Chianti Classico 2019 Isole e Olena
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キャンティ・クラッシコ 2019 イゾレ・エ・オレーナ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ80%、カナオーロ、シラー/フルボディ》
キャンティ・クラッシコ地域でも、北東にグレーヴェ・イン・キャンティ、東にラッダ・イン・キャンティ、南東にカッテッリーナ・イン・キャンティと隣接するバルベリーノ・ヴァル・デルサ地区に位置するのがこのイゾレ・エ・オレーナ。他にカーザ・エンマや、モンサントなども位置する地区にイゾレ・エ・オレーナは約50haのブドウ園を持ちます。標高は330mから480mと比較的高く冷涼なエリアとなります。ガレストロ、粘土やスレート岩盤、砂岩が混じる土壌で水捌けと保湿を兼ね備えます。
祖父の代まではピエモンテ州の北の村で小さな畑を持ち、当時からワインを作っていましたが、第二次世界大戦後トリノへ移住。そこでパオロ・デ・マルキ氏は生を受けます。父は弁護士でより安定した収入を見込んで1956年にデ・マルキ家が「イゾレ」と「オレーナ」の、つの隣接した畑を購入し合併して設立された醸造所が、名前の由来なんですね。(ルーツの血が騒ぐのか‥ピエモンテのレッソーナでもワインを作っています。)
父の代までは醸造したワインをアンティノリへ卸していたようですが、その間パオロ氏はトリノ大学などで醸造学を修め、イゾレ・エ・オレーナに帰ってからは自社瓶詰を開始‥小作人から元詰めになったわけですね。小作人制度に関しては、マット・クレイマー氏の「イタリワインがわかる」を読むと‥凄く勉強になります。ちなみに‥このイゾレ・エ・オレーナもマットクレイマー氏は推奨銘柄ですね。
1976年頃から、セラーの近代化を計り、小区画による栽培もスタートしています。そんな生産者出身のパオロ・デ・マルキ氏率いるイゾレ・エ・オレーナですが、昨今では珍しく(語弊あり)外部からエノロゴを雇い入れることなく、自身でのワイン造りを実践しています。
パオロ氏のキャリアはトリノ大学だけに留まらず、カリフォルニアのUC DAVISや、アスティの醸造実験場、ボーヌ、モンペリエ、トリノ、ガイゼンハイムなどの大学などともその研究を行っていました。コレッツィオーネシリーズという国際品種からなる単一セパージュのワイン達は、それぞれのオリジナルの地域から苗を取り寄せたもので、シラーはローヌから、シャルドネはブルゴーニュからのようで、彼のキャリアを考えると‥国際品種の栽培も当然のことですね。
「イゾレ」と「オレーナ」の区画はそれぞれ特徴を持っており、イゾレは石灰質、オレーナは砂がより多く軽めの土壌だそうです。このキャンティ・クラッシコもIGTのチェッパレツロも基本的に畑は同じで約36ha。より樹齢の高い樹から収穫されるブドウがチェパレッロとなります。
品種構成は基本サンジョヴェーゼ80%に、カナイオーロとシラーの混醸。年号によって比率に若干の差があるようです。収穫されたブドウは約15日間のアルコール発酵が行われます。発酵中はデレスタージュや、一日に二度のポンピングオーバーが行われます。デレスタージュの際は移し替えのためにタンクからモストを抜き取りますが、残ったおりを2,3時間乾かせてからまたモストを注ぎ直すという作業を1996年に編み出し(俺の超訳だからちょっと違うかもしれん)、以降同じ方法でのデレスタージュを行っています。マロラクティック発酵の後、熟成は4000リットルと2700リットルののオーク樽併用でで12ヶ月。
なお、デレスタージュは液抜き静置法とも訳され、発酵途中の液体を別のタンクに移し変え、数時間後に元のタンクに戻す技法。タンクに残された果皮や種子が空気に触れることでより色素たタンニンが抽出できるようにしつつも種からの粗いタンニンの抽出を防ぐ手法です。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
