Cirsium Olvano Romano DOC 2004 Cantine Ciolli
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■チルシウム2004カンティーネ・チョッリ
《イタリア/ラッツィオ/赤/チェザネーゼ・ダフィーレ/フルボディ》
極上のチェザネーゼを探す旅‥。
今年はチンチナートを経験するに恵まれた一年でした。1999年、2001年、2003年と‥現状リリースされている、すべてのチンチナートを飲むことができました。チンチナートといえば‥チェザネーゼ・ダフィーレからなるワインですが‥実は、テヌータ・ディ・トリノーロや、レ・クーポレにも、ブレンドされているんですね(現行の2006年はブレンドされてませんが‥)。トリノーロもクーポレも、その瓶熟成や、抜栓後の時間のタイミング次第では、あのチンチナートの‥あの官能的なエロな‥チェザネーゼ・ダフィーレのニュアンスを感じ取ることができます。いや、ついつい、チェザネーゼ・ダフィーレを意識的に探しているのかもしれませんがね‥。2006年ではなく、あえて2005年のフランケッティをしこたま在庫しているのも‥チェザネーゼが40%ブレンドされていることに期待しているんです。もちろん、現時点でもチェザネーゼらしさを感じることは可能ですが‥いつか、プチヴェルドよりもチェザネーゼが華開く‥そんなポイントが期待できるが故ですね。
チンチナートを飲むまでは、チェザネーゼ・ダフィーレなんて土着品種も知りませんでしたし、その素晴らしさも‥ですが、経験してしまえば…もっとチェザネーゼ・ダフィーレのワインを‥というのは素直な欲求ながらなかなか‥ないのよね。まぁあるにはあるので、いくつか飲んだ経験もありますが‥。
何度も書きますが、チンチナートが今後リリースされない‥という確証もソースもありません。生産終了したわけではない‥と思っていますが、見込みがないのも事実…どうにかして、あのチェザネーゼ・ダフィーレの官能的なエロを楽しみたい‥しかし、自身の私物も数が少なくなってくる‥となると、チンチナート以外を探すしかないわけですね。
もちろんチンチナートを上回るチェザネーゼ・ダフィーレが出るとも思ってはいません。チンチナートに勝るチェザネーゼ・ダフィーレ‥ないでしょうよ。しかし、そのニュアンスを感じ取れれば…チンチナートを経験した者にしかチェザネーゼ・ダフィーレの素晴らしさが理解できない‥のももったいない。もう少し手軽に、チェザネーゼ・ダフィーレの特色、個性を感じられれば‥
そんな、極上のチェザネーゼを探す旅‥最初の駅です。
カンティーネ・チョッリは、ローマから車で二時間程‥人口約6500人という小さな街‥オレヴァーノ・ロマーノに居を構えます。この地域は、チェレステ山麓の丘に位置し、標高は約500m‥古くから葡萄栽培が行われていた地域でもあります。
チョッリ家は五世代にも渡り、葡萄栽培農家を続けていましたが、2003年より自社瓶詰を始めた新しい生産者でもあります。それまでは、地元の農協に葡萄を買い取ってもらっていたようですね。現当主のダミアーノ氏は、精魂込めて栽培した葡萄を自らワインに醸造したい‥そんな強い思いから2001年にカンティーナを立ち上げたそうです。
当時は、ローマの近郊‥つまり、苦せずとも消費が見込める≒葡萄栽培農家としてでも十分に喰っていける環境ながら、その質より量な風潮に嫌気がさした‥わけですが、逆に、他の葡萄栽培農家からは、リスクの高い有機栽培を導入することや、厳しい剪定による収穫量の激減、そして、その土地の土着品種ながら、まったく無名な存在であったチェザネーゼ・ダフィーレを栽培し、ワインを造る事は、理解されなかったそうです。
