Ribolla Gialla 2018 Venica e Venica

イタリアの白ワイン

ヴェニカ・エ・ヴェニカ特集

更新履歴 2019/10/29
販売価格

3,280円(税込)

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リボッラ・ジャッラ 2018 ヴェニカ・エ・ヴェニカ
《イタリア/フリウリ/白/リボッラ・ジャッラ/辛口》

1929年にダニエレ・ヴェニカが古い醸造所を周辺のブドウ畑を購入して始まったヴェニカ・エ・ヴェニカ。現在の当主は四代目のジャンカルロ。イタリアのみならず、コント・ラフォンなどブルゴーニュなどでもワイン造りの経験を持ちます。ジャンカルロの母であるオルネッラがアグリツーリズモも運営、現在所有する畑は26ha。自社畑のみのブドウでワイン造りを行なっており、ドレーニャ・デル・コッリオの区域内に全ての畑が位置していますが、点在しており、厳密には55種類のミクロクリマに分類することができるそうです。

区画毎のミクロクリマと土壌を把握し、栽培する品種や、その仕立てを変え、5回から10回に分けての収穫により発酵用のタンクも比較的小さなものを数多く所有しています。畑ではビオロジックを実践しており、一切の除草剤や、防虫剤、ホルモン剤の不使用はもちろん、銅の使用も最小限に抑えています。下草は伸ばされ、畑の周辺には森があり、リンゴやアプリコットなど様々な植物が植樹されています。

醸造は父であるジャンニの時代から変わらないシンプルなもので、11度で20時間の低温マセラシオンでブドウの個性をモストに移し、ブドウ本来のエキスのみにを抽出することで、その土地で育ったそのブドウの個性を表現しているそうです。収穫したブドウの個性をワインへと醸す上で酸素や、澱との角な接触をさけるために、再利用できる二酸化炭素を先にタンクや、パイプに充填し、酸素を追い出してからモストを入れ、徐々に二酸化炭素のレベルを下げて発酵させるとのこと。基本的にステンレスタンク(一部大樽)で仕上げ、澱との接触期間は5ヶ月から6ヶ月と短い。ロングマセラシオンの造り手とは双璧ともいえ、果皮や澱との長期の接触はモストそのものの個性を隠してしまうとの思想。また、ブドウの状態によって収穫時期や、マセラシオン、熟成容器を変更していますが、新樽は一切使用しないとのこと。また酸素供給の必要性に応じて一部たるを使用しています。

9月13日から17日にかけて手作業で収穫。除梗し、酸素を遮断する特殊なステンレスタンクで14時間、10度から12度の低温で果皮浸透、アルコール発酵終了後、60%は20hlから27hlの大樽(古樽)、残りはステンレスタクで5ヶ月の熟成。最初の2ヶ月は定期的にバトナージュ、3月と5月の満月の日にボトリング。できるだけ短い熟成期間でワインが閉じる前に瓶詰めすることで新鮮さを閉じ込める。

独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味

ヴェニカ・エ・ヴェニカらしいスラリとしたボルドー型瓶。キャップシールやロゴ部分が黄色なので、このリボッラ・ジャッラは単一品種シリースのひとつになります。コルクはディアム社製の5cmで歓喜。冷蔵庫キンキン温度、グラスは迷いましたが、表記のアルコール度数が12.5度ということもありヴィノムのキャンティ型で始めましょう。色調はいわゆるレモンイエローですが、薄っすらと緑のヒントがあるのは若さゆえですかね。まずは柑橘系の香りがいいですね。柑橘とクリアなミネラルは相性がいい。もちろん、そこに若さがほとばしるとさらに新鮮さが増します。レモンや、もう少し皮の色の濃いシトラス、それほどピール系の風味が強くないのは、どこかに「みっくちゅじゅーちゅ」的にバナナなどの風味を微かに感じるからかな。

口に含みますと、ほどよい厚みに旨味を感じますね。まろやかな輪郭、ヴェニカ・エ・ヴェニカのワイン達はうまくアルコールもコントロールされてるんだけれども、実際の数値よりも「豊か感」がありますね。飲み口はミネラリーで、クリア、嫌な、汚れた香りは皆無です。新鮮な酸味があり、ライトではないが、軽やかな柑橘系白ワインで、終盤に酸味に近い苦味で、キリっした辛口です。いい意味でニュートラル、リボッラ・ジャッラもまだまだ飲み足りない品種ですが、ロングマセラシオンを施す生産者が多いので、こんなピュアでソリッドなリボッラ・ジャッラは‥そうだな、シルクのリボッラ・ジャッラもこういうタイプなんだけど、とてもイタリアらしい白だし、食事栄えしますよね。

うん、いいと思う。これまで、リボッラ・ジャッラは勘違いされてきたんじゃないか?と、そう思わせる。テロワールに素直というよりも、ブドウの果汁をストレートに、何も足さず、何も引かずに醸せばこうなるのでは?これこそリボッラ・ジャッラの本来の姿かもしれない。ただ、ロングマセラシオンをしている生産者も、ロングマセラシオンをしているからこそ、そのブドウの香味を引き出していると捉えているはずで、思想の違いなんでしょうね。

二日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスはザルトのユニバーサルにしてみます。度数は12,5度ですが、アルコールに頼らずとも元々の果実に力があるので、少し大きめにしても大丈夫なはず‥のヨミ。思ったよりもワインが残ってない(汗)。これはやっぱり、この度数だと飲みやすいんですよね。色調は少し深くなったように見えます。黄色の花、柑橘がやわらかくなってきました。飲み口のミネラリーは少し硬質で、十分に溶け込んだ酸味、少しそう色の濃いわけではないハーブ、心地よい苦味、これはやっぱりなんか喰いたいですね。アサリの酒蒸しにレモンとパセリ、タラでもいいですね。となるとアクアパッツァでもいいんです。なんなら、パエリアもいい。

基本ミネラリーで、シャープな酸味が持ち味ですが、旨味ややわらかさがないわけではない。とてもいいバランスのワイン。これを飲めば、これまでのロングマセラシオンのリボッラ・ジャッラと、このほぼマセラシオンをしないタイプとでは、どちらがブドウ品種の個性を出せているのか?と考えさせられますね。そしておいしい。

三日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスはヴィノムのキャンティ型に戻します。大きなグラスだと持たない‥という意味ではなく、このスタイルのワインなら、いわゆる一般的な白ワイングラスで飲むであろうという想定です。ヴェニカ・エ・ヴェニカの特徴として、曖昧さがないんですよね。アルコールには頼らないんだけれども、果実の香味はクリアでメリハリがある。曇ってないんですね。しっかりと「味」があるんだけれども、とても飲みやすい。三日目もまだまだ柑橘の風味に、黄色と白の果肉果汁。旨味もあるけど新鮮さもある。一般的なイタリアの白らしさもあるんだけれども、新鮮でフレッシュながらもどこか丸みがあり、黄色の果肉にリボッラ・ジャッラを感じます。うん、これはとてもおいしいですね。似てるんだけど新感覚、これまでのリボッラ・ジャッラのイメージを清潔に、クリアに覆してくれる。

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