お馴染みのラベルデザイン。しっかりとしたボルドー型瓶ですが、コルクはもうひと頑張りして欲しい4,5cm。グラスはシュピゲラウのディフィニッションのユニバーサル型。薄いわけではないが、明るさと深さが両立するルビー色はとても魅力的。2016年よりもどこかクリアな色調に思います。ちなみに表記のアルコール度数は14,5度と2016年よりも0,5度高い。香りはもうイゾレ・エ・オレーナ。しっかりと深い香りが開いてますが、少し鉄分(酸化っぽさではない)や、バルサミコ(酸化っぽさではない)の風味に樽のスモーキーなニュアンスと、スミレ以上に熟したチェリー系の果実の香りがあります。黒胡椒、ジャーキー。プラムの風味。これが混醸のおもしろさですね。
口に含みますと輪郭からしなやかな粘性がありまろやか。十分に実の詰まった酒質で密度感があるフルボディ。含み香にもローストた樽の風味が微かにありますが、果実味も十分。なかなか重厚な酒質ですよ。度数のコントロールは抜群で14,5度だけどアルコール感が浮き足立たない。しっかりと香味に深さを感じ、ボディ感もあるが飲み辛いような濃さではないのがいいですね。渋味は上質、酸味に不足感はなし。まだまだそれらにポテンシャルを感じさせますね。イゾレ・エ・オレーナ、好きなんですよね。だから渡伊した時は訪問したわけですが‥。スタンダードなCC格となりますが、他のそれとは違いカジュアルなスタイルじゃないんですよね。もうこれはCCR格なんです。でも価格帯はCCの領域だからなおさら嬉しい。
比較的強い酒質ではある。ミナギル感じもある。うおおおおおお!ってブドウが叫んでるようなキャンティ・クラッシコのパワースポット。硬さを感じませんが、やっぱり実の詰まり、密度感が満足度を上げますね。カナイオーロや、シラーの個別の個性を感じ取れるわけではありませんが、混醸ゆえの複雑さはヒシヒシと感じます。豚肩ロース、脂身ありをガッツリローストして、岩塩とオイルとレモンもありですが、バター醤油があっても負けないので、それもありですね。思ったよりも強めでちょうどいいかもしれません。
二日目もはシュピゲラウのディフィニッションのユニバーサル型。うわあ、俄然二日目のまとまり感がすばらしい。香りからしてしっとりとしてますわ。ネリネリとした甘味ある果実香があり鉱物的な部分も溶け込みましたね。飲み口もしかり。果実味は鮮やかで酸味がスクっとしってスタイリッシュ。やわらかさもあるんだけれども、構成感もばっちりでとても良い。樽のスモーキーさ、ローストさも上手く溶け込んでますね。色んな要素が纏まってますが、小さくなるわけでない。なんなら複雑な要素がまとまって一本のドーンになってますね。とはいえ、アルコール感も浮き足立つことなく飲みにくさは皆無。いやあ、うまい。やっぱ好きやわ。この二日目はマジでうまい。決してジャミーじゃないんだけれども、ドライフルーツの風味が少しあるのもいい。非常に口の中での満足度が高い。
三日目もはシュピゲラウのディフィニッションのユニバーサル型。おお、三日目にしてなお、うっとり系の旨甘味ある香りがしっかり出てますね。飲み口も非常になめらかですが、サラサラとしたタンニンが舌の上で心地よく滑る。溶け込み合いの結果の旨味がとてもおいしい。初日が悪いわけではないが、圧倒的に二日目以降のこのまとまりや、旨味がおいしいですね。初日で飲み干しそうなら、もっと大振りのグラスに注いでおいてもいいかもしれません。果実味はまとまってきてますが、渋味と酸味はメリハリがありしっかりと感じ緩さがありませんね。かといって硬いわけでもないし、アルコール感が浮き足立つわけでもありません。あーおいしいなあと。
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