イタリアワイン通販［にしのよしたか］大阪のイタリアワイン専門店｜イタリア好きが毒味してセレクトした厳選ワインを販売！

Friulano Toc Bas 2014 Ronco del Gelso

イタリアの白ワイン > Ronco del Gelso

→ ロンコ・デル・ジェルソ

	更新履歴 2016/01/06 販売価格 3,000円(税込) 在庫数 SOLD OUT
	この商品について問い合わせる 　この商品を友達に教える 　買い物を続ける

フリウラーノ　トック・バス 2014 ロンコ・デル・ジェルソ
《イタリア／フリウリ／白／フリウラーノ／辛口》


フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州はコルモンス地区も素晴らしい生産者の宝庫。協同組合なカンティーナ・プロドットーリ・コルモンスはもちろん、リヴィオ・フェルーガやボルゴ・サン・ダニエーレもコルモンスだ。

現在のオーナー兼エノロゴはジュリオ・バディン氏。元々はブドウ栽培農家だったそうだから、それこそ協同組合に卸していたか、この地での比較的大きな生産者となると前述のリヴィオ・フェルーガ、日本では見かけないがアンゴリスという生産者かも。自社瓶詰めを始めたのは1988年、イソンツォ川の支流であるアルテ川近くに畑を所有しており、痩せた小石混じりの土壌。土壌の個性を生かすために、肥料はほんの少しだけとのこと。


「うちはオーガニック、ビオデナミや何とか（失礼）ではない。かと言っておざなりにワインを造っているということでは全くない。環境へのわずかなインパクトしか及ばさない栽培や醸造のテクニックを使わないことには意味は見いだせない。これは醸造学校で習ったことで、純粋に農業であり、自分にとって宗教的なものではない。

例えば、害虫にはフェロモン剤を使う。銅剤は6kg/haしか使わないし、敏感な品種には一切使用しない。ボトリティス菌の殺虫剤はずっと使っていない。ピート由来の天然肥料は使用する。除草剤は1,5リットル／haのみ使うけど、殺ダニ剤は一切使用せずダニは天敵を使う。水をセーブするために点滴灌漑を行う。畑は自分の庭みたいに大事に手入れするんだ。

醸造においては培養酵母、硫黄、ベントナイトは使うけど他は使わない‥自分が目指すワイン醸造への見解を損なうことなく、全てが自分の知識や経験、思慮分別を通して得て来たテクニックなんだよ」


現在約25haのブドウ畑から、8種類の白ワインと、1種類のロゼ、2種類の赤、1種類のパッシートを醸しているが、そのパッシート以外は、コルモンス地区のあるゴリツィア県のフリウリ・イソンツォDOCを名乗る。

ジェルソのワインの個性は明白。もちろん、その品種特性の表現も巧みだが、樽熟成の有無に関わらず、異次元の密度の高さ、オイルのような粘性。単一品種、混醸に関わらず果実や花の香味は立体的で複雑。フルボディで強さを感じますが飲み飽きしない‥。実は皆さんが（も）求めていたフリウリワインはこのジェルソでは？


コルモンス地区の比較的標高の低い約4.2haのトック・バス畑。haあたり4,500本の株密度、グイヨで栽培されるフリウラーノが使用される。ソフトプレスで搾られたモストは19度に温度管理されたステンレスタンクで培養酵母での発酵。マロラクティック発酵は行われないが、澱とともにシュール・リーでステンレスタンクでの熟成が施されます。


独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味（2013年の毒味です）


ボトル形状は撫で肩のいわゆるブルゴーニュ型となりますが肩部分に「GORIZIANA」の凸モールドがございますのでイソンツォDOC（ゴリツィア県）の共通瓶のようですね。ピエモンテ州のアルバ地区の「ALBEISA」の共通瓶と同じくマーケティングを兼ねたコストダウン策という感じかな。ロンコ・デル・ジェルソの（表）ラベルはどこかの高級チョコレートメーカーのパッケージのような洒落たもの。詳細な情報はすべて裏ラベル（裏はちょっとショボい印刷なのが残念）となります。どうせ斬ってしまうのでどっちでもいいのですが、キャップシールも実は質素なもの。コルクももう少しがんばって欲しい4.5cm。冷蔵庫キンキン温度、グラスは悩んでヴィノムのボルドー型。表記のアルコール度数は14度。

混醸のラティミスよりも一段明るめですが色合いはしっかり黄色いですね。フリウラーノらしいオイリーさを感じる香り、白い花、薄めたアプリコットと、バナナのスムージー。冷蔵庫キンキンなのでどこか寸止め感。スワリングで柑橘のニュアンスが出てきます。オンレジピールとかね‥でもそれほど強くはない。口に含みますとめさくさオイリーですね。まるでオリーブオイルを口に含んだかのようななめらかなテカテカ感。ジェルソのこの厚みはまるで樽熟成したワインっぽいのだが、これがステンレスなんだからスゴイ。どこか含み香に洋梨とメロンの風味があり、ラティミスほどではないがドライで苦みもある。とはいえ、しっとりとオイリーさがあるし、旨味と酸味のバランスがいいですね。鉛のようなミネラルを酸が少し軽やかに感じさせる作用。

ほんと温度が上がってくるとなおさら‥口に含む感覚がオリーブオイルや（笑）。飲み込む喉の感覚もそう。でも、ちゃんと酸があるのでダレなんですよねえ。ふむ、二杯目も素晴らしいな。単一品種ですが、もう少し柑橘な果実も出てくるし、オイリーさも解けてきた。甘さに逃げないのはジェルソの特徴だし、果実の香味もしっかりしてるんだよなあ（感心）。

二日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスはヴィノムのボルドー型です。ふわりと白いミネラル香の後、重みあるオイルの趣‥スワリングする手応えがすでに重い。しっかりと果実香が詰まる密度感はジェルソならでは。ほんと、オリーブオイルを口に含んだような粘性があるのです。にも関わらず酸に不足感はありません。余韻には、爽やかさを感じさせる酸、スパイスを感じますね。

いやあ、このオリーブオイル感は素晴らしい。フリウラーノから抽出されるオイルなのか？ジェルソ共通なんだけれども、品種特性のエキス。

三日目も冷蔵庫キンキン温度、グラスはヴィノムのボルドー型です。このトック・バスはまずは石灰系の香りがふわりとしますね。重い柑橘も感じますがまだまだオイリーですね。口に含みますと‥やっぱり樽熟成させたシャルドネっぽさがあるんだけれどもこれがステンなのです。二日目ほどトロトロではありませんがやはり重い‥。うーん旨い。とても完成度高い‥というか隙がないって好き。

温度が上がってくるとほんとにオイリーでトロトロなんですよね。これぞフリウラーノの醍醐味だし、品種特性がとても良く出てる。素晴らしいフリウラーノです。