しかし、近年‥こんなチョッリと意を同じにする生産者も増え、チェザネーゼ・ダフィーレはこの地域で復権を果たしました。元々は、多産品種として扱われ、酸とタンニンの強い品種は、補助品種的に使用されるのが常でしたが、チェザネーゼ・ダフィーレ100%のワインも増えて来ました。
現在、チョッリのワインは二種類が日本に輸入されており(二種類以上生産しているのかは不明)いずれもチェザネーゼ100%となります。スタンダードなそれは、シレーネという名でステンレスタンクで仕込まれています。
そして今回ご紹介するのは、上級バージョンとなるチルシウム。6haと小さな畑は、火山性の赤い色をした土壌‥標高約300mに位置し、樹齢50年という古木から収穫された葡萄のみが、このチルシウムを名乗ります。ステンレスタンクでの発酵後、フレンチオークのバリックで12ヶ月の樽熟成を経ます。
ヴェロネッリ誌2008年度版では、3600本の生産量しかないんですね。評価は初登場の88点(D.T)となっており、まだまだ評価は平凡ですが、そんな平凡な評価が気にならない美味しさ‥保証いたします。
ここでチェザネーゼに関して補足説明をば‥。
ラッツィオで栽培されているチェザネーゼには実は二種類あるんですね。
□チェザネーゼ・コムーネ
□チェザネーゼ・ダフィーレ
前者のコムーネの方は、別名ボンビーノ・ネロと同品種。後者のダフィーレは、チェザネーゼ・デル・ピーリオと同品種となります。ラッツィオ州では、チェザネーゼ・デル・ピーリオDOC、オルヴァーノ・ロマーノDOCがあるんですね。DOCの詳細まで調べきれてないのですが、今回のチリシウムはオルヴァーノ・ロマーノDOCで、チェザネーゼ・ダフィーレ以外は10%までブレンドが認められているそうです。ヴェロネッリ誌などを見てる限りでは、チェザネーゼ・デル・ピーリオDOCのワインは結構あるみたいなんですが‥もっと、チェザネーゼ・ダフィーレの選択肢が増えるといいな‥と思います。
独断と偏見に満ち溢れた極主観的毒味
ベヴィーとまでは言いませんが、ちょっと重めのブルゴーニュ型な撫肩の瓶型‥なかなか、ボトルトップの口の部分がしっかりしていますね。ただし、ラベルデザインは、恐ろしくダサイ。フォント、挿絵‥どれもこれもセンスの欠片もありません。バックラベルに表記のアルコール度数は14度で、生産本数はヴェロネッリ誌の情報とは違い3000本となっており、一応‥シリアルナンバーが書いてありますね。(ちなみに‥毒味のボトルは1130番でした。)コルクは5cmで、なかなかキュッキュキューな良質な感じです。グラスは、ヴィノムのブル型と、ボルドー型で飲み比べてみたいと思います。
さて‥これから毒味を開始するわけだが‥最初に自身に言い聞かせておかねばならないことがある。このチェザネーゼ(ダフィーレ)は、3980円である。チンチナートはおいくら万円だっただろうか‥つまり、チンチナートよりも1万円も安いワインなわけである‥すでに勝負は見えている‥チンチナートを超えるチェザネーゼなどない‥そう思ってはいるものの‥その1万円(もっ!!)安いのは差し引いてやらねば‥それこ考慮して有り余るほどのチェザネーゼな風味であれば‥このチリシウムのチェザネーゼとしてのコスパを計ってあげなければならない。
熟成してるわけではないが、ちょっと茶色を帯びた赤と、紫よりも赤な小豆色っぽいかな‥。底は見える程度なんだが‥濁ってるわけではないが、どこか光が屈折している感じです。香りは、チェザネーゼらしい甘味が強く感じますね‥イチゴジャムに、ブルーベリーのジャムを溶かした感じ‥まだ若く、チェザネーゼらしく香りは強めに感じるが全開ではないし、その複雑さな本性は‥もう少しの熟れか、時間が必要になりそうな気配。ブル型と、ボルドー型では、相当香りの違いがありますね‥。ブル型の方が、チェザネーゼらしい‥といえばそうですが、ピュアな果実味は、ボルドー型に軍配‥かも‥これだからワインは面白い。とはいえ‥チンチナートを飲む時はブル型がデフォなので、ブル型を主軸に‥。
