Tauri Irpinia Aglianico 2021 Antonio Caggiano

カンパーニャ州の赤

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更新履歴 2024/05/25
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タウリ・イルピニア・アリアニコ 2021 アントニオ・カッジャーノ
《イタリア/カンパーニャ/赤/アリアニコ/フルボディ》

創設者であるアントニオ・カッジャーノは、北極からアフリカの砂漠、アメリカから南アメリカまで(南アフリカとは書かれてませんでした‥)世界中を飛び回るフォトグラファーでしたが、家族が所有していたサラエ・ドミニ地区の歴史あるブドウ畑へと心を惹かれていきます。1990年、アントニオh彼の愛するタウラジの歴史と伝統を再構築し、拡げていきたいという思いに突き動かされカンティーナを設立することを決意、かつてフェウディ・ディ・サン・グレゴリオも手掛けたアリアニコとしてのスペシャリストとして名高いルイジ・モイオ教授を醸造コンサルタントとして迎えます。

アントニオ・カッジャーノでは3つのDOCGを抱えるカンパーニャ州の内陸部に広がる歴史あるワイン産地であるイルピニアの丘陵地帯に位置します。所有する26haのブドウ園のうち、コントラーダ・サーラの風通しの良い海抜350mから450mの23ha、南西向きの畑ではアリアニコを、ラビオの3haの南西向きの畑ではフィアーノが栽培されています。いずれも粘土石灰質の土壌。グレコはトゥーフォの、ファランギーナはベネヴェントの、アントニオ・カッジャーノが栽培管理を行う契約農家から仕入れています。

写真家のみならず建築家の顔も持つアントニオが天然の岩を掘り広げて作った地下の洞窟型のセラーでは天然の岩場から浸み出る湧水が必要な湿度をもたらします。自然環境を利用しながらも、最新の醸造設備で温度管理を行い、規定の熟成期間よりも長く熟成させる、させられることも特徴です。現在はアントニオから息子のジュゼッペの代へ継承期、今後ますます期待させるカンパーニャの造り手となります。

海抜350mにあるタウラジ認定地区の畑からのアリアニコ100%。泥炭やライムストーンが混じる土壌。例年9月から10下知うにかけての収穫、温度管理されたステンレスタンクでのアルコール発酵、1年落ちのバリックで4ヶ月から6ヶ月熟成され瓶詰め。

独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味

アントニオ・カッジャーノらしいラベルデザインですね。小豆色が差し色。ボルドー型瓶ですが、持てばわかるヘヴィさ‥。瓶底の凹み‥いや、エグれもなかなかのもの。グラスはシュピゲラウ・ディフィニッションのユニバーサル型、表記のアルコール度数は13,5度となります。この度数、ポイントだなあ。コルクはディアムの5cm(10)となります。色調はカベルネかメルロっぽいですよね。つまり濃く深い色合いです。バリックでの熟成ですが、短期間であるこもあり、爽やかな木質な香りとヴァニラの風味は過剰ではありません。あくまでも果実香が主体。確かに、いや、これもカベルネ系と同様に渋味も感じさせるベリー系果実が主体。でも決してジャミーな過熟感はありませんが、もちろん未熟な青い香りはアリアニコにはありません。音域の高い部分に甘味のある香りがありますね。口に含みますと、輪郭がとてもすべらかで、甘旨味があります。密度感もありますが、クドさがなくとてもおいしい。渋味も非常にこなれていて、イガイガしないのもステキ。これは今飲んでおいしいアリアニコですね。やっぱりバローロに対してのランゲ・ネッビオーロ的に、タウラジに対してイルピニア・アリアニコDOCあたりは若い内から飲みやすく、アリアニコ満喫できますよ。だからバリックも使うわけですけどね。

少し爽やかさを感じる部分は青いハーブではなく、なんだろうな、赤い柑橘の風味、酸味と通じる部分ですね。ではブラッドオレンジか?となるとそうではないんだけれども。基本、果実味は重みもあり重心は低いのですが、果実のバリエーションとしては、高音域に柑橘のような酸味や、甘味を感じるのですがいかがでしょうか?飲み進むにつれ、樽の風味や、濃厚さよりも、整頓された酸味をベースとした果実味が際立ちます。いやあ、バランスはとてもいいですね。アリアニコの親しみやすいおいしさがあります。

二日目もグラスはシュピゲラウ・ディフィニッションのユニバーサル型。濡れたタンニンがサラサラと乾いて溶け込んでいます。果実の香味は膨大。応じて渋味も酸も相応にある。邪魔にならないバリック、輪郭の丸み、滑らかさと、厚みがマイルドに重い。フルボディなんだけど、とにかく飲みやすさもあるのは13,5度だからか。この手の飲み味のワインは大抵、もう1度、1,5度高いと思わせるんだけれども、ブラインドで度数は当てれない自信がある(自信って)。なんだろうな、ベリー系以外にザクロとか、アセロラとか酸味も感じさせる香りもあるんだか、とにかく果実味が深い。非常に飲み応えがあり、非常に飲みやすい。現代的アリアニコと評するのは簡単だけれども、バリックで色付けました‥では決してない。そもそものブドウのパワーを感じる。逆にタウラジ飲むのがコワイよね‥ガチガチで飲めないんじゃないかと思わせる。そう、本来、タウラジはその膨大なタンニンを思うとある程度時間が必要(まあ、5年、10年で対して変わらないのはサグランティーノ同様)、でも、若いうちからとなれば、バローロに対するランゲ・ネッビオーロや、ブルネッロに対するロッソ・ディ・モンタルチーノのように、やはりセカンドライン(語弊あり)を選ぶのが正解だな‥今、飲むならね。じゃあ、重苦しいかっていうと、そうではない(どないやねん)。おいしさ‥の表現って難しいね(仕事放棄)。

それにしても旨味もあるし、果実味も膨大だし、確かにタンニンや酸はあるんだけれども、不足に感じさせない程度に果実味が勝つのは、後半にググっと近づいてくるんだよね、それらが。

三日目もグラスはシュピゲラウ・ディフィニッションのユニバーサル型。ベリー系が深い。紫のプラムも深い。バリックの風味は三日目も感じますが、過度じゃない。適度に現代的なアリアニコの演出。濃く感じさせる要素がふんだんなんだけれども、重苦しくなく飲みやすい。ほんと、逆に13,5度とは思えないボディ感がある。

実はね、名古屋のお客様少ないんです。でも、あたし名古屋メシは好きですよ。大阪の串カツはシャボいソースで二度つけお断りですが、名古屋の赤味噌のドテ焼き(煮込み?)とか、その真っ黒(真っ赤)な味だれにつける串カツとか最高やんと思うのですが、そういうのに、アリアニコはいいですね。タウラジではなく、このワインのように現代的に若いうちから飲めるアリアニコがいいと思います。

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