Passopisciaro 2007 Passopisciaro
シチリア州の赤 > Passopisciaro (Trinoro)
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パッソピッシャーロ 2007 パッソピッシャーロ
《イタリア/シチリア/赤/ネレッロ・マスカレーゼ/フルボディ》
アンドレア・フランケッティ氏が、シチリアでの旅行中に、その土壌、気候条件に惚れ込み始まったプロジェクトは、畑も増え、現在ではランパンテ、シアラヌコーヴォ、サント・スピリト、ポルカーリア、カッペマチーネと呼ばれる合計10haの畑で葡萄が栽培されています。
すでに植わっていた樹齢の高いネレッロマスカレーゼを使うこのパッソピッシャーロもリリース当初は、生産本数が少なく、2004年は9000本でしたが、2005年からは37000本程度に増え、価格も落ち着きましたね。
このパッソピッシャーロに関しても、レ・クーポレ同様にスタイルの変遷がございます。
2003年までを第一世代、2004年を第二世代、2005年から第三世代と西野嘉高的には分類させていただいております。ネレッロ・マスカレーゼは元来は、色はそれほど濃い品種ではないようですが、第一世代は、濃厚な色合いと、旨味のある果実味…この第一世代で虜になったお客様も少なくないはず。第二世代の2004年は、赤いチェリーな酸味も表れ、色も若干薄くなった感じ‥第一世代と比較するとよりエレガントになりました。ヴェロネッリ誌で93点、しかもイル・ソーレに選ばれ、ガンベロロッソ誌でも、トレビッキエリを獲得したビンテージでしたね。そして2005年、完全に第一世代の趣きが取り払われた、まるでピノノワール的なエレガントな酒質に‥。ヴェロネッリ誌では92点と評価され、2006年に至っては96点(←同ビンテージのフランケッティよりも点数高い^^;)。ちなみに‥ヴェロネッリ誌はまだ2007年の評価はでていませんが、ワインアドヴォケイト誌のアントニオ・ガッローニ氏の評価は92点となります。
第一世代の濃厚なスタイルが好みのお客様も少なくないのですが、現地では、エレガントになってからのスタイルの方が評価が高くなってるんですね。
西野嘉高的には、リリース仕立て、開けたて一日目からパワフルな第一世代も好みですが、昨今の奥深いエレガントさを持つ第三世代も好きなんだなーこれが。
合計10haの畑には、haあたり9000本でネレッロマスカレーゼが植樹されています。区画により標高は650m、820m、900m、1000mと様々ですが、樹齢が60年〜80年というから驚きですね。化学肥料は使われませんが、散布剤として、銅・サルファ粉・ライム・粘土粉・プロポリ・グレープフルーツシードの抽出液などがまかれています。
例年は10月の下旬頃からの収穫ですが、2007年は‥夏の終わりに、湿気のある気候に変化‥その湿気によって、葡萄の樹の夏の暑さにより水分不足気味な状態が解消され、ゆっくりとした熟度となり、結果‥遅詰みの完熟‥。11月上旬〜中旬頃の収穫となりました。
収穫は、火山の脇の畑で、標高500mの低い地点から始まり、最後は標高1000m地点のグアルディオーラ畑となりました。フランケッティ曰く「ワインはやわらかく、若く、まだ微弱だ、それはつまり、秘められた力を持っているということ。時間はかかるが、その力が徐々に花開いていくだろう。」とのことですが、例年よりも素晴らしい状態であるのは西野嘉高が太鼓判を押して信ぜよう。ちなみに生産本数は42000本となります。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
お馴染みのブルゴーニュタイプの撫で肩のボトル。底の凹みの傾斜角が変わったような気がしますが、気のせいかもしれません。ラベルもお馴染みのもので2006年とほぼ変わりはないように思います。表記のアルコール度数は14度で、2005年の13.5度、2006年の14.5度‥ビンテージによって前後するようですね。
やっぱりボトルが変わったような気がするんですが‥まぁいいや‥飲も飲も。
コルクは良質の5cm。お尻の染まりは薄いピンク色ですね。グラスは第三世代はブルゴーニュ型がデフォでございます。2005年よりも、ずっと薄い色‥2004年に似ていますが、第三世代は、ピノっぽさ‥を意識しているかと思われるので、これぐらいの色でもまったく驚かなくなりましたが‥2003年と比較すれば、別物であるのも事実です。
香りがいいですね♪
新鮮なラズベリーとブルーベリーのジュース。さくらんぼの缶詰を裏ごしした漢字の香り‥。2006年はアルコール感がたっぷりでしたが、この2007年は、アルコールの強さは感じさせませんね。まだ熟しきらないイチゴ。例年のカランとしたキャンディー系の甘味のある香りは少なめですし、トリノーロの黒糖飴もしかり。酸を連想させる香りはありますが、エッジが丸く感じます。ザクロジュース、決してリキュールではない。
2007年はいつになくエレガントですね♪
口に含みますと‥ギュっとした感ではなく、つゆだく系の酸味。綺麗なミディアムボディの膨らみ。酸味の質は、とてもキメ細かい。とってもチャーミングなベリーとチェリーの果実味が‥これまたエレガント。
うーん、2004年並にピノっぽいぞこれはっ!!
