェーゼは入っていませんが、ヴァイオレットの香り。
口に含みますと、重みと張りのあるミネラル、キメ細やかな密度、とても奥深い果実味。うん、2010年と同じ印象。含み香、味にカカオパウダーっぽさ。不用意な甘さはなくすでに旨味もある。酸はキレイに溶け込み、角がない。派手な開きはないが大人しいわけでもない紳士的でスタイリッシュ。
メルロのふくよかさを、張りのあるミネラルが一皮覆う。とてもなめらか、ヴェルヴェッティな輪郭。2010年は「動」でも「静」でもなく「佇」と表現したが2011年も同じですね。
決して訴えかける酒質でもないが、こちらから迎えに行かねばならないわけではない。ほんの少し集中して「気」を配ればそこに佇んでいるのを確認できる。
すでに優れたバランスを持ち、複雑味がありながらも一杯目からまとまっていますね。オレーノ、やっぱり旨いですね。このレベルのワインがこの価格というのはあまりにも可哀想。
二杯目は、酸味のレンジの幅広く感じます。それに応じて、フルーツも赤から紫、黒へ。大きさも小粒なものから‥。クロニョーロの三日目が一番甘味を強く感じましたがオレーノの初日はまだまだですね。
まだミネラルの硬さを感じながらも、しなやかな果実味、旨味がすでにある。樽使いがほんと絶妙ですね。もちろん、これまでのカルロ・フェリーニ的な樽使いを否定はしません。
2011年も進化と深化‥まあ、2009年以前を知ってる方との共感かもしれませんが‥それをヒシヒシと感じます。
二日目もヴィノムのボルドー型。初日と変わらず香り高い。フラワリーさもあるし果実香ももちろん。ぼってりと濃い果実香はない。タイトではないがスレンダーと感じるのは、少し硬さとも感じるアルデンテだからかな。果実味のカシス深く、プラム増幅、サラサラとした渋味と、心地よく溶け込む酸味が飽きさせないし、ストレスに感じさせない。
旨味があるなあ。酸味とのバランスがいい。クロニョーロよりも密度高く、旨味深いのは、倍の価格を思うと当然でもある。
構成感はカルロ・フェリーニ時代からあった。しかも仕立てのよいスーツのような折り目と素材感、スクリとした様がある。もっと暴力的な濃さと樽香をもってすれば、国際的な評価と価格はもう一段あがるし、それを順手(逆手ではない)として強気な価格をつければブランド価値も上がるだろうが、まだ歴史が浅いことや、ジュゼッペ・カヴィオラに交代したことは、そこじゃない‥のかもしれない。
三日目もヴィノムのボルドー型。二日目とさりとて変わらないまとまりを感じる構成感。いやあ、スタイリッシュですね。目の前の敵を(なんでやねん)オルネライアに設定しています。オルネライアも素晴らしいワインですが、やはり外向きですね。イタリアワインらしさというよりもボルゲリらしさを越えて世界的なスタイル。対してオレーノは、カルロ・フェリーニ時代の方が外向きだった印象。カヴィオラに時代になってからやよりイタリアワインらしさを感じますね。同等に旨く、同等クラスだと思います。でも価格は半分以下なんだからなあ。これがブランディングなのかな。
にしても、2010年以降のスタイルは、系譜を感じさせつつも新しさを感じますね。品があってとても好きです。2011年も暑さを感じさせない素晴らしいバランスとまとまり‥。2010年よりも値上げにはなりましたが、まだまだ国際品種なトスカーナIGTとしてコスパは最高級。
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