香りに良質の酸を感じますね。そんな甘味のある‥でもカベルネやメルロ的なジャミーさではないが、新世界のピノノワール的なジャミーさの中に、オレンジの柑橘的な酸を感じます。赤く濡れ‥重たさを感じるラムネ菓子‥漢方なスパイスはないわけではないが‥まだ果実味に隠れてますね。
口に含んでみますと‥チンチナートのようなエキス、エッセンスの塊であはありませんが、ワインとして十分の膨らみを持ちます。味わいは香りほど甘くはなく、なかなかしっかりとした酸味が果実味を下支えしてていいですね。タンニンも、まだ若いながらも、いいアクセントになってます。フルボディとまではいえず‥ミディアムな感じかな‥。まだまだだ‥。
ちょっと放置プレイ‥‥‥‥‥
香りが‥チェザネーゼらしい開き方‥ってわかるかなぁ‥芳香と言えば、芳香なんだが、芳香剤っぽくはなく‥放たれる感じね‥うんうん、バイオレットなフラワリーな感じもあり‥どんどん良くなってきてますね。味も深くなってきて、エキス感が出てきました‥うんうん、この状態は合格‥合格。
この段階で‥俺の理想のチェザネーゼ・ダフィーレに近付いてきた感じ。
まだ若いのでちょっと時間が必要なのかも…二日目以降はさらにイイかも♪
ひょっとすると、チルシウムの場合は、ボルドー型の方がいいかもしれませんね。チェザネーゼな果実味のピュアさ‥が感じられていいですよ。
ああああ、だんだん良くなってきた‥。
このピュアなエキス感が伸びるねーっ!!
この感じ‥この感じ‥。
確かに、チンチナートと比較すれば単調だし‥となるが、こんな感じになるなら十分美味しいね‥十分チェザネーゼだな。まだまだ官能的ではないが、エロは確かにある。まだガードの固いエロではあるが、いつか開いてくれそうなエロでもある。
なんやろね‥
このチェザネーゼ・ダフィーレという葡萄品種の魅力というか‥魔力というか‥後をヒク‥旨味っていうかな‥記録ではなく記憶な感じ‥物理的な余韻も長いかと思うが思考の中での余韻が長いんですね。
二日目です♪この二日目はグラスを変更したいと思います。チンチナートは、ブル型がデフォ‥なわけですが、チンチナートよりも構成する要素の少ない、このチリシウムの場合は、ブル型だと、その要素ひとつひとつの面積が大きくなり、その要素間の輪郭線が目立つ‥と感じたからでもあります。ただし、これはネガティブなようで、ネガティブではありませんよ‥なんてったってチンチナートよりも1万円安いんですからね‥3980円のチェザネーゼとして、そのスイッチの入った時点からの密度は十分。ただ、全体的に要素が少ないわけですね。よって、二日目は、初日も案外イケてた、ボルドー型と、もう少し小さくしてオヴァチュアで飲んでみようと思う。
グラスに注ぐ時点で‥初日よりも芳香な感じがしますね。ただし、グラスに注ぎ終わってからの香りの開きは‥まだまだ注ぎたてな印象で、初日と大差ないかも。このチリシウムはグラスに入れてからグングン開くタイプのようですね。
まだジャミーな香りは上がって来ず、熟した赤いチェリーやアセロラ、フランボワーズ的な香りに、やっぱりイチゴかな‥。口に含みますと、初日よりは注ぎたてから旨味を感じますね‥そして、初日は隠れがちだった酸味も‥ジューシーだなぁ。この酸味に関しては、食事と合わせれるチェザネーゼかも?ですね。チンチナートは完全にワインのみで楽しむタイプですから‥。
口に含んだ感じは‥濃密な果実の周りを覆うプルンとした層があるんです。非常に舌や口内になまらかに‥ツルリンとしたグミな感じですね。まだまだ初日のスイッチが入った状態にはならないな‥しばらく放置プレイとなるが‥余韻は長いですね。甘味の少ない漢方で、黄土色や、茶色の粉な漢方なスパイスがふんわりと続く余韻です。オヴァチュアの方は、ちょっと閉まり過ぎかな…窮屈な感じですね。