甘味もあるんですが、黒糖じゃない。とって付けた甘味でもなく、果実本来の甘味‥。酸味とのバランスがとてもイイ♪
グラス内壁を足れる脚は、2005年ほどエロくはないが、ミディアムの液体の終盤に、これまた綺麗な旨味、エキスを感じます。
いいですねぇ。
ネレッロマスカレーゼの綺麗な部分が、綺麗に表現されています。まるでピノ‥で、ろくなピノネロのないイタリアワイン界において貴重な存在…これをエッジがオレンジになるまで‥酸味に柑橘がでるまで‥置いてみたい。
二杯目。旨いねぇ。旨味‥二割増だねぇ。香りに一部に、未熟な青さ‥青さっていうてもカベルネ系の青さとはまた違った青さなんですが‥を、感じますが‥
口の中の味!!
いわゆる『味』ですわ。
2003年までのパッソピッシャーロも確かに美味しいですが、その後‥それまでとは違うことで、期待を裏切られた感満載なお客様も‥ここは、別物として‥イタリアのピノ‥に限りなく近いスタイルのワインとして飲んでミソ。
どのビンテージにも、そのビンテージのスタイルの良さ‥長所があるんですが、2007年もエエぞぉ!!
ほんと綺麗な滋味があるんだ。
二日目です♪綺麗な‥澄んだ赤。初日よりも、ややアルコールも感じますが、さくらんぼや、イチゴの果実味も綺麗ですね。そして、よく熟しています。よく熟していますが、決してジャミーではない。
よいです。非常によいですね♪
香りも、まとまって開いてまして一体感‥感じます。口に含みますと、初日よりも温度を高めにしていることもあり、酸味がジュワっ!!として美味しいですね。軽く冷やしてもいんだけどね。初日よりも、ボディを感じますね。外向的に大きく感じるのではなく、輪郭のすぐ内側の厚みが増し、深みが増した感じです。
旨いですねぇ。紛う事なく、偉大な一本。初日からグングン美味しいのは、この2007年の特徴。レ・クーポレにも言えることですが、使い勝手もいいですね。もちろん、この二日目の「増し度」も感じて欲しいですけどね。
決して青さに感じさせませんが、真っ赤なのに、どこか緑色の部分‥茎とかのニュアンスがあって、そこに複雑さを感じます。内壁を垂れる脚の、垂れ様もネトーリしてきましたが、エキスやコク味のインパクトで楽しむタイプではありません。
これからの季節なら、若干‥温度低めにして、チャーミングな果実味を楽しんで欲しいタイプですが、秋以降も‥うーん、ピノノワールではないが、イタリアでは貴重なピノ的に使えるワインですね。
三日目です♪香りに一体感と、熟れてムワんとした暖かい果実香。イチゴがタプーリ。どんどん、ピノっぽくなりますねぇ。きっとブルゴーニュ好きのお客様からすれば‥「どこがピノ(ノワール)やねん!!」なツッコミなんでしょうが‥どのイタリアのピノよりもピノっぽいと思います。
酸味が浮くことはなく、味わいにも一体感。
これは旨いですよ。
初日から一環してまとまり‥完成度の高さ。初日、二日目、三日目‥どの状態でも抜群に美味しいですよ。二日目よりも軽く感じるかもしれません。決して抜けじゃなく。
キレイにキチンと…ちょこんと座ってる。
四日目です♪煮イチゴ。砂糖は加えず、果実のみの甘味と酸味なので、ジャムではない状態が素晴らしい。どんどん酸味が美味しく感じられる。程良い‥というのはこういうことですね。完成度はバランスと比例する。ラズベリーほど真っ赤じゃないし、アセロラよりも真っ赤じゃない。
めっちゃ旨い。。。
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