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Contrada 4種4本セット Passopisciaro

シチリア州の赤 > Passopisciaro (Trinoro)

→ アンドレア・フランケッティ

	更新履歴 2010/09/09 情報 クリュ4種合計4本セット 販売価格 25,000円(税込) 在庫数 SOLD OUT
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※お一人様１セットでお願いいたします。

コントラーダ4種4本セット／パッソピッシャーロ
《イタリア／シチリア／赤／各ネレッロ・マスカレーゼ／フルボディ／4種合計4本》




西野嘉高が年初の渡伊でトスカーナはサルテアーノのテヌータ・ディ・トリノーロに訪問した際に、サンプルとしてテイスティングさせていただいたワインが到着しました。簡単に申しますと、シチリアはパッソピッシャーロの蔵でパッソピッシャーロとなるネレッロマスカレーゼのクリュラインとなります。いわゆるパッソピッシャーロは、アンドレア・フランケッティ氏が所有する複数の畑からの葡萄をブレンドして醸されるわけで、今回リリースされた四種類のクリュからの葡萄もブレンドされています。

というか、フランケッティ氏の場合、クリュ別はもちろんのことさらに細分化しての発酵と樽熟成が行われ、最終的にアッサンブラージュされるのが基本となります。これまでも、クリュ別に醸造、熟成されていた物の中から、その標高差のある畑の違いや、それに由来する土壌の違いを表現するために、単一クリュでの瓶詰めを思い付いた‥ということになります。きっと、その思想には、マルク・デ・グラツィアが同じくエトナで醸すテッレ・ネレの存在もあるかもしれません。エトナなネレッロ・マスカレーゼでは、いち早くクリュを導入しましたからね。もちろん、それが成功か否かはわかりませんが、今やシチリアを代表する品種はネロ・ダヴォラからネレッロ・マスカレーゼへと‥しかも、高級なワインでは、断然、後者の方が世界的評価、人気も高まっているとも言えますし、なにかとイタリアワインの中では、ブルゴーニュのピノ・ノワール的なエレガントさを持つワイン‥となれば、クリュの導入は当然なのかもしれませんが‥。

コントラーダとは、イタリア語で「名前の付いている畑の区画」を意味し、まさにクリュということになりますね。活火山でもあるエトナ山は、常時噴火しており、その標高により異なる溶岩の流れが地質、土壌に影響を与え、違いを生み出します。もちろん、その80年〜120年の古樹、中にはプレフィロキセラの樹も含まれるという‥最後の聖地ともいえるエトナ山、そしてネレッロ・マスカレーゼ‥。これまでは、各クリュの畑からの葡萄を‥いえ、出来上がったワインをブレンドすることで、エトナを‥パッソピッシャーロを表現してきましたが、実際にはクリュにより、その味わいは相当違うもので、それを表現‥そして感じてもらいたい‥という意思の元、四種類の単一クリュを名乗るネレッロマスカレーゼをリリースしました。

トリノーロを訪れた際に、シチリアで樽熟成中から抜き取ったサンプルボトルをテイスティングさせていただきました。正直、まだ酸味や渋味も熟れておらす、その違いは理解できましたが、判断するには西野嘉高的には経験不足は否めませんでした。また、最終的に、お客様に提供する商品としてのワインでもない状態‥酸味や渋味が豊富‥というだけのポテンシャルだけで判断してもよいのか？という自問自答な疑問も。

今年の1月29日に配信した120.5号に詳細を記載しておりますが、西野嘉高的には、クリュワインの乱立にあまり好意的ではありません。実際に、これらのクリュワインは特別に醸されたものではありません。前述の通り、パッソピッシャーロ‥いや、アンドレア・フランケッティ氏は、クリュ別に醸造をし、それを最終的にブレンドしてきたわけです。今回、これら四種類のクリュは1500本ずつのみリリースされました。確かに、そのクリュの中では、よりそのクリュを表現している樽が選ばれたかもしれませんが、クリュというだけで、ブレンドされたパッソピッシャーロよりも高い価格が付けられています。また、クリュ別にその価格に差があるのです。そして一番恐れていたのは、ワイン誌の評価。ワインアドヴォケイト誌のアントニオ・ガッローニ氏は、92点〜94点まで‥クリュの中にも差が生まれます。基本となるブレンドのパッソピッシャーロは、セカンドというイメージを持たれることになるでしょうし、クリュの中でも差が付けられることは、人気のクリュしか売れなくなるかもしれません。そういうことは、説明はしてきましたが‥やはりリリースされました。そして、当時のメルマガにも書いたように‥やはり、西野嘉高は何事もなかったかのように売るのでございます。