7分経過‥
グラスに鼻を近付けると甘味を感じますね。甘味な香りが出て来たかな。ちょっと口に含みますと‥うーんエキスな旨味が出て来たっ!!そんなエキス感が出てくると、ボルドー型の場合は、そのエキス感が‥オヴァチュアは、スパイス感がまだ強く感じるが、確かに密度が増してますね。
15分経過‥
おっ、オヴァチュアの方が、どっぷり甘味のある、あのチェザネーゼの香りが強く感じられますね。うんうん、時間が経つとボルドー型も美味しいんだけど‥もっと絞めたくなるかも…ね。ただし初日のスイッチ入った感までは、この二日目は感じてません‥スイッチのポイント‥タイミングあるんだろうね。
全体的にチンチナートほどジャミーではない≒甘味は強くありません。でもキッチリとチェザネーゼを感じれますし、スケールはもちろん小さくなりますし、断片的ともいえますがチンチナートの風味‥そりゃ葡萄品種が同じなんだから当然ですけどね。
三日目です♪三日目は、オヴァチュア一択で飲んでみたいと思います。グラスから放たれる香りは、熟れたチェザネーゼそのものですね‥まとまりと、まとまりと裏腹のいい意味での抜け感を感じますね‥リラックスしてる感じね♪
口に含みます。
旨いです‥じゅんわりとした酸が溶け込んでます。チェザネーゼの果実味がふんわりベルベッティーなんですね。
このオリエンタルな甘味、溶け込んみ‥まとまったスパイス…ミッドパレットから余韻まで奥からの磁力で吸い付くような伸びを見せるエキス‥
これぞチェザネーゼ・ダフィーレだなっ。
この三日目ともなれば、グラスの中で時間を計らずとも、チェザネーゼ(・ダフィーレ)を満喫できますぞ。この三日目を考えると、二日目が半端だったなと思う。
チェザネーゼってのは、ミッドとフィニッシュの間あたりに、喉で酸を感じるんだけど‥フィニッシュあたりになるとスパイスの方が強く感じるんだな。
あと一杯分残していますが‥一応のまとめ。
もちろん、チンチナートの摩訶不思議な偉大さ‥というか唯一無二な個性に及ばない点を挙げると…そりゃ全てさ‥。濃密度≒濃縮度≒エキス感もだし、構成する要素が少ないと感じるのは、チンチナートよりも複雑でない‥という意味だ。特に、ライチな感じは、このチリシウムにはないし、漢方だって、どんだけの漢方をブレンドしてるのか?となると、その要素は少ない。全体的に小じんまりとしてる‥というわけではないし、構成する要素は少ないが、抜けや継ぎ目はなく、ワインとしては素晴らしいものである。チンチナートは別格。チェザネーゼ・ダフィーレという品種が地味溢れる土着品種として感じ取れるのはこちらでもある。
3980円とすれば、十分に楽しめるし美味しいワインであるのは間違いない。3980円でチェザネーゼが感じれるのは‥ある意味お得感あり。この香り、果実味、スパイス感‥トリノーロのワインでチェザネーゼ探しをするなら、このワインで十分でもあるしね。
四日目です♪四日目もオヴァチュアです。香りのレベルは、三日目と変わらず。ふと‥グラスの内壁を見ると、垂れてますねぇ。口に含みますと………………うーん三日目と同レベル‥緩みや酸化‥醤油ちっくなど皆無‥。チェザネーゼって抜栓してから持つんだよなぁ。確かに、チンチナートよりは構成する要素が少ないわけですが、三日目からの、この一体感‥チェザネーゼの個性がよくまとまってるよ‥このワイン。味自体の余韻を短く感じさせるのは、香りの余韻‥鼻孔から‥フン‥と放たれる、その間の香りがいいですね‥長いです。
美味しいよ‥このワイン。チェザネーゼ・ダフィーレ‥楽しんで下さい。
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