Passorosso 2020 Passopisciaro
シチリア州の赤 > Passopisciaro (Trinoro)
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希望小売価格 6,820円税込→ 通常特価5,480円税込→ 特別価格 4,980円税込
パッソロッソ 2020 パッソピッシャーロ
《イタリア/シチリア/赤/ネレッロマスカレーゼ/フルボディ》
これまでパッソピッシャーロのクリュ名を名乗らないスタンダードかつ、クリュ混醸モノはその名も「パッソピッシャーロ」を名乗ってきました(2001年が初ビンテージ)。カターニャ県の村名ともなる「パッソピッシャーロ」は生産者名としては許可されているようですが、商品名としては認められなくなったことから2013年から「パッソ・ロッソ」に改名となりました。白のグアルディオーラも「パッソ・ビアンコ」に2014年より改名となります。
2014年からこれまでの"IGT"ではなく"Etna Rosso DOC"を名乗ることになります。フランケッティは、エトナでワインを生産している以上、エトナ・ロッソ(DOC)を名乗るワインをリリースすることに抵抗はなかったようです。そもそもトスカーナなサルテアーノの場合は"IGT"を名乗るしかないわけですしね。しかし、これまで所有する畑の中でエトナ・ロッソDOCに認定されている畑からのみのブドウで醸すとなると生産本数が限られてしまうことからIGTを名乗っていたようです。
エトナ・ロッソDOCには、標高に関する規定があり標高800m以下の畑と定められているという話もありますが、テクニカル情報では最高1,100mの畑からのブドウを混醸しながらもそれを名乗るのですから、それは最高標高であり、グアルディオーラは800mから1,100mとなりますのが下部の畑かもしれませんし、そこらへんの情報の精査に関してあまり気にしすぎても‥とも思えるようになりました(それがイタリアだ)。IGTを名乗るコントラーダシリーズとは別の、エトナらしい様々な標高から収穫されるネレッロマスカレーゼの表現としてのエトナ・ロッソは、混醸がゆえの利点もあります。しかも、コントラーダシリーズと比較して安価に入手できるのは嬉しいですよね。
海抜550mから1,100mのエトナ火山の北斜面に位置し、その内『エトナ・ロッソDOC』に認定されている範囲内(海抜500mから800m)のブドウ畑から収穫されたネレッロ・マスカレーゼが使用されます。その平均樹齢は80年から110年と、クリュ名は名乗りませんが決して若樹から造られるわけではありません。エトナ火山らしい火山岩、火山砂からなる土壌となります。ブドウ栽培に肥料、堆肥は使用せず、畑の手入れにはプロポリスやグレープフルーツの種などからの抽出液を使用します。
2020年ビンテージは10月の23日、30日と31日収穫収穫したブドウは除梗後、28度以下に温度管理された13,000リットルのステンレスタンクで約15日間の醸しとアルコール発酵の後、24時間休ませてから20hlから40hlのオーク樽でマロラクティック発酵が行われます。熟成はセメントタンクと大樽併用で18ヶ月とのこと。2022年6月の下弦の月に瓶詰め。
2020年のビンテージ情報
2020の冬はそれ程寒くはなく平年並みでレギュラーな年。5月のまとまった降雨、6月にも若干の雨がありました。発芽、開花、ヴェレゾン期は平年並みに進みました。7月末には従来の暑さが戻り、8月10日の雨、そして9月上旬に降雨があるものの気温は通年並みで強い日照が ポジティブに働きました。10月1日頃からいきなりの秋らしい気候になり、その後1ヶ月以上晴天が継続。気候的にはバランスの取れたヴィンテージです。
ヴィノス/93点
The 2020 Passorosso is spicy, showing dried flowers, hints of cardamom and white pepper before its dusty cherry fruit comes to the fore. Soft and enveloping, this impresses with a pure mix of red fruits and inner rose tones guided by cooling acidity. It finishes lightly structured and with a bitter twang of sour berry concentration. While the Passorosso is typically a more forward expression, the 2020 could use another year of cellaring before showing its best. That said, it’s a very pretty wine that is packed full of potential. Drinking Window: 2023 – 2028
