Chianti Classico 2008 Valdellecorti
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キャンティ・クラッシコ 2008 ヴァルデッレコルティ
《イタリア/トスカーナ/赤/サンジョヴェーゼ95%、カナイオーロ、マルヴァジアネーラ5%/ミディアム》
キャンティ・クラッシコ地区の中でも個人的に大好きなのがラッダ・イン・キャンティ地区。パンツァーノとガイオーレに挟まれた標高の高いコムーネで、その標高差も200m〜800mと激しく比較的涼しい地域でもあります。その標高の高さと差からエレガントな酸を持つ極上のサンジョヴェーゼが生まれるわけです。特にコムーネで選ぶことはありませんが、蓋を開けてみれば‥西野嘉高が選ぶキャンティ・クラッシコはラッダから生まれるものが少なくありません。
このヴァルデッレコルティは以前から注目していた生産者ですが、ようやく日本市場でも紹介できるようになりとても嬉しく思います。1974年創業のヴァルデッレコルティの葡萄園はたったの4ha。畑もミニマムですが、小さな醸造所と宿泊施設を併設しています。注目されるようになったのは、二代目の現当主‥ロベルト・ビアンキ氏の手腕によるもの。
温度管理されていないタンクの発酵温度を下げるには、夜になれば夜空の下にタンクを移動させる‥搾汁、醸しは足で葡萄を踏んでみたり‥原始的かつシンプルな醸造を積み重ねています…と書きたいところだが、醸造方法はほったらかし‥ではありません。サンジョヴェーゼの香味をよりストレートの抽出するための策はセニエやマセラシオン・カルボニカなど基本的なテクニックはしっかりと採用してるんですよ。
標高の高さだけが利点ではありませんが、地球温暖化などの影響もあり、過熟傾向。標高の高さは冷涼な酸やミネラルをもたらし、よりエレガントなワインとなります。ラッダの注目すべき造り手‥ヴァルデッレコルティ‥コイツはキますよ。
南東向きの畑は、風通しの良い砂地と、小石を含む泥灰土、石灰質の土壌で標高は450mあたり。7年〜30年の様々なサンジョヴェーゼは樹齢別に収穫され、70%はステンレスタンクで3週間、30%は開放蓋の樹脂タンクが使用され、2週間という長期のアルコール発酵中は一部の果汁を抜き、果汁に対する果皮や種子の比率を上げるセニエ(サラッソ)の手法が取られます。
発酵後はスロヴェニア産の2000〜3000リットルの大樽で18ヶ月の熟成。瓶詰後約6ヶ月の瓶熟成を経てリリースされます。2008年は涼しい夏と、9月末の収穫前に降雨があった影響でリゼルヴァは造られませんでした。よって2008年のこのスタンダードなキャンティ・クラッシコには樹齢の高い本来ならリゼルヴァに使われる区画の葡萄も使用されているそうです。
4.5cmのまぁまぁのコルク。表記のアルコール度数は13.5度。グラスはオヴァチュア統一です。とても分かりやすいですね。ロゼやVdTの赤は圧縮コルクだし、CCとCCRもコルクの長さ質に差がある。赤に限ればアルコール度数も12.5度→13.5度→14度と上級ワインになるにつれ上がってゆく(ただしビンテージが違うんだけども)。色合いも、CCRを比較すればやや明るさがあるかな(それほど変わらないが)。グラスからの香りはスミレの香りがよく開いていますね。ヴァルデッレコルティ特有のスミレと果実香を持ちます。この2008年は難しいビンテージだったようだが、まとまり、バランスは十分かつ評価に値する。フルーティさも兼ね備えているが、そのVdTであるイル・カンピーノと比較すればその差は歴然で、その樹齢の違いは青さは感じないし、より果実の香味に純度と密度を感じる。重過ぎず、ドが付くほどのミディアムボディで、同地区のモンテヴェルティーネのピアン・デル・チャンポロに似た部分があり、地域特性を感じる。
アルコール感とのバランスも悪くない。アロマティックさを演出するにアルコール感は少なからず必要で、リゼルヴァよりも香味が開いて感じるのはそのバランスででもある。ヴァルデッレコルティすべてのワインに共通する野生のチェリーやベリー系は、その複雑な香味に一役、いや、二役買っていると言っていい。
二杯目はさらに旨い。なんだこのまとまり‥伸び感なんだよ‥伸び感。いい墨汁をいい筆で、いい和紙にスーーーーっと伸びやかだ。
二日目もオヴァチュア統一。ふわっとしたミネラル香の後、最初は控えめなスミレと果実の香り。時間経過と共に目を覚ます。舌先からしっとりとした旨味のあるとてもエレガントなミディアムボディ。渋味にもやわらかさを感じストレスなく飲めるんですね。うん、グラスに入れてからどんどん美味しくなる…鼻に抜けるスミレのフラワリーな香りもとてもいい。酸味もとにかく旨味と絡むんだな‥旨味出汁系はほんと好みである。溌剌さや、活き活きとした‥そんな言葉は当てはまらない。落ち着き、まとまり‥しっとりとしている。
そのリゼルヴァの初日に微かに感じた酸化香もある。甘味は控えめでHBの鉛筆の芯的なミネラルに富み、しっかりとドライ。
三日目もオヴァチュア統一。スミレやチェリーの皮はセミドライ、ヴァルサミコ、飲み口はさらにまとまっている。そのVdT格のイル・カンピーノは三日目にして抜けてしまったが、CCはさすがに体を保っている。二日目までほどの舌先や舌腹に甘味を感じるわけではないが、よりしなやかさを増す≒角がなくなると甘味にすら感じるものだ。ジューシーかつ、シュっと品のある酸味が広がる。グラスの中でひとーつ、ふたーつ‥深さが増すなぁ‥しみじみ旨い。
いやぁこのスミレの香りはうっとりする。
とても静かで落ち着いた、とてもいいワイン、とてもいいサンジョヴェーゼ。そしてとてもいいキャンティ・クラッシコである。
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