ただ、アンドレア・フランケッティ氏の誤算は、一番評価の高かったクリュに一番安い値段を付けたことかもしれません。あくまでもポテンシャルを計っただけではありますが、西野嘉高が訪問した際に、一番余韻が長かった、偉大なワインに化ける可能性があったのは、同行していただいた林氏と同じく、ランパンテのクリュです。要は標高なんですよね。しかし、一番標高の高いランパンテ‥しかも我々はそれを選んだその畑に一番安い値段を付けてしまったのですから‥。この件に関しては林氏も‥「あいつアッホや〜」と笑ってはりましたけどね。

また、それらクリュは92点〜94点の評価を得たのに対し、ブレンドとなるパッソピッシャーロは93点+と、一部クリュよりも高い評価を受けました。そう、ここでも一番お安いのに‥評価はベベじゃない‥つまり、クリュで高くしたのに評価がベベなワインが生まれてしまいました。

なお、西野嘉高の当時のメルマガには、標高の高い方から‥と書きつつも低い方から紹介しておりましたが、実際には今回のメルマガの順番が標高の高い方から‥の紹介となります。それぞれ価格も違いますし、仕入れもアソートという名の抱き合せでございましたので、西野嘉高もアソートという名の抱き合せ販売をさせていただきます。というか、どうせなら‥やはり飲み比べをして頂きたいシリーズですね。



ランパンテ 2008 コントラーダ／パッピッシャーロ
Rampante 2008 Contrada / Passopisciaro
《イタリア／シチリア／赤／ネレッロマスカレーゼ／フルボディ》


畑名の意味は「高山で斜面をよじ登る動物」。おそらく一番高い位置にある畑（海抜1000メートル）であり、現在も耕作中である。ソリキアッタの町を見下ろしながら溶岩でできた斜面を登っていくと、急勾配の場所に北北東向きの段々畑がある。すでに枯れかけていた古い畑であったが、新規開拓者によって生まれ変わった。土壌は砂礫質で、大昔の流れ出した溶岩が酸化したことで、他の土地よりも白みがかっている。ワインはとてもすっきりとしていて、しなやかさと長命に耐える白ワインのような感じが若干うかがえる。最も収穫の遅い畑。



スキアラヌォーヴァ 2008 コントラーダ／パッピッシャーロ
Sciaranuova 2008 Contrada / Passopisciaro
《イタリア／シチリア／赤／ネレッロマスカレーゼ／フルボディ》



畑名の意味は「新しい溶岩」。エトナ山にある優れた畑のひとつで（他にはグアルディオラとポルカリーアがある）、海抜約850メートル地点に位置する。可塑性のある溶岩は、冬の間はほぼ雪に覆われている水路の中でまるで湿った石炭のようにバラバラになる。一日中太陽が当たるため、濃厚な果実味に加え発酵した干し草の豊かな味わいが広がる。



ポルカリア 2008 コントラーダ／パッピッシャーロ
Porcaria 2008 Contrada / Passopisciaro
《イタリア／シチリア／赤／ネレッロマスカレーゼ／フルボディ》


畑名の意味は「豚のいる場所」。海抜750メートル、理想的な高度に位置する広大な畑。まるで飛行機のような形をした畑で、北向きに突出している。そしてここは、山の裏側に太陽が落ちるまで最も長く太陽光が降り注ぐ。ワインは豊かでみずみずしく、アロマが絶えず変化していく。濃く、骨格がしっかりしていて、すこしキャラメリゼした砂糖の香りがする。



キアッペマチーネ 2008 コントラーダ／パッピッシャーロ
ChiappeMacine 2008 Contrada / Passopisciaro
《イタリア／シチリア／赤／ネレッロマスカレーゼ／フルボディ》


畑名の意味は「ひき臼石を採る場所」。この畑は海抜600メートル地点にある小さな畑で、下層は砂岩層のタワーになっている。その周りは薄く固まった溶岩が広がり、冷たい微風が吹いている。ブドウの根には石灰岩まで到達しているものもあり、そのためこの畑からできるワインは豊かな味わいとなり、最初の一口でまさにそれがわかる。