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
2013年から「Passorosso」を、そして格付も「IGT」から「ETNA ROSSO DOC」に変更になっていますが、DOCが付いた程度だとパッと見はわかりません。全体的にお馴染みのデザインとなります。が、なんか違うなあと思ったら、瓶形が変更になっていますね。いつものように撫で肩ボトルですが、少しスリムになりました。径も短くなったし梱包しやすそうですが、価格は上がりますが、高級感的にはどうでしょうか。コルクはもうひと頑張りの4.5cm、シュピゲラウのデフィニションのボルドー型。2012年は15.5度、2013年は14度、2014年は15度、2015年は13.5度、2016年は14度、2017年は14,5度、2018年は13度、2019年は14度、この2020年は15度となります。結構ビンテージによって差がありますね。色調は深さはあるが、決して濃いわけではないりんご飴の飴の部分、やっぱり色はピノっぽいかな。少しエッジにオレンジが見えます。香りがとてもいい。イチゴ、イチゴキャンディ、熟したチェリーの風味がありますね。火山性土壌らしいスモーキーな黒い土壌の香りは少しありますが、それ以上新鮮さもある果実香があります。鉱物香を否定的に感じさせないのもエトナの魅力かもしれません。ハッキリと開いた果実香がありとても良し、ネレッロマスカレーゼとトリノーロ系であることが非常にわかりやすい個性。
口に含みますと、非常に輪郭の口当たりの質が高いのはいつも通り。しっとり深い果実味に、じゅんわりとしながらもメリハリのある酸味が溶け込んでいます。果実味は純度高くクリアながら、穏やに旨味が出てますね。甘味を帯びた渋味、どこか柑橘を思わせる赤い果実がとても良い。ゆっくりと浸透するような余韻の長さ。思ったほどヨードっぽさはないかもしれませんが、奥底に塩気がありますね。海を望むエトナの風味。15度を感じさせるものではなく、飲みやすさはたっぷりの果実があるからだし、キチンと酸味を感じさせるのがいいですね。樽の風味もありますが、やっぱり果実主体。ワイン単体で十分楽しめちゃいますが、シチリアらしいお料理、きっと合いますよ。ああ、プラムが出てきましたね。酸味とも密接に関わる果実の特徴。
シュピゲラウのデフィニションのボルドー型。果実の香味はねりねりとまろやかになりますね。やっぱりどこか潮の風味があるなあ。少しのヨードもそんな潮の要素のひとつ。膨大な果実味もありますが、負けないぐらいの酸味があってとても良いね。15度はとても感じさせないし、初日よりもすんなりと飲めるのは酸味と果実味のバランスかな。初日ももちろんおいしいですが、果実味が勝ちますからね(酸味に不足は感じませんが)。そんな酸味がさらに余韻を長くする。パッソピッシャーロはほんとよくなってきたなあ。長らく扱ってますが、エトナの個性の解釈なんだよね。そこに造り手の個性、ちゃんと具現化しています。この手のワインは、すすり飲みは厳禁。しっかりとそれなりの量を含んで下さいね。ワインだけで美味しいし、イチゴ系のベリーやチェリー、プラムの果実味がしっかりしているので、お料理となるとエトナの食文化を知らないので、どうしてもシチリアのおいしいトマトを使った料理、アンチョビ、アサリなど貝類の旨味を足したものがいいかもしれませんね。もちろん、お肉もいい、やっぱり豚かな。脂身しっかり、しっかりローストしてトマトやルッコラをビネガーで和えたものを添えて‥なんかいいのではないでしょうか。酸味ばかり書きますが、渋味もいいですよ、スパイシーな風味と合間って、しっかり脂を流せれる渋味があります。やっぱレベル高いですね。パッソピッシャーロ、やっぱすごいです。
三日目はシュピゲラウのデフィニションのユニバーサル型です。二日目はさらに澄んだイチゴの香りがありとてもいい。あまおうというよりも、古都華。飲めば舶来の野生のイチゴの風味もある。スパイスもあるし、赤いベリーやチェリーの皮の風味もありますね。酸もありますが、渋味も心地良い。強さはあるますが、アルコールは15度に感じないのは相変わらず。いやあ、やっぱりおいしいな、パッショピッシャーロ、間違いありません。
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