Passorosso 2013 Passopisciaro
シチリア州の赤 > Passopisciaro (Trinoro)
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パッソロッソ 2013 パッソピッシャーロ
《イタリア/シチリア/赤/ネレッロ・マスカレーゼ/フルボディ》
これまでパッソピッシャーロのクリュ名を名乗らないスタンダードかつ、クリュ混醸モノはその名も「パッソピッシャーロ」を名乗ってきました。これまで同様にエトナ・ロッソDOCは名乗らずに、IGTでリリースされていますが、カターニャ県の村名ともなる「パッソピッシャーロ」を生産名としては現時点で許可されているようですが、商品名としては認められなくなったことからこの2013年から「パッソ・ロッソ」に改名となりました。これに応じて、白のグアルディオーラも「パッソ・ビアンコ」に2014年より改名となります。
このパッソ・ロッソは、Malpasso、Guardiola、Santo Spirito、Favazza、Arcuriaの各コントラーダ(クリュ)からのネレッロ・マスカレーゼが混醸されます。それぞれのコントラーダは海抜500mから1,000mのエトナ火山の北斜面に位置します。平均樹齢は70年から100年と、決して若樹から造られるわけではありません。エトナ火山らしい火山岩、火山砂からなる土壌となります。
収穫したブドウは除梗後、28度以下に温度管理されたステンレスタンクで約15日間の醸しとアルコール発酵の後、20hlから50hlのオーク樽でマロラクティック発酵が行われます。樽熟成は大樽で18ヶ月。
2013年ビンテージは2012年と対照的で、ブドウの成長期は涼しく雨の多いビンテージでした。10月中旬までブドウの成熟を見守りますが、なかなか完熟には至りませんでした。しかし10月末には一週間ほど暖かい天気が続きようやくブドウが熟し、収穫に至りました。
標高の低い畑は10月25日から収穫が始まり、標高の高いランパンテのコントラーダに至っては11月10日にようやく収穫が終了します。2013年はモストの状態でしっかりとした酸と、濃いフルーツの香りがあり2012年とは対照的で厳格さとエレガントさ、フレッシュさを兼ね備えしっかりと強さを感じるビンテージとなり、バローロを好まれるお客様にぜひ‥とのこと(公式サイトがそう言うとる)。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
名前こそ"Passopisciaro"から"Passorosso"に変更になったがラベルのイメージは指摘されなければわからない。相変わらずエトナ・ロッソDOCを名乗らない理由は解決していないがyuruse.2012年は表記のアルコール度数15.5度でしたが、この2013年は14度、表記の度数が1.5度も変わるのも珍しい、いや、フランケッティのワインならアリエールでしょう。コルクはもっとがんばって欲しい4.5cm、グラスはヴィノムのブルゴーニュ型です。
濃過ぎない透明度と艶やかさのある赤、確かにピノ・ノワール的に見える。グラスからの香りにも確かにイチゴ、イチゴ飴、完熟のチェリーと、やはり赤いベリーの果汁があり甘味がとても心地よい。
口に含みますと‥うーん、いいですねえ。少し金属的かつ、瑞々しいミネラルもありますが、ふくよかに果実は広がり、とても上品な樽のニュアンスは果実を覆い隠すものではありません。適切なアルコール、イチゴやチェリーに、少しのアセロラっぽさもある。
とても、やわらか‥かつ、しなやかな果実味。いやあ、変わらずパッソピッシャーロしてるんだよねえ。これを飲むと、コントラーダはちょっと高く感じちゃうんだな。
うん、イチゴに、アセロラのガムっぽさ、ジューシーで唾液誘発な感じもそう。心地良い酸味は、唾液を分泌させる。
うーん、旨い。ネレッロ・マスカレーゼを‥「おいしいい!」と思わせてくれるワインで間違いない。この際、そろそろ‥ピノ・ノワール的かどうかは別として、この品種の良さ、個性を楽しんで欲しい。
ただ、輸入元資料にあるように、確かにバローロのようなニュアンスも感じる。が、それと同時にサンジョヴェーゼ的でもある。いずれにせよ、ばりばりバリックではなく、果実味を活かし、濃さに頼らないもの‥であるのは間違いない。
少しのスパイシーな部分、未熟という意味ではない緑々しさがある。いやあ、果実味は複雑ですよ‥単一品種ですけどね。素晴らしく美味しい。
二日目もヴィノムのブルゴーニュ型です。うーん、バラとスミレ、そしてイチゴの華やかな香りがとてもいいですね。チャーミングですが、幼稚ではない‥しっとりともしています。口に含んだ香りも華やか、まろやかな果実味があり、まとまりを感じます。旨味が増してきましたが、とても飲みやすい、ストレスフリーだなあ。このアルコール感が適切なのもステキ。
少しスパイシーで心地よい渋味がありますね。複雑さもあってなんの文句もない‥。めっちゃ旨いですわ。
三日目もヴィノムのブルゴーニュ型。今回は他のグラスでは一切試しておりませんが、ブルゴーニュ型が似合いますね。チャーミングなイチゴの香り、カランとした甘味があってね。三日目もふくよかでなめらかな果実味、じんわりとした酸味が旨味に繋がります。
ああ、旨い!
2013年、パッソロッソに生まれ変わりましたが、めちゃくちゃ旨いです!
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